Entry

2014年02月

これでも食べて大人しくしていろとか言われてチキン持たされてカミュ先輩に完全に犬扱いされつつ可愛がられる音也くんください

「カミュ先輩!」
「なんだ寿の所の愚民ではないか何の用だ」
「JOKER TRAPすげえかっこよかったです!」
「ふん。そのように演じているのだから当然だな」
「トキヤから時々楽屋でのことも聞きました! マイペースだけどとても尊敬できる先輩だって」
「指導者に似て騒々しいな。これでも食え」
「わあありがとう!」

最終日のジロウさんの呟きから
https://twitter.com/jjiroooo/status/439385139206819840

溶けかけた雪、チェーン、ストール

「イッチーって本当に運悪いよね」
強引に巻かれたストールで暖を取っている内に眠ってしまったトキヤを傍目に蜜柑を剥いてレンはカミュにも薦めた。那月が持ってくる物は甘くて美味しいと評判だ。
「雪との付き合い方を知らぬからそうなるのだ。滑って転ぶなど笑止千万」
「足にもチェーン巻ければね」

見積もり、くつ、お茶

「スタンド花このぐらいかかるって」
「へぇ思ってたより安いんだな」
「名前どうする?」
「おんぷくんとピヨちゃんから?」
「俺ピヨちゃんじゃねえし!」
「イッキとおチビちゃん、ここ一応土足と飲食禁止……へぇマスカレイドに花贈るの」
「俺たち2人とも先輩いるしね」
「那月も喜ぶだろうし」

2/8の東京は大雪でした。

 雪はまだ降り続いている。夜公演は中止にはならなかったものの交通機関は乱れたままだ。近隣のタクシー乗り場は行列ができておりタクシーを呼んだところで到底来そうにないと劇場スタッフに聞いた。しばらく待ってみたが状況は変わらなそうだ。トキヤの自宅はここから歩いて帰れない距離でもない。ジムに行ったと思うことにしようと帰り支度をはじめたところノックもなく楽屋のドアが開かれた。
「トキヤ! 今日泊めて!」
 赤い男が現れた。ダウンジャケットこそは黒いがヒップバッグや首筋にかかっているマフラーは赤で、これでもかとばかりに存在感を主張している。昼夜公演の上にあれだけ全力で雪合戦をしていたのにも関わらず疲労感を微塵も感じさせず音也はどかどかと楽屋の中に入り込んでトキヤの向かいの椅子に座った。
「……ノックぐらいしたらどうですか。他の方々は帰られましたが先輩しかいなかったらどうするつもりだったんです」
「あっごめんね。でも小道具さんがトキヤまだいるよって言ってたから。俺今日帰れそうにないんだよ。だからトキヤんちに泊めてよ」
 顔の前でぱんと手を合わせて殊勝な態度を見せている。音也ならこのまま楽屋に泊まるよ~とでも言うかと思っていたのに意外だった。
「寿さんに送ってもらうとか翔の家はどうなんですか」
「れいちゃんは次の仕事に行ったよ。まいらすの突発ロケなんだって。翔は今日那月んちに行く用があるからって言ってた。ねえトキヤ~」
「嫌です。この前の鍋の時もあなたはひとり深夜まで騒々しかったですし、私は今日は早く寝たいのです」
「むう」
 マフラーを巻きながら拒否の意を伝えると音也は机の上に肘をついて頬を膨らませた。じろりとトキヤを見上げてくる。
「そんな顔をしたって駄目なものは駄目です。あなたももうすぐ成人なのですからそんな子供っぽいことはやめなさい」
「だって俺まだみせいねーん。大体トキヤずるいし俺に厳しくない? 俺蘭丸先輩と仲良くなりたいのに昨日のトキヤ蘭丸先輩に超褒められてたしごはん誘っても断るのにマサとは4時間もってどういうことー。たまには俺のわがままも聞いてよー」
「黒崎さんは同じチームですから必然的に音也より過ごす時間は長いわけですし、音也が行こうという店はいつも焼肉かラーメンか、そんなのばかりじゃないですか」
 唇を尖らせてぶーぶー言う音也を見て、しばらくしてからトキヤはため息をつくと音也の隣に立ってその赤いマフラーを引っ張った。
「それに音也のわがままを何から何まで聞いていたら調子に乗るのでお断りします。ところで、……あなたこの前のうちに来た時忘れ物をしていたので取りに来なさい」
「じゃ行っていいんだね!? ありがとうトキヤ!」
「うちまでは歩きですから。それと着いたら軽く食べてすぐ寝ますから。話は聞きませんよ」
 先に楽屋のドアまでいくトキヤの背中に音也の声が飛び掛る。ついで慌てて椅子から立ち上がる音がした。
「じゃこれからしゃべる! いっぱい聞いてほしいことがあるんだ!」
 音也の退室を待ってトキヤは電気を消して楽屋を出た。


ここから考えました→https://twitter.com/jjiroooo/status/428947728970690560

ジムと音也と肉まん

「あなた最近目立ってますよ」「何が?」「翔と2人で腹筋勝負しているとか。今日ジムで少し噂を聞きました」「トキヤが教えてくれたとこ設備すごくて色々やってみたかったんだ。おかげで殺陣のシーンがちょっと楽に動けるようになったよ」「でもあんな時間に肉まんを食べては意味がありませんよ!」


――最近体力づくりのためジムに加入されたということで
俺は翔ほどじゃないけどやっぱりアクション多いしね。トキヤおすすめのところで週に何回か、時々翔も一緒に行ってるよ。でも翔ったら酷いんだよ。俺ほどほどのスピードでランニングマシーンで走ってたら速度3倍増しにして逃げるんだ。

お題:人妻の愛 制限時間:15分

 はじめはそう、ドラマでの出会いだった。それを見た翌日ふらりとCDショップへ行ったら握手会つきCDが一枚だけ残っていたのだ。あれが全部いけないんだ。
 
 イベントスペースで行われた「寿嶺二握手会」はずらりと長い行列を作った。ファンの年齢層はST☆RISHに比べれば少々高いのだろうか、でもところどころに制服を着た女子高生がいるから「幅広い年代に支持されている」というあれなのだろう。目の前の女子高生は両手で握手されたあと頭も撫でられていた。お兄さんキャラを通している。そして私の番がやってきた。
「こんにちは~」
至近距離で見る嶺二はテレビで見るよりずっとかっこいい。これで3枚目で売っているというのだからおかしい。でもあの芸人根性は間違いなくシャイニング事務所で培われたものだと思う。
「あの、この前のドラマみました! ホスト役って意外だなと思ったけど格好よかったです!」
「これからもれいちゃんの新境地をバンバン開拓していくから楽しみにしててねー。今日は来てくれてありがとうマイガール」
 音がするような見事なウィンクを決められた。旦那より年上なのになんて可愛い人だろう。
夢見がちなまま会場の外に出た。なんだか泣きそうだ。アイドル、やばい。開けてはいけない扉を開けたかもしれないと思った1日だった

お題:小説の中の14歳 制限時間:15分 未完

 今度遠距離恋愛のドラマに主演することになったというとトキヤはあなたにもそういうオファーが来るようになったのですか、と驚いたように言った。そんなわけで俺も久しぶりに学生服を着た。早乙女学園はブレザーだったから中学生の時以来だ。
 19歳、学生服を着るのはそろそろ許されないんじゃないかという年齢になったけどなんか変にしっくりくる。物語の舞台は名古屋で翔に名古屋の話を聞いたりして役作りをした。原作の小説は14歳だけどもうすこし年齢を上げて16歳っていうことになった。
 携帯電話がない時代、無敵なようでなにもかもが不自由な年齢の恋の物語。携帯電話がないってことは誰かに連絡するにも少し不自由があるっていうことだ。そういうのは14歳だったころの俺を思い出せばいい。俺が携帯を持ったのは早乙女学園に入学してからだ。14歳の俺は携帯をもっていなかった。施設には事務所には電話はあったけど自由に使える電話は公衆電話のみ。当然長電話なんてできないしする相手もいなかった。
 14歳だった俺が夢見たアイドルになって数年、少し前にようやくメンバーの皆に施設出身であることを話することができた。七海の迷子ぷりは本当にいつ見ても不思議で目が離せなくなるほどのものだけど、あの時は迷子になってくれてよかったと思う。いいきっかけになった。

お題:悔しい車 制限時間:15分

 免許所持の比率というのはさほど高くない。身の回りで言えばアイアイは未成年だしランランはガソリン代がもったいねーっていうし(でもランラン免許持ってるよね。車がないだけだよねぼくちん知ってんだからね。この前一通逆走したの忘れないからね)ミューちゃんにいたっては馬に乗る。まあ馬だって軽車両だしいいけど観光用に間違われるからやめてほしいよねー。
 車っていうのは1人になれる絶好の場所だ。信号待ちの間にさっきまでいた場所のことを思い出す。舌打ちして隠していた煙草を取り出して咥える。火をつければもう用済みだとぞんざいにライターを放り投げた。
「残念だけど」
 何が残念なものか。
 はじめから出来レースのオーディションだったくせに。僕を持ち上げといて選ぶつもりなんてこれっぽっちもなかったんだ。
 海へ向かうまっすぐな一本道でアクセルを踏み込む。事務所の力だけでヘタクソが仕事とりやがって面白くもない。

お題:愛すべきわずらい 制限時間:15分

 じゃあオレの愛するハニーの話をしようか。
 ハニーはオレの2つ年下で作曲家だ。知ってるって? デビューしたてのころはずっとオレだけに曲を書いてよなんて言ってたけど、数年も経てばそうも言ってられなくなった。オファーが舞い込んできたのだ。愛する人が認められるっていうのは嬉しいことだ。オレがいうのもなんだけどハニーは才能にあふれてる。早乙女学園に入学したものの毎日レディたちと遊んで暮らしていたオレに食らいついて音楽の道に連れ込んだだけのことはある。だからこそ責任とってほしいじゃない? もうハニーの音楽なしには生きていられないんだって。
 もう1回言うけどオレのハニーは才能にあふれている。
 オレのことだけを見ていて欲しいって時も「ちょ、ちょっと待ってくださいっ」って真っ赤になりながらも五線譜を手に取る。ひと段落つくまではオレのほうなんて見てもくれない。まあそういうところを含めて愛しているんだけど。
 ……ちょっとちゃんと聞いてるの聖川。え、もう飽きたって? まだ話したいことは山ほどあるんだよ。聞いてよ。

( お題:ナウい門 制限時間:15分 未完)

「オトヤ、これはどういう意味ですか」
セシルが指差した先には「ナウい門」と書かれた謎のメモが置かれていた。何かの走り書きのようだ。
「……? な、なう……よく分かんないけど昔っぽいことばだかられいちゃんのかなあ」
「ちょっとおとやんそれどういう意味!? 僕の語彙が古いっていうこと? やめてよね僕おとやんと7つしか変わらないんだから!」
パソコンに向かっていた嶺二は首だけを音也にむけてがあっと噛み付いた。
「だって考えてもみてよ。ここマスターコース寮だよ関係者以外立ち入らないんだよ。れいちゃんしか考えられないよ」
「ナウいとはどういう意味ですか」
「ざくざく酷っ。れいちゃん悲しい。あとセッシーはこれは覚えなくてもいいよ」
「れいちゃんのその言葉ってなんでそんななの? アイドルでしょ?」
「久しぶりに聞いたよそんな言葉って笑ってくれる人がいるからね。アイドルは人を笑顔にするのが仕事だからね」

Pagination

  • Page
  • 1
  • 2
  • 3