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「酔ってる翔ちゃんで翔春」いただきました-

「七海君そちらへ行っては……」
トキヤの制止も虚しく春歌はいきなり手を引かれ倒れこんだ。背中に手を回される感触がある。顔を上げるとよく見知った青い瞳があった。いつもより潤んでとろんとしているが、抱きしめる力はいつになく強いもので春歌は何が起こっているのかと困惑するばかりだった。
「しょ、しょ、うくんどう」
肩のすぐ近くに翔の顔がある。Tシャツから覗く首筋まで赤く染まっているのがはっきり見えるが春歌の心臓はそれどころではないぐらい早く打ち続けている。そんな至近距離で「俺があげた香水の匂いがする」などと呟かれ春歌はもう抵抗する力も失って翔にもたれかかった。
「今日は随分とおチビちゃんが積極的だねえ。またシノミーの仕業かい? 」
レンは翔の首筋に烏龍茶を突きつけると力が緩んだ隙にトキヤがふたりを離した。
「翔もそろそろ自分が飲めないことを知ればいいんです」
「それをイッチーが言う? 大丈夫かい子羊ちゃん。まだ何も飲んでないのに真っ赤だよ?」

*唐突に終わる

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