カテゴリー「 エッセイ・ガイド 」の記事

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勝てる読書 (14歳の世渡り術) (14歳の世渡り術)

14歳の世渡り術シリーズブックガイド。翻訳ものが多めです。

本を好きになるきっかけの1冊、その1冊を見つける手助けになるようなブックガイド。押しつけでも恫喝でもなく、本を手に取ってみたくなるようなブックガイド。それがこの連載を始めた意図なんであります。

(P19)

しかし中学生新聞に連載されていたのならまだしも連載元は文藝。
リアル14歳向けではなく「かつて14歳だったあなたへ」でも十分なんではないかと思うぐらい固めの本が多く揃ってます。14歳が読んで即戦力になるっていうよりかは、大人になって振り返ってみて「14歳であの本よく読めたなあ」みたいな。

必読書150の紹介で

あえて入門書めいたものはリストからはずし、最初から誰にも文句のつけようのない高い山を提示し、その山を登るための正規のルートとは異なる、ときには危険でもあるようなとんでもないルートを各自が発見していけばいい、というのがこのガイドブックの意図ということは伝わるし(以下略)

(P17)

ラノベでいうとキノの旅とかを外して入門編寄りのところにされ竜が手招いているところを想像した。

怪のはなし

加門七海実話怪談。
短いのがたくさん入ってます。東京やばい。東京怖い。

長じてのち、私は勘の鋭い知人から、
「春の東京は怖い」
と言われた。曰く、ものすごい数の死者たちが、特に下町では見えるのだという。

(P111)

「本当は怖い東京」エピソードはあとまだ3つ4つありました。しかし怪談徒然草に比べれば気軽に読める怖さでありました。単に怪談徒然草の怖さ加減がやばいという話なんだけども。

ミッキーかしまし

笑えるエッセイ分が必要だったので再読。(→初読感想
スーパーの後ろに並んでた女の子のカゴにミートスパと煮こごりに入ってたターンのあれは2回目でもやばいな。あの書きかたがやばいのだ。すごくわらえる。

人の酔っ払いぶりを見るのは楽しいですね。
私は家飲みはしませんが自分が行きたい店を選びたいがために幹事もします。そして飲む。

この本の中でもいろんな人の酒飲み列伝が書かれているので私もひとつー。
私の地元は20時過ぎたら人通りは絶え車通りも凄く少なくなって、押して帰るほうが人気のなさで怖いので大抵乗って帰るんですが(まっすぐ走れるぐらいにはさめるので)ある飲み会の次の日。
自転車がこかされたか何かで泥除けの部分が超歪んでた。普通にこぐ程度では歪んだ泥除けが邪魔してタイヤが動かない。でも昨日私はこの自転車を普通にこいで帰ってきたはずなのに!(確かにちょっと重い感じはあったけど
どんだけの力をもって昨日は帰ってきたのか、謎に思いながら自転車を押して駅の向こうにある自転車屋にいったそんな思い出。

海原やすよともこの「終電やばい時の東京の女の子と大阪の女の子」のネタの大阪の子の方がガチで私(動画探した。あった。→4:50ぐらいから始まるネタ

ゆる気持ちいい暮らし術
ゆるい日常エッセイ。
奈良公園の鹿の話があって、あの鹿は野生の鹿であることを知る。岸本さんが思ってたのと同じように公園の管理事務所的なところが飼育してるんだと思ってた。wikipedia見てたら愛護団体みたいなのはあるようだけど野性。鹿男あをによしのマイシカを思い出した。

田舎を車で走ると、道路脇によく「コイン精米」との看板をつけた、プレハブ小屋のようなものが建っている。あれは何かと地元の人に聞けば、中に硬貨を入れると動く機械があり、米を持ってきて、セルフサービスで精米するそうです。出荷のためではなく、自分のうちで食べる分を。

(P115)

そうか、エッセイのネタになるぐらい珍しいものなのかあれは、と思った。うちは新米が出る時期に1年分買って米袋ごと玄関脇に積み上げて、必要に応じて精米です。

おとなのごはん日記で出てきた、お坊さんの作ったお弁当のことがじっくり書かれてて、こういう経緯だったのか……とおもうなど。

女に生まれてみたものの。

エッセイ。ジェンダーな内容ではありません。
大人で女なのに何故か「大人の女になるための企画」がはじまってしまったという1冊。
MVPはもれなく担当村田嬢だとおもわれる。方向音痴と話の脈絡のなさがとても親近感わく。
穂村弘の現実入門菅野さんバージョンとでもいうか。
笑えるところもありますが、「爆笑エッセイ」みたいなものを期待して読むと肩透かしになるのではないと思います。
菅野さん(会津出身)と村田嬢(山口出身)の初対面当時のあれこれがとても凄かった。
私は会津にも山口にも友人知人いないし歴史に詳しいわけでもないので知らなかったのですが、会津と長州は戊辰戦争をまだ引きずっているようなところがあるんだな。ちょっと前まで会津で「山口から来ました」というと「今日は泊めるけど明日は出て行ってくれ」と宿で言われたりタクシーで拒否られたりとても想像が付かないことです。
長州紀行と会津紀行はとても印象に残りました。

「でも、お互い……というところもあるのではないのですか」
口を挟んだ村田嬢に、樹下さんは印象的なことをおっしゃった。
「戦争に擁護はありません。事実だけがあるのみです」
(略)
「大いにやりあいなさい。あなたは会津に何があったか書き続けなさい。山口のほうでは、もう忘れられ始めている。山口では、正直無関心です。歴史を風化させてはなりません」

(P100 寛容を求めて、長州紀行)

篭城した婦人、少女、幼い少年の言葉が書き残され、浮き上がってくるように見える。
"死ぬのはわかりましたがいつ死ぬのでしょうか"

(P152 会津紀行)

電話予約していた人たちは、点呼となった。すぐ返事をしないと、
「××県○○市の」
某さんと、呼ばれる。
(略)
随分順番を待って、いきなり村田嬢は
「山口県の」と、独りだけ、何故か名前を呼ぶより先に県で呼ばれた。
少し離れたところから私はそれを見ていたが、一瞬、驚くほどの人が村田嬢を振り返った。と、言ってもそう多くの人数ではないのだが、やはりまだそんな風に振り返る人がいるのかと驚くには十分な数だった。

(P163 長州紀行)

書店はタイムマシーン—桜庭一樹読書日記

mixiクラフトエヴィング商會コミュで、「それからはスープのことばかり考えて暮らしたの舞台はどこだと思いますか?」みたいなトピックができてたので、読書日記で三軒茶屋っぽいって書いてたなあとか思いながら本棚へふらふらと行き、青いほうの表紙を手に取る(↑が載ってるのはピンクの表紙のほうである

一読永劫のときにみた苺の指輪と再会したり(写真が載ってた。8000円するらしい)

本日も、年取ったギタリストと若いモデル、みたいなカップルがいた。眠いよ。世界人類が不幸でありますように。あっ、朝っぱらから、凄い美オカマがフラフラと瀕死で通り過ぎた。世界はこんなに美しい……。

(P38)

が妙にツボにはまったりする。

ファミリーポートレイトの

3箇所目の会場で。本にていねいに相手の名前を書いているとき、ぐずっ……と鼻を啜るような音がかすかに聞こえた。となりで編集者が息を飲んだ。どうしたのだろうと思ってゆっくり顔を上げると、男の子がひとり、ぽとぽとと涙を落としていた。

(P511)

この部分がはじめて読んだ気がしないんだけどどこだったっけ……頭の端に引っかかってた部分の元がわかる。

桜庭 泣いてる人もいました。横にいた文春のS藤さんがはっと息を呑んだので、なんだろうと思ったらぐすっと鼻をすする音がして、顔を上げたら女の子が黙って泣いてました……。

(P250)

どっかで見たことがあると思ってたのは多分これ。巻末の座談会の部分にあるやつ。

後広告ページの「薔薇の名前」がごく最近聞いた覚えがある、でも本屋とか図書館とかでは100パーないけどどこだろうと思ったら寝るちょっと前にみたtwitterのTLでだった。

過去日記遡ったら「3ヶ月ぐらいしたらまた再読してそうな気がする」って書いてて笑った(読みどおりだよ!

電化製品列伝

電化製品が出てくる場面に特化した書評。
かつくらのブルボン小林名義のほうの連載を思い出した。

葉と葉子のふたりごと

東京在住の岸本さんとニューヨーク在住の渡辺さんの往復書簡なエッセイ。
容姿の話とか友達の話とか人間関係の話とか。おしゃべりを聞いてる感じでした。

おとなのごはん日記

1ヶ月のうちの10食分×1年間のごはん日記(ごはんは写真ではなくイラスト)
食べるのは魚・野菜・豆のみで、肉・卵・乳製品は食べないそうです。まじで?みたいな。
肉は食べなくてもどうにかなるけど(我が家の食卓に上がるのは基本魚と野菜です)卵と乳製品切りは無理だ。
ちなみに漢方の先生に薦められたというだけで、菜食主義ではないそう。

月と菓子パン

何かこんな感じのエッセイは物凄く久しぶりに読んだ気がします。
本当に「日常」で「交流」で「発見」な感じなんですがほわほわでゆるゆるしてるなー。好きだー。
これは文庫のほうを買ってくる。

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