はなづまり、はちみつ、もうふ
- 2014/01/21 22:53
- Posted by minami_hato
- Category:お題 on twitter
- Tag:トキヤ
鼻が詰まってすっかり声が変わってしまった。予防にあれほど飴を配って自分が風邪を引いてしまっては意味がない。毛布から手を伸ばして枕元のポカリを取って、ぼんやりと加湿器から上がっている蒸気を眺める。加湿器の音しかしない部屋は静かだ。先程まで音也と真斗がいた分余計に心細くなる。
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Category: お題 on twitter
鼻が詰まってすっかり声が変わってしまった。予防にあれほど飴を配って自分が風邪を引いてしまっては意味がない。毛布から手を伸ばして枕元のポカリを取って、ぼんやりと加湿器から上がっている蒸気を眺める。加湿器の音しかしない部屋は静かだ。先程まで音也と真斗がいた分余計に心細くなる。
クリスマスの時に観劇に来ていた四ノ宮は餌を目の前にした犬みたいだったぞ。それかフリスビーを投げられた犬だな。あんなに喜ばれればこちらも甲斐があるというものだ。来栖は来栖で四ノ宮の劇を力を入れて見ていてな、よく助言していたダンスシーンが終わると帽子を握る手が緩んでほっとしていたぞ。
インターホンを押しても帰る声はない。電話に出る気配もない。寝ているのであれば良いが中で倒れてはいないだろうか。試しにドアノブを捻ってみるとそのまま開いた。いくら事務所寮といえど余りにも無用心だ。入ってすぐの所で液晶部分が割れて止まっているMP3プレイヤーとイヤホンが転がっていた。
ついに音也が倒れたらしい。場所は事務所だったらしいが誰もいない自宅や現場ではなかった分よいのだろう。今日の生放送は翔が代役に入るようだった。トキヤは病人食とカレーの材料を携えて音也の部屋のインターホンを鳴らした。この程度の手間で音也の食生活と健康を見直せるなら安いものだろう。
トキヤのドラマ見たいんだけどトキヤんちのほうがテレビでかいからとまた音也がやってきた。そしてまた30分もしないうちに赤い頭が揺れ始めた。顔には疲労の色が強く浮かんでいる。自宅では眠れないのだろうか。
「トキヤはこんなにもきらきらしてるのにな」
と呟いていたことが気にかかる。
「そういえば結局マサの誕生日は何食べたの」
「和食だよ。さすがに料亭じゃないけど伝統と趣あるって店だよ」
「店選んだのレンだよね? レンが? 和食?」
「そんなに意外かい? ランちゃんが言うには聖川はパスタって顔じゃないしいくら空腹でも好物より美味いものはないってさ。だから和食だよ」
「レイジそれ何?」
「姉ちゃんが町内の福引で当てたんだって。プラモなんて子供の時以来だよ。昔流行ってたんだよね」
「レイジが真剣な顔して何か作ってるから何事かと思った」
「アイアイが冷たいからぼくちんなかちゃんのファンやめます!」
「何言っているのか全然意味が分からない」
「トホホ」
今日も音也がうちにいる。
「トキヤおかえり~。遅かったねえ宅急便届いてたから机の上においたよ」
目の前の音也は出会った頃とちっとも変わらない姿で笑いかけてくる。無邪気にカレー作ってなどと言ってくる。これは何の罰なのか。音也は私の代わりに雑誌の取材に行って死んだ。もう10年前のことだ。
「翔ちゃん明日の夜流星群見に行きませんか~?」
「あー去年も見たやつな。夜遅えんだよな。まあ夜公演だけだしな……」
「お月さまが隠れちゃってますからよく見えるはずです。紅茶水筒に入れて準備します! あと昨日買ったマフラーの出番ですねぇ」
「おい俺まだ行くとも行かないとも言ってねえぞ」
#1/3深夜はしぶんぎ座流星群でした
写真を撮るときだけコートを脱いだがまた着なおした。開場はまだ先だからさすがに寒いことこの上ない。星が綺麗に見えるし明日も晴れそうで良かった。嶺二と蘭丸はこのカウントダウンライブが終わったらその足で初日の出収録があるらしい。アイドルなんだよねえ?と思うぐらいハードなスケジュールだ。
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