久しぶりに本の感想でも書こうと思ったらAmazonから書影が引っ張って来れなくなった。
写真を貼ってみたりしたけど不格好なのでちょっと様子を見てみます。

(11/14追記 書影引っ張って来れました!)

さて文章術の本である。一時こういう本をたくさん買ったり読んだりしていた。この本との出会いは確かnoteでこの本の販促連載が組まれていたように思う。筆者の近藤さんは朝日新聞社で長年勤めた後、九州へ移住して農業をやったり猟師をやったりライターをやったりライターを育てたりしている。
内容はそれなりに攻撃力が高い本だ。「など」「いろんな」「さまざまな」は読者の抗議をかわすためのエクスキューズ語だ具体的に言えてない考えてない。読みにくい文章になるとそういう話をしている。

世間というのは、そういうものなんです。また、世間を離れて、ものは書けないんです。世捨て人とは、世間を捨てた人ではありません。世間に捨てられた人です。
ライターは、作家は、世間に向けて、他者に向けて、書くんです。なんとも音がしない、ブラックホールのような深い井戸に石を投げ込むのであっても、絶えず、倦まず、石を投げ込むんです。ゆっくり行く者は、遠くまで行く。歩くように、息をするように、健やかに、今日もまた書き続ける。石を投げ続ける。
そして世の中のだれかが、石の落ちる音を聞いてくれているものなんです。

(P108)

読みやすい文章とはいう話をたくさんしているだけあって、この本はとても読みやすく、読み終わった後じわーっときいてきている。わたしは特に職業ライターというわけではないが、長らく何かしら書いてきた人間だ。そろそろ休みの期間もやめてちゃんとコンスタントに書いて読んでいきたいと改めて思った本だ。良い本を読んだ。