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カフェ、缶バッチ、ソーダ

仕事が一段落して入ったカフェでふと那月の鞄が目に入った。普段はピヨちゃんグッズに埋もれている鞄にソーダの飴玉みたいなストラップがついていたから「お前がピヨちゃん以外って珍しいよな」って言ったら「翔ちゃんの瞳の色みたいでしょ」て返ってきた。あいつの考えていることは分からない。

扇風機、タオル、汗

開け放った窓から涼しい風が通り抜けていく。多少汗はかくにしろそれでもタオルも扇風機もいらない気候というのは凄い。寝転がっている部屋からは立派なピアノが見える。ピアノを眺めているとしみじみ春歌の実家にいるという実感がわいてくる。結婚する前に1度来たことがあったがもう3年ぶりになる。


塩、水、日差し

大丈夫ですかぁ? 今日は日差しが強いから軽い日射病じゃないかって保健室のせんせぇが言ってました。寝ながらでも飲めそうだったらこれ飲んでくださいね。真斗君が日射病には水分と塩分が必要だって買ってくれました。ん?何?大好きなあなたと一緒に居られるんだから迷惑だなんて思ってないですよ。

焼肉、割り箸、野菜

「どうしたの後輩ちゃん。食べないの?」
春歌は割り箸を持ったまま蘭丸の鮮やかな肉捌きを眺めている。肉を網に乗せる、別の肉を返す、食べごろになった肉を皿に取る。ひたすらその繰り返しだ。
「嶺二のおごりだぞ」
「ちょっとランラン!」
「肉食わねえならせめて野菜食え。てめえの仕事の打ち上げだ」

「酔ってる翔ちゃんで翔春」いただきました-

「七海君そちらへ行っては……」
トキヤの制止も虚しく春歌はいきなり手を引かれ倒れこんだ。背中に手を回される感触がある。顔を上げるとよく見知った青い瞳があった。いつもより潤んでとろんとしているが、抱きしめる力はいつになく強いもので春歌は何が起こっているのかと困惑するばかりだった。
「しょ、しょ、うくんどう」
肩のすぐ近くに翔の顔がある。Tシャツから覗く首筋まで赤く染まっているのがはっきり見えるが春歌の心臓はそれどころではないぐらい早く打ち続けている。そんな至近距離で「俺があげた香水の匂いがする」などと呟かれ春歌はもう抵抗する力も失って翔にもたれかかった。
「今日は随分とおチビちゃんが積極的だねえ。またシノミーの仕業かい? 」
レンは翔の首筋に烏龍茶を突きつけると力が緩んだ隙にトキヤがふたりを離した。
「翔もそろそろ自分が飲めないことを知ればいいんです」
「それをイッチーが言う? 大丈夫かい子羊ちゃん。まだ何も飲んでないのに真っ赤だよ?」

*唐突に終わる

飲み会、終電、忘れ物

「終電で帰るからいいんです!」
「トキヤアイドルの癖に何言ってんの。帽子ちゃんとかぶってね忘れ物しないでね携帯ちゃんと持っててね」
「音也の癖になまいきです! 私が普段どれだけ心を砕いてると思ってるんですか」
「はいはい。笑ってないでレンも手伝ってよ! この飲み会主催レンでしょ!」

通販、段ボール、限定

「これはな、魔法のメロンパンなのだ」
「は?」
「技術というものはすごいな。冷凍のパンなど初めて見た。焼くだけでふわふわのもちもちだぞ! 1日100個しか作られない限定品だ。通販というのもいい。周りを気にしなくていいからな」
「だからってこんな段ボールで届くレベルで買ってどうするの」

唐揚げ、コンビニ、傘

「僕ね基本的に寿弁当の唐揚げが世界一美味いって思ってるけど、時々ここが世界で一番だって確認したくなることがあってそういう時ていてもたってもいられなくなってコンビニに行きたくなるんだよね」
「言い訳はそれだけか。買ってきた煙草は没収だ。俺の傘も返せ。次無断外出やったら靴没収だからな」

ふとん、ぬいぐるみ、雑誌

先日雑誌に掲載された音也の写真が思わぬ波紋を呼んでいる。タオルケットに包まって幸せそうな寝顔をさらしているというものだが、ぬいぐるみのようにギターを抱いて寝ているのだ。音也ファンは今更ギター少年になったつもりかこの天使と言い那月ファンはそういうのはうちの領分でしょと息巻いている。

プリン、オムレツ、食卓

「で、卵尽くしとなったわけですか」
食卓にはオムレツをはじめ卵料理が多く並んでおり、冷蔵庫にはプリンもあるということだった。あまりにもしょげ返っている春歌を見てトキヤは思わず笑みをこぼした。
「驚いて卵を落とすなんて君らしいですが、もう少し呼ばれ慣れて欲しいですね? 一ノ瀬春歌さん」

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