ブランコ乗りのサン=テグジュペリ

立て続けに起こった天災は都市に多くの爪痕を残した。特に湾岸部は液状化が酷く、死の土地になることや経済の立ち遅れを危惧した政府は湾岸部を再度埋め立て、湾岸地域を経済特区に指定して公営カジノを建設した。
ギャンブルが許された歓楽街に客寄せとして作られたサーカスは20歳にも満たない少女が集められた。
最初は満足な設備があったわけではなく、少女たちに秀でたなにかがあったわけでもない。それでもカジノ特区の発展でサーカスへ注目度もあがっていった。いま演目を任されるのは文学者の名前を冠したエリートのみ。
曲芸子の舞台に立てる寿命は長くはない。それでも一度舞台に立てば今後が約束されるだけの地位と力があった。
スポットライトと拍手が彼女らのすべてだった。
8代目サン=テクジュペリとしてブランコ乗りだった涙海のかわりに舞台に立つ。周囲から嫉妬と羨望と重圧をもたらされ舞台の上で見るもの、の話。

想像したのはAKB0048とアイドライジングでした。アイドラよりはもっと女子ですが。

同じ母親の腹から、同じ細胞と同じ遺伝子を持って生まれてきたのに。同じ者を食べ、同じ動きをして笑いあったのに。
どうして心は、いつの間に、こんなに遠く、こんなに違うものになってしまったのだろう。

(P75)

来栖さんちの双子、というかなっちゃんと翔ちゃんを眺めている薫ちゃんで変換されて、あと「永遠をちょうだい」「永遠をあげよう」はことあるたびにQUARTET★NIGHTが控えめなボリュームで流れてきてまじ自重っておもった。
歌姫アンデルセンは出たーアイドルの伝統枕! とかおもいましたすみません猛獣使いカフカが思いのほか重くて好きだな。あのなんともいえない女! めんどくさ! っていう話が好きです。