妖怪アパートの幽雅な日常〈2〉 (講談社文庫)

文庫になるとすごく薄くなるんだなあとびっくりした。いやもとの単行本でも170ページ前後なんですが。
半年の寮生活を経て妖怪アパート暮らし再度。
今巻はアパート中心(コメディ寄り)。アパート多めということはお食事のシーンが大変多いということで。
とてもお腹が空きました。ハラヘリィ。
しかし夕士と長谷の仲はこの巻から人によってとりかたが……ですね。

久しぶりに戻ってきたアパートの住人「古本屋」(その名前は通称。本名は全くもって不詳。職業は世界各地を飛び回って希少本奇本(魔道書含む!)集める売る)の収穫品の1冊にタロットカードの画集が出てきた。秋音いわく「なにかが封印されている」というその本はある夜夕士のもとを訪れて、という。

赤く染まった上空を、蝙蝠のような影が舞う。木陰から、壁の向こうから、天井の暗がりから、しきりにこちらを窺うモノがいる。姿の見えない足音や物音がする。「人以外」の存在が、潮のように満ちてくるのだ。
夕闇が落ちてきた庭には、葉陰に、花陰に、染みたような光の明滅が起こり始める。それは決して虫たちの囁き合いではなく、ゆらりゆらりと、不規則な動きを見せる。

(P150)

鳥は星形の庭におりる (講談社X文庫—ホワイトハート)

ついったーで話題だった本。ホワイトハートの新人さん。多分単巻ものでファンタジー。
あらすじでは「迷宮ファンタジー」と銘打たれてますが、迷宮街クロニクルみたいな迷宮にもぐって戦ったり財宝で一攫千金とか死と隣り合わせみたいな本ではありません。
祖母の弔いに故郷アラニビカ島へ向かう貴族の一行。その令嬢プルーデンス(13歳。祖母の影響で年の割には知識が豊富。孤立しがち。可愛げはあまりない)が黄金比の美しさについて語ったり大人たちの陰謀に巻き込まれたりする話。アラニビカへ渡るまえに伯爵が雇ったオスカーと名乗る蒼い衣をまとった吟遊詩人が現れた。周りは歌がすばらしいと絶賛するがプルーデンスはその詩人がとても胡散臭いものに感じられる。

聡明さゆえに孤立する少女と胡散臭い詩人っていい組み合わせですね。
基本口先三寸だけどたまに真理をついたりもする歌のうまい詩人というとオペラシリーズの詩人が脳内検索ではHITするわけですが、あちらよりは相当健康的な雰囲気(部分的に性的な意味で)。
地味めの話だけど神話とかプルーデンスの変化とかがすごくよかった!

「ああ、そういう人もいるね。いろんな人がいるよ。無慈悲で浅慮なのに愛される人もいるし、優しくて相手を理解しているのに、愛されない人もいる。この世は不公平で不条理で、割に合わないことばかりだよ。プルーデンス」

(P107)

「なにも考えずに泣いたり怒ったりするのは、罪がないことだと思っているのね。でも私はそんなの嫌よ。それは安易で浅はかなことだわ。可愛くないとかひねくれてるとか言われたって、私は我慢するの。そして最初から泣かずにいられる方法を考えるわ」
「プルーデンス……」
「私はたしかに子供で小さくて、無力よ。でもだからって私を弱くしないで!」

(P158)

運命のタロット〈2〉「恋人たち」は眠らない (講談社X文庫—ティーンズハート)

ほぼ前巻から地続きの感じの運タロ2巻。
空飛ぶ覆面娘の正体(つまりライコ)をめぐって新聞部とか片桐先輩とか魔法使いに弄ばれるとかまだティーンズハートだな懐かしい感じだなと思った。カバー袖の部分には《魔法使い》と《恋人たち》の戦い! 《運命の輪》も出てくるよって書いてるのにまだーまだーとかいいながら読む。
中立の立場の《運命の輪》をジャッジに《恋人たち》とバトル。でも直接戦うのではなくて《恋人たち》の協力者を3日以内に探すことになった。改変ってなんぞやーとか、読書メーターのコメント欄の不吉なことばになにがおこるんだ……と思いつつ以下続く。

レンタルマギカ  旧き都の魔法使い (角川スニーカー文庫)

レンタルマギカ京都編。
猫屋敷実家のターンです。猫屋敷の過去がちょろっと出てきます。
辰巳と香も出てきました。この2人は可愛いです。クライマックスっぽい雰囲気だ。

収穫を始めましょうとかいわれたらハープの音色(古代ギリシャ帰りなので!)が聞こえてくるようです。
もぎ取れないのなら刈り取ればいいのです!

黄昏色の詠使いIX  ソフィア、詠と絆と涙を抱いて (富士見ファンタジア文庫)

最後に至るまでのあの流れのために読んでたなあ、と思いました。
ミクヴェクスかクルーエルかの時点で、クルーエルは消えると思いましたが。
最初のほうのエイダ関係のあれこれとかミオとか、視点が多くて読みづらいヨーと思ってたので余計に。
ファウマの名詠のシーンはちょうど志方あきこ「埋火」(Harmonia収録)を聞いてたので、これはすごく合うとかテンション高くなってた。

次回最終巻ー。

SH@PPLE—しゃっぷる—(5) (富士見ファンタジア文庫)

ドラゴンマガジン掲載の短編集(書き下ろし含む)
SEC多め、蜜(ていうか青美組)少なめ。
「ぼく、ゆきぐに」がとてもやばかったです。とてもやばかったです。大事なことなので2回言いました。双子萌え属性にはたまらんです。一瞬フラクタルチャイルドのサキとジュラに見えたんだぜ……!
あと放課後天下無双が好きです。美少女写真でバーコードバトラー的なものをやろうぜ!という。
肖像画対決のその後の「これが今の精一杯」が脳内で「今はこれが精一杯」とルパンボイス@カリオストロで再生された。

次巻は夏ぐらい。テンポ速いなー。

「お年を召してたら美人じゃないっての? 謝れ! 吉永さゆりに謝れー!」

(P78)

本来、序列とは残酷なものだ。
永年培ってきた審美眼が、魂の中で大事な部分が、数字という明確な基準でもって優劣を決められ、解体されていく恐怖。それは残酷だった。それは凄惨な遊戯だった。まさにはじめる前には気付かない落とし穴に人をはめていくのだ。

(P81)

恩寵

読み終わってまず思ったのは「ファンタジー色の濃いからくりからくさ」でした。

仕事をやめて風里は電車に乗って都心を離れた。緑と一軒家が多くなり二の池駅というところで降り、古ぼけた家と出会う。どうしても気になる家だが失業したての自分に家を借りる余裕なんか……などと思いつつ、家の持ち主に交渉して借りることができた。
近所の植物園で標本整理のバイトを見つけ、以前は良くやっていた刺繍を再びやるようになった。
夢の中で不思議な少女を見たりして、ある日実家に帰った時、母方の女系の筋では時々夢見ができるものが現れるという話を聞いた。過去の話と現代の話が行ったり来たりする。

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