妖怪アパートの幽雅な日常〈2〉 (講談社文庫)

文庫になるとすごく薄くなるんだなあとびっくりした。いやもとの単行本でも170ページ前後なんですが。
半年の寮生活を経て妖怪アパート暮らし再度。
今巻はアパート中心(コメディ寄り)。アパート多めということはお食事のシーンが大変多いということで。
とてもお腹が空きました。ハラヘリィ。
しかし夕士と長谷の仲はこの巻から人によってとりかたが……ですね。

久しぶりに戻ってきたアパートの住人「古本屋」(その名前は通称。本名は全くもって不詳。職業は世界各地を飛び回って希少本奇本(魔道書含む!)集める売る)の収穫品の1冊にタロットカードの画集が出てきた。秋音いわく「なにかが封印されている」というその本はある夜夕士のもとを訪れて、という。

赤く染まった上空を、蝙蝠のような影が舞う。木陰から、壁の向こうから、天井の暗がりから、しきりにこちらを窺うモノがいる。姿の見えない足音や物音がする。「人以外」の存在が、潮のように満ちてくるのだ。
夕闇が落ちてきた庭には、葉陰に、花陰に、染みたような光の明滅が起こり始める。それは決して虫たちの囁き合いではなく、ゆらりゆらりと、不規則な動きを見せる。

(P150)