カテゴリー「 単行本 」の記事
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去年の秋にこんまりの本を読んでヒャッハア! って200冊ぐらい本を捨てたらちょっと快適になって、今その場所にマステが入った缶が増殖を始めていてやばいと思っている。最近は片付けの本を見ても大体書いてることは異口同音で「モノの住所を決めよう」「出したところに戻そう」「ものには必要な量がある」っていう感じ。
多趣味な人ほどモノが多い傾向にありますが、趣味で使うモノは楽しみや刺激を与えてくれる大切なモノ。無理に減らす必要はありません。
(P42)
だから私のマステは減らさなくていいんだよという慢心。使い切れるかどうかはおいといてどれも好きなんだ。いつでも使いやすい収納方法を考えてるんだけどなかなかない。でも本は定期的に処分したほうがいいんだろうなっていうのは思うんだ。床に直置きされたカオスを見る。
いや面白かったね。
一時期狂ったみたいにお金の本を読んでいて(図書館でこの棚の右から左へで読んでいた)そこでよく目にしたことがこの本でもよく出ていた。ので初心者向きであってもかなり実用的な本だと思う。
初心者向けだっていうのは対話式で相当分かりやすく書かれていると感じたー。
あとオタク特化だけに東京で生活をスタートさせるならこのぐらい必要とかあったり、この手の本で出てくるのは「4人家族、住宅ローンと教育資金について」「老後について」「借金が〇万円あります」とか自分にはまるでかすりもしないモデルケースが多いんだけど、「実家暮らし未婚」「もうすぐ結婚予定」「障害を持っている兄がいます、将来は自分が大黒柱になると思う」みたいなこれまで読んだ本とは一線を画する人がたくさん出てくる。年収の話より「推しは○○です」と沼の出自について語られている方が多い。
でもそんな内容でもiDeoco・投信・生活防衛資金(本書ではそういう名前では語られてないけど)についても多く、実用的なQ&Aも多い。
自分の貯金方法で「推しがツイ廃じゃない人向けでTwitter更新したら貯金というのはおすすめ」は頭いいな……って思った。
わたしの貯金周りではこの本の前身となったよいこのファイナンスの時に書いたエントリ(colorful | #よいこのファイナンス を見ながらするお金の話)にも書いたけど、本書の最終章で書かれている投資信託では
この本分かりやすくてよかった。この本もだいぶ初心者向けだと思う。これやったらいいよぐらいに書かれている。
iDecoに興味を持った方にお伝えしたいんだけど、iDecoは本腰を入れて取り組むぞと思って申し込んでも実際に引き落としが始まるまで3カ月ぐらいかかるので、とりあえず興味を持った時点で資料請求しておいたほうがいいです。わたしはSBI銀行以外は良く知らないのでそこのリンクを貼る。
iDeCo(個人型確定拠出年金)|SBI証券
映画刀剣乱舞のノベライズです。ばっさりと書いてしまうと小説としてはあんまりおもしろくない……。
ト書き会話説明って感じであんまり情景描写や心理描写には割かれない。いやよくあのボリュームの映画を40字×16行×200ページ程度で収納したなという感じはあるんだけど、これを読んで映画を見た気分になろうというのはあんまりおすすめできない。刀剣乱舞についてあんまり詳しくはないんだけど予習としてっていう人は普通に映画見たほうがいいです。
映画であまりしゃべらなかった山姥切の心理描写を読みたいとか、どうして日本号だけ寝間着姿だったのかとか、川のシーンについてもっと詳しくって言う人は読んでもいいかもしれない。あとざっくり映画の筋を思い出したいという人にもいいかもしれない。
でも繰り返して言うけど小説として面白いものを読みたい人にはあんまりおすすめできない。
何かというとFGOの土方さんと刀剣乱舞のへしきり長谷部の話をして急に夫婦の話に数行舵を切る本で、この類で著者が女子だったりすると腐ってる率が高いような気がするんだけど、夢女子だと書いておられた1。かなりパンチの強い夢女子だった。でもオタク的に含蓄の深い話がボロボロ出てくる。面白かった。
回すしかないのである、経済を。
(P100)
大体オタクというのはスぺランカーぐらいよく死ぬし、ちょっと目を離したら何か沼にはまっているという、注意散漫な生き物なのだ。
(P92)
オタクというのはつくづく、死ぬチャンスに恵まれている。
まず「萌え」というもの自体が体に悪いのだ。何故体に悪いかというと、シャブが体に悪いのと同じ理屈だ。特に幻覚をよく見るところが似ている。強い快感があるが、その代償も大きいのだ。(P125)
JPEGに金を出しているわけではない。たまたま推しがJPEGに描かれていただけなのだ。
(P120)
オタクにとっての敗北とは「後悔」のことだ。いかにこの後悔をなくすかがオタクにとっての課題だ。行きたかったイベント、舞台、ライブ、欲しかったグッズ、これを時間や金銭的理由で諦めた時、それに対して1ミリでも後悔したら敗北である。
(P187)
だから、俺が長谷部に「愛しています」とか言ってほしいと願っていると思ったら大間違いだ。
長谷部に言ってほしい台詞第1位は不動の「こんなに、尽くしたのに……」だ。
どういうシチュエーションかは聞くな(永遠と言えるほど長くなるから)。(P30)
- 「私は乙女ゲーも好きだが、乙女ゲーでも何でもないゲームを乙女ゲー視点でやるもっと性質の悪い夢豚だ。」 [↩]
「同性愛者についてのあるある質問に答えていく」というスタンスで、とてもライトなノリで語られているLGBTと接する心構え的な入門書だ。
「いつ自覚したの?」「初恋っていつ?」「ゲイの友情と恋愛の境目は?」「腐女子ってどう思う?」ていうものから
そりゃそうだよなーーーと思ったのは「同性婚って必要?」「同性愛者は『生産性』がないの?」の項目だ。
引用するととても長くなるので端折る。
結婚について、どんなに愛し合っていても法律上はただの他人、愛は法律には勝てない。パートナーであることを社会的に証明できる結婚は素晴らしい制度。結婚するしない、したけど離婚する。そういう男女には当たり前に選択できる制度が同性愛者にはない。事実婚でいいじゃんなんていうのは個人の主観で、結婚する権利が与えられないのは別問題。「結婚する」「結婚しない」を選べることに意義がある。そういうのが真の意味で平等な世界だっていう話をした後にする、2018年かなり話題になった「同性愛者は生産性がないのか」という国会議員の発言についての項目がすごいぜ。
ちなみにフフって思ったのは「SexyZoneの佐藤勝利から目が離せない」という項目だ。鈴掛さんはハロプロ(特に娘。)が好きでセクゾンも好きだそう。わたしのタイムラインにめっちゃいそう。
あとこの方歌人だそうで、途中に挟まれる短歌が「加藤千恵が好きな人は多分好き」って感じのすごい好きなやつ。
2巻発売を来週に控えたシン・浪費図鑑 みたいな話を貯金関係の本で見かけたので衝動的に紹介エントリ。
新潮社
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こちらです。
ある人はこう言いました。
「『必要』は、生産性のないもの(三つのモノサシでいう消費ですね)、『欲しい』というものは、生産性があって今後の自分にも役立つもの(投資ですね)と、逆に、単に自分が欲しい、意味がなくても言い訳なしでほしいものだ(つまり浪費)」と。
この人の考えで驚いたのは、欲しい物は欲しい、と認めてやっているということ。
(略)
私たちは、欲しいという気持ちを悪いものとして否定してしまいがちなのですが、この人には「欲しい」というタグをつけ、その認識のもと、「欲しいから買う」と認めてやっているということです。自分なりの価値観を持った上で、現実を否定しない考え方が大切だ。
(略)
だから「浪費」も「浪費はするな」ではないのです。ちょっと挑戦したいもの、楽しそうなもの、欲しいものがあったら、浪費という認識のもとお金を使ってみては?と言っています(P45)
横山さんは。「衝動買いしてもいい」「ムダなものを買っちゃってもいい」「失敗したっていいじゃないですか、失敗を自覚さえしていれば、それさえ投資になりますよ」といつも言っています。
その先にある幸せを見据えていれば、今の衝動買いにによる幸せもまた必要な物だし、長い目で見ると吸収できると考える余裕も出てきます。
逆に、お金を貯めることが、未来の不幸を避けるために必須なことになってしまっていると、いくら貯めても不安はなくならず、きりがなくなります。(P96)
あと小銭ばっかり入った財布を「浪費財布」として運用してはどうかとか、最初から「浪費」を予算として組み込んではどうかとか、浪費財布があったほうがコンビニで無駄遣いしても罪悪感がないみたいなことも書いてあった。
ちゃんと消費と投資と浪費の理想的な割合はこのぐらいで、まずはこのぐらい貯める、これはやっちゃだめみたいな話もたくさん載っている。
この人のお金の本は面白いし分かりやすいし実践しやすいのでおすすめです。
この辺が有名なんじゃないかなあ。
タイトルはそういう表題作があるのではなくて、「そういう感じの物語を集めてみました」っていう感じの短編集。
「どうして?」「なんでそんなことに」「こんなはずじゃなかったのに」ていう。
一番オウフってなったのは「パッとしない子」なんだけど、「早穂とゆかり」はゆかりはわたしだって思う。どういう自意識なのって聞いてみたい人は、確かにいるだわ……。
「パッとしない子」も「ママ・はは」も怖い話なんだけど怖さの方向が違うんだわ。自分が一時関わっていた今国民的アイドルにちょっと時間いいですかっていわれて、何言われるんだろうと期待してたらまさかそんなことを……っていうのと、「ママ・はは」は首筋をぞわっと撫でていくような、暴力はないけど息が詰まるようなやりとりでつづられる支配的な親の話なんだわ
それを考えると「ナベちゃんのヨメ」はライトだな。なんであの子があんな子とっていう話だ。
バリキャリの栄利子、専業主婦の翔子。
翔子はおひょうというハンドルネームでブログを書いている。主婦主婦してない、相当適当な家事なのに不思議と生活感がある、と栄利子は思っている。ブログに書かれている内容から「おひょう」はこの付近に住んでいる人なんだろうなと思っていたら、カフェで「ブログの書籍化の話で」と打ち合わせをしている人たちを見かけた。彼女が「おひょう」だ。
ものすごく怖い話だ。なんせストーカーだ。自分がストーカーだと認識していない類のストーカーだ。あと距離の取り方がおかしい。一度あったら友達で毎日会ったら兄弟だを地でいく。神とたまたま接点ができてしまったために加速しておかしくなる感じ。ネットで出す個人情報割れにつながるものはまじで気をつけようと思った。(最近ではガラスケースの映り込みでほとんど顔バレしている人を見てしまった)
「友達」をめぐる気持ち悪い話なんだけどどういう着地をするのか気になって読まずにはいられなかった……。
自分が断じてストーカーではない。ストーカーとはもっと孤独で世間に認められない人間がなるものだ。他者への思いやりや想像力に欠ける人間がなるものだ。それを分かってもらうためなら、多少翔子を驚かせることになっても、構わない。
(P73)
とにかく、おひょうを元に戻さないといけない。これ以上、自分のように傷つく人間を増やさないためにも、再び読者を共感させるブログを書かさなければならない。友人として、いやここまで彼女を育ててやった読者として当然の要求だ。自分は断じて、おひょうの敵などではない。誰よりもおひょうを思う熱心なファンなのだ。だからおひょうが耳を傾けるのは自分の言葉であるべきなのだ。
(P149)
おっそろしい1冊だーーーーー。
会社員の夫、自営経営者の妻、4歳の長女、もうすぐ2歳の長男。で幼稚園での話、保育所に入るまでの活動の話、お誕生会の話、お受験の話と、育児系あるあるのテーマでミステリ風の話なんだけども、自分にはまだ縁のない話だと思っていたのだがぞっとする話だったのは一番最後の話。
母と娘(妻)の話である……。
「ママと志保ちゃんは、似てるんだと思う」
親子だから、と荒い息と一緒に、義母が言った。
「他の人だったら気にもならないようなことを、親子だから、ママ、わかっちゃうんだよ。似てるから、志保ちゃんが何を気にしているのかも見抜いて言えちゃうんだと思う。だって、志保ちゃんとママは親子だもん」
親子だもん、親子だもん、親子だもん。
この一撃で相手を殺せると思った言葉を呑み込んだ後で、義母から繰り出される言葉は甘噛みのような、現実感のない言葉の粒だった。(P313)
神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と会長の明智恭介は同じ大学の剣崎比留子に誘われた映画研究部の夏合宿に加わるためペンション紫湛荘を訪ねた。
心霊スポットで撮影して制作会社に買い取ってもらいあわよくば番組に流してもらいたいという肝試しと、コンパ目的の合宿だが、今夏は合宿直前に「今年の生贄は誰だ」と怪文書が届き、部員の多くが参加を辞退した。コンパという名目上女性が必要で、自分(比留子)が参加するなら男2人ぐらい増えても構わないということで「夏のペンションとか事件が起きそうでいいじゃないか」という明智と剣崎の間で利害が一致した。
合宿地の近くではサベアロックフェスという有名人が多くやってくるイベントがあるようで周囲はごった返している。その中で始まった合宿一日目の夜、映研のメンバーたちは肝試しに出かけるが、想像しえなかった事態に遭遇し紫湛荘に立て籠もりを余儀なくされる。
緊張と混乱の一夜が明け部員の一人が密室で惨殺死体となって発見される。しかしそれは連続殺人の幕開けに過ぎなかった……
外部と連絡を取る方法については革命的な進歩をしている現代で新しいクローズドサークルだった。面白かった。
マダラメ周りの話をもう少し読んでみたかったけどこれ続編でないかな。
登場人物の名前のおさらいがあったり、館見取り図のある小説がそれだけでぐっとくる。あとテンポが良かった。そして突然の○○○。
荒唐無稽じゃないほうのコズミック(清涼院流水)。北村薫の選評が「野球を見に行ったと思ったら闘牛だった」で、ほんまそれって思った。
以下ネタバレの話をしたい。ワンクッションにもう1回書影を置く。


![([し]10-1)私たちがプロポーズされないのには、101の (ポプラ文庫)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51qCzggv6ZL._SL160_.jpg)













