お題小説とか競作小説とかそんな感じの一冊。電撃コラボを知っている人はそれを思いだすとよいかも。
共通設定:「舞台は紅桃寮・404号室が開かずの間・7日間限定」
YAなので文字が若干大きめで振り仮名が多めです。
聖母の掌底突き/谷原秋桜子
佑介は親の都合で夜逃げすることになった。親と別れとりあえずの逃避行先は入学式の1日しか登校していない高校。運よく寮に滑り込めたのだ。ただとなりの404号室はいわくつきの部屋のようだ。
谷原秋桜子作品読むのはデビュー作以来だなあ(´∀`)
桃園のいばら姫/野村美月
これが一番好きだー。女学院中等部です。まさかの百合でヤンデレです。
ノエルに会うために紅桃寮へ入寮した雨音といばら姫と呼ばれファンクラブまである美少女ノエルの話。
最初のほうは宵子が遠子先輩に見える罠。細い割に良く食べる。
この枝を目に刺したら、すごく痛いに違いない。でも、ノエルの信頼を得ることができるなら、目くらい喜んで差し出そう。愛する人のために、体の一部を失うくらい、ささいなことだ。なにを捧げてもいい。ノエルの心が欲しい。ノエルの特別になりたい。甘い震えが全身を包む。
(P103)
三月の新入生/緑川聖司
男子高の寮、3月末にフライングで入寮してくる新入生の藤川春樹とたまたま居残っていた人々の話。
404号室が転落死した人の謎をかんがえる。
あとこの話は寮のここには何があってこの階にはこれがあるという説明があったのでときめく。
マジカル・ファミリーツアー/加藤実秋
家族旅行のため箱根にあるマスコミ健保組合保養寮にやってきた一家と同じころやってきた別の一家の話。
これが一番お題とは無縁な感じがする。別にその設定なくても問題ないって感じの。
開かずの間の件も怪談怪談いうけど真相を知ってみれば「現実はそんなもんだよね」っていうみたいな。
「いっぺんでいいから、本気で悩んでみろ」
「また格闘家の名言? 場を考えろよ。空気読めよ」
思わず大樹がつっこむと、由美子は首を横に振った。
「ちがう。ドラえもん。コミックス34巻『のび太もたまには考える』より」(P304)
赤き月2巻。前作から物語内時間が1年が経ってます。恋愛成分は上がっています。おもろいです。
ツァーリアに行く×新キャラ登場なのでツァーリア組のターンかと思えばずっとジェラールのターンでした。
ところでジェラールは俺様キャラというよりはサドデレだと思うんですがどうでしょう。
ちなみにツァーリア組は中盤はほぼ出番ないです。終盤が凄かったけど。
あとジェラールとグレイグが取り合えばいいなあとか思います。とても思います。しかもグレイグは本人には気付かれないまるで報われないポジションがいいです。
グレイグといえば喋りが時々分かりにくいな、とおもった。
「……我が姫を助けていただきまして、まことにありがとうございました。ジェラール陛下、私がいたらなかったばかりに、申し訳ございません」
御身にお怪我などございませんか?
態度ばかりは丁重に謝意を示しながら、言外に、なんでもないならさっさと姫を放せ、と告げてくる。(P103)
御身?は喋っているのか、心の声なのか、口には出してないけど暗にそう言ってるなのか。
内容的には明らかに喋ってるけど「」の外だしそういう空気をかもし出すのはその後ろがやっている……!
多分これに違和感を覚えるのはPBCのせいだなとおもった。
「()描写のくせにどう見ても喋ってる。C単位でそれをロールに反映していいのかどうかわからない」みたいな議論とか愚痴とかがあったのを覚えてる。1
あとこの世界の「火薬」は爆薬爆弾とほぼイコールで考えていいんかなあとか、火薬が最先端の技術って文化レベル的にはどのぐらいなのかなあとか、火薬の起源とか火薬の何たるかをぐぐったりした。
たぶん深く考えたら負けだ。
「火薬」だったらざっとした大きなまとまりすぎて2、危険性がよく分からなかったのでびびる。3
好きなシーンは崖から落ちて以降のレウリアとジェラールのあれこれと、180ページ周辺です(・ω・)ノ
怪談だったりホラー風ファンタジーだったりする短編集。
表紙動植物でファンシーだなあ(*´∀`)と思いつつ裏表紙向けたら女の子の足が。つまりこの植物は女の子の体から生えているということか。びくっとした。
学校の怪談とか都市伝説とかときめきます。コックリさんとそれに類するものはやったことないけど7不思議とトイレの花子さんはよく信じてたなあ。うちの小学校の花子さんは体育館脇のトイレ(電気がつかない)の個室の一番奥にいるという噂でした。
小学校の時に流行るものって何であんなに出元不明なんだろう。そして一気に広がる。皆知ってる。
好きなのは「踊り場の花子」「おとうさん、したいがあるよ」「ふちなしのかがみ」です。
「踊り場の花子」は少しずつ詰め寄られる恐ろしさがあるなあ。
「おとうさん、したいがあるよ」は「現実と幻想の境界を認識できていない言動を繰り返し」な話だと思ってる。
君は本当に<現実>に存在している?
君のまわりの人たちは君のことを認識している?
君は自分が今、本当に生きてるって言い切れる?(鳥篭荘の今日も眠たい住人たち2巻 P265)
これを思い出す。
全体的にどれも奇妙で不思議で変な話だから、「これはこういうことだ」っていうちゃんとした解答は不要だなあと思う。
理科室の中は、薄暗かった。黒い遮光カーテンが窓全部を覆って、圧迫感と閉塞感に満ちた息苦しい空間を作り出していた。誰が最後にこれをしめたのか、他の教室や特別室は、夜でも休み中でもカーテンなんかまずひかない。理科室だって、そうだと思っていた。
水道はどれもきちんと蛇口がしめられている。水は流れていない。
「花子さんの呪いは、階段に閉じ込められることです」(P36)
ろうそくにひとつひとつ火を灯し、その炎が鏡の中にゆらめくのを確認してから、香奈子は鏡を背にしてゆっくりと立った。幻想的な炎の照明は、まるで自分が映画のヒロインになったかのように思えて、気持ちがさらに高揚していく。
(P179)
短編集。
幼馴染みラブと聞いて「檸檬のころ」みたいな方向を想像して読んだらどっちかというと「純情エレジー」とか「花が咲く頃いた君と」っぽい雰囲気だった。エロいという意味ではなく雰囲気として。でもエロありです。
幼馴染みラブなんですけど、甘酸っぱい方向を期待すると多分「び、微妙……」と思うのではないかと……
好きなのは「変身少女」と「遠回りもまだ途中」、その次に「夏が僕を抱く」かなあとおもった。
1話目の男子の名前が「鞠男」だったので本開いて小説本文1ページ目の1行目からふいた。
今何故かマリオカートDSが自分の中で超はやってる。超ブーム。
三味線四苦八苦エッセイ。
三味線をはじめようと思った理由は生きる読書に書いたと冒頭にあったのでここでは省くとあったのでそのうち読むべきなのか……とおもうなど。
私は土地柄三味線はよく聞くのでもうちょっと具体的に知れた。
三味線は実際十年弾いて芽が出るやどうやという話をきいたのでとてもびびった。
でもよしこのはとても好きなので何回かやろうかと思った。今は回りまわって三線を弾いている(今2ヶ月半
三味線の人はどうなのだろうと思いつつ読んだ(三線四苦八苦エッセイとかあったら読みたい。できたら沖縄とは無関係だったり縁が薄い人が書いたのがいい。)
三線を買ったり調弦で悩んだり名取になったり演奏の会に出たりしている。
名取って長年修行を積んで師匠にそろそろ名前を取ってみないかといわれたり、師匠の推薦を受けて名取の試験を受けたりするもんだと思ったら違うようだ。まあ○○会みたいなので違うのかもしれないけど。
「もしもお名前を取るのであれば、つまりお名取さんですね。そのように手続きをしますけれど、どうなさいますか。それについてはお金も必要になりますから、こちらからは無理にお勧めはできないんですけれど」
名取をいただくとなると春日会の本部に行って、会長じきじきにお盃をいただく名取式が行われ、記念写真も撮影し、それ相応の儀式がある。(P142?P143)