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俺の悪魔は色々たりない!   白の祓魔師と首だけ悪魔 (角川ビーンズ文庫)

俺の悪魔は首から下のあらゆるパーツが足りません。
ビーンズの新人さん(2人目)のデビュー作。

住み慣れた屋敷を少年は傷だらけのまま走っていた。腕の中には7歳には余る剣。悪魔に襲われ死にゆく父母から次代へ受け継がれたものだ。入るなと厳命されていた地下室でイトは首だけ封印されている悪魔を見つけた。
イトは右目を代償に大悪魔サブナクと契約した。
それから数年、イトは祓魔師としてアスセナ教会に赴任した。

イトとサブナクがぎゃあぎゃあと喧嘩しながらサブナクの首から下探しをする話です。
愛あるけなしあいです。ニアホモです。あとわたしうたプリ好きなんですが、アインザッツがなっちゃんにしか見えない。あの声で再生されるぞ……。
序盤の序盤からなんかこう、うすいほんを読んでいる気分というかこれは吸血シーンないとおかしいよねっていうか。でも雰囲気耽美じゃなくてよかったなと思います。それだったら百パー投げてたと思う。
サブナクの寝物語のシーンは好きです。パルティータが蔑称的な「聖女」じゃなくてよかったなと思いました。

官能と少女

タイトルどおりだった。ドロドロの百合です。たまに犯罪臭いのもあり、援交あり。
モンタージュが好きで、ゆえに春眠も結構好き。コンクパールはお、おう……と呟き光あふれるは……(゚д゚)! だった。

「幸せな家庭を作ろうね。ずっと幸せでいようね。だからずっと愛してね」

(P104)

重さに転がる。いろいろとびっくりする方向に転がったのだ。

代々木Love&Hateパーク

3月の最後の日曜日、今年は25年ぶりに代々木公園に「チェッコさん」が現れる。
この日の公園には高校の演劇部・ロケ中の芸能人・売れない漫才師・ロカビリーグループにネットアイドルとオタ芸グループ、それからホームレスがいた。

群像劇、というのは知っていたのでドミノ1かゴールデンスランバー2みたいなのかなあと思ったら軽快に人が死ぬ神家没落3だった、みたいな。
代々木公園にまつわるある都市伝説。サスペンスとコメディと。

下は中学生上は50代まで入れ替わり立ちかわり登場する人々の愛憎。壁井さんでこういうのは初めて読むなあと思ったけど、ところどころの薄暗さは壁井さんだなあと思った。弓弦の死の間際のシーンは「悪い家族じゃなかった。好きなところもあった。好きだった」でも気づいたときにはもう遅いって感じであばばばばば。好きな登場人物は柴だったのであばばばばば。大変面白い本でした。積んでる五龍読む。

  1. 恩田陸 []
  2. 伊坂光太郎 []
  3. 恒川光太郎 []

お友だちからお願いします

エッセイ。今回はいつもと違って掲載媒体的にいつも比ちょっとよそいきな感じ。
弟からの呼び方が「ブタさん」から「トンタク」にグレードアップしているあたりしぬほどふいた。

「この道を夜に通るひとは、なぜかよく歌うのよ」
私のぼやきに対し、父はこう言った。
「さびしいと歌うんだ」

(P59)

ここすき!

あとキリストの墓に関するあれこれがなんかほんとうにすごいとおもう。突っ込みのない文化。
国内で一番異世界かもしれない。

プリティが多すぎる

出版社小説。
週刊誌から文芸へ行きたかった佳孝の異動先はローティーン向けファッション誌「ピピン」編集部だった。
苗字が「新見」ということで南吉と呼ばれ、ピピンは同系列他紙と比べてダントツの売り上げを誇るが、佳孝はなにがいいのかまったくわからないままの船出となった。
最初は企画とか対象年齢とかがわからないゆえの壁にぶち当たる話とかあったけど段々ティーンズモデルの話になったような。広告会社とかモデルになるための壁とかオーディションとか。
これはなんかリンクしてたやつがあったと思うのでそっちも読んでみたい。

「その特別って、幸せなんでしょうか。数年間の特殊な経験のために、支払う代償は大きいってことですよね。延々とかなわぬ望みを持ち続けてしまう」

(P273)

サエズリ図書館のワルツさん 1 (星海社FICTIONS)

電子書籍なんて駄目だ本は「本」というかたちだからいい。嵩張ろうが重かろうがこの形を愛している、というひとはもれなく読むといいと思います。

1話を見る限りではちょっとドジなOLカミオさんが失敗したがゆえに知ることのできた「サエズリ図書館」という場所と、本を巡るちょっといい話 という感じなのですが、話が進むにつれてこの世界を取り巻く環境は生易しいものじゃねえぞというのがわかっていきます。

この世界は電子書籍が当たり前になっていて、「本」というものがいかに貴重で高価な嗜好品になっているか、そういう中で貸し出しカードを作れば誰でも無料で一定期間本を借りられる「サエズリ図書館」というのがいかに異様な場所か。本のことならなんでも来いな司書ワルツさんかと思えばこの図書館は全部わたしのものたくさん亡くなったんだからひとりひとりのことはどうでもいいって、もうひとりぐらい死んでもいいって思えますか?っていえるワルツさんまじぱねえとおもった。

「わしは毎日本を読むがね、娘はわしの本好きを、贅沢趣味だと渋い顔をしたし、端末映像やデータのほうが万倍面白いと、何度も言ったよ。それは正しいんだろうと、わしも思う」
続いて落ちた呟きは、悔いのようであったし、諦めのようでもあった。
「行き過ぎた執心は病だ」

(P37)

わたしの周りは病んでる人が多すぎる。

封殺鬼 クダンノ如シ 下 (ルルル文庫)

神島桐子編完結っていつからのことだと思ったらそういうことかと思ったクダン下巻。
家のこととか喧嘩を売られたからとかそういうのじゃなくて「妙子を助ける」ということで動いてるから桐子マジヒーローな感じ。「友情」を理解する桐子まじ女の子していてかわいい。
時代はこれから暗闇に突入するしキャンバス文庫のあれ的に二人の未来もあれなんですが、いい話だった。
しみじみと幸せなんやなっていってる聖もなんかじーんとするし、お前が誰よりも幸せになればいいと思ったっていってる逸人もいい。

シュガーアップル・フェアリーテイル  銀砂糖師と虹の後継者 (角川ビーンズ文庫)

銀砂糖妖精編終わり。
妖精商人から妖精を買って砂糖菓子職人として仕事をさせ適性を見定める、の巻。
妖精の歌がいい。シャルがよくがんばった!あとはあれだなあ。ミスリルの死亡フラグ。

銀の竜騎士団  黒の皇子とウサギの誘惑 (角川ビーンズ文庫)

今回から「王女のたまご」編。大丈夫だろうか1

帝国の皇子アルシェイドとおなじ顔をしているということで密偵容疑で拘束されるスメラギ。
シリスの手によるもので、スメラギの出自はいずれ明らかにしなければならないことでこの手を打ったということだ。
アルシェイドは王女シエラを自国の正妻的扱いをするということで婚礼を求めてきた。

最初に戻るんですが、私的にこれはシリスが幸せになって、スメラギがもうちょっと幸せになったらそれでいいという点である。

  1. わたしビーンズの○○編というものにあまりいい印象を持っていなくて、いつぞやのシュガーアップルの時も書いたけどあまりにも脱落しているので最後まで見届けられるかなあというのを考えるのです。終わるのは終わるので嫌だけど脱落するのもするのでねえなかなかねえ。 []

初恋グランギニョル (ルルル文庫)

鮎川さんの新作。なかなかカオスです。
最初20ページぐらい読んで「突っ込んだら負け」という雰囲気がありありと。
「雪ノ下家に生まれたからにはひとつの分野を極めよ」というのが家訓である。遥が極めようとしているのはゲーム。引きこもって日々ゲームをして暮らしている。人は彼女のことを「優雅な引きこもり」と呼ぶ。

各方面に名前を馳せているゲームプレイヤーに送られた1通のメール。
島を一つ買い取ってゲーム用にあつらえた環境で行われる「ヴィエルジュ・ヘルツ」に参加した8人のゆくえは!
少女向けで楽園島からの脱出です。
各界のゲーム廃ですが社交性溢れる美少年美少女です。序盤は突飛の塊ですが割とベタなところもあります。
もっとがつっと死んでもよかったんじゃと思う辺り私が黒い。

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