小説すばるの辻村深月新作なのですがやばいなこれも。
母の赤毛のアン好きが高じてアンと名付けられた田舎の中学2年生の話です。魔王とか!
yomyomの読みきりのアイドルの心得とかも割とそうだったんですが、共感が行きすぎて「よせ、やめろそれ以上言うな!」ていう気分になります。

わたしは、なぜタダで70日間世界一周できたのか?

タイトルは釣りタイトルでした。自腹を切ってないだけで「タダ」では旅行してません。
「私は世界一周がしたいです。これこれやるので旅行資金やパソコンなど世界一周するにあたり必要なものを提供してください」という感じで色んな企業に自分の企画を売りこみプレゼンをして資金を獲得してます。そのため旅行中であってももちろん仕事をしています。

文章のリズムとかテンションが全体的に基本ローで時々上がって時々愚痴っぽいです。
「旅行だけど、100パー遊びの旅行ではない」ため観光より仕事を優先しないといけない時があったり義務としてブログ更新もしないといけません。この行動力は素晴らしいと思いますがkmpの旅行記みたいな「私も行きたい!」と思うような何かがなかったのでその辺がちょっとしょんぼりでした。
前半がなければ本当に「過酷で過密な世界出張」という感じの忙しい旅でした。

colorful - 眉山秋フェスタに行ってきた(3)のエントリの一番最後に載せた写真みたいな、「ピンクとスカイブルーが混ざった日没後数十分しか見られない幻想的な空が見える時間帯」のことをマジックアワーというそうですよ。英語でトワイライト、ということは逢魔時か。

死神姫の再婚—孤高なる悪食大公 (B’s‐LOG文庫)

99ページ!
インパクト大賞でした。雨悪は大変だ。

カシュヴァーン様可愛いよカシュヴァーン様。ていうか表紙のカシュヴァーン様超若い。
冒頭から指輪サイズを測ろうとしているところがとてもにやにやする。

わたしカシュヴァーン様は女になったらプリハーのジルみたいになると思うんだ。(※ただし平静時に限る)
もっとわたしを可愛がりなさいともっと俺だけを特別に扱えは方向が似ていると思うのだ。
(↑白文字はプリハー最新刊1ジルの台詞が沈んでます

アリシアの「カシュヴァーン様はたぶん上手」とか子作り関係がわたしの腹筋超大打撃だった。死ぬ。
あと夫婦べろちゅーしすぎ。ノーラとティルは可愛い。

悪食大公グラネウスは死神姫のなかにおいてかなり真っ当な大人ですね。そして随分多才ですね。
服とかのセンスはあれですが。

あとラグラドールを見るたびにラブラドールと一瞬読み違える私の目はなんとかなりませんか。

「……ああ、そうだぞ。俺より先にあいつにしてはいけないことだったんだぞ。だからといってこれからはしていいという訳じゃないからな。くそ、俺だって本当は仕事なんかせずに、ずっとお前といちゃいちゃしていたいんだからな」

(P152)
  1. 現時点での []

イタリア的○○生活—ジローさんのエッセイ傑作集

本3冊分と連載2つ分を収録したエッセイ。
ジローラモはたまにナイナイの番組に出てるLEONの人というイメージしかなくてどんなひとか初めて知る。
エッセイは主にナポリの生活や食べ物や人々の話など。
一つの話は短いですが量があるのでとても読み甲斐があります。そしておもろいです。
いつぞやにニュースで「市内で真のナポリピッツァ協会から認定を受けた専門店がある」というのをみたのであれをいつか食べてみたいものです。あとブリオッシュ1がきになります。

ていうか夫婦喧嘩のターンがおもしろすぎた。
皆玄関前の中庭を覗き込んでいる。何かと思えばこれから夫婦喧嘩がはじまる。
門番のおっさんが「喧嘩がはじまるぞ」とにやにやし夫の名前、妻の名前、夫の罪状が解説される。
妻が旦那を罵る。野次馬共感の声を上げる。妻色んなものを投げる。夫それらを避ける。門番が実況する。
夫、反撃に出る。妻噛み付く。夫悲鳴を上げる。門番がそれらを実況する。

どれほど時間が経ったろうか、今は土下座姿勢のヴィットーリオと見つめ合っていたティティーナが、ぽとりと包丁を落とし、愛する夫に駆け寄るとワっと泣きついた。それを受けてヴィットーリオも、ぐいと妻を抱きしめる。

(P189)

ただの夫婦喧嘩なのになんだろうこのよくできたドラマチック。

ナポリってそういえばイタリアのどの辺だろうと思ってぐぐってみたら南イタリアなんですね。
それを知った直後に「いったいなにが言いたいんだ、コノヤロー」(P114)とでてきたのでトマトが飛んでくるような思いでした。
これはジェスチャーの項にあったんだけど、はじまりが「ドイツ兵と日本兵とイタリア兵が捕虜になりました。椅子に縛りつけられて拷問されています。さて、誰が最後まで軍事機密を漏らさなかったでしょう?」(P110)というのにげふふふんとなる。ちなみに答えはイタリア人だそうです。そのこころはジェスチャーができないから。特にナポリ人はジェスチャーがすごく発達してるんだそうです。
「彼はロマーノ(ローマ人)で地理的にもナポリとは遠くなかったので」(P200)とか出てきたときにはやばい! とおもった。トマティーナ開催モードである。

日本の団体のことを陰でなんて呼んでいるか知ってますか。「羊」。イタリアでは羊はけっして良いイメージではない。羊は群れをなしていて、1匹が崖から飛び降りると、それに続いてみんな飛び降りて死んじゃうんだ。

(P85)

「はい、グアルダーテ ルッチェリーノ(小鳥ちゃんちゃんと見てください=写真を撮る時に使う言葉)」

(P183)
  1. パンにジェラート挟んだやつ []

再活性者サクラ (角川ビーンズ文庫)

!注意!
今回の白文字反転の部分にはマルタ・サギーは探偵ですか?〈5〉探偵の堕天のネタバレが含まれていますので未読の方はご注意ください。

ビーンズ初期作品。フリーダムだなあ。
あとがき曰く「『15冊ぐらい続いている話の間に挟まる1冊完結の話』みたいな感じでお願いします」という依頼でただしくそんな感じに仕上がっています。「わたしは好きだけど人には薦めない本」がまた1冊増える。
ちなみに同じカテゴリにはヘブンリーが入ってます。

ちょろっと読んだその夜、自分が吸血鬼になった夢を見たので読み進めることにしました。
ちなみに夢の中では5人ぐらい吸いました。味覚がある夢で「年寄りの血は不味い」という設定でした。

8ページと9ページの間に何があったのかを想像するのが異様に熱い本でした。
ずっと傍にいてくれとかいってたひとが命を奪いに来てるんだぜ! そこに何が起こったんだ! みたいな。 
でもその辺は説明されません。1

サクラは異世界からの漂流者です。日本人です。でも「異世界へ召喚された高校生」とかそういう方向ではありません。契約を交わして人間2の血を吸うヴィアローという種族の王を追いかけてこの世界へやってきたのでした。

ていうかサクラの「元の世界に帰りたい?」「今更帰ってもな。もうあまり覚えてないし」の次、八年。人が何かを諦めるのにも、人が変わってしまうのにも、充分な時間だ。(P57) にマルタを思い出す。蓑崎にいてもずっとオスタスのことを忘れないでいつか戻ることを諦めなかったマルタが別の世界のサクラなのかもとちょっと思った。

  1. むしろ15冊ぐらい出てるっていう設定なので、多分もうその時点は過ぎている []
  2. ミアリー []

世界の中心、針山さん〈3〉 (電撃文庫)

(比較的)短編集(寄り)。
なよ竹懐かしいなあ。この号の電撃hpは買った覚えがある。そして何ヶ月か前に解体した。
宇宙人が出てきたりロボットを作ったりMIBだったりとてもロマンな巻です。工場長の話が好きだ。

「かっこいいからだよ」

(P255)

児玉清の「あの作家に会いたい」

対談集。出るのが25人。本は220ページなのでひとりひとりにはあまりページが割かれません。
児玉さんが作家の読者道をやってみましたという感じでした。

ところで最近「BS20周年記念CMみたいなの」の児玉清バージョンがかなり好きです。

顰蹙文学カフェ

文学な鼎談集でした。
中原昌也さんって多分この本ではじめて知ったんだけどすごく面白い人だった。
ひんしゅくについて語ったり新聞社の連載で出版コードとかある?とか文学賞の選考会ってどんな感じになってるのとか小説についてとか最近どう? みたいな話をしていた。
インタビュー集とか対談本は時々すごく読みたくなる。本に関する話は特に人が話してるのを聞いたり読んだりするだけでもおもしろい。そういう機会がないから飢えてるんだろうなあとおもう。

高橋 本当は厳しい批評って、必要だと思うんです。さっきの江藤淳とか平野謙って、自分が言われたらきついかもしれない、でもその通りだもんなというようなことを書くわけじゃない。本当に真剣勝負みたいな批評で、それはいいことだと思う。ただ、実際にそういうことを書いても、つまり本当に批評的な意味で書いているのに、個人的な恨みみたいに見えちゃったりする。
山田 うん、あるね。でも、そう思わせないのも芸でしょ?
高橋 やっぱり狭い境界だなと思う。そういう中で、あいつのつくった作品がくだらないと書くと人格否定みたいな受け取り方をされかねない。そんなことになるぐらいだったら書かないほうがいいとなっちゃう。江藤さんや平野さんが現役でいた頃は、もう少しこの文壇というか、文学の世界は広かったような気がする。批評の言葉と、そういう個人的な罵倒みたいなのの違いが、見えやすかったと思うんだけど、その世界がだんだん縮小しているので、直接的に突き刺さるような気がするんだよね。

(P77)

高橋 小説って、書いたものがあって読者として読んでというのは一対一でしょう。もちろん、それがふつうに小説を読むっていうことだけど、集団で読む楽しさもある。僕は選考会という場が好きなんですが、あそこって批評の場でもあるんですよね。実際に候補の作品も扱っているけど、そのうちそれはどうでもよくなっちゃって「小説っていったい何だ」という話になってしまう。

(P243)

高橋 選考会で一番おもしろいのは、いくら読んでもよくわからないものがあるじゃないですか。それをみんなと話し合って、もしかしてわかるかもしれないと思って持ち寄る時。
山田 「へえ、こういう読み方あるんだ」って思うもんね。同時に「こういう読み方もあるのか。でも私は違う」と絶対思う。

(P245)

シャトルバス乗り場を目指してのろのろ歩く。

その1

続きましてわたしのなかでのメインイベント「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」トークイベントです。

俺妹のトークイベントが13:30-14:30といちばん暑い時間帯で影とかないので、日射病にご注意ください気分が悪くなったらスタッフまでアナウンスが2回ほどされる。

以下レポですが、主に記憶とその後入ったカフェで書いたメモで構成されております。
発言者の取り違いやらあると思われますので、大体こんな感じだったという雰囲気重視でお願いします。
ところどころばらばら敬称略です。

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