グランドマスター!—道連れは王子さま (コバルト文庫)

黎明の使者団海を行く。
客船<海の泡>号に乗り込んだシーカ一行はシーカの元婚約者に遭遇する!
船員とか客とかがばたばたする!
今回は使者団より船員乗組員のキャラが濃かったな、とかおもうなど。

「万が一なしくずしに解散にでもなったら、あのケチな<ミトラーダ>がのこりの分をすなおに払ってくれると思ってるんですか? 甘いです! メープルシロップよりも甘いです! お金が惜しくてこんなことを言ってるわけじゃありませんよ、ぼくはいち会計のプライドにかけて! このままうやむやにされるのはどうしてもガマンがならないのですっ!」

(P114)

「あのひとはばかで、秘密主義で、ひとを怒らせる天才です。そして他人の尻を触りまくる変態だ」
正確には、シーカが執着しているのはハルセイデスの尻であるが。
「それでもこいつらには慕われているんです。その意味を考えてみていただきたい」

(P192)

とある魔術の禁書目録(インデックス)〈17〉 (電撃文庫)

イギリススキーなのでとてもおいしかったです。
(国としてのイギリスが好きなのではなく魔術サイドでイギリス方面の登場人物がすきなのである。
イギリスへ向かう当麻とインデックス(あとスフィンクス)。超早い飛行機は回避してエジンバラ行きの飛行機に乗ったはいいもののハイジャックに遭遇(前半)イギリス内乱に巻き込まれる(後半)以下続く!

退場したかと思ったキャラがすごく出ていた。
ちらっとだけで姫神小萌先生スティル
ストーリーに絡んで来るレベルでオリアナアニェーゼローラ戦う神裂10万3千冊のインデックス
しかし神裂はすごくヤムチャポジションでした……

「距離は二〇〇〇メートル前後。速度は時速五〇キロ。方角を鑑みるに、どうやら山を迂回するため、ドーバーを経由してカンタベリーを目指しているようです」

(P341)

ありえんところでめっちゃ笑った。
「Britania暦627年『Canterburyの戦い』 Persifal騎士団長率いる第四騎士団,Doverより上陸した帝国軍第一陣を迎え討ち Canterbury平原にて開戦」がすごくよぎったのだ。

続き早く出るといいな。

本日、サービスデー

本日、サービスデーのあらすじ印象がとても強かったので連作短編と思ってました。
ちなみに事前に想像していたあらすじというのは「『今日は神さまから与えられたあなたの人生で最良の1日です。』そう言われてぼくは(わたしは)その日の過ごし方を模索する×大体4人か5人分の話」というものだった。
実際は独立している、ちょっといい話系(明日からまた頑張るぞ!的な)の短編集。5作入ってる。
サービスデーは「サービスデー管理課 次席主任 第2級天使 ガブリエル」という響きがとてもツボだった。禁書を読んだ後にこれを読んだので……

びっくりしたのは「あおぞら怪談」でした。
何がびっくりしたって「妖怪アパートトリビュート るり子の話」なんかこれは?っていうぐらい似ていたのだ。
友人日下部が借りてるおんぼろアパート(月1万。広くて駅前のアパートから歩いて10分だった)には幽霊が出るという話を聞き、僕はそのアパートに行き不思議なものを見た。
手だけの幽霊だ。マニキュアもしている。日下部は手に普通に話しかけている。手はるり子と言うそうだ。(名前については筆談で聞いたそうだ。名前以外に本人に繋がるものをは教えてもらえなかったが味付けから察するに北方の人間のようだ)最初はびっくりしたが炊事掃除洗濯(主にアイロン)など家事をしてもらえるので、日下部は誰かに話すこともなく逃げ出すことも当然テレビ局に電話することもなく一緒に暮らしている。
コミカルな話だった。

東京しあわせクラブは収録作の中では唯一のダーク系。というか悪趣味系?
とりあえずそんな初朱川湊人。いまわくらば日記を積んでいるので早めに読みたい(気概だけは!

それから日下部さんと手首の奇妙な生活が始まった。
毎日掃除してもらえるのは当然として、たとえば適当な野菜や肉を買って冷蔵庫に入れておき、わざと一時間ほど外出すると、きちんと料理されてテーブルの上に並べられるようになった。比較的濃い目の味付けなので、どうやら手首の持ち主は北国の出身ではないかと思える。

(P208)

メグとセロン〈4〉エアコ村連続殺人事件 (電撃文庫)

夏休み、新聞部合宿のためジェニーの家のリムジンで富裕層向け保養地エアコ村へ行くことになった6人。
セロンがよくがんばったよ! メグの家に連絡網を回せなくてラリーにお願いしていたあのセロンが2人きりで会話を成立させているよ!
あと今回はニックの出番がちゃんと確保されてたのでニックよかったなーとかおもった。P221から「ホアタァ(゚д゚)」という声がした。ラリーとナータが美味しかった。3年前のジェニーは大変可愛かった。
4巻は多分今までで(メグセロの中では)一番おもしろかったとおもう。

合宿はまだ続きそうな雰囲気だけどあとがきから見ると何か次出るのはメグセロではなくて、謎の新作な気がする……

「バイクだったんで、結構遠くまで行けたんだが……、あのやろう、やれクッキーだアイスだと、店を見つけるたびに後ろから腹を力一杯締め付けて止めさせやがる。そして食べる。いったいあいつの胃袋はどうなってるんだ? 見ているこっちの気分が悪くなった。俺はやっと分かった——。あいつは宇宙人だ」

(P113)

最近うろうろーとしてて思ったんですが紀伊国屋で米澤桜庭伊坂作品あたりに気合の入ったPOP書いた人がおられたんですが最近あの文字を見ない……(10代後半?20代前半ぐらいの女の子女の子した文字だった)辞めたんかしら。ここ1ヶ月ぐらいでレジにいる人は相当変わったとおもう。

桜庭さんが出てるというので野性時代とか本の雑誌とかちょっとぺらぺらしました。
野性時代は酒飲み女子のエッセイとかも載ってて、西加奈子さんが「ビール1杯ぐらい飲んですぐ赤くなって心臓がバクバクしたり眠くなったり『飲み会の雰囲気は好きですから』って酔っ払いの介抱をするような女の子に私はなりたい!」というようなことを言ってて私もなりたい!っておもった。少なくとも赤くなりたい! 飲む量減ったけどこの前ついに日本酒デビューしました。地酒美味いです。

赤い月、廃駅の上に (幽BOOKS)

鉄道縛りで怪談話の短編集。中には三途の川を渡るのが列車だったり百物語だったり色々。
表題作の「赤い月、廃駅の上に」が好きだ。赤い月が一番雰囲気がすきなのだ。
次点が黒い車掌。

「ダイダイって……ああ、橙色の橙ですか。鬼月というのは、鬼の月?」
「そうです。恐ろしげな名前でしょう。邪気を招くというて、縁起がよくないとされる月です」
「悪いことの前触れですか?」
「よろしくないものがくるので、家の外に出るなとか言われています。古い迷信ですよ。それでも田舎のことですから、気にする人もおります」

(P205)

ここ1週間ほどブログがめっちゃ重い時があります。
自分とこじゃないと別のところに移動してるよねってぐらい表示に時間がかかる。
アクセスが死ぬほど多くなってないかとか最近入れたプラグインを外してみるとかやってみますが謎は謎で。
こういうのが原因じゃないかなとかアドバイスいただける方はコメント欄か拍手で……
エントリ数が多くなったから死ぬほど重くなってるんじゃないといいなあと思います(SB脱出のわけもそれだから。

しあわせのねだん (新潮文庫)

2回目。軽いエッセイが読みたいときに備えた。
お買い物エッセイというかお金を使うことに関するエッセイ。昼ご飯代とかかばんとか理想の財布の中身とか。

同い年の友人に、何か買う予定のもとくべつないふつうのとき、財布もお金をいくら入れるのが常識か、訊いてみた。彼は、年齢を四捨五入した数×1000と明快な答えを返した。27歳なら四捨五入して1000をかけて30000円。21歳なら20000円。

(P68)

むりだーーー!とおもった。多い時で1万ぐらいだな。
ちょっと多めに入れてると本屋に落としてくるからな。たまに小銭しかなくて焦る。

そうして三十代も後半に近づいた今、思うのは二十代のときに使ったお金がその人の一部を作るのではないか、ということである。(略)二十代すべて、私と正反対に、装飾系にお金を使った人がいるとすると、その人は確実に装飾選びがうまいはずである。(略)装飾や映画や美食に比べて、安居酒屋で飲むという行為は、まったく無為である。センスがよくなるわけでも舌が肥えるわけでもない。でもこの無為な時間が、今の私を助けたりもする。そのことをときどき実感する。

(P175)

私本にばっかばっか使ってるけどいつか助けられる日が来るんだろうか。なんかの足しになる日がくればいい……

残される者たちへ

ある日方野葉小学校同窓会の知らせが届いた。
もう既に廃校になっているが、方野葉小生の多くは方野葉団地の住人だった。
川方準一(37)は同じ小学校卒の人間が一同に会するその会に出席することにしたが、幹事「押田明人」という名前にまったく聞き覚えがなかった。別の学年の人物だと思っていたが実際に行ってみて、同級生の話を総合すると自分と押田は(途中で転校したとはいえ)1年半のあいだ一緒のクラスで過ごした、しかも昔の住んでいた家の向かいの住人だという。生まれたときからのお向かいさんだっただろう押田のことをまったく覚えていない。
準一は同じ団地の2階下の住人だった未香(35・精神科医)と一緒になくした記憶を探しに方野葉団地へ向かった。方野葉団地には現在未香の患者である芳野みつきがいるのだ。団地に呼ばれるかのように2人は団地へと向かった。

あらすじは未読でしたが、辻村深月が帯文を書いていた覚えもあったので最初のほうを読んで「冷たい校舎の時は止まる」みたいなミステリなのかなーと思ったらそうじゃなかった。中盤までは不吉な雰囲気がとても好きだったのでえーってなった。
終盤に触れてるので一応隠しします。

なんかこう、超不可能な密室殺人! 犯人はドラえもんのようなものがどこでもドアのようなもので乱入して射殺!これはこういうものなのでこれ以上の説明はしない! みたいな。

もうちょっと不思議な話なりの説明がなされるんだと思ってました。

思い出した。同じ棟の二つ下の階に住んでいた下級生の女の子。僕のことをそう呼んで慕ってくれた女の子。
お世辞抜きできれいになったその顔に、確かに当時の面影を見つけることができた。それなのに。
会場でみんなと談笑している押田明人の顔が浮かんできた。
どうしてあいつが思い出せないんだ。

(P28)

秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)

下巻を手に入れるのを待って読書解禁。確かに上下まとまってから読むので正解だった。
小佐内さんがいいドSです。

とある秋、木良市内で起こる放火事件とそれを追いかける新聞部(瓜野とか堂島健吾とか)
小佐内さんと別れて以来彼女ができて週末ごとにデートを楽しむ小鳩くん
デートそっちのけでバス内で前に座っている二人どっちが先に降りるのかとか推理を楽しむ。
小佐内さんも彼氏ができて甘いものを食べ歩いたり暗躍したりしている。「暗躍している」以外のなにものでもないよなあと思う。マロングラッセと栗きんとんの例えにとても納得した。
よいものを読みました。ごちそうさまでした。

What are little girls made of? (ねえ、小佐内さんって、何でできてるの?)
Sugar and revenge (お砂糖や復讐)
And all that's sweets,(それから甘いものなにもかも)
みたいなものが降ってきたので元ネタはなんだとまず影響元を探して元ネタをみたらマザーグースだった。

小佐内さんは、甘いものと復讐を愛している。小佐内さんに手を出せば必ず噛みつかれる。なぜなら小佐内さんは噛みつくことが好きだから。
だけどその復讐は、セーラー服に機関銃を持って敵を皆殺しにする形では行われない。彼女は罠を張り、敵を落とし穴に誘って、落ちたその上から鉄の蓋をして復讐する。

(上巻P244)

「……あはっ」

(下巻P144)
PAGE TOP