カテゴリー「 新書 」の記事

80件の投稿

風の導士候補生の試練

花丸ノベルズって書いてあるからBL? BLなのか? と若干戦々恐々として読んでみたらニアホモですらなく、普通に成長物語でした。恋愛成分はなく登場人物は主に男です。
風の導士候補生に選ばれた13歳の少年2人が試験に合格するため旅に出る話。
あとがき曰く「長い話のうちの1冊」「続きを書きたい」ということなのだけど、これが16年前の本でその後続編らしき本も出ていなさそうな感じなのでお察しくださいということなのだろうか。

基本的に魔法魔法してるんだけど科学とか発明品とかが発達しようとしている世界はいいなあとおもった。

角川つばさ文庫版 サマーウォーズ

角川つばさ文庫版のサマーウォーズです。
映画未公開地域なのでDVD出るまでに小説読もうと思ってとりあえずこれを。
映画のほうは映画館まで片道1000円程度で行けるなら見にいったんですけど、上映映画館で一番最寄なのが兵庫の西宮か香川の辺鄙なところだったのです1

読書メーター曰く「映画に一番忠実なノベライズ」ということで、偶然にしてはちょうどいいものを読んだ。
とりあえず分かったことはこれ映像でされた日には確実に泣くなということです。DVD見るときは気をつけよう。感想としては「侘助がやばい。駄目すぎる感じがたまらん」というのと「ばあちゃああああん」である。読んだ後角川文庫版のサマーウォーズを探しに行ったけどどこにも売ってなかったのでまた日を改めて……。

『家族同士、手を離さぬように。人生に負けないように。もし、つらいときや苦しいことがあっても、いつもと変わらず家族みんなそろって、ごはんを食べること。一番いけないのは、お腹がすいていることと、ひとりでいることだから。私はあんたたちがいたおかげで、大変幸せでした。ありがとう。じゃあね』

(P165)
  1. 100キロは余裕で離れております。映画のために超遠方まで車をだしてくれるような心優しい同好の友はおりません。 []

心と響き合う読書案内 (PHP新書)

これはよいブックガイド。
FMラジオでのしゃべりを本にしたものだそうです。紹介されるのは主に文学作品ですが、本読みであれば読んだことはなくてもタイトルは聴いたことある・あらすじ知ってるぐらいの有名どころが割と多いです。たとえば「こころ」「走れメロス」「チャーリーのチョコレート工場」「モモ」「アンネの日記」「ファーブル昆虫記」

まえがきでも書かれてるけど小難しい話は一切ありません。選ばれた本は色んな方面に広がっています。
「なんだね君は」と気になる本が多いこと多いこと。
こういう「この本のここが凄いんだよ」ときゃっきゃしながらすごく興味を惹くというのはすごいと思う。
とても理想的。

世界画廊の住人 (幻狼ファンタジアノベルス)

画家はよいね!
こういうキャラどっかで見たことある……(しかもすごく好きだった……)誰だっけと思ってたらフランシスだー!と思い出す。「或る少女の肖像」だ。あっちもちょうど画家だし。
よいファンタジーです。みっちりしてます。
確か段組の上行数ぎっちぎちだから文量的には文庫2冊分ぐらいあるとみた覚えがある。

セツリは正しくツッコミ担当だなあ。
世界の話は読んでて楽しいけどくるくるぱーんとなります。そこまでが楽しみの範囲内ですが。

「大丈夫か? 死にそうなら早めに言ってくれ、色が綺麗なうちに樹脂で固めるから」
「貴様が先に死ね、このゴミでクズで地下墓地でネズミにかじられているのがお似合いの駄目画家が!」
「…………君は酷い人だ!」
「お前のほうがよっぽど酷いわ!」

(P48)

多読術 (ちくまプリマー新書)

インタビュー形式で進んでいく。
ゆっくり読もうぜとか多く読もうぜとかそういう方向の本ではなくて今までの読書遍歴とか読書スタイルとか本との付き合い方が語られている。読書術的な本は好きで色々読んでたけどこれはよかった。

鬼ヶ辻にあやかしあり〈3〉座敷の中の子 (ポプラポケット文庫)

3巻は白蜜姫がコレクションを増やしてうきうきする話ではなかったけどこれはこれで!
79ページが良い。ていうかこのラストはとても予想外だった。
あと幽霧に姫が自分の目玉をほじくりだして渡すところがとてもびびった。
えええええええっておもった。しんぞうにわるい。

その髪はざわざわとさかだち、つりあがった目は金色に燃えていました。愛らしかったくちびるは残忍にめくれ、小さくもするどいきばがむき出しとなります。

(P82)

自分が自分であることをほこりを持ち、心おもむくままに無邪気に、ときには残酷にふるまう。だからこそ姫はこれほどまでに異質で、おそろしく、美しく見えるのでしょう。

(P93)

鬼ヶ辻にあやかしあり (ポプラポケット文庫)鬼ヶ辻にあやかしあり〈2〉雨の日の迷子 (ポプラポケット文庫)

名前は文庫ですが大きさは新書なので新書カテゴリに。
葉月さんが「白蜜姫は人外ロリ!」と主張していたので何があったんだ……と思いつつ読む。
児童書です。たぶん舞台は江戸時代で妖怪が出たりする。方向的にはあまつきと同じカテゴリ。
児童書ですが黒いです。ざっくり人が死にます。とても妖怪です。ちなみに白蜜姫はよい人外ロリでした。

えげつない内容なのに読了感はさっぱりしてます。すごい。

少女の腰までのびた髪は、かがやくような雪白でした。目じりがつり上がった目は、とかしての金をおもわせる、濃い蜜色でした。小さなくちびるはさんごのように赤く、無邪気さと妖艶さがただよっています。
そしてその小さな体からは、うっすら青い焔のようなものが立ちのぼっていました。まるで全身が青く燃え立っているかのようです。その焔に包まれているため、少女はよりあでやかに、あやしく、力強く見えるのです。
それはおそろしくも、魂がふるえるほど美しい姿でした。

(鬼が辻にあやかしあり2 P136)

ヴァンピーア—オルデンベルク探偵事務所録 (C・NOVELSファンタジア)

今回の事件はミュンヘンの先の田舎町で起きた遺体消失事件。
主人公は前巻より変わってオルデンベルク探偵事務所所員のフェルディナント・クロイツェル(フェル)と依頼人の一人娘イザベル・アイゼンシュタット。
依頼人ディーデリヒ・アイゼンシュタットはフェルのよく知った人ということで初の遠方出張をすることとなる。

おてんばなご令嬢は可愛いです。登場人物紹介のページからなんか胡散臭そうな笑顔のリヒャルトがとても気になってたのですが、実際出てきたら出てきたで、このタイプのキャラは好きだわーとおもうなど。

ラストすげええとおもった。予想外でした。

どれほど共に生きたいと望んでも祈りは届かず、大切な者の命は、いつも無慈悲に摘み取られてしまう。その都度、心を痛め、消えない傷となって積み重なるのだ。
そして私の体に流れる血を人は恐れる。愛するものの口からあの忌まわしい言葉が漏れたら、きっと私は平静ではいられないだろう。
——"化け物"
どうして。
ただそばにいたいだけなのに。

(P161)

紺碧のサリフィーラ (C・NOVELSファンタジア)

海洋ファンタジー。
海神の怒りにふれて600年前に海中に沈んだ幻の島シェイン。
12年に1度、鎖状列島の最南端の島から東の沖にあらわれるといわれている。
シェインを見たい青年サリフは船を捜しワディム率いるユンファ号に乗り込んだ。
しかしサリフは何故か海軍に追われていた……

さりさんちでクマクマされました。
淡々と進んでいくんですが兄弟とラストの姉弟にきゅんきゅんしました。
兄馬鹿はすばらしいです。在りし日のシェインとかイェンファとサリフとか、シェリルとサリフの話をもっと読みたかった!
挿絵は205Pがいいしごとしてました。

ヴェアヴォルフ‐人狼—オルデンベルク探偵事務所録 (C・NOVELSファンタジア)

20世紀初頭ベルリン。
人間と人ならざるものの共存を目指す自助組織として設立されたオルデンベルク探偵事務所の話。
所員60人強のこの事務所の所員もまた人ならざるものが多い。
長い任務を終えてベルリンに帰還したジークの新たな任務は保護された人狼の少年エルの世話、そして人外が関わっているだろう殺人事件の捜査。

結末は意外な方向でした。あとジークとエルの組み合わせが大変おいしいです。
続刊ヴァンピーアはオルデンベルク探偵事務所の別の所員の話のようです。これもぼちぼち読みます。

裁判官の爆笑お言葉集 (幻冬舎新書)

裁判員制度がはじまったので手を伸ばしてみる。
「爆笑」という方向ではありませんが、これはこれで興味深い。

嘆願書とは、担当裁判官にあてて、判決内容への願いを書いた書面です。特に決まった形式はありませんが、被告人の親族や事件の被害者が書いた減刑嘆願書(まれに厳罰嘆願書)でないと、たいていは裁判官からかなり冷たい扱いを受けます。被告人の人柄を知らない、ときによっては面識すらない赤の他人が、嘆願書に名前だけ寄せ書きする場合もあるからです。

(P107)

煌夜祭 (C・NOVELSファンタジア)

本の姫は途中で脱落したけどこれはよかった……
というか私は詩人とか語り部とかが好きすぎると思うんだ。

18諸島の世界を廻り、話を集めほかの地へと伝え歩く語り部の年に1回のお祭り。
冬至の夜、島主の館へ集い夜通しで話を披露する。それが煌夜祭。
廃墟となった島主の館に2人の語り部が炎壇へと集まった。語り部から交互に語られる魔物の話。

エンとクォルンの話とガヤンの話が好きだー。語り部の話はどれも単体でいいけど、繋がって導かれるラストがすごくよかった。

「魔物にとって愛することは食べることなんだ。腹を減らした魔物が一等先に食べたくなるのが、魔物にとって一番愛しい人なんだよ。あんたはずいぶんガヤンと仲が良いみたいじゃないか。そのあんたが冬至の夜にこの付近をうろちょろしていたら、真っ先にやられること請け合いだね」

(P74)

翼の帰る処 上 (幻狼ファンタジアノベルス S 1-1)翼の帰る処 下 (幻狼ファンタジアノベルス S 1-2)

ヤエトは「過去を視る力」をもつ帝国の史官(歴史の編纂が本来の仕事だが初期としての技能を求められることが多い)で、36歳になってようやく働きすぎは嫌われると知ったところ。禄分は仕事をするけどそれ以上はしたくない。できれば隠居のようにして暮らしたい、が北嶺の民に頭を悩まされ新たに赴任した皇女の副官に任命され病弱な体をおして中間管理職がんばる。
こう書くとすごくコメディ寄りの話のようですが世界観重視系の硬めのファンタジーです。
序章と1章が繋がってないのが最初分からなくて、これは未来にこうなるよって言う話なのか過去こうだった人がこうなったよっていう話なのか!とおもってた。
なので最初はよく分からない話でしたが加速的に超面白くなりました。下巻のほうが好きでして!
ヤエト皇女以外にひとりえらぶならジェイサルドが好きで!

「そなたは、わたしを信じておらぬ。それでも、わたしはそなたを裏切らぬ。すくなくともこのことでだけは、絶対に」

(上巻 P202)

「隠居の愉しみなど、若い者に昔のことを話して聞かせるくらいですからね。正統派隠居としてはこれを逃すわけには参りません」
「……正統派名のるには、若過ぎやしませんか。実年齢でもですが、見た目も」
「見目より心です。心構えが、隠居なのです。正統派が駄目なら、本格派隠居でも結構です」

(下巻 P48)

イデアマスター (バーズノベルスGLASS HEART)

永遠の未完になるかとも思った、10代のときに読んでた本が完結するというのは感慨深いというか妙に寂しいものがあります。なんか凄く面白かったんだけどなんだろうかこれ。

朱音のキャラあんまり変わってなくてよかった!
イデアマスター一人称で視点が話ごとにころころ変わるけど(坂本藤谷朱音ユキノ)やっぱり朱音のが一番しっくりきた。コゴエノイロの坂本と朱音は可愛いなあ。
ていうか坂本君が全体的に可愛い感じのキャラになってた。サラダ油のくだりとか、「コゴエノイロ」全般的にとかストロガノフとタッパーのところとか、プロポーズしてたりな。
打ち上げで朱音が東京に帰るならバンドクビだよ宣言したあと坂本と一緒に帰ってて「西条に謝る話がある」って言ってるシーン、別れ話?ってとてもどきどきした。

高岡尚→朱音の呼び方が「アカネ」になっててとまどった。あれ源治さん?その割に喋り方がマイルドだよっておもった。この人西条さんとかアカネさんとかあなたとか女子高生とかは言ってたけど呼び捨てキャラではなかったはずなんだ……あとギター屋さんと歌う人の組み合わせはよいね。可愛らしい。でもミドリが実に可哀相だよ。

イデアマスター1(センセイ一人称)は何が始まったのか分からなくて、喋ってる分には藤谷なんだけど中身は見えなくていいよ! みたいな。読むのにすごくHPが必要だった。

ユキノはいいヤンデレになってた。熱の城よりもっとあれげな。
ヤンデレは桐哉担当だと思ってたんだけどなー。少なくともこの巻の桐哉は普通の人寄りだったな。

個人的にラッシュの存在意味がよく分からなくて、グラハースピンオフ? にしてはあまりにもギター屋の存在感が薄くてAGEに収録されてる短編みたいだ! っておもった。

私オーラバはヘヴンズ・クラインぐらいで脱落したしイズミはスーパーファンタジー文庫分しか読んでないし、メガロとかにも手をつけてないのでこれがラスト若木作品になりそうなんだけどグラハー新書版が出たらまた買うんだろうなあって思った。我が家のグラハーもうぼろぼろなんだよな……

「知ってるよどうせ僕ら仲悪いよ、だけどこれラブソングなんだから愛し合おうよ!」
「はいちょっと待ってー、質問します。まさか、あんた俺に対して歌ってるわけじゃないでしょ、このラプンツェル」
「うん、俺が好きなのは別の人。すみません」
「うわ即答?」
「あっごめんね! 高岡君も好きです、俺の人生ランキング6位ぐらいです」
「俺は藤谷クンなんかランク圏外です」

(P21)

「俺が思っていたより生産性が高い。サラダ油は偉い。健康で前向きすぎる。しかも強靭だった。俺が甘かった。未知の世界だった」
「坂本くんの頭の中で『油』っていうと、まだガソリンとか灯油だったんだ」
「そう。駄目だ、俺の世界が狭い!」

(P72)

まいにち、まいにち、

大きさが新書サイズなので一応新書カテゴリに入れておきます。
携帯更新の日記をそのまま本にしましたみたいな、厚さの割に余白が凄い多い本。
せっかくフルカラーでスペースあまってるのに写真小さいしもったいない。

PAGE TOP