タグ「 久賀理世 」の記事

3件の投稿

英国マザーグース物語 新聞広告には罠がある!? (英国マザーグース物語シリーズ) (コバルト文庫)

19世紀末ロンドン、子爵令嬢セシルは結婚まで1年の猶予をもぎ取った。
いまのセシルは性別を偽り新聞社で新米記者として働いている、の2巻。

マザーグースの見立てはそのまま、今回は新聞記事の個人向け広告欄に載せられた謎のメッセージからはじまる謎解き。ロンドンでは今「怪盗ブラックバード」の犯行と思われる宝飾品盗難事件が相次いでおり、被害総額は尋常ではないが傷害沙汰は起きていない分どこかお祭りの雰囲気が漂っている。
今回は日常系ミステリ連作短編な感じが強くて、セシルに新たな友人(押しが強くて有能そうな令嬢アメリア)とか、セシルのパートナーで絵師のジュリアンの過去が見え隠れしていた。
わたしクレアの若かりし日のころ恋の話が好きで、ここは謎解きの部分も含めて相棒の右京さんと共演者オンリーの告白劇としてありそうだなあとか思った。すごく映像的。

英国マザーグース物語 婚約は事件の幕開け! (コバルト文庫)

19世紀ロンドン、アッシュフォード子爵家令嬢セシルは当主で兄を言いくるめて男装して記者として働いていた。
結婚が決まっていて、子爵家の未来のために父の喪があける1年後に式を挙げる予定だ。
兄へ出した条件というのは「父の喪があけるまでは婚約者の話をしないこと・婚約者との席を設けないこと・新聞社に連れて行くこと」で、あれよあれよというまにセシルはアクロイド社にもぐりこんだ。

マザーグースの見立てで男装記者で、セシルの全部を知った上で黙っている婚約者とか出てきます
短編集っぽい感じになっていて、マザーグースの唄・婚約が絡んだ謎・父の死とかなんかそんな感じのものを解決しつつ男装記者セシルと絵師ジュリアンは絆を深めていきます。
ビブリア古書堂の事件手帖とか“文学少女”と恋する挿話集とかと同じカテゴリかなあと思います。

セシルは上にお兄さんが2人いるのですがわたしはこの2番目の兄が好きです。ただのアホ。だがそれがいい。
GOSICKを思い出すシーンがあったり1してミステリ風でもあります。

  1. あれを遡れば本格ミステリに行き当たる []

紺碧のリアーナ フロレンティアの花嫁 (コバルト文庫)

15世紀イタリア。メディチ家と反メディチ家による陰謀とか陰謀とか友情っぽいのとか変人とかそんな感じ。

「サブタイトルは花嫁か。表紙のこのふたりが最終的に結婚するんだな!」という発想で読むと多分つまんねえええと思うことになると思うので要注意。あとがき曰く「立場の象徴として(花嫁を)付け加えた」とあるけど正直何の象徴で花嫁なのか1よく分からなかった。

10年前謎の大火事で家族を失ったリアーナは、世間的に死んだと思われている由緒ある名門アドルファーティ家の生き残りである。過去を忘れて生きることもできず、適当な相手と結婚することもできず、先は尼僧となって生きるしかないかと思った矢先に転機が訪れる。

「アドルファーティ家襲撃の真相」とか「父の仕事」とか「リアーナの今後」とかが主なところです。

あとがきまで読んで気がついたんですが、これ「始まりの日は空に落ちる」の方だったんですね。
「先読みができる」「空に落ちる人を見た」って何その赤朽葉万葉さんって思ったのはよく覚えてます。
これの選考結果が載っていたのが、宮木あや子の「砂子のなかより青き草」が始まる回でちょっとだけ読んだんだ。今までそんな選評とか読んだことないんだけどあの年はなんか強烈でこえーと思ったのはおぼえてるなあ。
colorful | 本屋徘徊のキロク

  1. 間を取り持つ的な意味で? 花嫁である意味なくねー? と思ったのでこの線は微妙だと思う []
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