カテゴリー「 読了 」の記事

1991件の投稿

ようこそ、古城ホテルへ 湖のほとりの少女たち (角川つばさ文庫)

魔山を追放された魔女、所属を失った軍人、「普通の女の子」になりたい娘、亡国の姫君。
居場所を失った4人の少女が呼び寄せられた古城ホテル「マルグリット」で女主人を目指す物語。
現主人リュシエンヌの審査に叶わなければマルグリットからも出て行かなければならない。
4人はそれぞれ与えられた塔で客をもてなすという試験に挑むことになる。

最初はばらばらで剣呑な雰囲気だったのが一致団結しだしたあたりでとてもほんわかする。
フェノンのところに来た客は千と千尋の川の神様っぽい。
まあ一推しはジゼットですよジゼット! 悪いがお祈りは心の中ですませてくれっていうあのイケメンぶりな。
あとマネーロンダリング笑った。

「あたくしはもうなにからも逃げない。そしてもうなにも諦めない」
彼女には力はなかった。国も、味方も、なにひとつ。それでも彼女は、強い瞳で今と未来を見据えてこう言った。
「戦うわ」

(P112)

シュガーアップル・フェアリーテイル  銀砂糖師と黄の花冠 (角川ビーンズ文庫)

銀砂糖妖精編開始。
カバー袖の表示が○○編とかいうのに変わったので「簡単に終われない」ゾーンに入ったのかなあという気がします……。
ペイジ工房を離れて僕と一緒に工房作らないといわれて返事を悩んでいるうちに王家からの召集がかかった。
集められていたものは各派閥の実力者と未所属の職人、いずれも若く才能ある職人ばかりだ。
依頼人は王妃マルグリット。依頼内容は重要、いずれ銀砂糖子爵への候補者となる。ただし依頼を受ければ途中放棄不可、依頼によって得たすべての情報は他言無用。覚悟のないものは去れという条件がつけられていた。

明かされる王家の秘密と長年にわたって囲われていた銀砂糖妖精。
大樹から生まれ600年のときを生きるルル・リーフ・リーンは妖精王リゼルパに仕えたこともある、銀砂糖を扱う妖精の最後の生き残りだ。銀砂糖妖精が持つ技術は人間より格段に高い。しかしルルの寿命が尽きる日も近く技術が失われる日も近いということだ。技術を残すためアンたちが呼ばれた。

シャルが心配している様が大変よいな。蓑虫状になっているアンの傍に座るシーンとかわたしは大変好きだ。
あとキースがとても青少年らしい。焦りとか所有欲とかなんかもてあまして、ぶっちゃけむらむらしてる感。超青い。

GOSICK -ゴシック- VIII 上 ゴシック・神々の黄昏 (角川文庫)GOSICKVIII下‐ゴシック・神々の黄昏‐ (角川文庫)

もったいなくて読めなかったGOSICKの完結巻を2011年の終わりと2012年のはじまりに読む。
作中時間と現実時間がいい感じにリンクしていた上巻。
クリスマスの村でヴィクトリカへのプレゼントに15個を謎を集めていた一弥は村の異変に気づく。それは二度目の嵐の前触れで日常の終わりを告げるものだった。

2人が引き離されて以降の展開が本当に惨状だった。
コルデリアはアルベールの直接対決のところが本当にすごかった。大人らしい格好良さだった。
たくさんのものを失いながら光のある方向へ走るヴィクトリカと、ずっと腫れ物に触るようだったグレヴィールの叱咤と、戦地から送る一弥の瑠璃への手紙がすごくせつなかった。風には勝てない。でも心ははなれない。
ヴィクトリカを置いてソヴュールを離れることになってしまったことが重くのしかかって、自分を許せないでいるあの手紙のところは好きだな。

グレヴィールがただのイケメンに戻っていてこれはなにごとだ……! とおもった。

「大切、すぎて。だって、君って人を失ったら、ぼくはどうしたらいいのかわからないよ。なんのために生きているのか。このさき、君以外の、いったいなにをうつくしいと信じて生きていけばいいのか。ぼくはなにもわからなくなっちゃうから……」

(上巻 P119)

「世界がどう変わろうとも、これきり、君と離れるものか」

(下巻 P217)

お帰りください、勇者さま (f‐Clan文庫)

干ばつによる食糧危機と魔物の侵攻という災厄に見舞われ滅亡に瀕している国は勇者を召喚することにした。
そして異世界から若き青年が召喚されてきた。武器はもってなくてちょっと予想と違ったが召喚がうまくいってよかった。ダークスーツを身にまとい黒髪に眼鏡、7:3にわけた髪型、あれこそが24時間働ける「キギョウセンシ」!
企業戦士とかそんなのとっくに親父が若かった世代の話だよ。俺これから入社式あるんすけどここどこですかなんですか。

そんな感じのかなりライトでコメディな勇者が世界を救う話でした。
この勇者、わがままが多いだけのだめ勇者じゃないか……! と召喚してしまったがゆえに色々気苦労を背負い込む神官の話でもあります。結界を張りなおすための必要条件には勇者が必要なんだ! みたいな。
日帰りクエストとかあったころの昔のスニーカーっぽい懐かしい雰囲気で逆に新しい感はあるのですが、なんせ雰囲気がとてもライトです。面白いけど物足りない、そんな感じです。

はなあそぶ−淵国五皇子伝− (一迅社文庫アイリス)

淵国五皇子伝最終巻。
繁のカーチャン色気がやばい(ピンナップ)
3人の呪いを解いていよいよ間近にやってくるカナンと善の結婚、の前に郷がカナンから離れずべったりである。

最終巻はついにやってきたビジス皇帝との最終対決! \ 最終対決! /
あれは本当にただのビジス。暗黒雑炊作れる。

今回は随所にオブラードだった。お母さまがいるのよはちょっと昼ドラみたいだった。オブラード分厚かった。
まさかのNTR未遂であった。母との対面シーンではりっちゃんと天香が一番だった。母キャラピンでは金花1択なんだが。りっちゃんが天然で晃が乙女吸われていて可愛い。パンダは主従を守ろうとしてしてなんかおろおろしているりっちゃんをてのひらで転がそうとして逆に転がされてしまえ。

啓がパフューム好き過ぎて意味が分からぬな! あの子は頭はいいのにあほのこでかわいい。
啓がもし女子だったら「血がつながらなかったらわたし達結婚できるのよね」って無理やり押し切られてゴールインしている。カレカノの浅葉君みたいなものだよな。
なんですか。ごちそうさまでしたっていうことですよ。家族の話はよいものだ。これからもよい家族だといい。

バカとテストと召喚獣10 (ファミ通文庫)

Aクラスと再戦。作中時間にして半年振りらしい。
久保君が残念な眼鏡じゃなくてふつうに強くてびっくりだ。明久戦がすごかった。ラスボスっぽかった。
あと姫路さん可愛いわあ。
バカテストは第4問で笑った。あと「びぶん……?」ってなった。微積分は遠くへ行ってしまったよ。
「俺たちはFクラスは最強だ」でスラムダンクを思い出す。

プリンセスハーツ 大いなる愛をきみに贈ろうの巻 (ルルル文庫)

ルルル文庫創刊ラインナップの最後のひとつが完結1
長い物語が完結するところに立ち会うのはとても体力がいることで、泣いたり転がったり叫んだり転がったり、最終的には首根っこがっつり掴まれて本閉じて深呼吸するぐらいしか出来ないので読み終わるころにはもう息切れしています。

いつもは多くの人間のために使っている頭を僕のことでいっぱいにして、ほかのことなど考える隙もない。まっすぐな殺意だけを胸に、今にも僕の目の前に現れるだろう。

(P137)

もうここからのリドリスがもうひどかった。
わたしちょっと落ち着かないと泣くぞ泣くぞおい泣くぞとわかってたのにだらーんとなった。あんな悪役然とした登場だったのにちくしょう。死に様まで格好よすぎだった。それだけですむならまだしも170ページのあれはひどい。こっちの息とまるわ。

『私は、去らなかった。自分自身の意思で。それが私の生。どんなに短くはかない意味のないものでも、私の生』

(P230)

思わず11文字の伝言を再生して転がった。
廃園から出られずともルシードに会えた人生は幸せでしたか。

パパラギが予想外にがっつり絡んできたのが意外だった。お前割とすごいやつだったのな。

そんなわけで仮面夫婦の初夜ゴールインおめでとうございます。散々な戴冠式の朝おめでとうございます。
とんだ食育でした。豚に救われた。まじでwwwwwwwwwwとしかいいようのない気持ちだった。
これから待ち受けているのは一筋縄ではいかない公務でしょうがせめて夫婦は仲良く暮らしてください。
とりあえず同人誌が楽しみです。

  1. 封殺鬼はまだ帝都万葉があるけど鵺子で一端店じまいしたカウント []

シャイターンの花嫁 偽りの巫女姫と影の王子 (一迅社文庫 アイリス く 1-2)

サンホラーが釣れるタイトルですが、この世界のシャイターンは封印されていた炎の悪魔ではなく精霊王にまつろわない呪いを残す精霊です1。あと主人公の女の子は死にかけたり愛すものすべてその腕をすり抜けたりしつつ、弱い私は誰を憎めばいいかちゃんと分かっています!  らららーららーらららららるー
花嫁で巫女姫ですがふわふわもきらきらはしていない復讐の物語ですヒャッハア。

10年ごとに王を輩出する氏族が変わる砂漠の国カダル王国において、別格の精霊王との契約を統べる巫女の一族フェッダ。その巫女のカミリア姫の形だけの近衛兵となったアイシャの物語。
巫女姫と一族を失いフェッダの宮殿は炎に消えた。アイシャは精霊王に仕える精霊のナーギに支えられ燃える宮殿で遭った黒衣の男への復讐心とともに剣の腕を磨き、「カミリア姫の生前の姿」に変身できる指輪を手にこの4年間を過ごしてきた。
そしてついにそのときがやってきた。現カダル国第1王子マハールか、マハールの軍団のうちの誰かがおそらく「カミリア姫を殺したあの黒衣の男」なのだ。アイシャはカミリア姫の姿でマハールの元へ嫁ぐ。
アイシャの中で黒い熱が力を帯びる。「近衛兵アイシャ」の人生はこれで終わりだ。これからはカミリアの亡霊として生きる。絶望の淵に立たせて後悔させてから殺してやる。

アイシャは「カミリア」として嫁ぐと同時に、初対面から副将軍のカファスに気に入られアイシャのままカファスの部下になる。アイシャとカファスは可愛い。追いかけっことかなんの燃料か。罪深い人間になってくれ!!!!
210ページの「私はあなたを殺すために、ここまで来た」っていうあれが死ぬほど好きなんですよええ!
何の燃料か!!!!! あらためてここのところを見るとどんな思いでカファスこれ聞いとるんや。というかアイシャ=カミリアを前にするカファスはどんな思いだった。やべええええ、と叫ぶ。
あとわたしは後半のカミリアになりたい。あのねじれた感がいい。ああいうキャラをやってみたいものだなあ。

ナーギはシャイタン2っぽい。甲斐甲斐しい。悪役もする。今あえて問うている。
大きい獣はいい。もふもふできる。わふわふいってる。

「もっともだな。だが、わたしは戦場で育った。もう、平和に暮らしていた年数より、戦場から戦場へと飛び回っていた年数のほうが長い。わたしの教師は戦場の将軍であり、わたしの遊び場は死体の転々と転がる荒野だった。恋歌の代わりにハゲワシの声を聞き、戦士の死を悼む歌と、昂揚して戦場を走り続けるための歌を聴いた」

(P80)
  1. まあ悪魔っぽい成分でもあるけど。 []
  2. 炎の悪魔のほう []

百億の魔女語り4 魔女って一体なんなのかしら、ねえ-- (ファミ通文庫)

最終巻。面白かったけどやっぱり4冊は早いなあ。周りの人々の話も読みたかった。
アディリシアとともに姿を消したエーマを追ってアルトとモニカはかつての敵の力を借りて禁じられた島へ向かっていた。

物語的にもエーマとアルトのあれこれも落ち着いたけど、5年後のフォリーナとかアディとジノのその後とか、やっぱりすごく読みたかった。あとリリカ様がずっとおサルだったのに驚いた。リリカ様がラスボスもしくは最終決戦の前に美老女となって登場してもまったく不思議ではないと思ってたよ。
竜が出てきたりして、放課後のアディリシアの重要さな話っぷりに驚く。まあこの物語の「すべてのはじまり」がアディリシアにあったものだったからそういうものか。

「誰も害せぬ限り汝の望む事をなせ」というあの一文をみてかつての東方魔女読者はとても感慨深いです。
男は魔女になれないけど魔女は生き方です。次のファミ通文庫新刊はあの長文タイトルのあれですね。

金星特急 5 (ウィングス文庫)

金星特急5巻。グラナダへ向かっています。
twiterでたびたび「鳩の子だよ!」って言ってたのは金星特急を読んでいたからです。
錆丸が本当に成長期だなあ。暁玲と揃ってがたがた震えていた頃とはわけがちがう。強くなってるなあ。

平和を願って作られた言葉が世界から平和を取り除いてしまったっていうあれがとてもいい。

233ページとかあのへんはやばい。砂鉄の癖に! ほらあとがきのほうのあれが来たら通帳出すわ。

「骨の砂漠を遥々と」のラストでうっかり三月に転びそうになった。転びそうになった!!!!!!
あのもえのかたまりぶりはやばい。血飛沫がぶしゅあっとかあれはやばい。とてもやばい。俺そいつ殺したいとか鼻血出るわ。そして錆丸の「俺、弟になるよ」にぶっころがった。ただでさえ夏草と三月はロマンがいっぱいなのになあ。そんな血を血で洗う展開なのにあの人に恋をする権利をくださいとかね! もうね! 

「こんにちは、世界の皆さん」
レンズに向かってにっこり微笑んだ。肩に、腰に、ふわりと赤い布が巻きつく、演出効果はばっちりだ。
「金星特急に乗り遅れた蝶の子でーす」
ばちんとウィンクをすると、辺りが一瞬静まりかえり--------凄まじいどよめきが起こった。

(P112)

おおコウスケよ、えらべないとはなさけない! (富士見ファンタジア文庫)

竹岡葉月新作。ただ女の子のどっちかを選べばいいだけの話ではない気がするラブコメ。
野球部で朝昼夕土日と野球漬けの生活を送っていたのが、事故って入院をきっかけに「俺もう野球やらなくてもよくね?」ということで図書室でだらだらしている昴介(中学2年生)
図書室にいるからといってもぼーっとするだけだったのが蛍に「この本読んでみない? 最後まで読めたら同じことしてあげるよ」と「抱擁への道程」を渡されたのが読書人生まっしぐらとなるきっかけだったのだ。
その後蛍は昴介の前から消えるが、高校入学後蛍ととても似た彗と出会う。

実在する本が色々とできて、本をあれこれ薦めてるシーンが覚えがある……というかつい最近もこういうのがあったのだ。実在する繋がりでランガナタンって実在するんだというのを知った今日。図書館戦隊ビブリオンの登場人物という認識しかなかった。

妄想描写がいきなりぽーんとはじまるんですが、まあ10代半ばの青少年だしいいんじゃねーのと思ったりした。あとコースケ☆スターダストってそれなんていうDAIGO。

1冊まるごとプロローグっていう感じなので1冊ですっきりというのはないんですがこれからあるだろう修羅場を想像するととても楽しみでならない。でもこれってちゃんと「二人」出てくるのかなあ。
ちなみにこのエントリには続きがあってそれがこれ。

恋愛嫌い (集英社文庫)

連作短編。
恋愛願望がないとか感情に溺れられないとか一人で生きていたいとか、恋愛が苦手なんですという女性3人組による物語。一話目はそんなにピンと来なかったんですが、一人で生きちゃ駄目ですか? 以降は結構好きだった。ちょうど秋なので「物寂しい抱き枕ほしい」期を長期にこじらせたころだったころに読んだので、あるあるあるwwwwとなった。

これの感想を書くにあたりハードカバー版の書影を見たのですが「あれか!」と思い出した。
あっちは下着女子が表紙だったので読もうという気にはならなかったんだった。

大切なのは、自分でいられる場があるかどうかだ。その意味で荷風さんは幸福だったろう。個人主義者やネットおたくの「自分大好き」ぶりは、世間さまの攻撃の的だけど、ほっといてちょうだい。自分嫌いの八つ当たりで他人を傷つけたり殺したりするより、いいでしょう。

(P86)

なりそこない (f-Clan文庫)

休暇を山中のコテージで過ごそうと、野菜やハムを買い込んで向かってみたらそこには既に先客がいた。
コテージには5人の男、1人の赤子、1匹のシェパード。自分の足で来られずはずもなく身元の知れない赤子はここにいる誰かが誘拐したのではないか? 最早終バスも行ってしまい疑心暗鬼の中5人は一晩を過ごすことになる。個人情報は明かしたくないとなるとさしあたっての名前をつけるのみ。25才から45歳まで5歳刻みで揃っていることから、それぞれ「ニコ」「ミレイ」「サンゴ」「シオ」「ヨソジ」と自称することにした。

疑心暗鬼にはじまるけどそれなりに打ち解けるのでそんなにギスギスした関係は続かない。
女はいない1けど不思議と「華がない」と感じることはなかったな。もともと華が不要な内容ではあるんだけど、この場に女キャラがいたらヒスるとかプライバシーの保護とか面倒だもんな。同性しかいない気安さがある。というか女がいたらニコが大変だ。
やがて5人はぽろりと心情を漏らすようになる、と。

高里さんが講談社以外で小説書いてるからびっくりした。漫画原作はしているけどデビュー作からずっと講談社だもんなあ。

  1. 強いていうなら赤子が女児なのですがニコが可愛いだけで特に影響はない []
PAGE TOP