カテゴリー「 少女向け 」の記事

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幽霊伯爵の花嫁 囚われの姫君と怨嗟の夜会 (ルルル文庫)

サアラさんすがすがしくヒール系主人公。癒し系のヒールじゃなくて悪役のヒール。

「お前……ほんとに性格が捻じ曲がってるな」
「この世の美しいものは、大抵曲線で作られていますものね」

(P54)

こういう子です。

マッケニア伯爵家から届いた夜会の招待を受けることにしたサアラは、ジェイクと離れエリオスを連れて屋敷へ向かった。一方でジェイクは幽霊がらみの案件でマッケニア伯爵家を訪れることになる。
マッケニア伯爵家で行われるのは伯爵の孫娘オリヴィアの婚約披露で、オリヴィアはサアラの古くからの知り合いである。今回は猛獣と猛獣使いのターンである。ジェイクのあれは真面目に「飼い馴らす」だなあ。鎖なのにただのリードである。まさに[猛犬注意][触らぬ神にたたりなし]

相変わらず話は噛みあってないのですがいい感じである。しかし今回はそれ以上にラスト付近のヴォルグがたいへん好きである。死ぬほど後悔してから死ねよ! は胸キュンだった。

孫娘をめぐる結末は後味が大変アレでここまではアリなのかということを考えた。「黒蜜と唐辛子ダブル投入」理解した。美味い。そしてルルル文庫の罵倒語コード的にメス豚はありなんだなと思った。あとアシェリーゼがちょっとお母さんしてた。

カイザー養成学園 君は嵐を巻き起こす。 (f-Clan文庫)

この帯を見ていると「世界を革命する力をー!」という声が聞こえてくるようである。
ピンドラは見てませんがウテナは欠かさずみていました。まあカイザーはどっちかというと黒の預言書だよね。
間違ってる! そんな論理は間違ってるんだ! たった一羽風に向かう白鴉のように!

そんなf-clan初の「シリーズ2冊目」
カイザー養成学園。近未来で全世界的に災害に襲われ生態系ガタガタ死者多数、奇病の発生とそれによる迫害。
世界統一国家を作りその帝王を選出しようというのが孤島カナリアに作られた学園で、そこに集められた皇嗣の物語です。最初は対話で、重圧に耐えかね戦いによる決着を選んだ皇嗣たち。
カナリアに新たなにやってきたライデンは「こんなのは間違っている!」と変革を求めたのだったがー。

ライデンとスタンレー・ムサラディンの悪友化が半端ない。あの人たち何殴り合って分かり合っているんだ。おかわりをようきゅうしますー。シオンは小悪魔っていうか子悪魔系ヤンデレですね! トラウマというのはつまりあれですか。レーベルが変わるのであれですが。チェス中の鈴蘭がまじやばい。ギャップ萌え。
学園サバイバルがまじサバイバルで、その選択肢は予想外だったなー。
アルクス・ケインは今回も眼鏡をかけさせて割りたいキャラでした。

王立エトワール近衛隊  氷の薔薇に敬礼を (角川ビーンズ文庫)

新作。海軍の次は陸軍。登場人物紹介が過度に親切というか割とネタバレというか。
読んだら分かることは今書かんでええわみたいな。

まあなんですか、いきなり男の絶対領域1でした。
まず字面で読んでこれ手首のところはどないなっとんねん→イラストきとぅわぁ! と転がっていた。
この表紙のシャリオ2はなんか 絵:宮城とおこ みたい。わたしの記憶にあるロードマスター@光炎のウィザードはこんな感じの顔をしていた。このシャリオが紹介とかでドSって書かれてる人なんですが、基本的には綺麗系の凍てつく美形です。登場人物のメインどころは基本的に男です。

士官学校を卒業して王立エトワール近衛隊配属となったアル。エトワール近衛隊は、「昔忠誠心溢れる特殊部隊今お飾り」と言われており、同期にも「首席卒業者が配属されるような場所ではない」と不安がられていた。
王族を直接守れるのならと、誇らしげに近衛隊の扉を開くとアルの目の前には真昼の薔薇園のような世界が広がっていた。サロンのような豪奢な部屋で、ドレスを着た貴婦人がたくさん。男はいたかどうかわからない。
アルはとりあえず「間違えました!」と扉を閉めたがどう考えてもここがエトワール近衛隊だ。とどめとばかりに中から出てきたド派手な男がこんなことを言った。
「フィニステリア王立陸軍おもてなし部隊、エトワール隊へようこそ!」
王族のもとにも居場所はなく暇つぶしのようにご婦人の相手をするのがエトワール近衛隊だという。
お飾りの割に所属者の階級は高く、隊長のシャリオに至っては司令官級の中将。
「課せられた任務はまっとうする」と男を上げたいアルはエトワール近衛隊に着任する。

アルが扉を閉めたあたりで私も「あれホスト部がはじまった? そういう話だった?」と思った。
クロエは笑えるぐらいウザキャラ(褒め言葉である)だった。アルが銃を持ったときの笑い声はちょっとリアルに再生された。あれはかちって再生ボタン押された。

シャリオとフラムは「Yes, Your Majesty」ということばがとても似合いそうな雰囲気だった。野獣系かはさておき番犬だった。最近猛獣と猛獣使いに縁がある。91ページはなかなかに燃える絵だった。

ひさしぶりにSH回路がかこーん かこーんと繋がる感じだった。
仮面が踊る結婚式なので胡散臭いマントの男が出没している、とかカストルとか。読んでる途中に買い物に出かけて道中で星屑の革紐を聴いていた。エトワールつながりである

。この後魔法的な不思議要素がでてくるのかと思いつつ、1巻はサーベルと銃だった。軍服はよいものである。

「立派な狗になるために、お前はまず真の恐怖を知れ。自分がおびえていることを認めなくては、恐怖には勝てない。--------いいな? お前は兎ではないことを期待している」

(P51)
  1. 袖と手袋に隠れた手首 []
  2. 左上 []

テキトー王子、父になる!(七人)。 (ビーズログ文庫)

マーテル国の4番目の王子リヒトは釣りをこよなく愛するのんびりとした気性の末っ子である。
とりあえず顔はいいのでリヒト自身にその気はなくとも本気になる婦人が多く、従者からは特に年上の女性と接するときは気をつけなさいと言われていた。今日も呑気に釣りをしていると父に呼び出され、行ってみれば自分の結婚が決まったという。リヒトは大国バフラムの女王アマリリアの婿になることが決まった。
いざ婿入りしてみればアマリリアは年齢不詳ながら大変美人で、でも自分と大して変わらない年の子を筆頭に全員で7人の子がいた。17歳にして7人の子持ちになってしまった。

双子が可愛いです。大変可愛いです。ホームコメディです。
メインは有能な第2子ミヒャエルとメイドに間違われるぐらい地味な第1子クレーエとあと怪物双子。
真ん中の子は奇人(男)・高飛車ツンデレ(女)・病弱(女)
まあそんな感じです。

ところでリヒトの気質を見るためにアマリリアは死んだということにしてどっかで見てると思って疑わなかった。そこはそのままだった。もしくは女王となったクレーエと再婚する(アマリリアとはもう離婚は出来ないっぽいので内縁の夫的な感じで)のかなあと思った。アマリリアとリヒトの新婚生活はもっと読みたかった。

おこぼれ姫と円卓の騎士 (ビーズログ文庫)

ビーズログの新人さん。結構面白かった。
でもこれはネタバレラインをどこで引くかが難しい。じわじわ語られている系なので、まあ適当に暈しつつ書く。

ソルヴェール国の第3子で第1王女レティーツィア、王位継承権はかなり上位に位置していたが、子供の頃に母の死を機に実弟レオンハルトを連れ離宮へ映る。同時期に優秀な異母兄2名が台頭した。それぞれ騎士団を従えどちらが王になっても内乱は必至だといわれ、レティーツィアは静かに暮らす一方だった。
父王は内乱回避のため次期王としてレティーツィアを指名し、人々は舞い込んできた王位をさして彼女のことを「おこぼれ姫」と呼んだ。しかしレティーツィアは自分が女王になることを知っていた。それこそ子供の頃から。

女王になるには騎士団が必要だ。少なくとも国王即位式には王とともに12名が並び立つ必要がある。
でも有能な人材は兄2人が持っている。残り物ではこれが一番とデュークに声をかけた。「貴方をわたくしの騎士に任命します。『ナイツオブラウンド』の第1席をありがたく承って頭を下げなさい」と。断られてもまた勧誘する。自分を売り込む。未来の主君だという。
分かりやすく「女王様」キャラですが、周りの面倒はしっかり見るタイプでそのため「中立派」という名前のレティ派はとても多い。最近の高飛車・傲慢・強かなキャラというと幽霊伯爵の花嫁のサアラが該当しそうなものですがあっちとはまた方向が違います。

恋愛は特にありませんが主従はあります。兄妹の会話はあります。悩める未来の女王と寄り添う騎士は燃えます。陽気だけど一皮剥いたらワァっていう感じのかわいい男子がいます。

ということでここからは一応ネタバレといういことで。

「王たちの会議の間」ってあれ時間軸的にはどうなってるんだろうなあ。そこで見聞きしたことを持ち越せるのなら過去の改変とかできたりしないんだろうか。後世に呼ばれるレティ女王の名前わろた。あれはひどい。

若き検死官の肖像 (f-Clan文庫)

イギリスっぽい感じの異世界が舞台。というかロンドラってなんかでも見たなあ。貴族探偵エドワードかな。
主人公は助手としての修行を終えて検死官になったサイラス・クレイトン27歳。検死官として赴任することになったのはギルドフォード自治区という、自ら膝を折り併合される代わりにある程度の自治を許された土地だ。

赴任したはいいものの、この土地では検死官がまったく必要とされていない。
事件が起こりにくい鄙びた地域ということもあるが、ここにはネクロマンサーがいる。死者の弔いも事件捜査も彼に委ねられている。暗に帰れといわれつつもサイラスはこの土地に居残りネクロマンサーと相対する。
そんな死者をめぐる物語。なんだライトな鬼籍通覧にガーベラじゃねーの。

男性バディものでnotニアホモです。検死官とネクロマンサーのバディじゃなくて1基本は検死官と検死官を拾った薬師の話です。殺人事件もおきます。それの謎解きだな。
「死体は語る」とかつて検死のえらい人はいいましたがネクロマンサーが入るので本当に「死体が喋る」のです。
「俺はあいつに殺されたー」って言うのです。でもそれではお話にならないのでもう1回転します。

いやしかしこの表紙はメディアワークス文庫感で溢れている。

  1. その要素もあるにはあるけど []

死神姫の再婚 -目覚めし女王と夢のお姫様- (ビーズログ文庫)

眼帯! 眼帯キャラになったんですかカシュヴァーン様!
表紙でぴよぴよしてたら冒頭でいきなり「謝れ! 俺とおっぱいの神様に謝れ!」とか言われてて全俺が死んだ。
カシュヴァーン様元気そうで何よりだった。

あちこちに笑いは仕込まれているんですが本編は未だ重い雰囲気が立ち込めている。
登場人物がちょっと多い。でも舞台を降りていく人々もかーなーり多い。マジデーと思うことしきりである。
冒頭の謝れ! でも相当噴いたんですがお尻の心配をされるトレイスにもやばかった。えっ! みたいな。
というかメイド服にあんな意味がこめられているとは。なにこれすげー! とおもった。ただの悪ふざけじゃなかった感。

今回もルアーク周りが大変好きだ。

「黙って、私のなの!! 贅沢な私のなの!! だからもう、勝手にどこかに行っちゃだめなの……!!」

(P177)

この周囲よかったよね。
ルアークのところにもあと3年ぐらいしたら、それか弟か妹が生まれたぐらいに「あなたの事が一番よ」っていってくれる大事な女の子が現れるといいですね。というかこの世界まじで女つええええ。クロエつえええ。なにあの人ドラゴンボールじゃねーか。
ゼオはちらちらしているけど、ただのフェチいひとになっている。

君は無慈悲な聖なる女王って(タイトルしか知らないけど)SFにそんなのなかったっけ……と思う。
覚えてる単語でぐぐる。おっとこれだ。月は無慈悲な夜の女王

8月10日を楽しみに 守護天使(巨乳でチビ)と王子(イヤミで口が悪い) (ティアラ文庫)

ティアラは男女エロ前提なので基本読まないんですが、野梨原さんなので!
旅先でこの本を話をしていて、私(未読)「はと(810)の日を楽しみに」友人(既読)「情緒がない!」と言われました。はとの日を楽しみに。

ゲル状の生物デービットに襲われている世界で、退治法がわかっているのは防衛室のエローラただひとり。
彼女は救国の天使と呼ばれており、なぜか彼女の元に配属された新人はこの国の王子という。
あらすじとか四角関係とか書いてますが特に気にしなくていいです。中身はただのいつもの野梨原花南作品です。
ティアラ系は読まないんだけどっていう野梨原ファンは読んでもいいと思いますよ。「私はそういう男女エロとか絶対読まない」みたいな潔癖な方はすすめませんが。
しょっぱなから行為に及んでいるのですがえろくはないです。話のゴールとか到達点とかそういうものとしてエロがあるんじゃなくて、話の中にちゃんと組み込まれてる感じがよかったと思います。

というか切ないというか痛いというかそういうのが詰まりすぎていてわたしは途中で泣いた。
1回目は我慢した2回目は無理だった。程ほどに重くて殺伐としていてラブくていい感じだと思います。同じカテゴリに入っているのはヘブンリーかなあ。8月10日になったらエロさん死んじゃうっていうのは、じわじわと想像できて深読みのしすぎであってほしいと思いつつも、やっぱりそうだよなああああああと叫ぶ。どんな気分で「自分が死ぬ日」を楽しみに待っていると聞かされてるんだエロさん。いくら知らんとはいえさあああ。9年って長いよなあ。2回目っていうのはえろーらちゃん生きられるって思ったら320ページ見てえろーらちゃんどうなったんや! ってもうだばー。死んだ。えろーらちゃんには世界一かわいいおばあちゃんになってほしいものです。

簡単に届くと思っていたはずのそれは、いきなり飾り窓のむこうにもっていかれてしまったみたいで。
そうなってしまって初めてあの輝きは得がたいものだと知って。

(P311)

英国マザーグース物語 婚約は事件の幕開け! (コバルト文庫)

19世紀ロンドン、アッシュフォード子爵家令嬢セシルは当主で兄を言いくるめて男装して記者として働いていた。
結婚が決まっていて、子爵家の未来のために父の喪があける1年後に式を挙げる予定だ。
兄へ出した条件というのは「父の喪があけるまでは婚約者の話をしないこと・婚約者との席を設けないこと・新聞社に連れて行くこと」で、あれよあれよというまにセシルはアクロイド社にもぐりこんだ。

マザーグースの見立てで男装記者で、セシルの全部を知った上で黙っている婚約者とか出てきます
短編集っぽい感じになっていて、マザーグースの唄・婚約が絡んだ謎・父の死とかなんかそんな感じのものを解決しつつ男装記者セシルと絵師ジュリアンは絆を深めていきます。
ビブリア古書堂の事件手帖とか“文学少女”と恋する挿話集とかと同じカテゴリかなあと思います。

セシルは上にお兄さんが2人いるのですがわたしはこの2番目の兄が好きです。ただのアホ。だがそれがいい。
GOSICKを思い出すシーンがあったり1してミステリ風でもあります。

  1. あれを遡れば本格ミステリに行き当たる []

赤き騎士と黒の魔術師 (ルルル文庫)

黒の魔術師ユハ。世界一の魔術師として知られており、この大陸に住む者なら誰でも知っている存在だ。
500年前、バレット王国の始祖アスセンシオン女王とともに国を打ち立てた者として今は塔の近くに暮らし、多数のカビとコウモリを飼い食事としていると噂されている。魔術師は国の宝、警護される対象。だがユハの警護は心を病むものが続出する始末。そこで任命されたのが「教官殺し」とあだ名されるビビアナだった。

ビビアナは強い騎士で、自分が女であることにコンプレックスを抱いていて、まあまっすぐな純粋な子です。
そこら辺の天然キャラと違うのは「燃える闘魂」という単語がとても似合うところですね。いのき! ぼんばいえ!
とてもコメディです。美少女に美形魔術師なのにとてもコメディです。
あったか髑髏精製術はネーミングセンスにとてもふいた。
ユハは最初のほうはなんだただのラッキースケベかと思ったらビビアナにお姫さま抱っこされていたので「ただのメンタルヒロインダッター!」と叫ぶ。面白い。ユハさんただのひきこもり。ちょうおもろかった。

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