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ドラマ絶賛放送中のレンタルさんのtwitterまとめ本みたいな位置づけの本である。これもドラマ原作の一つを担っている。

最初に本が出版されると知ったときに課金しよう! と思って買ったのがこれの前作で、これ以外も確かもう1種類出ていて、コミカライズもあるはずだがこれしか読んでいない。この本の中でharuさん(性同一性障害の方、よくツイキャス1を見ている。)も出てくるし、1万円になったターンに入る。
レンタルさんはテレビにもよく出ているが、しゃべっているところを見たり聞いたりしたことは数度なので文字は文字なのだが、haruさんは割と人格に合わせてフルボイスで読むことができた。レンタルさんはフォロワでもあるのでそういえばこういうこともあったなあと思って読んでいた。人の日記を読む感じ。何度か言ってきたけどわたしは人の日記を読むのが大好きだ。

ドラマのレンタルさんの話をすると、本物のレンタルさんとレンタルさんを演じているNEWSのまっすーは体形的にもパブリックイメージも似たところはない、けど引きのショットでのまっすー演じるレンタルさんは「うわすごいレンタルさんだ」って思う。でも近づくと「あっやっぱりまっすーだった」って思う。
というのも写真ではよくレンタルさんのことを存じ上げているので、帽子とあの服装が「レンタルさんの記号や概念」として作用しているのだと思う。ということを先日twitterで言っていたのだが、この本のあとがきで「概念化されるレンタルさんの話」をレンタルさん自身がされていて、それなーーーーーと思った。
今作は半ば過ぎから依頼が有料になったことからか「身近な人には頼めないからお金を払ってでも聞いてもらいたい悩みや不安」の話が増えた。

  1. haruさん自体は好意的に見ているのだが、ツイキャスのコメント欄があまり好きではない方向性でコメント欄ミュートする方法を最近偶然知ったので今度試してみたい。 []

5月22日に公開予定だったけど延期になって絶賛調整中の「映画『小説の神様 君としか描けない物語』」の関連作品でラノベ周りに携わってる人(書店員とか読者とか書評ブログの中の人とか)の話だ。
アンソロジーなのでいろんな人の作品が読める。寄稿者は相沢沙呼・降田天・櫻いいよ・芹沢政信・手名町紗帆・野村美月・斜線堂有紀・紅玉いづき(敬称略)。手名町さんだけは漫画で、この方は小説の神様コミカライズの方。
どの作品もこう、身に覚えがあるものとか、あーーー怖っってなるものとか(ホラーというではなく背筋が寒くなる感じのあれだ)あって、読後感がサエズリ図書館のワルツさんの2巻。あの本はきれいな紅玉さんのよそおってあっちこっちから鈍器を持ったポケモンがゲリラのように飛び出してくる。凄い勢いでぼこぼこにしてくる。
この本はそこまでアグレッシブじゃないけど斜線堂有紀さんの「神の両目は地べたで溶けてる」とか身に覚えがありすぎるんだ。お前は俺か案件。突然僕に話しかけてきた岬布奈子は作家水浦しずガチ勢だった。布教アカウントがあり、作家に貢献するためには買うのが一番だといい、

「だから私らが水浦しずを陽の当たるところに連れ出さなくちゃいけないんだよ、誰も知らないけど、私は見つけた。私が見つけたんだ」
岬の言葉はレビューと同じくまっすぐだった。僕が何を言おうと、全く揺らぐことがない。

(P255)

「ポエムを書けって言ってるんじゃないんだよ! レビューっていうのは宣伝なの! 水浦しずの名前を検索する新規読者を逃さないようにするんだよ!」
「絶対その努力の方向性は間違ってるって! 岬の思いは一周回って不純になってきてるだろ……」
「不純でも何でもいいんだよ! このレビューで水浦先生を好きになる人がいればいいの!」

(P258~P259)

岬布奈子の主張圧倒的にわかりみしかない。

あと久しぶりに遠子先輩に触れたり紅玉さんのはただのあとがきだった。
神様の探索はあれを読んだうえでこれはその正体そこかって目玉が飛び出た。

蜜蜂と遠雷(上)? 2019/4/10のスピンオフ短編集で登場人物にスポットが当たる。
「鈴蘭と怪談」の空気が好き。ヴィオラに転向を決めた奏があれでもないこれでもないと色んなヴィオラを借りては試し弾きをしているところからはじまる。そこへプラハにいる亜夜と塵が「聞いたことないはずなんだけどあれ奏のヴィオラだと思う」という話を持ち込んでくる。

ちなみに残念ながら蜜蜂と遠雷のことはあまり覚えていない。たぶん読んだ直後ぐらいに読むのがよかったと思う。蜜蜂と遠雷ほどの重量感はないのでボーナストラックみたいな存在だ。

気がついたら同時期に似たような本を読んでいた。
岸本さんはタイトルの通り「40代と50代ではいろんなものが違う」という本で阿部さんは「70代での暮らしはこうするといい」という本だ。共通点は「独居高齢女性の暮らしについて」

ミニマリストの暮らし本は時折読んでいるのだが片付けひとつにとっても
「好きなものに囲まれて暮らそう」「スーパーをストックヤードとして使おう」みたいな話はよく見るのだけど、そういう話も「より現実的に」「老いは受け入れがたいができなくなる自分を認めつつ」「無理をしない」という方向になってくる。

・紙の新聞を読む(タイムラインとは違って自分が興味ないことも配置されている。自分用にカスタマイズされた世界とは別の世界が広がっている)
・iPadは面白い。便利な機器は暮らしの流れを乱す危険があるが、使いこなしによっては1人を上手に楽しむのにもってこい。
・不安に注意を向け過ぎない。今できることをすれば気持ちが落ち着く。
・好きなものがあるとそれを考えるだけで不安に心が揺さぶられることもない
・はっきりした答えがでないものが少なくない。悩んだら「どうして」より「どうすれば」と考える。時にはあきらめも必要。
・快適度をあげるためには収納すべきところにモノが収まり溢れないようにする
・片付けには年齢も重要(体力・気力が乏しくなった後で快適に暮らしたいと思ってももうできない)
・食べる楽しみが一人暮らしの活性化になる
・朝一杯のコーヒー・夜の美味しいお酒は我慢しない
・死ぬ直前まで元気にいたいが、本当に元気でいられる時間は大して長くない。
・これまで体力づくりをしてこなかった人が急に歩いたり走ったりジムに通ったりしてすぐ体力を取り戻せるわけではない。
・年を取るということは体力・気力・集中力が低下していくということでもある。若い時と同じを求めても仕方がない。年は年なりに自然体でいくしかない。
ゆくゆくはこういうことを検討していく必要がある、という先輩の経験談だ。

19世紀、ヴィクトリア朝ロンドン。
この時代は科学の時代であると同時にオカルトの時代だった。

社交界に浮名を流すエリオットの通り名は「幽霊男爵」だ。オカルトに目がなくロンドン中の心霊絡みの案件によく顔を出している。顔を出す理由として、実のところは「幽霊が見えているふり」で人をだます輩を叩き伏せるためだ。沈黙の交霊会、ミイラの呪い、見える少女、天井桟敷の天使、様々なオカルト事案が幽霊男爵エリオットとその従者で人形だと自称するコニーの物語だ。

何度でも言うけど顔がいい。具体的にどこが好きかって「修道院と愛の誓い」のレディ・リリアンお気に入りの中庭のシーンだ。新生児から10歳ぐらいまでの子供の幽霊が密集しているシーン。いいよねそういうの。黄昏の楽園1みがあってとてもいい。リリアンは死者を「天使」だといい素敵だという。
というか誤解を恐れずにいうと、エリオットはPixivにいる燭台切光忠みある。伊達男を感じる。

この「私が嫌いなはずがない」というエリオットの設定を見てほしい。

生者も出るが同じぐらい死者も出る。死んでるとはかたくなに認めない人もまだあちら側に行くわけにはという人もいる。空気感が好きなんだわ。さすが裏切らない。
好きなセリフはアレクサンドラの

「いい男に育ったわねえ、エリオット。私の『剥製にしたい人間の男』暫定一位よ」
「生きているほうがいい男だと言われるように、もっと話術を磨きます」

(P184)

だ。

  1. Linked Horizon「楽園への進撃」収録 []
#柚莉愛とかくれんぼ
真下 みこと
講談社 (2020-02-12)

第61回メフィスト賞受賞作。
地下アイドルが出てくる作品ということで、最近推しが武道館に行ってくれたら死ぬが好きなこともあり久しぶりにメフィスト賞作品を読んだ。地下アイドル、配信、アンチ、SNSの闇、炎上、裏アカでアンチのツイートを読むアイドル。そういう感じで進んでいったのでおおこれはいいな、おおそうきたかと読み進めていたけど最後はとにかく消化不良。いわゆる「後味悪い系END」にもなってない感触。柚莉愛はそのことに気づいたのか気づかなかったのか、もうちょっと読みたかったな。

谷中びんづめカフェ竹善 2 春と桜のエトセトラ (集英社オレンジ文庫)

谷中で一人暮らしをしている女子大生紬はきょうも実家からの野菜を持て余してとある店のドアを開いた。
びんづめカフェ竹善というその店はいろんなびんづめの保存食を商うカフェであり、店主はイギリス人のセドリックだ。ひょんなことから紬はセドリックの息子武流の家庭教師をすることになって……という1巻からの2巻。ちょっとした謎が明らかになったりちょっといい話をしたりする方向。
これも料理ものでもあるんだけど、ストレートにいうならわたしはおいしいベランダの方が好き。
なんだろうなー悪くはないんだよ。悪くはないんだよ普通に面白いんだけど、普通なんだよ。

猫だまりの日々 猫小説アンソロジー (集英社オレンジ文庫)

猫がテーマのアンソロジーです。はなからいうけど5作入っててこれいいなと思ったのは1作。
というか5作もあって「人語を解する神社猫」か「転生」の二択なのはどういうことだ?

最初のハケン飯友はおっちょっといいなと思ったけどこれハケン飯友の導入作なんかなと思うぐらい何も始まらないままに終わる。

唯一いいなと思ったのは「神様はそない優しない」(一穂ミチ)
こてこての関西弁(尼崎出身)の猫の一人称だ。ネコはもともと人間だった。ある夏の日、混雑したホームで背中を押されて転落した。気がついたら猫だった。ネコに生まれ変わった俺を拾ったのが未亡人となった元嫁だ。
方言ベースで書かれた小説とかドラマCDってこれが「母国語」の人が書いてないことが多くて気持ち悪ーってなることがまあまあるけどこれはそういうのなかった。なんか落語みたいな語りを聞いてる気持ちで読んでた。丁寧な「人間だった猫の思考」描写と加齢と意外な展開。これに関してはとてもよかった。

まあ究極の選択やね。嫁にあてがわれた別の雌とつがうか去勢されるか。結果的によかったとは思うんやけど、麻酔覚めたら傷口じくじくしてなあ、痛がゆうてたまらんのに、あのエリザベスカラーゆうんか? 頭に朝顔みたいなん巻かれてぺろぺろもできへんし、何せあの見た目、間抜けすぎるやろ? 何がエリザベスじゃボケ。意気消沈、心が右肩下がりで先細っとった。すべてにおいてテンションが上がらんのよ。えらいなあいつ、司馬遷やったっけ? 宦官にされてもごっつい歴史の本書き上げたんやから。そのガッツどっからくんのん? めっちゃ尊敬するわ。本、1行も読んだことあれへんけど。

(P190)

派遣社員あすみの家計簿 (小学館文庫キャラブン!)

派遣社員というけど派遣社員になるのは後半で大半は日雇い労働者あすみの家計簿だ。

結婚を夢見てもったいないと言われた大手企業を退職したものの引っ越し後恋人は姿をくらました。無職のあすみに残したものは恋人分のスマホの支払い、それから家賃9万2千円のマンション。通帳残高は428円。支給された最後の給料と退職金はわずかばかり。そんな人生詰んだ状態から物語は始まる。

金遣いがあまりにもぼんくらなあすみの行動にハラハラする。カードの使いかたとかあまりにもやばい。お金の使い道がやばい。
地に足がつきすぎてる話は小説では読みたくない人には薦められないが1人の女が多少人の縁に助けられつつなんとか生活を立て直していいく様を丁寧に書いた話が読みたいにはいいと思う。

文具LOVERが教える手書きを楽しむヒント200! カワイイ手帳の作り方

人の手帳がのぞき見できるあれです。人の鞄の中身と手帳の中身と本棚の中身は魅力的。
この本に登場する人は文房具メーカーのSNS担当の手帳とインスタグラマーの手帳で、能率手帳もいるしほぼ日手帳もいるしフレックスノートもいるしジブン手帳もいるしシステム手帳もいるしバレットジャーナルやってる人もいるという感じで種々様々。個人的にはほぼ日手帳weeksで内容のせてる人ってtwitter上でも案外少ない割にこの本では多かった(ということはインスタでは案外いるのかな)
キラキラ手帳の人もいるしがっつり実用っていう人もいるし読みごたえはあった。あ、デザインペーパーって折り紙? どうやって使うの? って思っていた疑問も氷解した。個人的には手帳複数持ちの人にはもうちょっと詳しい話を聞いて見たかった。

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