カテゴリー「 単行本 」の記事

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気がついたら同時期に似たような本を読んでいた。
岸本さんはタイトルの通り「40代と50代ではいろんなものが違う」という本で阿部さんは「70代での暮らしはこうするといい」という本だ。共通点は「独居高齢女性の暮らしについて」

ミニマリストの暮らし本は時折読んでいるのだが片付けひとつにとっても
「好きなものに囲まれて暮らそう」「スーパーをストックヤードとして使おう」みたいな話はよく見るのだけど、そういう話も「より現実的に」「老いは受け入れがたいができなくなる自分を認めつつ」「無理をしない」という方向になってくる。

・紙の新聞を読む(タイムラインとは違って自分が興味ないことも配置されている。自分用にカスタマイズされた世界とは別の世界が広がっている)
・iPadは面白い。便利な機器は暮らしの流れを乱す危険があるが、使いこなしによっては1人を上手に楽しむのにもってこい。
・不安に注意を向け過ぎない。今できることをすれば気持ちが落ち着く。
・好きなものがあるとそれを考えるだけで不安に心が揺さぶられることもない
・はっきりした答えがでないものが少なくない。悩んだら「どうして」より「どうすれば」と考える。時にはあきらめも必要。
・快適度をあげるためには収納すべきところにモノが収まり溢れないようにする
・片付けには年齢も重要(体力・気力が乏しくなった後で快適に暮らしたいと思ってももうできない)
・食べる楽しみが一人暮らしの活性化になる
・朝一杯のコーヒー・夜の美味しいお酒は我慢しない
・死ぬ直前まで元気にいたいが、本当に元気でいられる時間は大して長くない。
・これまで体力づくりをしてこなかった人が急に歩いたり走ったりジムに通ったりしてすぐ体力を取り戻せるわけではない。
・年を取るということは体力・気力・集中力が低下していくということでもある。若い時と同じを求めても仕方がない。年は年なりに自然体でいくしかない。
ゆくゆくはこういうことを検討していく必要がある、という先輩の経験談だ。

#柚莉愛とかくれんぼ
真下 みこと
講談社 (2020-02-12)

第61回メフィスト賞受賞作。
地下アイドルが出てくる作品ということで、最近推しが武道館に行ってくれたら死ぬが好きなこともあり久しぶりにメフィスト賞作品を読んだ。地下アイドル、配信、アンチ、SNSの闇、炎上、裏アカでアンチのツイートを読むアイドル。そういう感じで進んでいったのでおおこれはいいな、おおそうきたかと読み進めていたけど最後はとにかく消化不良。いわゆる「後味悪い系END」にもなってない感触。柚莉愛はそのことに気づいたのか気づかなかったのか、もうちょっと読みたかったな。

文具LOVERが教える手書きを楽しむヒント200! カワイイ手帳の作り方

人の手帳がのぞき見できるあれです。人の鞄の中身と手帳の中身と本棚の中身は魅力的。
この本に登場する人は文房具メーカーのSNS担当の手帳とインスタグラマーの手帳で、能率手帳もいるしほぼ日手帳もいるしフレックスノートもいるしジブン手帳もいるしシステム手帳もいるしバレットジャーナルやってる人もいるという感じで種々様々。個人的にはほぼ日手帳weeksで内容のせてる人ってtwitter上でも案外少ない割にこの本では多かった(ということはインスタでは案外いるのかな)
キラキラ手帳の人もいるしがっつり実用っていう人もいるし読みごたえはあった。あ、デザインペーパーって折り紙? どうやって使うの? って思っていた疑問も氷解した。個人的には手帳複数持ちの人にはもうちょっと詳しい話を聞いて見たかった。

進撃の巨人 果てに咲く薔薇(上) (KCデラックス)進撃の巨人 果てに咲く薔薇(下) (KCデラックス)

このエントリは進撃の巨人原作22巻までのネタバレを含んでいます。

この本は進撃の巨人が海を渡ってアメリカで書かれた2次創作を逆輸入して紅玉いづきが改稿・再編した駐屯兵団の物語です、というやつで。つい先日まで進撃の巨人無料キャンペーンをやっていた影響で3日で29冊再読して(ちなみにうち3冊4冊ぐらいは1日が待てなくてガッと紙で再読した)ついに積読だったこれも崩した。

王家の血筋を引く貴族のロザリーは憲兵団学校とも呼ばれている士官学校から駐屯兵団へ入団した。兵士ごっこはもうやめて結婚しろという父の猛烈な反対をなんとか収めての(あるいは少し現実を見ればシーナへ戻るだろうという)トロスト区入りだった。

こちらにも最強が登場する。人類最強ではなく駐屯兵団最強の死神だ。進撃の巨人だけどそんなに死なない。ラブ寄せはある。下巻まで読んでようやく時系列がわかった(シガンシナ陥落〜2巻1話の間ぐらい。)
とても切なくなったのはロザリーもジャクソンもこんなにも主人公なのに海にはたどり着けなかったんだなということだ。いやまあそこは正史ではないから何らかの事情で離脱しているかもしれないしかし最強だ。もしかしたら女型でエレンを守って死んでいるかもしれない。
あとじわじわ面白かったのは

「なにがあっても、生きることを諦めるな。ここまで生きた……俺の生き方も、否定はしないでくれ」

(P178)

で、脳内でNoelがログインして最果てのLを歌っていった。俺の生き方も否定しないでくれ俺達は弱いNein〜 #グラサン違い。

進撃祭りを絶賛開催したのでわたしはついにマガジンポケットに課金して本誌派になり替わろうと思います。

ウチら棺桶まで永遠のランウェイ

たまに行く本屋でずっと長い間平積みにされてるんだよなこの本。何の前情報もなく手に取ってみたけど、最初がカラーページでグラビアっぽいから多分モデルとかそっち方向の人なんだろうなあなんて思っていたが、多分そんな感じだと思う。著者略歴を見ていたら「あげみざわ」の語源はこの人らしい。ギャル方面に人気がある人なのかな。
内容は人生振り返り(95年生まれの23歳)だったり、人生相談あるある質問に対する回答だったり軽いノリで雑談しながら「わかるー」「それなー」「めっちゃいいこというじゃん」と相槌を打ちながら読める本だ。日テレ森アナがインスタでやっているスナック森介が好きな人は多分好きな軽妙さ。

自分の好きなことを発信して、評価を得たいっていう願望は普通のことじゃない? みんなそうじゃないかな。それに夢によっては数字が必要な時もあるし、数字を完全に否定するのも違うじゃんって思う。

(P78)

継続と努力は自分を盛るための最強アイテムでしかない。

(P180)

作家の人たち

作家(編集)残酷物語である。本に関わる人々が「なんでも願いをかなえてくれる悪魔」と会うみたいなファンタジーな話があれば、これ小説ではなくて実話怪談では??? という話もある。たとえば京極夏彦に似て非なる経歴の「結局尚彦」のような新人を探せと持ち込み新人賞面接を始めたら…………みたいなはじまりかたの、リアリティを感じられる怪談だ。
「結局尚彦」のようにこれ貫井徳郎とか、これ東京創元社のK島さんとか、これ電撃文庫、とかネタ元が分かるやつ満載だ。
わたしが好きなのは「夢の印税生活」「持ち込み歓迎」「らのべっ!」。

「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる  「繊細さん」の本

HSPという概念を提唱したアメリカの心理学者エレイン・アーロン博士が行った調査により「生まれつき繊細な人」が5人に1人の割合で存在することが分かった。なんでそんなことを気にするのと言われるようなことが気になる、ストレスを感じやすい人が繊細な感性を大切にしたまま生きていきやすい方法を提案する実用書。鈍感になるとか気にしないとかではなくどう対処するか、みたいなノウハウが詰め込められている。

職場でピリピリした雰囲気が苦手で感覚を麻痺させているというのはカウンセリングでよく聞くけど、これは逆効果で嫌なものを感じにくくなるけど同時に生きる上での喜びやときめきも感じにくくなる。長い間感覚を閉ざしていると自分にとっての幸せもわからなくなる。感覚を遮断するのではなくまずモノで防ごう。人によって五感のうち鋭いものが違うけど眼鏡や耳栓や露出の少ない衣服で防ごうなど。
頼まれてないけど助けすぎるからトラブルに巻き込まれるとか、先回りして助けるからかえって助長するとか身に覚えがあるなーとかいろいろある。

ランチ酒

大森祥子31歳、バツイチ、子供はひとり(親権は元夫、月1面会中)。
今は22時から朝5時まで営業の見守り屋をやっている。見守り屋というのはその通り「見守る人」だ。レンタル何もしない人みたいなのではない。病気の子供がいるので見ててほしいとか、犬を見ていてほしいとか、家政婦のようでちょっと違うような、でもまあ、何でも屋だ。
22時から5時までとはいえ客の依頼によっては営業時間は前後する。だからランチ酒といっても祥子にとっては仕事終わりの1杯だ。
16話収録で1話あたりは短くそのほとんどはごはんを食べてるシーンだ。でも祥子のバックグラウンドのせいか、こう、「幸せなひと時」感が薄い時もある。まあだいたいドラマのワカコ酒だ。サクサク読める系。

「言葉にできる」は武器になる。

「神の書いた本の感想を送りたいけど語彙がないから何も送れない」とか「推しのプレゼンがしているけどいまいち伝わらない」という人におすすめの1冊です。
途中でA4用紙最強、アウトプットをすることで頭の容量に空きができて考える余地が生まれるという話に流れてきて、最近アウトプットの話めちゃくちゃよく読むんだよなと話題の合流を感じた。

ある出来事に対して、どういう感情が生まれるのか。
そして、どういった内なる言葉が生まれるのか。
つまり、あるインプットに対して、どういった感情をアウトプットするのか。

こうした自分の本当の気持ちに丁寧に向き合うことこそが、外に向かう言葉に変化をもたらすだけでなく、今後の人生を変えていくことになる。

(P41~P42)

仮にどんな難しい言葉や、美しい言葉を知っていたところで、自分の気持ちを伝えることに役立てられなければ意味がない。縦横なのは、単なる語彙力ではなく、考えていることや伝えたいことを正確に表現するための「内なる言葉の語彙力」を増やすことである。
近年で言えば「かわいい」や「ヤバい」といった、多くの感情を省略して伝える言葉が分かりやすい。こうした言葉は実に便利なのだが、便利だからと言って多用していると、自分の心の琴線を鈍らせることにもつながるので注意が必要だ。

(P39~P400)

そこで、私がお勧めしたいのは、文章を書いた上で「と思う」「と考える」といった言葉を一度排除してみることである。
その時に「これはちょっと言い過ぎだな」と感じてしまうのであれば、自分の本気度が足りていない証拠になる。逆に「しっくりきたな」と感じれば、断言できるだけの決意や熱意がある状態と言える。

(P192)

気持ちを「言葉にできる」魔法のノート

こっちは実践、というか上の本を相当かみ砕いて文体もやさしくして小学生でも読めるレベルにしたという感じ。

傲慢と善良

「結婚とは?」っていう感じの1冊。
結婚をまもなくに控えた恋人真実が行方をくらませた。ストーカー被害に怯えて架の家に転がり込んでしばらくしてからのことだった。誘拐されたのかもしれない何か次事件に巻き込まれたのかもしれないと警察には相談したが「ストーカーの名前も分からないのでは捜査はできない」「事件性を感じない」と言われ、架は真実が自分と出会う前、群馬在住時代にお見合いなどをしていた相手の話を聞き、ストーカーについての情報を探そうとしていた。

辻村深月の男性視点の小説は珍しい気がする、と思いながら読んでいたけど、婚活周りは息が詰まるようだった。行きついた先の、あの最後の1行の「おいマジか」というよりほかない終着点と、視点が変わった後の攻撃力3倍増し。いやうちに監視カメラついてるんかと思うようなオンパレードでとてもしんどい思いをした。息が詰まる(というとさぞ派手な展開かと思われるかもしれないがやってることは地味は聞き込みである)展開からの攻撃力の高い鈍器での撲殺祭りだぞ。いつものことだがしんどい。

もしかして、と思えば青空と逃げるの登場人物が出てきた。

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