カテゴリー「 読了 」の記事

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夏と花火と私の死体 (集英社文庫)

実は読んでなかったんだよ乙一デビュー作。

9歳の夏の日だった。木の上にいた五月は弥生に押されて地面に落ちて死んでしまった。弥生とその兄、健は五月の死体を隠そうと奔走する。というのが五月視点で語られる。

しかし私雰囲気もえとしては「優子」のほうが好きだ。
戦争が終わって間もないころ、鳥越家で住み込みで働くようになった清音と主人夫婦の話。

旦那様も奥様も変な方だ。清音は思う。政義も優子も自分の前ではわざと襖を開けないようにしている気がして清音はたまらなかった。自分の廊下を歩く、きゅ、きゅ、という板のこすれあう音に二人耳をすませて警戒でもしていそうで、背筋がぞくりとなった。鳥越家の長く薄暗い湿った廊下は遠くのほうや隅っこのほうに闇が溜まり、その中にたまらなく嫌な視線を感じてしまう瞬間がこの家に来て何度かあった。

(優子 P153)

お寺に嫁いでしまった。

どうもブログ→書籍の本のようです。
お寺の日常エッセイ的な本かと思ったら途中から変わって、生い立ち?学生時代?就職?出会い?結婚?妊娠流産妊娠出産という半生記のような感じになってきました。結構えげつないところまでさらけ出している割に一番読みたかった日常ネタは少なかったのでそういう意味では期待はずれでした。

寺関係者がなくなった場合の話がちらりとありましたが、あれは凄いです。お経を上げる人だけで15人ぐらいいます。

心霊づきあい (幽BOOKS)

霊とかオカルトな話がいっぱいな対談集。
大森亮尚・平山あや・工藤美代子のあたりが好きだな。興味深い内容でした。

NO CALL NO LIFE

ROMってる某PBWのお気に入りな人たちが次々にお亡くなりになったので、病んでる分を補給しなくてはいけない!と思い立ち再読。

有海の携帯にはたびたび幼い男児の声で謎の留守番電話が入るようになっていた。着信日時は10年ほど前を示している。かけなおしても、「おかけになった電話番号は現在使われておりません」と流れるのみ。

本気でどろどろするほどスキになったら殺したくなるかもしれない——春川の台詞が頭に浮かび、自分の中にぞくりとした暗い感情が芽生えるのを感じた。自分のものにならないなら、航兄なんて死んじゃえばいい——。

(P79)

⊂´⌒つ*。Д。)つ

有海はいかにして従兄弟である航祐を殺したか、という話ではなく。
有海と春川(2個上だけど同学年)の欠陥と行き当たりばったり感と薄暗い青春にあふれたラブの話です。

神曲奏界ポリフォニカ エンシェント・ホワイト 神曲奏界ポリフォニカシリーズ (GA文庫 た 1-5)

絵師が変わるのは知ってたけど、表紙はスノウしか目に入ってなくて「あ、あんまり変わってない」と思って、113ページのブランカを見てびっくりした。普通に誰だ!とおもった。

本編のほうもナンダッテーというところで終わってるのでとても気になるんですが、プリムローズの一人称のほうが好きです。KUROI!
最近の白ポリの中では好きな部類です。

神曲奏界ポリフォニカ ダン・サリエルと白銀の虎 神曲奏界ポリフォニカシリーズ (GA文庫 あ 4-1)

ポリフォニカの前の短編集であるところのぱれっとでとても好きだったダン・サリエルが1冊の本になりました。ぱれっと収録作品+3編。とてもいいです。
主人公は右側でバイオリン持ってるオールバックです。
メインはサリエルVSユフィンリーですね分かりました!

ばけらの! (GA文庫 す 2-1)

「ラノベ作家を美少女化してみました」という。発売前からついったー界隈で「なんたる内輪ネタ」と盛り上がっていたので試しに買ってみた。
普通にラブコメとして面白いと思いました。でも1冊でいいです。

元ネタというかモデル作家はイヅナとウーノぐらいしか分かりませんが。(風姫については前にどっかで見たので知ってたレベル。あれを見てなかったら多分わからない)
ちなみに好きなのは3話。

夜市

これはいい。
ホラー大賞受賞作とか知らないで読んだんだけど「うっかり異界に迷い込む。○○をしないと出られない」系の話が好きな話は読めばいいんじゃないかな。異界に迷い込むといっても異世界トリップではないですよ。この薄暗さがいい。

夜市

「無理よどこから来たのか知らないけれど、あなたは夜市の仕組みがわかっていない。ここに迷い込んだら、買い物をするまで出ることはできないの」

(P22)

森のずっと奥に夜の間だけ市が開かれる。いずみは裕二に誘われ夜市へと出かけた。裕二はずっと昔、子供の頃に一度夜市に来たことがあるという。夜市から抜け出すために渡した対価とは。

風の古道 

 いいかい、道というものの中には……君たちは勘違いしているだろうけど、決して足を踏み入れてはいけないものもあるんだ。稲荷の裏の家に生垣から入っただって?
 全く何てことを。
 この道はね、そもそも人間で通ることのできる者は、ほんの一握り。何年も修行を重ねたお坊さんか、特殊な血族のものだけだった。
(略)
君たちが使っていい道じゃない。

(P97)

 

7歳の時、道に迷って知らないおばさんに教えてもらった不思議な道。12歳になって初めて、親にも話さなかったその道のことを友達にも話した。そしてその道をもう一度通ってみることにした。

話の設定は夜市が好きで、話の展開は風の古道が好きだ。
ホシカワとレンの話がなんとも物悲しい。

桜庭一樹読書日記—少年になり、本を買うのだ。

そろそろ読まねば!と思って。
この前直木賞受賞の時のオール読物を引っ張り出しました(冬の牡丹まだ未読なんだわ

続読書日記のサイン本の販売(の予約)が東京創元社でやってます。
到着が10月半ばとかになるらしいので1冊目としては無理だ……と思った次第。

エンジェル・エンジェル・エンジェル (新潮文庫)

認知症をわずらったほぼ寝たきりなおばあちゃん(さわこ)と孫コウコと熱帯魚と深夜の話。
おばあちゃんは深夜になるとモーターの音にひかれたかおしゃべりな娘さんのようになる。それがもうひとりのコウコのようで。

エンゼルフィッシュってこんなに凶悪ーな魚なのか?(熱帯魚とか未知の世界だ。それこそディスパレイトぐらいしか。

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