お題:小説の中の14歳 制限時間:15分 未完
- 2014/02/08 16:41
- Posted by minami_hato
- Category:即興小説/ワンライ
- Tag:音也
今度遠距離恋愛のドラマに主演することになったというとトキヤはあなたにもそういうオファーが来るようになったのですか、と驚いたように言った。そんなわけで俺も久しぶりに学生服を着た。早乙女学園はブレザーだったから中学生の時以来だ。
19歳、学生服を着るのはそろそろ許されないんじゃないかという年齢になったけどなんか変にしっくりくる。物語の舞台は名古屋で翔に名古屋の話を聞いたりして役作りをした。原作の小説は14歳だけどもうすこし年齢を上げて16歳っていうことになった。
携帯電話がない時代、無敵なようでなにもかもが不自由な年齢の恋の物語。携帯電話がないってことは誰かに連絡するにも少し不自由があるっていうことだ。そういうのは14歳だったころの俺を思い出せばいい。俺が携帯を持ったのは早乙女学園に入学してからだ。14歳の俺は携帯をもっていなかった。施設には事務所には電話はあったけど自由に使える電話は公衆電話のみ。当然長電話なんてできないしする相手もいなかった。
14歳だった俺が夢見たアイドルになって数年、少し前にようやくメンバーの皆に施設出身であることを話することができた。七海の迷子ぷりは本当にいつ見ても不思議で目が離せなくなるほどのものだけど、あの時は迷子になってくれてよかったと思う。いいきっかけになった。