タイトルの2.43はネットの高さ。春の高校バレーでは社会人と同じく2m43cmの高さで行われる。
福井の弱小バレーボールの男子高校生の物語である。視点人物が移り変わりながら描かれるある青春。
東京の強豪中学で深刻なトラブルを起こした灰島公誓は幼稚園の頃まで過ごした福井に転居して、幼馴染の黒羽祐仁と再会する。身体能力は高いもののプレッシャーに弱い黒羽とバレーへの情熱と才能に溢れている灰島はたびたび衝突を繰り返し、良いコンビとして成長するも絶縁状態となり清陰高校へ進学する。
視点人物は女子バレー部にもいる。中学はエースで高校でつまずいていまいちぱっとしない末森茨ちゃん。
いばらちゃんと棺野くん(健康上の理由で屋外運動ができない)がもう死ぬほど可愛い。あまずっぺええええええええええと大概転がったあとにやってくるのが灰島再登場である。
黒羽と灰島は1年ほど絶縁状態である。バレー部にも入らなかった。色々あって現バレー部と一緒に試合をすることになって、主将小田(163cm)にあんな球打てるかといわれて
「黒羽なら打ちます」
さらりと言われて返す言葉を失った。(P180)
その信頼はなんなのかああああああああとぶち転がった。
打てますではなく打ちます。可能かどうかではなく事実を述べる。ぎゃーーーー。
口は悪いけど灰島はバレーに対してはちゃんと褒める子である。その能力はすごいという子である。
ていうかもう黒羽と灰島はたいへん燃えるコンビなのである。お前のエースになりたいとかお前に上げるトスは最高のものにするとかやめろおおおおおおおおおおおおヾ(:3ノシヾ)ノシ((└(:3」┌)┘))と叫ぶ。それでいて「輝いている男子高校生」という羨望をもって青春を羨ましく思う。
スポ根って、男子高校生ってすばらしいものですねとぶっ転がりながら読みました_(:3 」∠)_っ
Free好きな人とかオススメですよ。登場人物一覧は特設サイトにあります。
特設サイトは2.43 清陰高校男子バレー部|壁井ユカコ|集英社 WEB文芸 RENZABURO レンザブローこちらにあります。1章丸ごと試し読みとかあります
あとこの時期にオススメなのはサマーサイダー!
同じく福井の高校生の物語です。こっちは青春にちょっと不思議ちょっとホラーちょっと蝉が怖くなる。
そんな物語です。