一十木音也で『たった一分でいい』
- 2014/05/13 22:32
- Posted by minami_hato
- Category:お題 on twitter
- Tag:音也, トキヤ
「1分でいいんだよトキヤ、俺はトキヤが納得するような歌を歌ってみせる」
「そういうことを言っているのではありません」
「俺まだやれるよ!?」必死の形相で掴みかかるが点滴のルートが邪魔して動ける範囲が限られている。
「事故現場に居合わせた私の気持ちも考えてください。死んだかと思いました」
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Category: お題 on twitter
「1分でいいんだよトキヤ、俺はトキヤが納得するような歌を歌ってみせる」
「そういうことを言っているのではありません」
「俺まだやれるよ!?」必死の形相で掴みかかるが点滴のルートが邪魔して動ける範囲が限られている。
「事故現場に居合わせた私の気持ちも考えてください。死んだかと思いました」
事務所外の人と交渉とかする場合はオレもできるだけ同席させてもらっているんですよ。リーダーなんかではないけど、オレST☆RISHの中では年上組なので、あとそういうの得意分野でもあるので。今のメンバーでずっと末永く仲良く一緒にやっていきたいので一肌と言わず何枚でも脱ぐ覚悟ですよ(笑)
翔の手はしっかりと両手で那月の腕を掴んでいる。同性とはいえ那月の力なら余裕で振り切って逃げられるだろう。でもさっき正面から翔の顔を見てしまった。説明するまで俺の前から消えることは許さないという気迫に溢れていた。もうすぐ藍も追いついてしまう。潮時だ。翔のあの瞳には勝てない。
準所属になって数ヶ月が経った。翔とは現場が同じことになることが時々あるけど他の皆とはほとんど顔を合わせない。何より16年間ではじめて誰もいない部屋に帰るのが地味に堪える。あんなに好きだったはずなのにカレーも味気ない。皆自分の足場を固めるのに必死なんだろう、それは音也だって同じだ。
プロポーズの言葉を聴かれてトキヤはそれはそれは幸せそうに笑って「演技上ではたくさん経験があるのですがいざ自分の事となると妙に緊張してしまって『私と結婚していただけませんか?』というのが精一杯でした」と言っていた。結婚の事は事前に聞かされていたけどトキヤが何だか知らない人みたいだ。
「さすがに今回はどう探せばいいか分かりませんね。前回も四ノ宮さんが翔に残していったメモがあったから分かったようなものですから」
「おチビちゃんもあれは内心相当参ってるね。オレとシノミーを間違えるぐらいだから」
「四ノ宮さんぐらいの人を見たら反応してますしね。黙ってても分かります」
「音也、そのポケットに直接小銭入れるのやめなさい」
「えっ」
言われて初めて気がついたように手を突っ込んでポケットの中身を出す。手のひらにはよれてちぎれたレシートもあった
「どうせ無意識なんでしょうが、もう子どもじゃないんですからそういうのはみっともないですよ。財布を使いなさい」
「ねえアイアイそれ翔たんに言っちゃう? ぼくから聞いたって言っちゃう?」
「まあレイジなら言うと思った。本当に秘密なことならともかくそれ以外はガードが甘い」
藍は那月の実家住所を検索しながら次の手を考える。
「情報提供元はレイジの名誉のためにも黙っておくよ。それならいいでしょ」
「レンレンはぼくと似ている所があるね。ある意味ぼくよりとっても優秀だ」
ダブルのアイスを食べながら隣に座ったレンの顔を見ずに言う。
「だからこそ言うんだけど欲しいものを見つけたらちゃんと手を伸ばすんだよ。後悔するよ」
「ありがとう。でもオレが認めてもらいたかった人はもういないんだ」
「アイアイは本当に変わったよね。後輩くんたちの影響かな」
嶺二は机に肘をついて目尻を下げて藍を眺める。
「熱血藍先輩、クールな美風藍はどこに行ったのさ」
「ボクだって変わることができるっていう有意義な実証材料だよ」
「なっつんにも見せてあげたいよ。帰省なんて……あ、」
「ふぅん」
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