タグ「 森見登美彦 」の記事

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四畳半王国見聞録

太陽の塔寄りの登美彦氏。
かといって今までどおりではなく「ひとりの阿呆」のみならず数々の阿呆大学生を取り上げ、誰の視点だか解らずあれっと思う作品もあり呑まれる感じ。よいよい。
「グッド・バイ」と「四畳半統括委員会」と「四畳半王国建国史」が好き。
「グッド・バイ」はあの微笑ましさから段々哀れな感じになってくる流れが好きなんだ。
大日本凡人會が真面目に異能集団である。モザイクさんはすごい。

昨今、一見普通のサークルのように見せかけて、その実、違法なビジネスや宗教に勧誘するサークルがあります。ソフトボールサークルに参加したつもりが、夏の合宿に出かけて見るとソフトボールにまったく関係のない教祖様が出てきた、などという哀しむべき逸話は枚挙に暇がありません。

(P166)

ゴールデンタイムを思い出す。四畳半統括委員会はあの議事録とか手紙とかが好きだ。

ペンギン・ハイウェイ

小学校4年生の「ぼく1」の街に突然ペンギンが現れた。
ぼくはウチダくんやハマモトさんと一緒にペンギンや歯医者のお姉さんの研究をする。

ペンギンはなんかSF心をくすぐる生き物なのだろうか。不思議生物ペンギン。
ペンギン・サマーとかを思い出す。

そういえば何かのエッセイで「ノートはすごい。いいノートがあればいい小説が書けるような気がする」とかモリミーだったかがasta*でノート愛エッセイを語っていた。「ぼく」もノートを片手に研究内容や知ったことや実験結果をもりもりと書いていた。ノートは強い。

「世界の果ては折りたたまれて、世界の内側にもぐりこんでいる」

(P205)

「アオヤマ君はスズキ君にも怒らないんだね。」
「怒りそうになったら、おっぱいのことを考えるといいよ。そうすると心が大変平和になるんだ」
「ぼく、アオヤマ君はえらいと思うけども……でも、あまりそういうことを考えるのはよくない」

(P48)
  1. アオヤマ君 []

宵山万華鏡

宵山が舞台の短編集。

せっかくだから、と思って宵山合わせで読んだ。短編集だし1日で一気読みはもったいない気がしたので
14日(宵宵宵山)から16日(宵山)で最高1日2編まで!とかいってた。
カスタムチャイルドはまじ偶然だったけど宵山万華鏡は計画的犯行である。

夜は短し歩けよ乙女のような大学生の阿呆な話もありますが、全体的な雰囲気はきつねのはなし寄りです。表紙がきらきらしててタイトルどおりの万華鏡だなあとおもうなど。

祭りというのは非日常だ。人と熱気に溢れた通りから横道に入って、普段は昼間でも通らない街灯も人気もない真っ暗な道を通ったり(高揚感とどこからか聞こえてくる鳴り物の音で怖さはまるでない)道路の真ん中をのろのろと歩いてみたり、照明が川面に映っている対岸を見たり、ちょうちんの下を歩いたり、酔いつぶれて寝ている人のとなりを風邪引くでーとおもいながら通り過ぎてみたり(個人的には某工学部とサークルと関西方面の大学の連は滅びろと思う)。多少不思議な事があっても許される雰囲気。だって祭りだし。京都だし。

永遠に宵山を抜け出せないというのは夜市と四畳半神話体系が混ざり合った怖さがあるなあ。

69ページ付近の緋鯉様(仮)は脳内で京都弁っぽく再生してみる。
しかしわたしには京都弁を喋る友達はいないので脳内ソースは山村美紗サスペンスとかテレビ経由のため、舞妓さんかチュートリアルの徳井で再生される。

リアル宵山は一度は行ってみたいと思っていたけど、映画鴨川ホルモーの宵山協定のシーンを見てむりだ!と思った。黒くうごめいているものがあって何かと思ったら人の頭だったのである。人ごみ過ぎる。

彼女の手を握る女の子の手は、どれだけ走ってもひんやりとして、気持ちがいい。そうやって手をつないでいると、自分の身体まで軽くなっていくようだ。足取りが軽くなるにつれて頭が痺れてきて、彼女は同じ景色を繰り返し見ていることも気付かなかった。
あの淋しい路地にある万華鏡の屋台の前を、彼女は幾度も通っていた。同じ角を曲がり、同じ通りを走り、そして同じところへ戻ってくる。賑わう街の一角で渦を描くようにしながら、彼女は宵山の深奥に吸い込まれていく。

(P32)

恐るべし京都、恐るべし祇園祭、恐るべし宵山。
素人の俺が、一人でほっつき歩くべきではなかったのだ。

(P71)

恋文の技術

書簡体小説。
asta*でリアルタイムで追いかけてたのに大分笑った。
とてもアホだった(褒め言葉)大塚さんは強い。守田妹はすごい。
守田とか小松崎とかOPPAIに興味を示しすぎだった。

君は二の足は踏んでいるが、俺も桃色映像を断つのはおすすめしない。ただでさえ理性を失っているところで、欲望の捌け口を失えば犯罪に走るかもしれん。汚れた心は今さら清くならないのだから、桃色映像を我慢するのは百害あって一利なしだ。

(P15)

美女と竹林

エッセイ?
森見登美彦氏のブログであるところのこの門をくぐる者は一切の高望みを捨てよのような文体で語られる日々(※ブログを書籍化したものではありません)

登美彦氏の本上まなみさんについて(野性時代の対談及びトップランナー)の辺りが面白すぎた。苦節10年のはずがあっさり叶ってしまいあばばばばとなっていたということである。
あと明石氏は堀北真希がすきすぎると思う。
明石氏が司法試験に受かって実務修習で徳島に行くことになったというくだりで、友達の友達の彼氏(司法関係者)が「早く徳島を出たい……俺転勤決まったらそれにかこつけてプロポーズするんだ……(意訳」と言っていたことを思い出した。

「面白いだけで生きていけたら、なんの苦労もありませんなあ」と、高橋留美子著『めぞん一刻』の中で四谷さんも言っている。筆者はこの意見に深く賛同するものである。
たしかにオモチロイことは認めるけれども、これは過酷な道である。
人間としてダメになるよ! ホントに!

(P76)

あと、虫歯が痛いのだったら歯医者へ行きなさい。パジャマパーティがしたいのならば一人でしろ。だいたいパジャマパーティは男同士でやるものじゃないと思います。男はふんどしパーティです。

汽車の中で密かにしぬかと思った。笑い声を出したら負け選手権。

有頂天家族

くたばれッが当分流行りそうです。ちなみに夜は短しの時は恥を知れしかる後死ね!が流行った。
毛深き家族愛の話。登場人物は狸と天狗と半天狗。あと人間。

「そこは噛んだらイロイロとヤバイってば!」(P77)

これはあれでしょうか。たんたんたぬきの(以下略

脳内で地図を検索し次男が引きこもる前の話におうおうとなり「詭弁論部」ににやにやとしていた。読み終わったあと京都に住まえばの有頂天地図を見ていた。

長男と母が好きです。好きなコンビは三男と赤玉先生。
電気ブランが飲んでみたいそんなお年頃。

面白きことは良きことなり!

また読みたい本が増えてしまった……とりあえず図書館にあったので1冊は予約。
asta*が面白い。

テーゲーチャンプルー/池上永一
エッセイ。団塊の世代が移住で住みたがる家とか場所とかいうのは島民は絶対寄り付かない、みたいな。

恋文の技術6話/森見登美彦
四畳半国開拓史みたいなツボにがつんと来るような話だった。死ぬ……
京都駅の近鉄名店街の奥深くってこの前京都行った時ご飯どころを求めて彷徨ってたところだ……

とっさの方言12/中村航
ニンニン。

私はかなり訛っている方ですが、前JRの隣に座った推定関東方面の大学生の女の子の言葉が怖かった。言ってたのは「休み少なくないですか?」とかだったけど、妙に怖かった。欧米系外国人がネイティブに大阪弁喋るぐらいの違和感。

ライトノベル☆いいとこどり 三村美衣
海賊? 不老不死?「パイレーツオブカリビアン」から読むライトノベル

アラバーナと天気晴朗なれどはともかくバッカーノとBBBが混ざっていることに驚いた。えええ。バッカーノは「海賊ものではないけどパイレーツ?並の馬鹿騒ぎの話ということで」って注意があったけど、最初はそれを見てなくて海上のシーンはあるしありかなあとか思った。

ハリ系は今月から連載開始の小説で、ハリネズミから進化した人間がいたら、という話。擬人化ハリもぐハーリー。面白い感じなので次回に期待。

太陽の塔 (新潮文庫)

モリミーこと森見登美彦氏の話は面白いのでマジオススメ。
太陽の塔は自意識過剰な非モテ男子によるクリスマス撲滅作戦の話。
話は主に「私」(休学中の大学5年生)の思索と行動で占められている。

魔女*おもひでコンボの日からぼちぼちと再読(笑い分を補給しないと死ぬので
水尾さん=夜は短しの黒髪の乙女説の元を確認するべく。
確かに「二足歩行のロボットのようなステップ」とかあるな。

類は友を呼ぶというが、私の周囲に集った男達も女性を必要としない、あるいは女性に必要とされない男たちであって、我々は男だけの妄想と思索によってさらなる高みを目指して日々精進を重ねた。あまりに高みに上りつめすぎたために今さら下りるわけにもいかない。そもそも怖くて下りることができないと誰もが思いながらも口をつぐみ、男だけのフォークダンスを踊り狂った。

(P7)

ちなみにこれは日本ファンタジーノベル大賞受賞作なのですが「京大生が京都中の女子大生を奪っていく」「恋人のいる明るい大学生活」なんて幻想に過ぎんのですという意味合いでのファンタジーです。

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