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世界が終わる夜に奏でられる音楽

面白かった……

倉田莉絵(19歳・大学生)が恋人に振られるところから話は始まる。
ある日仲良くなった同じマンションに住む文子の家に遊びに行くと男の子が1人いた。谷耕太14歳。文子の甥っ子というわけではなく、「旦那の従妹の、旦那の弟の子」。複雑な事情を持っていた。母は亡くなっており、父は失踪中。あちこちを点々として最後に引き取られた伯母もまた莉絵曰く「くそばばあ」

旦那の転勤のため、文子は仙台のほうへ行くことになる。ある日莉絵に切り出した話。「家賃は今のままで構わない。耕太と一緒にここで住んでもらえないか」
そして2人は一緒に暮らすことになった。

最初は2人の会話だけ。文字がぎゅんぎゅん喋りおるわー。

タイトル的に、誰かが死ぬのかとか思った。
多分熱の城@グラハーのユキノの歌の朱音評が「命のおわりに鳴る音」とか言ってたのがどこかに残ってたのだ……

基本姉弟だけど、急に双子じゃないけどにこいちみたいな2人になるなあ。耕太がぽんと普通のことのように、反応を返しづらいことを言うから(゚д゚)!ってなる。

「ずっとここにはいないかも知れないけど、これだけは信じて。あんたが困っている時に、見捨てたりしない。あんたがいい男になるまでは、絶対傍にいるから。約束する。疑うかもしれないけど、私は約束するから」
「……いい男って、何?」
耕太は首を傾げた。子供じみた仕草が、何だか男っぽかった。私は、ようやく余裕を取り戻した。
「いい男はね、お腹空かせてないのよ」
「……わかった」

(P76)

以下ネタバレを含みます。

ちなみにアマゾンレビューのひとつが最初から最後まで大体の展開とオチを書いてしまってるので読む前に余計な情報を入れたくない方は読まないほうがいいでしょう。

 

おまかせハウスの人々

管浩江読むのすごいひさしぶりだ……
短編集で、SF?

「フード病」と「鮮やかなあの色を」がいいなあ。
なんていうかこう、擦り減ってる感が自分ごとのようにひやひやしたぜ……
おまかせハウスの人々はオチが(゚д゚)<ってなった。うおー。

大きな熊が来る前に、おやすみ。

何で読もうと思ったのが思い出せない1冊(かつくらより前だから特集の影響ではないことは確か

短編集で、共通テーマ「恋愛&暴力」
表題作にして一つ目の「大きな熊がやって来る前に、おやすみ」でちょっと挫折しかけた。く、暗い……直球に暴力過ぎる。
こんな話ばっかりだったらどうしようと思いつつ恐る恐る2つ目「クロコダイルの午睡」を読む。
……これはいい(゚д゚)!
明るい話ではないけどこれはいい。現実にこんな子(都築)いたら男女問わず絶対仲良くはなれないとは思うんだけども小説ならアリだ、と思った。
しかしこれは怖い話だなー。
「猫と君のとなり」は非常にまったりしました。
好きなのはクロコダイルなんですが。

本からはじまる物語

本もしくは本屋をテーマにした18人による短編集。

好きなのは「招き猫異譚/今江祥智」「本屋の魔法使い/阿刀田高」「読書家ロップ/朱川湊人」

五ヶ月目の初めて顔を出した日、おやじさんが、十冊ばかりの新刊を私の前に積み上げた。
—こんなとこはどうですやろか。
(あ)と思った。(これがいわゆる"本屋のみつくろい"というやつか……)
—これまでお買い上げの本を見せてもろてまして、ちょっとみつくろわせてもらいましたんやけど……。

P32-招き猫異譚

招き猫は雰囲気がとてもすきなのだ。こんな本屋が欲しい。理想書房だ。

惜しいなと思ったのはネタが似た話があったことかなあ。本棚に潜む暗号とか。
別物は別物なんだ。でも目玉焼きと玉子焼きの違い、ただしどっちも卵料理、みたいな。

いのちのパレード

20ページ?30ページぐらいの短編が15収録されている。
何か全体的に???な話が多かったと思う。
独白オンリーの話とか、複数人で話してるけど「」は一切ないとか。
日常をミュージカルに仕立ててみましたとか。

春は死者の季節である。

(P51@蝶遣いと春、そして夏)

て何かで見たことあるような気がするんだけど思い出せない。

仏果を得ず

おもすれーーー。
あやつられ文楽鑑賞に続き文楽鑑賞エッセイの次は文楽の小説。
文楽馬鹿が揃っている。

 兎一郎の三味線の音が、耳によみがえる。ときに甘く包むように、ときに激しく切り込むように、健の魂を揺さぶり捕らえて離さぬ音色が。
 食われるなら本望だ。だが、その瞬間をできるだけ先延ばしにしたい。いつまでもいつまでも聞いていたいから。できるだけ長く、ともに床に上がりたい。兎一兄さんの三味線と揉みあうように、競り合うように。俺の語りが高められていく、その先を見たい。
 兎一兄さんが鬼なら、俺も鬼だ。文楽という底なしの地獄に嬉々として生きる鬼だ。(P90) 

後でええやんと押し倒されてあきまへん!ちょっと!ちょっとまって!先に話を……というが異様にヒット。

私の中で「三千世界に比類なきヘタクソ。やめてまえ」が流行りそうだ。

とりあえず6月の文楽鑑賞教室に行ってみようと思ってる。

「処女同盟」第三号

すげータイトルでアマゾンで見れるあらすじもなんか凄いことになってますが、あらすじが関係するのはひとつだけです。短編集です。
地味子の青春とか腐女子の青春とかいい年してどっぷり中2病ですとか、絶賛空回ってますとかそんな感じ。地味なりになんかいい所のはあるのかと思えば、あんまり爽やかでもないしThe停滞?

「だって他の学校の学祭行った時プライマルとかやってたもん! ニルヴァーナとかレディオヘッドとかやってたもん!」
「うわ出たよ、おねえちゃんの洋楽聴いてれば大人ですってやつ。おねえちゃん、ほんとその感覚恥ずかしいからやめなって。今どき小学生でもビヨンセとか聴いてるよ」(P47)

とたんに気合を入れておしゃれしていくのが気恥ずかしく思えてきて、まわりまわって考えた末に、Tシャツと麻パンツという、ありえないぐらいカジュアルな格好に落ち着いてしまった。しかし「こんなにさらっとした普段着で同窓会に出かけてしまう気取らないアタシってば超クール!!」と、思っている部分もあった。(P126)

私的に大打撃であった箇所(これ以外もかなり凄かったけども。)
PBWネタですが、(暗黒微笑)とかこういう感じのノリなんでしょうか。

後者のほうのお出かけ先は同窓会なんですが、私小学校の同窓会何着ていったっけ?と思ったけど全く思い出せない。(N君の変貌ぶりに驚きすぎたせいだ)
高校の時は卒業して間もなかったし居酒屋だったからジーンズで行ったと思う……

ちいさなおはなし

ショートショート。
一番最初の小指の話が好きだ。内緒の話はまたもえる。きゅんきゅんする話。

リリイの籠

装丁かわえええ。
布とかビーズとかレースっぽいのとか刺繍っぽいのでできてる。とりあえずぺたぺた触っておく。
女子校ライフな連作短編。

銀杏泥棒は金色
真面目な美術部員と自分語り大好きっ子

ポニーテール・ドリーム
ギャルと高校生の時にきれいになりたかった先生

忘れないでね
転勤族の子とクラスから弾かれてる子

ながれるひめ
超ツンツンしてる先生で姉VSだらしない教育実習生で妹

いちごとくま
可愛すぎて周りから弾かれる女の子とあんまり外見がよろしくないために周りから愛される女の子

やさしい人
しばらく会ってなかったいい子ちゃんぽい恥ずかしがりやと今度結婚する子
同窓会前に学校へ行く。

ゆうちゃんはレズ(すんげえタイトルだ)
百合っ子

ちなみに私が好きなのはポニーテールドリームといちごとくま。
何回かぐふんぐふんとなった。いちゃいちゃしてる話よりえぐい話がよい。女子校ライフといっても百合ばっかりではないです。

山白朝子短篇集 死者のための音楽 (幽BOOKS)

装丁凝ってるなー(とりあえず触っておく
しおりのかたちにぎょっとなった。図書館で借りた本だから、なんか前の人の髪の毛がいっぱい挟まってるわーーーーと思った。ちょーびびった。

もちりさんから乙一っぽいという話を聞いて借りてみる。
おお、雰囲気が確かにぽいと思った。

死者のための音楽・未完の像・鳥とファロッキーズ現象についてが好き。
死者のための音楽はもうちょっとで泣く所だった。やべー。公共の場でそれはやべー。

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