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金星特急 1 (新書館ウィングス文庫)

これはよい冒険もの。少女向けレーベルではあんまり触れたことのない雰囲気。
一応現代地球・日本がスタートの地ではあるけど今とはまた違う別の歴史を辿った感じの日本。
たとえば「都立高校」「東京駅の八重洲口」なんかがあるけどまだ赤線や日本から他国への橋が存在する。「漢字」は飾りであり記号で模様だ。

「金星」が花婿探しをしている。見事婿に選ばれればこの世の栄華は思いのまま。

金星は国籍不明・正体不明・ある日忽然と現れた美女だ。花婿の条件は一つ「生殖可能な男子」
金星の元へ連れて行くという金星特急と花婿募集ポスターがギリシャに現れて8年、世界各地にその特急列車は現れて一定期間ののち沢山の男を乗せて消えた。誰ひとりとして帰らない。追いかけたヘリコプターなどもすべて消えた。

自殺特急便といえるその金星特急に乗り込んだ錆丸・砂鉄・ユースタスの話である。
何もない空間で電車が1両分プレスされてしかもあるはずの死体が姿を消すのである。ときめきだ。
この巻だけでも相当の死者が出て容赦ない展開であるのに重くならないのは錆丸の明るくて好奇心の塊の性格によるところが大きいなあと思います。

1巻ではまだうおおおなんだそれ気になる! って感じの謎をひたすらふりまく話のスタートの巻。
季刊雑誌の連載がベースなので続きは最低半年後です。多分今出てる小説ウィングス買ったら続きが読めるんだろうけど本になったときのお楽しみにしておく。

例のあのユースタスは女フラグが立ってる件。無理ではないと思うんだ。錆丸は剥かれてたけど巻末の砂鉄視点短編によれば「外見がどう見ても男であればチェックがおざなりになる」なので無理ではないはず。

デュラララ!!×7 (電撃文庫)

短編集寄りといえば短編集寄り。

誠二波江美香による三角関係昼ドラ展開
粟楠会のおいちゃんと園原堂の話
トムさんとシズちゃんのおしごと(ヴァローナもいるよ!)の話
新羅とセルティのラブコメ展開
それと刺された臨也のその後。
以上の5本。

過去の話へのフォローがあったりかなり復習的な意味で善良的な一冊だなあと思いました。
あとがきで「デュラはあんまり新キャラが増えないので」って書いてあってそうかこれで「増えてない」の範囲内なのか……っておもった。いやデュラ新キャラ多いよね。

今巻は粟楠会のおいちゃんこと赤林とシズちゃんがよかったです。シズちゃんモテモテ1
おいちゃん強い。罪歌に斬られた上で支配下から外れているのがすごい。
善人ではないけど憎めない人だ。

波江のあの顔はちょっとうみねこの顔芸を思い出す凶悪っぷりだよ!

トラウゴット・ガイセンデルファーはそのうちシズちゃんと一戦交えそうだなと思った。
あちぇらばーてんねんはパーデンネンにみえた。さんまの引き笑いがきこえた。

  1. 色んな意味で []

後はマのつく石の壁! (角川ビーンズ文庫)

水上都市ダルコ編終了というかようやく聖砂国編エピローグが終了したというか。
次男スキーとしてはコンラッドの帰還を喜ぶべきなんでしょうがえっらいあっさり帰ってきたのでびっくりした。え、本当に戻ってくるの? また出て行くんじゃないの? て思った。

しかしヒューブとかギーゼラとかニコラとか鏡の水底とか懐かしのキャラが出すぎだ。アニシナはいい。和む。続きはまた来年なのかな。今度こそ半年ぐらいで出るといいな。

創立!? 三ツ星生徒会4 そうして恋3は辿りつく (ファミ通文庫)

わたしは最近ゲームといえばペルソナなのでマハラギオンに読み替える!

そんなわけで三ツ星生徒会最終巻。
プロローグがいきなり数年後からはじまるのでびびる。本編がはじまるとヒロイン交代という感じで陽菜少な目葛城さん超増量である。
終盤の真の黒ぷににペルソナ4を思い出す。我は影(「゚д゚)「

体育祭とか生徒会選挙の話も読みたかったなあとか思いつつ(あと生嶋さんスキーとしてはとにかく出番を!と思ったり)よいシリーズでした。

お好みの本、入荷しました (桜庭一樹読書日記)

読書日記3冊目。
カバーの印刷の関係で刷り直し→入荷が年内には間に合わない本屋も多いという記述を見てAmazonで予約扱いでぽちっとした。うちは絶対年明けになるなと思ったので。

持ったときの感触からして既刊より分厚いと思ってたけど書店はタイムマシーンより50ページ程厚い。
あと注釈が全体的に多い。ページをまたがるのでこれはどこに注釈があるのか・これはどこに対する注釈なのかと探した。注釈の存在はありがたいんですがせめて同じ見開きにあってもらえるのが嬉しい……

ネットで一通り見ているはずなのに、「あれ、ここ読んだっけ?」というところが結構あってびっくりする。特に序盤。横書きマジックか記憶が悪いのか……
この巻でファミリーポートレイトとか製鉄天使とかを書いている。製鉄天使は余裕でまだ積んでいる。
発売日付近に買ったのに自分で買ったハードカバーの本は後回しオブ後回しにされる傾向がある。
一読永劫でアイルランドへ行ったときの記述を読んで懐かしくなる。これは本放送と再放送とあわせて2回見た。この年末も再放送やってたけどガキ使→紅白コンボを優先させたので見なかった。

この巻の終わりで結婚式をしていた。結婚の報を聞いたのは日記が先だったか読書日記が先だったかとにかくすごく驚いた。まえに桜庭一樹日記とか桃井かおり(だったと思う)と対談してたときとかに「結婚しないと思う」とか言ってたので余計にだった。いつぞやのメールマガジンでユヤタンの結婚が伝えられた時以来の衝撃だった。

リテイク・シックスティーン

星星峡で連載してたやつ。1冊にまとまるのを待ってた。
キリのいいところまで読もうと思っていたら気がついたら読み終わっていたという。
あれだな。豊島ミホの長編を読むのは久しぶりだな。

放課後の教室で孝子がいかにも秘密を打ち明けますといった感じで話し始めた。
「あたし2009年から来たの。本当は27歳で無職の引きこもりだった。今度こそ青春らしい青春を送るんだ」というはじまり。
といってもSFSFした展開はなく、あくまで未来から来たと言い張る痛々しい人の話ではなくガチの青春。
語り手は孝子ではなく沙織。見た目はお嬢だけど実際はそうではない。

舞台は97年の地方1で高校1年生。携帯はまだない。
調理実習・球技大会・席替え・「教科書忘れたから見せて」・部活・彼氏が出来てはじめての海・進路・スキー研修
要素を並べるだけでも王道だなということが分かると思います……

序盤の大海君が可愛い。

笑点の話の時も、即座「小峰さんは誰が好きですか!」とこっちに接近してきたし、バドミントンにいたっては、私に向かって羽根を打つたびに「愛のサンダースマッシュ!」とか変な技名を叫ぶ。

(P68)

男の子って馬鹿だ。

自分は27歳だったという女子高生の口から語られる「かつての自分」はわたしの心のやらかいところを締め付けるわけですよ。私もうすぐ29歳を読もうと思っているけど大丈夫か。

働いていないから、一年前と今日の違いがよくわからない。気力がなくて家事もあまりしない。どうしてこんなことになったのか、ひとりで部屋に篭って考えてばかりいる。(略)
「沙織には……や、若い子は皆、わかんないかもしんない。人生が止まっちゃうって感覚。大学出ても就職できなくて、どこにも行き場なくて、でもひとりでやりたいようなこともなくて……まさに手詰まりって感じ」

(P198?200)

わたしはてっきりもう休業しているもんだと思っていたのですが、これが休業前最後の小説2なんだそうです。どおりで豊島ミホ休業エントリへのアクセスが多いはずである。

papyrus (パピルス) 2010年 02月号 [雑誌]

papyrusに休業前最後の特集が組まれています。

きっと、今この瞬間だけの幸福の重さを、みんながわかっている。

(P382)
  1. 「鶴賀」っていう地名が出てくるのでもしかしたら長野県。 []
  2. 書いたのは、という意味。まだ週刊アスキーで連載していた「廃墟の女王」が単行本化されていない。ちなみに今年は文庫が出るそうだ。 []

“文学少女”見習いの、傷心。 (ファミ通文庫)

主人公は相変わらずの菜乃ですがななせ若干の救済だったり再度の落下予定だったりあと色んな人の後日談。天使とか水妖とかのあのひとまで再登場するとは思いませんでした。
冒頭で菜乃が着てたワンピース遠子先輩が着てたやつに似てたよな……

しかし千愛がちょっと美羽様みたいになっていた。びくっとした。そして芥川×心葉。やべえ。

菜乃とかななせとかラストのあれとか、なんでやねん(゚д゚)と思いつつも作家(下)で未来は示されているわけで、そういう意味では水妖の時のような心臓に悪い感はない。しかし遠子先輩不在の心葉はなんであんなにモテキングなんだ。

次は挿話集か。WEB連載の分は見たり見なかったりなので1冊にまとまるのが嬉しい。

妖怪アパートの幽雅な食卓—るり子さんのお料理日記 (YA!ENTERTAINMENT)

妖怪アパートスピンオフその1、るり子さんがメイン。
といっても別にるり子さんの生前が読めるわけではなく日記風です。
既刊のあらすじ(巻によって数回に分かれる)+今日のごはん(日々ごはんっぽい感じ) +1Pレシピを10冊分やります。あと登場人物紹介や間取りや掌編や用語集が載ってます。冒頭には少しカラーページもあります。
なのでスピンオフはスピンオフでもファンブック的位置づけではないかと思います。
衝撃的に薄い1ですしお値段も結構張ります。

  1. 単純にページ数の話 []

雪迷宮 (幻狼ファンタジアノベルス)

あとがき曰く飛鳥・奈良の風俗を少し意識して平安と中華の要素も入っているけど、地球ではない異世界が舞台。名詞とかは漢字名なんですが不思議と和風とはなんか違う感じのファンタジーです。
恋愛もので一冊完結です。
本宮作品を読むのはこれが初めてで、「かつくらのメールインタビューで自分の読書履歴とキャラ萌え履歴をみっちり書いておられた方」という印象です。

神話の時代、その地には異界に通じる《門》がありそこから異形たちがふきだし世界は緩やかに滅びようとしていた。対策に頭を悩ませた王のもとへ自分は異界を奉じる巫女だと名乗る痩せこけた娘が現れた。
彼女は「異界の門を自分の胎内に封じる」と王に進言した。いずれ壊れる人の身に封じるのではなく血脈で封じるのだといった。
そうして《門》を守るため巫子姫は代々王の妃となり、巫子姫はかならず女児を産み胎内の《門》は娘に譲り渡されてきた。世界に唯一の赤い瞳は《門》を宿す巫女の特徴だった。
時代は流れこれは37代目の巫女の物語である。

封印設定に加えて「《門》は最初にあった場所からあまり遠くへ動かすことは出来なかった」という設定から何となくビーンズの封印の女王を思い出す。でも似てるかと言われれば全くそうではなく、わたしの中では「巫子姫の目は赤い」「胎内の門」から魔女とラフレンツェが飛んでくる。
純潔の結界はむしろ破られるべきなんですが最初の1回で懐妊しその娘が次代の巫女となるため、王以外と結ばれることは許されないのである。

読み始めてみるとなんだか行間が空いてる気がするなあでもフォントサイズは変わらないはず……と思って試しに手元にあった世界画廊の行数を数えてみる。18行。対する雪迷宮は16行。2行違うだけで見た目の「詰まってる感」がこれだけ違うのかと少し驚く。

初恋もえ。
とてもいい本だと思う。面白いしすげえ! とおもった。でも正直小骨が喉に刺さってる感があるのは否めない。
しかしこの本はネタバレを回避しつつ感想を書くのがとても難しい本だ。
すごい話だと思うしご都合展開でもないとは思うんですが、6:4で「ハッピーエンドであること」が残念な感じ。でも面白いんだから不思議な話だなあと。妾がよいね! むしろ雪より妾が主人公でもよかったね!

プリンセスハーツ?誰も代わりにはなれないの巻 (ルルル文庫)

すれ違いラブはよいね!(どーーん!)

銃姫を読みうっかり積みっぱなしだった1遠征王ブームが突然やってきて行方不明のエルゼリオ以外は全部読み、年末はどっぷりつかってきたので冒頭とかか端々で語られる銃姫用語に著しいときめきを覚えた。

地下からついに出てくる弟の人、消える時計の人。ルシード兄弟はなんか可愛らしい。腹のうちが見えないわけですけどこうしてると普通の兄弟だな。そしてジル用語の1回に終わらない暴発っぷりにわたしの胸はいっぱいです。ジル可愛いよジル。可愛がるの基本をマスターし更なる応用をwww

ケイカとサラミスは性別を考えるとあれなんですが普通に夫婦だった。普通にバカップルだった。
プリハーもそのうち再読しよう。事典作りたい。

  1. 友達に借りて一応全部読んでいるのですが自分でも買った []
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