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首の姫と首なし騎士  華麗なる背信者 (角川ビーンズ文庫)

一時のまるマのようなページ数で割りと薄めだったんですが、読み応えがかなり……。
戦後のフォルモント国に大規模な商業を持ち込み復興の立役者となり、今も国家の屋台骨となり悪評はまるで聞かれないエルマー家。彼らが薬石売買の黒幕を示す確たる証拠はまだ無い。
シャーロットに結婚を迫るセシルだが真意はいまいち見えず。

今回は割とあちらこちらで火花が飛んでいる。水面下でうごめく人たちと陰謀。今回は薄かったけど1冊にまとめようとするとすごく長くなりそうだなという印象だった。話の都合上かはじめてシャーロットの視点を離れるところがわりとあったなー。

王の目が、すごいよなー。

俺の悪魔は色々たりない!   白の祓魔師と首だけ悪魔 (角川ビーンズ文庫)

俺の悪魔は首から下のあらゆるパーツが足りません。
ビーンズの新人さん(2人目)のデビュー作。

住み慣れた屋敷を少年は傷だらけのまま走っていた。腕の中には7歳には余る剣。悪魔に襲われ死にゆく父母から次代へ受け継がれたものだ。入るなと厳命されていた地下室でイトは首だけ封印されている悪魔を見つけた。
イトは右目を代償に大悪魔サブナクと契約した。
それから数年、イトは祓魔師としてアスセナ教会に赴任した。

イトとサブナクがぎゃあぎゃあと喧嘩しながらサブナクの首から下探しをする話です。
愛あるけなしあいです。ニアホモです。あとわたしうたプリ好きなんですが、アインザッツがなっちゃんにしか見えない。あの声で再生されるぞ……。
序盤の序盤からなんかこう、うすいほんを読んでいる気分というかこれは吸血シーンないとおかしいよねっていうか。でも雰囲気耽美じゃなくてよかったなと思います。それだったら百パー投げてたと思う。
サブナクの寝物語のシーンは好きです。パルティータが蔑称的な「聖女」じゃなくてよかったなと思いました。

シュガーアップル・フェアリーテイル  銀砂糖師と虹の後継者 (角川ビーンズ文庫)

銀砂糖妖精編終わり。
妖精商人から妖精を買って砂糖菓子職人として仕事をさせ適性を見定める、の巻。
妖精の歌がいい。シャルがよくがんばった!あとはあれだなあ。ミスリルの死亡フラグ。

銀の竜騎士団  黒の皇子とウサギの誘惑 (角川ビーンズ文庫)

今回から「王女のたまご」編。大丈夫だろうか1

帝国の皇子アルシェイドとおなじ顔をしているということで密偵容疑で拘束されるスメラギ。
シリスの手によるもので、スメラギの出自はいずれ明らかにしなければならないことでこの手を打ったということだ。
アルシェイドは王女シエラを自国の正妻的扱いをするということで婚礼を求めてきた。

最初に戻るんですが、私的にこれはシリスが幸せになって、スメラギがもうちょっと幸せになったらそれでいいという点である。

  1. わたしビーンズの○○編というものにあまりいい印象を持っていなくて、いつぞやのシュガーアップルの時も書いたけどあまりにも脱落しているので最後まで見届けられるかなあというのを考えるのです。終わるのは終わるので嫌だけど脱落するのもするのでねえなかなかねえ。 []

女神と棺の手帳 (角川ビーンズ文庫)

軍事国家ウェスハバートで大学へ進学し初の女医を目指しているケイトの前から親友のイライザが消えた。
イライザをもう一度探してみようと街中を歩いている時謎の集団に襲われ、「イライザ・オースティンはどこだ」と詰問される。それより少し前の時間、南部基地司令室には「ケイト・エドモンドに危険が迫っている」というイライザからの電話がかかっていた。
イライザの恋人が握っていた軍の不祥事がびっしりと書き込まれた「棺の手帳」を巡る物語。
恋人亡き今手帳はイライザが持っていると目され、革命派は彼女の行方を追っている。イライザに最後に会ったケイトはこれからも巻き込まれることを知らされ、ケイトはイライザを探したいこともあり軍と協力することになった。

ケイトと協力することになったのは先の大戦での「英雄」イーノット率いる部隊で、「人の手助けをしよう」と言う方針のため、「ゆるい」というとちょっと違うんですがケイトに対して友好的。
雰囲気はなんか懐かしい感じで、光炎のウィザードとか割とおなじ箱に入ってる。

読み終わった後帯裏を見たら「もどかしい恋模様」ってあって、え、そんなのあった……? とおもう。
いやあとがきにも恋は外せないってあったからなあ。その辺は「ある程度の好感度は最初からもたれていることが多い」という認識なので。いやでも軍服と銃は萌えです。
内容はライトで読みやすい感じ。綺麗にまとまっているんじゃないかと思います。

花宵の人形師  あるじ様は今日も不機嫌 (角川ビーンズ文庫)

姉の人形を直してもらおうと訪れた人形工房であかねは貴重なアンティークドールをなぎ倒し負った負債実に3000万。
家を離れて仕送りをもらいつつバイトもしての生活で、借金返済に充てられるのは実に5000円が限界である。
少しでも返済に充てるために人形工房に引越しとなる。

ビーンズでは珍しいガチ現代ものである。
全体的にダウナーなキャラが多くて、スロースターターな気配があちこちにある1
たとえば「ひとつ屋根の下の恋物語」という煽りですがいずれそうなるのかな? という感じです2

あとあかねの兄がシスコンポジションで出てくるんですが、何かこの人が気味が悪い。
正気ぶってるヤンデレみたいな。危ないラインは超えてるけどそれを認識していないのが気持ち悪い。
もうちょっとおさえめにするかもっと歪むか突き抜ければいいのに! とおもった。

  1. 好意的な解釈である。話の種を巻いてる感があちらこちらにあるので []
  2. 正味1巻だけではそのアオリはないわと思う []

デ・コスタ家の優雅な獣 (角川ビーンズ文庫)

新シリーズ。登場人物紹介のページ見て「あら乙女ゲーライク」と思ったら砂糖の代わりに血が詰まっているような作品でした。

施設育ちのロザベラ(ロージー)は「あなたのお身内の方が見つかりました」と2人の男性に引き合わされた。
それぞれノア・ダリオと名乗ったふたりの母マリアとロザベラの母ファビラが姉妹なのだという。
デ・コスタ家の娘は特別。欲しがるものはなんだって与えられるし女王様にだってなれる、そういわれたもののロージーに突きつけられた現実は過酷なものだった。
デ・コスタの女の血は異能の力を産む。施設に迎えにきたノア・ダリオ・それから屋敷で待ち構えていたエミリオのうちの誰かと結婚して子を為せという。ロージーは自由を求めてファミリーの一員にしてくれとエミリオに願い出る。エミリオが課した試験は「裏切者を見つけ出してこの世から消せ」というものだった。

マフィアものです。殺伐としています。ロージーがまた内気な少女でまあアンゲルゼの陽菜みたいなものです。
内気で臆病な少女が生きるために啖呵を切るのは勇ましいと思います。「悪い子に、なっちゃう」は名言だと思いました。内気な少女がとんでもない場所に放り込まれて生きるために必死であがくというのはとても好きなので色々とがんばって欲しいなあとおもいます。

王立エトワール近衛隊  炎の剣士と誘惑の密約 (角川ビーンズ文庫)

エトワール近衛隊2巻。
精鋭部隊の次の任務は国際会議での護衛。フィニステリアの代表は戦争大好きソール王子。
既にもう一筋縄では行かない感じで溢れている。

この巻はソールとフラムが好きなんですよ。ちょっとこのねじれているところが。
フラムがシャリオ好き過ぎて私は死ぬ。アルはまっすぐすぎて死ぬ。まっすぐすぎて死ぬ(大事なことなので2回言った

------来い。膝をつけ。誰が主人か、教えてやる。

(P99)

再教育されるか殺されるかだ!

首の姫と首なし騎士  追跡者たちの罠 (角川ビーンズ文庫)

風変わりな末姫シャーロットの、後継者探し。
次期国王候補へと狙いを定めた叔父の資質を見定めるためタウンゼント領へ出かけることとなった。
王族及びその関係者は他領への立ち入りは禁止されているが叔父ウェルズとシャーロットは親戚関係もあるため立ち入りもやや容易であるということだ。
タウンゼント領は肥沃な大地があり整備された美しい町並みがありなにより薬石の山がある。

1巻以来のクローヴィスの舞台への帰還。
あとシャーロットとアルベルト・ホースマンのなんともいえない関係がとてもいい。
ギスギスした主従がまた増えたしわたしときめきます。
あと今回はあれがなかったなあ。地の文に対する「」内突っ込み。好きなシーンはあの返り血ばっさー浴びて戦ってるシーンです。とてもよいものです。表紙ですが既刊3冊では首を狙われていたのはずっとシャーロットだったのに今回はいよいよ首なし騎士のほうが狙われていた。なんかそういう心境の変化ですか、とおもったりしないでもない。お前にだったら殺されてもいい的な。

銀の竜騎士団  薔薇香る夜のウサギの告白 (角川ビーンズ文庫)

いよいよ16歳の誕生日を迎えた。王女シエラの成人の儀が執り行われる。

前巻1ページすっとんと大事なところを読み飛ばしていたことが発覚した。わあそらあかんわ>自分
今回のスメラギはなんだかこう、ヒロインポジションですね。今回のスメラギさんはつまり「いつも身近にいたアイツが実は王族だった。なんなのもう意味わかんない。皆知ってたの? 気づかなかったのってもしかして……」こういうことだよねえ。わたしそういうのよく読むよ好きだよ。スメラギさんヒーローだったりヒロインだったり大変だな。もだもだしててかわいいやつです。

デート中のグリフォンのシーンがまじナウシカ

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