カテゴリー「 エッセイ・ガイド 」の記事

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お友だちからお願いします

エッセイ。今回はいつもと違って掲載媒体的にいつも比ちょっとよそいきな感じ。
弟からの呼び方が「ブタさん」から「トンタク」にグレードアップしているあたりしぬほどふいた。

「この道を夜に通るひとは、なぜかよく歌うのよ」
私のぼやきに対し、父はこう言った。
「さびしいと歌うんだ」

(P59)

ここすき!

あとキリストの墓に関するあれこれがなんかほんとうにすごいとおもう。突っ込みのない文化。
国内で一番異世界かもしれない。

だいたい四国八十八ヶ所
(四国を)一周してみたい・(八十八ヶ所を)全部回ってみたい・いっぱい歩きたいという理由でお遍路開始。
ろうそくやら線香を割愛したエコノミーかつ民宿利用の区切り打ちである。

春になったからそろそろお遍路さんを多く見る季節がやってくるのである。
わたしは極当たり前にお遍路さんが歩いている環境で生まれ育ったのでよそから見るとどう見えるか知らない。なのでこの本はその別の視点から見えるっていうのが興味深い。
ちなみにこれと同じ時期の日記が載っているのがスットコランド日記 深煎りである。

なかには新町川にエイが出没した記録もあった。懐かしい。
そして鮎喰川にキャッキャウフフしていたのでそうかそれが既に凄いのかと驚く。
うんいや関東から来た人たちも新町川見て「中心地でこの透明度はおかしい」っていってたもんな。

私には香港人の友達がいて、日本が好きで、もう何十回と旅行に訪れているのだが、日本のどこが一番よかったかと彼に尋ねると、四国と即答する。人がものすごく親切だったというのだ。思えば、それも納得できる。彼はきっと、知らず知らずのうちにお接待文化の真っ只中を旅したのに違いない。

(P102)

いいよねなんか嬉しいよね。
わたしNHKの四国ニュースはほぼ見ない(=四国他県のニュースに触れる機会がない)ので同じ地方といえど関西のほうが馴染みがあるのでなんとも「四国」としてのひとまとまり感はないんですけど。
ちなみにマチアソビオフ主催のときのは「お接待してくるわ」というて家を出ます。
「オフ」とか言わないでもこっちのほうが理解されやすい。

51番の石手寺のところがやたらとおもしろかった。あの写真の攻勢はやばい。

多くのお遍路が、四国を特別な土地を思い見なし、ただそこにいるだけで感動したり、感謝したりする。冷めた目で見れば、へんろ道の9割以上はアスファルト道路で、中にはトラックがばんばん走る国道に過ぎなかったりするにもかかわらず、それは美化され、心の中で光り輝いたりする。
なかにはそうして美化することに反発を覚える人もいるだろう。だから、これから新たにへんろ道を歩こうとする者はみな、その一歩手前のところで、判断を求められることになる。
すなわち、この幻想を受け入れるか否か。
四国幻想にどっぷりハマるか。あるいは拒絶するか。

(P274)

不思議な羅針盤

大きいサイズ1のソフトカバーでエッセイ。
ひとつの章が長く家守綺譚より長いぐらい。話題もその中で入れ替わる。小説みたいだ。

「栗花落」で「つゆり」さんという苗字の人がいるらしい。梅雨入りの略かも? ということで。
新聞の集金のおじいさんの話が好きだ。

  1. 文庫本横置き2冊分ぐらい []

本に埋もれて暮らしたい (桜庭一樹読書日記)

桜庭一樹読書日記第4巻。製鉄天使のサイン会とか伏とかばらばら死体の夜とか準備段階のGOSICKとか。
製鉄天使と伏はまだ未読である。発売日付近に買ったのに!
読書日記は毎月のお楽しみとして読んでいるけど雰囲気が変わってまた新鮮な気分……と思いながら読む。
がっつがっつと本を読んで暮らしたいものだ。

巻末付録の女子会を読みながらいいなあと指をくわえる。

桜庭 一つのジャンルを、がーっと読んで詳しくなるんじゃなくて、全体のバランスを取りながら、小説という文化全般をうっすらとよくわかりたい、というか。

(P292)

わたしも多分こっちだ……というかこっちでありたい。
ただし国内に限るなんですが。

CLAMPもこなのオキモノキモノ

着物着ようぜっていうエッセイとか対談とか写真とか指南本的な。
着物は「成人式」「冠婚葬祭」「お年を召された方が着ている訪問着」ぐらいの印象しかない。
にざかなのかなさんの「相方不在」が好きなんだけどカラー、というか実写になるとこんなにもすごい。
とても華やか。

お家賃ですけど

個人的なmixi日記を再構成しネット上で連載、さらに加筆を加えて書籍化の流れ。
まだ男だった時から海外で手術して少しあとまでで、時期的には平成14年春から平成19年春まで。
牛込の加寿子荘での日々。この加寿子荘というのがすごい。風呂なし(部屋によってはあり)玄関・ポスト共同。
住所表記は「2階奥」
はじめて能町さんのイラストなし1な本を読みましたがこれはいいなあと。

  1. というかnot漫画 []

絶叫委員会

印象にのこったことばたちに書いてみようと思いますというエッセイ。
最初はちょっと短歌評みたいな硬めなのかなあとおもったらすごく笑える系だった。
身もふたもなくまとめると「穂村さん可愛いなあ」っていうかんじの。
私が好きなのは「OS」と「電車内の会話」である。好きだ。

夢の中の少女—ひとり百物語怪談実話集 (幽BOOKS)

夏なので怪談が読みたい……そんな感じに借りてくる。
怪談と言ってもガチの恐怖話から虫の知らせ的スピリチュアル体験とかちょっと不思議な話とかいろいろ。
淡々とした語り口調でひとつの話はすごく短いけど、「さっきの話のひとの続き」があったりする。
五稜郭の話怖い。ていうか"みえるひと"というのは結構いるもんだな。
わたしは邪気眼的な「わたしって霊感あるの」みたいな人レベルでも会ったことがない。

ザ・万遊記

観戦記が占める割合が比較的多いものの、印象に強く残っているのは私も大好き「建もの探訪」関連エッセイである。「おはようございます渡辺篤史です」は土曜出勤だと見られず日曜日のBS朝日での放送も見られないことが多い1
「ご覧ください、水平線を一望できるこのダィカィコゥ」とか「いいねぇ?」とかまじで音声再生される。
渡辺さんが異常にテンション上がっているのはイスを見たとき、あとペットを見たとき、子どもを見たとき。
あの超笑顔で獲物に近づくところがとても好きだ。

北京五輪のときとか大阪市主催若手文学賞のときの「関西弁のおっさん」描写がツボにはまりすぎて死ぬかと思った。

少し高めのパソコン用チェアを買って対策を講じても、たった1脚のイスがすべてを解決してはくれない。確かに、人間工学に基づいたデザインは、腰の調子が悪くなるスピードを緩めてくれる。しかし、決して回復はしない。どんな高価なイスに座ろうと、腰への負担は必ず存在するのである。

(P20)

だってよ

  1. お昼にやっているので外出している可能性が非常に高いのだ []

文學少女の友

読まず嫌い。のときも思ったけどジャンル小説読みの項は興味深い。

L文学解体新書からの引用文のあとについてきた

<学生時代から本好きだった>この仮装読者はウェブサイトの自己紹介欄にきっと、「活字中毒」で「乱読気味」ですって書くんだろうな。

(P172)

に思わずブログの紹介文を読み返すとともになんだかすみませんという気分になった。

「ほっこり」とか「リラックス」なんてこと言うせいで、新手の等身大市場かと誤解する人もいるようですが、スロウライフ市場はアンチ等身大、美意識優先という点で、あのゴスロリ市場に匹敵する人工性&バリバリ暗黒な妄想力を持っています。

(P176)
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