カテゴリー「 一般文庫 」の記事

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派遣社員あすみの家計簿 (小学館文庫キャラブン!)

派遣社員というけど派遣社員になるのは後半で大半は日雇い労働者あすみの家計簿だ。

結婚を夢見てもったいないと言われた大手企業を退職したものの引っ越し後恋人は姿をくらました。無職のあすみに残したものは恋人分のスマホの支払い、それから家賃9万2千円のマンション。通帳残高は428円。支給された最後の給料と退職金はわずかばかり。そんな人生詰んだ状態から物語は始まる。

金遣いがあまりにもぼんくらなあすみの行動にハラハラする。カードの使いかたとかあまりにもやばい。お金の使い道がやばい。
地に足がつきすぎてる話は小説では読みたくない人には薦められないが1人の女が多少人の縁に助けられつつなんとか生活を立て直していいく様を丁寧に書いた話が読みたいにはいいと思う。

死神執事のカーテンコール 時限爆弾の少年 (小学館文庫キャラブン!)

しみじみよかったです。1巻は大体「冷蔵庫がよかったです」と言ってたんですがいやあれ冷蔵庫めっちゃいいからな!!!!! 冷蔵庫の何がいいのかは1巻を読んでくれ!!!!!

猪目さんはツッコミをする広沢悠真だな……と思っていたんですが(広沢悠真については以下のURL参照)やっぱり2巻も広沢悠真してるな……と思いました。具体的にどこが広沢悠真かというと筋トレ大好き面白超人。

広沢 悠真(@FIN_hirosawa) - Twilog
S+hとFrepの、ネコの手も貸したい旅【砂漠で化石掘ってハンモック! 編晃&悠真】

好きなのは「カーテンコールと時限爆弾」の何とも言えない重さ&切なさ。
そして一押しは「この世の果てのカーテンコール」でしょう。これはスーパー銭湯で薔薇風呂に浸かる3人という、文字面だけでも映像的な圧が強すぎる面白さもさることながらラストがすごく好き。わたし的に分かりやすくいうと新井素子テイスト。

新人メイドの話では執事が案外ポンコツなところも愛しいです。別荘は漢のロマンの塊。

私が大好きな小説家を殺すまで (メディアワークス文庫)

ある夕方、まだ小学生だった幕居梓は大好きな、ずっと心のよすがにしていた小説を胸に抱いて踏切の前に立っていた。ここに来たのは命を絶つためだ。次こそ、次こそと1歩が出ないうちに声がかけられた。「その本、俺が書いたんだよ。俺の本持って死なれたら迷惑だからやめてくれる?」
梓の「神様」との出会いだった。
これがまーーーーすーーーーごくよかったのだ。いや小学生から成長していく少女と青年が描くハートウォーミングストーリーかというとそうではない! いやそういう要素もある。でもそこじゃないんだこれが。信仰と崩壊の話なんだ。できれば裏表紙のあらすじを見ないで読んでほしいんだけどあきらかに狂ってるわけだよこの2人。でもそうは読めなくてものすごく普通なんだよえ、すごいなそれなんだ!?
才能が人を殺すんだよ……。いやこのラストさ、このあとどうなるんだよと胸倉捕まえてがくがくしたくなる感じだよ。
作中に「エレンディラ断章」って出てきて、えっエレンディラ!? ってなった。

エレンディラ (ちくま文庫)
ガブリエル ガルシア=マルケス
筑摩書房
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少女七竈と七人の可愛そう大人たち」が世の中に出たとき、桜庭一樹読書日記で「エレンディラっぽいよね」というのを見たので、気になりつつ反復横飛びしていて今に至るのだ。

凄いものを読んだ

谷中びんづめカフェ竹善 猫とジャムとあなたの話 (集英社オレンジ文庫)

鈴掛紬は生まれは茨城の兼業農家、1浪して今の大学に入学した。大学デビューは失敗して親しい友達は0、趣味は手芸、聖地は日暮里繊維街。ゆえに猫にも寺にも興味はないが谷中に居を構えている。今の悩みは実家から過剰供給される野菜の数々だ。こんなものもう捨ててやるとゴミ捨て場へ人参と玉ねぎを持っていき、そこで出会ったのが金髪碧眼見目麗しき外国人だ。セドリックと名乗る彼はこの近くでびんづめカフェを営んでいるという。処分するぐらいなら保存方法をお教えしましょうと、そういうことになった。

ジャムの定義が更新されるびんづめグルメ+日常の謎。2話の、ゆえあって不登校中のセドリックの義理の息子武流の家庭教師をするようになった紬と、「腐敗と発酵と熟成の違い」について。

死神執事のカーテンコール (小学館文庫)

冷蔵庫にテンションがあがった作品です。冷蔵庫がなんたるかは言ったらあかんやつだけどそんなガッと割かれているわけではないけど、えっ冷蔵庫なん、まじかとドキドキしたワンシーン。

主人公の猪目空我は少年探偵役で人気を博した子役崩れのイケメンで自称名探偵で筋トレ大好きの筋肉バカで、わたしの半径1クリックで片手で足りるぐらいしか分からない例えをするとまあだいたい広沢悠真。猪目は古い屋敷の一角を借りて探偵事務所を開いている。ここには古式ゆかしき執事とお嬢様が住んでいるのみだ。

タイトルにもなっているのでこれはネタバレにはならないけど、この執事は、死神だ。死にゆくものに乞われた場合「カーテンコール」で3回だけ現世によみがえることができる。というても死者がよみがえるちょっといい話系ではない。ヒーリングファンタジーを歌いそうな作品にはあんな冷蔵庫出てこない。
でも執事と猪目のやりとりはいいんだよ。意外と探偵をばっさりdisってくるお嬢様もいいんだよ。
とても面白かった。

「知らなかったのか。白ワインはカロリーが高いんだ。酒は全体的に理性を緩めるから筋肉にはよろしくない。やはりいいのはプロテインだ。君も男の太ももののロマンがわかるんだから、もう1歩踏み込んで体作りをしてみるのもありじゃないか?」

(P142)

わたしが思う広沢悠真み(共感できる人がそもそも少ない)

式神仙狐の思い出帖 (富士見L文庫)

生まれつき病弱で、転地療法として亡き祖母、喜代の家で暮らすことになった嘉月は祖母宅に入るなり三尾の狐、冬青(そよご)と出会った。冬青は記憶を食らうあやかしだった。冬青から嘉月は自分が魑魅魍魎の餌になりやすい体質であることと喜代との約束で留守宅を守っていると聞かされる。冬青は記憶を食らう妖怪である。街中で記憶が欠落している人が増えていて嘉月もその一人だ。そこまでいうなら記憶を返してやらんでもないが、と冬青は切り出した。

夏目友人帳だなーと思ってたらどっちかといえば少年陰陽師(初期)だった。もしくはマルタ・サギーのマルタとアウレカ。そんな感じで嘉月と冬青がどういう関係なのかはわかると思う。
ふふーんって読んでたら時々ガッて好みのツボを突いてくる本で、後半は終始やばかったな。めっちゃにやにやした。
もじゃもじゃが可愛いんだよ。ポニョみがあって。

真実の10メートル手前 (創元推理文庫)

久しぶりに読んだけどキレッキレだった。
さよなら妖精に登場する大刀洗万智が大人になって新聞社職員になって(あるいはフリーライターとなって)事件に巡り合うという短編集で王とサーカスの前日譚。フーダニットだったりホワイダニットだったりキレッキレだった。ミステリは心が洗われる。

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