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Tag: レン春

お題:愛すべきわずらい 制限時間:15分

 じゃあオレの愛するハニーの話をしようか。
 ハニーはオレの2つ年下で作曲家だ。知ってるって? デビューしたてのころはずっとオレだけに曲を書いてよなんて言ってたけど、数年も経てばそうも言ってられなくなった。オファーが舞い込んできたのだ。愛する人が認められるっていうのは嬉しいことだ。オレがいうのもなんだけどハニーは才能にあふれてる。早乙女学園に入学したものの毎日レディたちと遊んで暮らしていたオレに食らいついて音楽の道に連れ込んだだけのことはある。だからこそ責任とってほしいじゃない? もうハニーの音楽なしには生きていられないんだって。
 もう1回言うけどオレのハニーは才能にあふれている。
 オレのことだけを見ていて欲しいって時も「ちょ、ちょっと待ってくださいっ」って真っ赤になりながらも五線譜を手に取る。ひと段落つくまではオレのほうなんて見てもくれない。まあそういうところを含めて愛しているんだけど。
 ……ちょっとちゃんと聞いてるの聖川。え、もう飽きたって? まだ話したいことは山ほどあるんだよ。聞いてよ。

指輪、光る、手にする

体をひねってソファの背もたれの部分にあごを乗せて、甘えた声で呼びかけてくる。何ですか、と近寄ると指を突付かれた。
「指輪、つけてくれないの?」
「きらきらしてて見てるだけで、その、圧倒されて……」
「ハニーがつけてくれたらもっと綺麗だと思うよ」
期待に満ちた目がこちらを見つめてくる。

くじびき、行列、CD

「CDショップに行ったんです。そうしたらなんか行列が出来ていて……」
春歌の前にはブロマイドが数枚、ポスター数種類並んでいた。そういえばくじの景品になるよと聞いた覚えがある。
「どうせなら揃えたいなって思ったら後に引けなくなって」
「それで帰りの交通費も使ったのかい?ハニーは愉快だね」

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