ポスター、壁、パネル
- 2013/06/10 20:21
- Posted by minami_hato
- Category:お題 on twitter
- Tag:那月, 翔
「お前なー、どうして俺のポスター玄関になんか貼ってんだよ」
「え? パネルに入れたほうがよかった? あれ一番翔ちゃんが格好よく映ってるって思うんです。壁に穴を開けるのはよくないよって音也君に聞いて」
「そういうことじゃねえよ」
「もうすぐ翔ちゃんにただいまって言えなくなるから」
だいたいうたプリ2次創作コンテンツ
Category: お題 on twitter
「お前なー、どうして俺のポスター玄関になんか貼ってんだよ」
「え? パネルに入れたほうがよかった? あれ一番翔ちゃんが格好よく映ってるって思うんです。壁に穴を開けるのはよくないよって音也君に聞いて」
「そういうことじゃねえよ」
「もうすぐ翔ちゃんにただいまって言えなくなるから」
「今日は何の日か知ってるー!?」
MC中の音也の問いかけに観客はうちわやサイリウムに黄色い声を添えて応えた。ステージではレンと真斗によるハッピーバースデーとともにケーキが運ばれてきた。ケーキには2人の年齢を足して10で割った5本のロウソクが立っている。前に立つと那月と翔は仲良く息をそろえて吹き消した。
「では2人とも、ケーキを食べてください」
「わーい。じゃ翔ちゃん、あーーん」
トキヤに渡されたスプーンで那月は自分より先に翔に差し出す。ドームは先ほどよりもっと大きな歓声で埋まった。これはもう食べるしかないと翔は口を開けた。
たっぷり30分かけて歩いても衝撃が収まらないようで同行者はタオルをかぶったまま泣いている。帰路の待ち時間に鞄を開く。中にはピンクのリボンを巻いたピヨちゃんが入っている。公演中に那月が投げたものだ。これが手元に来たこと以上に「活動休止」が重くのしかかる。そんな土産はいらなかった。
「北海道なう!」
仕事が終わった足で羽田に直行して空港内を全力疾走して北海道に飛んだ。空港から札幌行きも終電に滑り込むような状態でようやく一息ついてtwitterを眺める。前日に急に仕事が入るなんてついてなかったけど来れてよかった。明日のコンサートに向けてひたすら喜びをかみしめる。
「翔ちゃんの薬指のサイズ公開されてないかなあ」
「何ペアリング作ろうとしてるの馬鹿なの」
「だって誕生日おめでとうリング可愛くない? やばくない?」
「あたし指輪よりピアスとネックレスのセットがいい。黄色とピンクでちょうかわいい」
「戦争だよね」「前日入りにしてよかったね始発で並べるよ」
那月の鞄には黄色のカラビナがついている。いつもここにポーチやスマホなど重要な物がぶら下がっている。1度スマホを地面に落として再起不能なまでに割ったことから翔が付けたものだ。物販にも似たものが売られていたがこれは「お前の馬鹿力でも壊れないように」とクライミングにも使える特注品だ。
コンサート期間中のトキヤは前回の映像を事務所でもらってタブレット端末で見てることが多い。「べたべた触らないでください指紋がつきます!」とか「そのイヤホンを離しなさい」とか「勝手に巻き戻さないでください」とか度々音也とやりあってて飽きねーなって思う。人の事言えた義理じゃねえけど。
翔ちゃんは今年も帰ってこない。仕事が忙しいからしょうがないし喜ばしいこととはいっても、昔は毎年パーティをしてプレゼント交換をしていたからあの頃が懐かしい。当日にメールも電話もするけどカードも贈る。ピンクの封筒に入れてポプリも入れた。山積みのレポートがなければ僕も札幌に行ったのに。
デビューして数年たって一番変わったことは那月の料理だ。普通に食べられるっていうか美味い物を作るようになった。今日も腹いっぱい食べたから洗い物ぐらいするぞといっても台所の支配者状態の那月には通用しない。レンとの料理番組はそんなに良い刺激になったのかと思いつつ若干面白くない気もする。
どういうのが好きかうんと悩んだ。喜んでくれるかなって笑顔を想像した。届きますようにってうんと祈りを込めてそれぞれに「四ノ宮那月様」「来栖翔様」と書いてサインペンでハートを散らせて手紙と一緒に担当色のリボンで結びつける。これで旅立つ準備は出来た。札幌ドーム遠征はいよいよ来週だ。
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