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12歳からの読書案内とれたて!ベストセレクション 12歳からの読書案内

この本すごくね?
タイトルは12歳?ですが中高生が読むと楽しいかもしれないよブックガイドです。
それより上の年代でも十分楽しめるのではないでしょうか(わたしはがっつり読みたい本が増えました)
同じく中高生向けのブックガイドといえばcolorful - 勝てる読書/豊崎由美とかもあるんですけど、こちらは翻訳メインで「え、この本を10代で?」っていう本が結構多いです。

わたし中学生ぐらいでこんな本あったら丸呑みする勢いで読んでいったと思う。今の子いいなあ!
ていうかこのラノ読んでるあたりの「ラノベ好きなんだけどラノベ以外もちょっと読みたくて、でも何が面白いの」っていう10代20代は読めばいいんじゃねと思った。

1冊目が発行されたのが2005年、2冊目が発行されたのが2009年。1冊目はこんな感じではじまる。

YA物は売れなかったのだ。それがこの10年ほどでがらっと変わった。(略)とくに国内では、江國香織、佐藤多佳子、あさのあつこ、梨木香歩、上橋菜穂子、荻原規子、伊藤たかみ、乙一、嶽本野ばら、などなど、あげればきりがないしこれにライトノベルを加えると、その数はさらに増える。

そしてセンスのよい本読みに自分の好きな本を紹介してもらった、というのがこの本である。
さらに2冊目は2000年以降に発行された本に限定されている。太宰治とか文豪作品とかはまったく載っていない。古典は古典で素晴らしいものだけど、読めばいいなと思ってくれるかもしれないけどこの本はあえて「新しいもの」「若々しくて新鮮なもの」を選んでもらったということだ。

絵本・YA作品・ノンフィクション・ライトノベル・短歌・10代にもオススメの一般文芸色々掲載されている。

いやもう1冊目「調理場という戦場」からはじまるし2冊目「夜市」とかもあってさあ!
ハッピーアイスクリームと笹公人が一緒にいる!とかさあ! 
一言で言うと「あの本とこの本が一緒にブックガイドに載ってるってすごくね?」っていう話だと思う。

あとラノベのセレクトもすごい。
禁書とかとらドラとかBBBとかシャナとか戯言・化物語とかラノベ的にメジャー作品はあまりない。
何が載っているかというと1冊目は「キノ」「君にしか聞こえない」「吉永さんちのガーゴイル」「霧の日にはラノンが見える」「銃姫」「Missing」「りすか」「イリヤの空」「ムシウタ」
2冊目は「人類は衰退しました」「魔女の結婚」「バカテス」「狂乱家族日記」「いちごタルト事件」「砂糖菓子」「ミミズク」「オペラ・エテルニタ」「七姫物語」「狼と香辛料」「円環少女」「ぼくらは虚空に夜を視る」
あと新書レーベルから「煌夜祭」「ドラゴンキラーあります」 

このカオスっぷりすげえ!

ていうか2冊目は随分とラノベレーベルが幅を利かせていた気がするな。ちなみにこのラノベリスト選んだの誰や! すごいな! と思って巻末の書評者プロフィールを見たらLNF実行委員の人が2人いました。
2冊目が既読率が高いこともあり読みたい本チェックが多かったのは1冊目。
このリストやべえ! とより思ったのは2冊目。

この本はふらふらと児童室@図書館に入った時に目にしたものですがすごくときめいた。
児童室は宝庫だな! あっちにも足を運ばねばなるまい!

ていうかわたしこういう本作りたい。作りたいといっても同人ではなくもちろん商業でもなく自分で製本1。ブログからいくつか抜き出してだな! タイトルはクマーだな!

ちなみに既読率は1冊目17/100 2冊目30/100 でした。

  1. 最近また高まっている製本熱 []

やさぐれるには、まだ早い! (ダ・ヴィンチブックス)

L25でやっていたエッセイ。
この連載をやっているということでL25読みたかったんだけど首都圏のみとか無理だし取り寄せできるみたいだったけど送料はんぱねーという感じだったのでハンカチを噛んでいた覚え。

この本は今までになかった「彼氏」の話が初めて出てくる。しかしこの本の最後のほうにはもうぱきっと心が折れた感じで彼氏とは別れるし作家業は休業して秋田の実家に引っ込むこととなる。

底辺女子高生に出てきた放課後自習の恋の話、1人称「オラ→あたし」と引き換えに失ったKくんの話がちらりとあったりする。

「日記はロマンです」「その桜がきれいな理由」「ほやほや」の章が好きだ。

本格ミステリの王国

エッセイ。
以前のエッセイは割と日常寄りのものや阪神のエッセイなども収録されたりしていましたが、この本はミステリ特化です。選評なんかも多く載っているのですが、トリックの創り方と探偵視点の迷惑な犯人ベスト9にときめいた。

火村英生は女性読者に人気があるらしい、キャラ萌えとかなんとか、という話あり。
わたしも火村助教授すきーです。准教授という呼び名にはいまだ馴染まないので助教授です。いいじゃないですか助教授でも。助教授の過去はまだないらしい。でっちあげるのは可能だけどしっくりくるのはまだないらしい。

安楽椅子探偵の話もちらっとあった。主に番組制作の側面から。
ゴールデン枠に移して視聴率アップを狙ってみませんかっていう話もあったようだけど、マニアックなものは受け入れられない・どの時点から見ても楽しめるようにとかクリアすべきハードルが多くてプロデューサー側からやっぱり無理ですよねということになったらしい。いつかまた続編が放送されることを期待しておく……

お好みの本、入荷しました (桜庭一樹読書日記)

読書日記3冊目。
カバーの印刷の関係で刷り直し→入荷が年内には間に合わない本屋も多いという記述を見てAmazonで予約扱いでぽちっとした。うちは絶対年明けになるなと思ったので。

持ったときの感触からして既刊より分厚いと思ってたけど書店はタイムマシーンより50ページ程厚い。
あと注釈が全体的に多い。ページをまたがるのでこれはどこに注釈があるのか・これはどこに対する注釈なのかと探した。注釈の存在はありがたいんですがせめて同じ見開きにあってもらえるのが嬉しい……

ネットで一通り見ているはずなのに、「あれ、ここ読んだっけ?」というところが結構あってびっくりする。特に序盤。横書きマジックか記憶が悪いのか……
この巻でファミリーポートレイトとか製鉄天使とかを書いている。製鉄天使は余裕でまだ積んでいる。
発売日付近に買ったのに自分で買ったハードカバーの本は後回しオブ後回しにされる傾向がある。
一読永劫でアイルランドへ行ったときの記述を読んで懐かしくなる。これは本放送と再放送とあわせて2回見た。この年末も再放送やってたけどガキ使→紅白コンボを優先させたので見なかった。

この巻の終わりで結婚式をしていた。結婚の報を聞いたのは日記が先だったか読書日記が先だったかとにかくすごく驚いた。まえに桜庭一樹日記とか桃井かおり(だったと思う)と対談してたときとかに「結婚しないと思う」とか言ってたので余計にだった。いつぞやのメールマガジンでユヤタンの結婚が伝えられた時以来の衝撃だった。

世界クッキー

あちこちで発表したエッセイ。
新聞・各種文芸誌掲載分や書き下ろしもあるしニコンの雑誌とか「初出:不明」なんていうものもある。

そら頭はでかいです、世界がすこんと入りますに収録されていたみたいな「こ、これは本当にエッセイなのか……?」と思うような恐ろしい感じの話はない。

エレベーターの話とか親戚が増えたとか川上甥っ子並に笑った。しぬる。
あと西加奈子さんのエッセイの時もそうだったけど人の酔っ払い時の行動の話は何でこんなに面白いんだろうな。なかには芥川賞受賞時のものもあるので桜庭さんもちらっと登場する。1

評論や書評でおおまかな筋や背景は理解していても、実際その本を読む、という行為から導かれて降り立つ世界は、それが面白くても面白くなくても、まるで違うものです。あたりまえのことですが、時の洗礼を受けて継がれてきた古典や名作といわれる本も、自分が読んだことがなければいつまでも他人にとっての話であるだけで、それが名作であるかどうかなんて分かりません。

(P126)

できるだけ、今の自分から遠いところに手を伸ばすこと。もちろん近くも大事ですが、いつか近いところにしか手が届かなくなる日は確実にやってきますから、手足のぐんぐん伸びるうちはどんどん遠くを触ってください。

(P127)
  1. 桜庭さんも読書日記じゃないエッセイ出版しないのかな……とか思う。 []

イタリア的○○生活—ジローさんのエッセイ傑作集

本3冊分と連載2つ分を収録したエッセイ。
ジローラモはたまにナイナイの番組に出てるLEONの人というイメージしかなくてどんなひとか初めて知る。
エッセイは主にナポリの生活や食べ物や人々の話など。
一つの話は短いですが量があるのでとても読み甲斐があります。そしておもろいです。
いつぞやにニュースで「市内で真のナポリピッツァ協会から認定を受けた専門店がある」というのをみたのであれをいつか食べてみたいものです。あとブリオッシュ1がきになります。

ていうか夫婦喧嘩のターンがおもしろすぎた。
皆玄関前の中庭を覗き込んでいる。何かと思えばこれから夫婦喧嘩がはじまる。
門番のおっさんが「喧嘩がはじまるぞ」とにやにやし夫の名前、妻の名前、夫の罪状が解説される。
妻が旦那を罵る。野次馬共感の声を上げる。妻色んなものを投げる。夫それらを避ける。門番が実況する。
夫、反撃に出る。妻噛み付く。夫悲鳴を上げる。門番がそれらを実況する。

どれほど時間が経ったろうか、今は土下座姿勢のヴィットーリオと見つめ合っていたティティーナが、ぽとりと包丁を落とし、愛する夫に駆け寄るとワっと泣きついた。それを受けてヴィットーリオも、ぐいと妻を抱きしめる。

(P189)

ただの夫婦喧嘩なのになんだろうこのよくできたドラマチック。

ナポリってそういえばイタリアのどの辺だろうと思ってぐぐってみたら南イタリアなんですね。
それを知った直後に「いったいなにが言いたいんだ、コノヤロー」(P114)とでてきたのでトマトが飛んでくるような思いでした。
これはジェスチャーの項にあったんだけど、はじまりが「ドイツ兵と日本兵とイタリア兵が捕虜になりました。椅子に縛りつけられて拷問されています。さて、誰が最後まで軍事機密を漏らさなかったでしょう?」(P110)というのにげふふふんとなる。ちなみに答えはイタリア人だそうです。そのこころはジェスチャーができないから。特にナポリ人はジェスチャーがすごく発達してるんだそうです。
「彼はロマーノ(ローマ人)で地理的にもナポリとは遠くなかったので」(P200)とか出てきたときにはやばい! とおもった。トマティーナ開催モードである。

日本の団体のことを陰でなんて呼んでいるか知ってますか。「羊」。イタリアでは羊はけっして良いイメージではない。羊は群れをなしていて、1匹が崖から飛び降りると、それに続いてみんな飛び降りて死んじゃうんだ。

(P85)

「はい、グアルダーテ ルッチェリーノ(小鳥ちゃんちゃんと見てください=写真を撮る時に使う言葉)」

(P183)
  1. パンにジェラート挟んだやつ []

四十の手ならい 和心暮らし

この前twitterで「お茶がやってみたい……」「ああお茶とかお花は何歳になっても『やれ』って言われますよね」「1日体験教室ですね」「この本気になる」とか言ってて、図書館うろうろしてたらこの本を発見したので借りてみた。百聞は一見にしかずといいますが私の周りには気軽にお茶体験できそうなところがありません。

「三味線ざんまい」みたいな四苦八苦体験エッセイを想像してたら「スローライフとはいうけど実際今までのライフスタイルを捨てて田舎暮らしをするのは難しい」「古きよき日本人の心を思い出そう」「和の心はセルフヒーリング!」「自然回帰!」「地球環境保護!」とかそういう始まり方をしました。
文中何度も「私たちの世代はやったことがある(記憶にある)」という文が出てくるので想定読者年齢は40前後なのかなと思いました。

「まずは浴衣を着てみましょう」にはじまり着物の手入れや必要な道具・着付け・お茶・写経・座禅などがありました。大きくページを割かれているのは着物関連とお茶。着付けとかお茶の作法とかは文章で事細かく書かれ、章の終わりにイラストが付いてました。

「高い着物とかいりません!」とか金銭面的にはハードル低い感じでした。ヘタレにやさしい。

司書はなにゆえ魔女になる

エッセイ。
3部構成で、1部は図書館司書を取り巻く環境とか司書関連、2部・3部は本と映画のレビュー。
どれも大体2ページ以内でまとまる短い話。特に司書の話は馴染みの薄い話なのでちょっと興味深い。

タイトルが気になるんですが1「司書は○○魔女になる」というのは定型タイトルのようなので、おそらく1冊目を読まないと意味が分からないと思った。

  1. 魔女? []

整形前夜

エッセイ。面白いのでちまちま読んでいた。
139ページの「書き出し」はまさに書き出しからにや!っとしていた。ガレオンきたこれとおもった。

子供の世界では些細なことが簡単に絶体絶命に繋がってしまう。現実体験の少なさゆえに、「図書館の本をなくす」ことがどれぐらい致命的で取り返しのつかないことなのか、客観的に判断できないのだ。

(P74)

思い当たりがありすぎる。

熱中していた作家について、あ、なんか、このひとの本はもういいかもと感じる瞬間がある。作品がつまらなくなったというのならわかるのだが、相変わらず面白いけど、でも、なんか、もういいかも、と思ってしまうところが不思議だ。

(P134)

とりあえず小説ではこのパターンで読まなくなることはまだない、と思う。
漫画だと確実に面白いのはわかってるけど、なんか手が出ないというのがある。1
ずっと買ってたけど突然もういいかなと思うこともある。2

外出の間際になって、慌てて本を探すことがある。電車の中やちょっとした待ち時間などに読む本を鞄に入れるためだ。(略)そのときの気分や外出の内容などによって本が決まってくる筈だが、自分でも何が最適なのかわからない。どれも微妙にずれているようで「これ」という感じがしないのだ。

(P136)

何の本持っていくかで悩む。どれも気になって、今日はこの本じゃない気がする……とか置いたりまた選んだり、悩むモードでぎりまで本を読んだりする。そして次は1冊で足りるのかと思ったりする。
大概足りるかどうかとか考えているときは確実に足りるんだけど、保険にもう1冊文庫を追加したりする。

過去の仕事の何パーセントに目を通していれば書評する資格あり、ということになるのだろう。文庫解説などの場合はどうか。以前、書評家の豊崎由美さんとお話しする機会があったとき、ずっと訊きたいと思っていたこの疑問をぶつけてみた。
「一般的な書評の場合、その作者にもよりますけど初期作品と近作を数冊ずつ、それから代表作をおさえていればまあいいんじゃないでしょうか」というお返事だった。(略)
「作品を褒めるんじゃなくて批判する時はどうですか」
「その場合はほぼ全作に目を通してないとまずいですね」

(P157?P158)
  1. ex:陽だまりのピニュ []
  2. ex:D-Grayman []

水曜日の神さま

エッセイ。
3部構成で話は旅関係が多めです。1部は「旅と読書」とか「旅とごはん」とか「貧乏旅行」とかで、2部は硬めで長めの旅行記。3部は本の話や日常の話やタバコとか割りとごった煮風。

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