カテゴリー「 ライトノベル 」の記事

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8月10日を楽しみに 守護天使(巨乳でチビ)と王子(イヤミで口が悪い) (ティアラ文庫)

ティアラは男女エロ前提なので基本読まないんですが、野梨原さんなので!
旅先でこの本を話をしていて、私(未読)「はと(810)の日を楽しみに」友人(既読)「情緒がない!」と言われました。はとの日を楽しみに。

ゲル状の生物デービットに襲われている世界で、退治法がわかっているのは防衛室のエローラただひとり。
彼女は救国の天使と呼ばれており、なぜか彼女の元に配属された新人はこの国の王子という。
あらすじとか四角関係とか書いてますが特に気にしなくていいです。中身はただのいつもの野梨原花南作品です。
ティアラ系は読まないんだけどっていう野梨原ファンは読んでもいいと思いますよ。「私はそういう男女エロとか絶対読まない」みたいな潔癖な方はすすめませんが。
しょっぱなから行為に及んでいるのですがえろくはないです。話のゴールとか到達点とかそういうものとしてエロがあるんじゃなくて、話の中にちゃんと組み込まれてる感じがよかったと思います。

というか切ないというか痛いというかそういうのが詰まりすぎていてわたしは途中で泣いた。
1回目は我慢した2回目は無理だった。程ほどに重くて殺伐としていてラブくていい感じだと思います。同じカテゴリに入っているのはヘブンリーかなあ。8月10日になったらエロさん死んじゃうっていうのは、じわじわと想像できて深読みのしすぎであってほしいと思いつつも、やっぱりそうだよなああああああと叫ぶ。どんな気分で「自分が死ぬ日」を楽しみに待っていると聞かされてるんだエロさん。いくら知らんとはいえさあああ。9年って長いよなあ。2回目っていうのはえろーらちゃん生きられるって思ったら320ページ見てえろーらちゃんどうなったんや! ってもうだばー。死んだ。えろーらちゃんには世界一かわいいおばあちゃんになってほしいものです。

簡単に届くと思っていたはずのそれは、いきなり飾り窓のむこうにもっていかれてしまったみたいで。
そうなってしまって初めてあの輝きは得がたいものだと知って。

(P311)

英国マザーグース物語 婚約は事件の幕開け! (コバルト文庫)

19世紀ロンドン、アッシュフォード子爵家令嬢セシルは当主で兄を言いくるめて男装して記者として働いていた。
結婚が決まっていて、子爵家の未来のために父の喪があける1年後に式を挙げる予定だ。
兄へ出した条件というのは「父の喪があけるまでは婚約者の話をしないこと・婚約者との席を設けないこと・新聞社に連れて行くこと」で、あれよあれよというまにセシルはアクロイド社にもぐりこんだ。

マザーグースの見立てで男装記者で、セシルの全部を知った上で黙っている婚約者とか出てきます
短編集っぽい感じになっていて、マザーグースの唄・婚約が絡んだ謎・父の死とかなんかそんな感じのものを解決しつつ男装記者セシルと絵師ジュリアンは絆を深めていきます。
ビブリア古書堂の事件手帖とか“文学少女”と恋する挿話集とかと同じカテゴリかなあと思います。

セシルは上にお兄さんが2人いるのですがわたしはこの2番目の兄が好きです。ただのアホ。だがそれがいい。
GOSICKを思い出すシーンがあったり1してミステリ風でもあります。

  1. あれを遡れば本格ミステリに行き当たる []

ようこそ、フェアリーズ・インへ! (電撃文庫 お)

駆け出し冒険者のラウルは仕事にありつけないまま、宿の女将さんの好意に甘えてずるずると無賃宿泊を続けている。このままではいけないと思うが仕事はない。冒険者ギルドは出禁になる。女将さんは出世払いでいいよという。そうこうしているうちに女将さんが病で倒れ、孫を探しにいくというはじまり。

今フォーチュンクエストをやってみたらこんな感じになるのかなあと思った。ほどほどにゆるくて可愛い。
ラウルはたぶん出来る子なんだけど人の話を聞かないせいですごく損をする子だね。主人公じゃなかったらたぶん真っ先に死ぬ感じの子だわ。

赤き騎士と黒の魔術師 (ルルル文庫)

黒の魔術師ユハ。世界一の魔術師として知られており、この大陸に住む者なら誰でも知っている存在だ。
500年前、バレット王国の始祖アスセンシオン女王とともに国を打ち立てた者として今は塔の近くに暮らし、多数のカビとコウモリを飼い食事としていると噂されている。魔術師は国の宝、警護される対象。だがユハの警護は心を病むものが続出する始末。そこで任命されたのが「教官殺し」とあだ名されるビビアナだった。

ビビアナは強い騎士で、自分が女であることにコンプレックスを抱いていて、まあまっすぐな純粋な子です。
そこら辺の天然キャラと違うのは「燃える闘魂」という単語がとても似合うところですね。いのき! ぼんばいえ!
とてもコメディです。美少女に美形魔術師なのにとてもコメディです。
あったか髑髏精製術はネーミングセンスにとてもふいた。
ユハは最初のほうはなんだただのラッキースケベかと思ったらビビアナにお姫さま抱っこされていたので「ただのメンタルヒロインダッター!」と叫ぶ。面白い。ユハさんただのひきこもり。ちょうおもろかった。

アルカナ・ファミリア ラ・プリマヴェーラ (フィリア文庫)

なぜか限定版じゃないと書影がついてこないので限定版で。通常版はこっち。

ノベライズ。うたプリ目当てでビズログ(雑誌のほう)買ったりするとこのイラスト目にすることが結構あって、これ知ってるってまず手にとって「渡海さんだ!」と思ったのでとりあえず買う。

イタリアっぽい感じが舞台で、バッカーノの影響もあって読み終わってからもずっと「イタリアンマフィア的な組織の話」だと思ってたんですが今ゲーム公式みたら「小さな交易島レガーロの自警組織」って言ってて「えっ」て思った。
ちなみにこの物語はゲームのノベライズじゃなくてゲームに先行して発売されたドラマCDのノベライズのようです。
アルカナ・ファミリアドラマCD Vol.1 ピアチェーレ! ラ・プリマヴェーラ
これかな。3枚組っぽい。
そんなわけで割とキャラクター紹介な側面が前半にがっつり。組織「アルカナ・ファミリア」の新米のフェリチータが「アルカナを調査せよ」という指令のもと、これから長い時間を共にするのであろう仲間の話を聞きに行くという話。
後半はお祭見物。乙女ゲーなのでフェリチータ以外は全員男だし好意的だし、でもフェリチータはその辺は適当に「組織の一員」として仲良くしてる感じだった。ノヴァはどう見ても「はいはいツンデレツンデレ」だった。
やたらラザニア大好きキャラが出てくるので食べたいなあとか思いました。
キャラクター好感触だし普通に「ゲームやってみたいなあ」と思うぐらいには面白いので、ゲームの入り口としての役目はじゅうぶんすぎるぐらい果たしていると思う。

でもわたしゲームに費やす時間は全部うたプリが持って行ってるので……!
そのうちやる! Debutが終わったら! 今はFDやるから!

アルカナ・ファミリア La storia della Arcana Famiglia (通常版)

パラダイスレジデンス1 (講談社ラノベ文庫)

原作漫画のノベライズですが原作未読です。ただの野梨原花南スキーです。
割と山奥っぽい感じのところにある橘花学園寮の入寮初日の話。どうも女子校のようだった。
異能者が集まる寮ではなく、異世界人が転がり込んでくるわけでもなく、同室者が女装している男というわけでもなく本当にただの「現代学園で普通の家庭に育った女の子が親元を離れて入寮した初日」の物語です。
びっくりするほど普通なんですが、派手とか地味とかそういう基準じゃなくてすーごく「地面に足がついてる」物語。
生活の匂いがする。歓迎の料理を作ったりシャンプーの貸し借りをしたり、普通の生活なんだけど女の子はいるだけで華やかだなあと思いました。

終盤にある「昨日までとは違う、これからしばらくの『自分の家』で眠る最初の夜」の寿々花のモノローグがすごく野梨原さんでうっかり転がるぐらい好きだ。ノベライズとはいえ今どき少女向けレーベルでもこういうのはちょっと読めないんだよねえ。なんで現代もの息してないん。

「盗難とかいじめとかの犯罪行為は遠慮なく持ち込んで。まちがっててもいいから。そんなのあなたの立場が悪くなるだけだけど、別にそんなのどうってこともないし、抑止のほうが大事だからね」
きょとんとして見つめてくる小鳥遊に、ミンチンが続ける。
「盗難とかは普通に無秩序の象徴だし、いじめはあってはならないことだからよ。秩序なく、理不尽が横行する寮に住むこととあなたの立場がちょっと悪くなること、天秤にかけたらどっち?」

(P153~154)

そんな野梨原花南スキーは来月はじめてティアラ文庫を読みます。

8月10日を楽しみに 守護天使(巨乳でチビ)と王子(イヤミで口が悪い)

ショコラの錬金術師 2 ミルク色の秘薬 (ショコラの錬金術師シリーズ) (コバルト文庫)

「はじめまして。マリオン・ビュッセルといいます。歳は十八。趣味と特技は妹です」

(P35)

身代わり伯爵のフレッドをもうちょっとこじらせた感じのお兄ちゃん登場。
フレッドは男とはいえ一卵性の双子で基本男だけど、こっちは男かつnot双子(ただし年子)で妹スキーのあまり妹の外見をコピーしている。しかも偽乳戦隊である。

前巻に引き続きあっさりしている。恋心を自覚してみたり昔のルーウェンとクラウスを知る人が出てきたり、クラウスから腹黒さがちらちらしていたり、相変わらずイルゼとアニカのゆりゆりした女の友情が超可愛かったりするわけですが、そのラストでいいのか。次巻に続くのかと思ったらあっ終わった! っていう。イルゼとアニカは可愛い。

ブラッディ・ハニー (ルルル文庫)

グリセルダの10数年後の物語(読みきり)。グリセルダは未読でも問題なし仕様。
貧乏女優ロッテシアの新しい仕事は舞台「孤独の闇」の死体の役。死体役とはいえ役作りは重要! とロッテシアは物語の舞台の北の大地を踏むことにした。「天涯孤独」という設定で人の懐に忍び込み、しめしめタダで寝床とごはんにありついたかと思えば「天涯孤独ならいいだろう」と宗教的な儀式の生贄として捧げられることになった。
生贄の捧げられ元、サーディはあなたみたいに自分で縄を切ってこの里を飛び出します! と2人は王都へ戻ることに。

王都に戻るまでも戻ってからも非日常に巻き込まれていることにいまいち認識してないロッテがおもろかったなー。
サーディさん売りが天然タラシ。作中にもそんな単語は出てくるんですが、タラシにしては通常営業だなあと思ったのは日頃の読み物が悪いんでしょうか。サーディは隔離されて育ったようなものだから純粋なんだと。そしてロッテシアは自分の夢を否定されて、それでも女優になりたくて都会に出てきたけど芽が出なくて、どん詰まりのところに自分を肯定してくれる人ができてうれしかったんじゃないかなあと思ったりしました。

“若紫” ヒカルが地球にいたころ……(3) (ファミ通文庫)

ヒカルの心残り3人目、若木紫織子(9)小学校3年生。
祖父と二人暮らしの紫織子は外見よりもずっとしっかりしていてしたたかな女の子で、是光は油断しているうちに弱みを握られる。渋々彼女の面倒を見ることになったわけだがヤンキーキング是光、今度はロリコンと勘違いされ方々で酷い目に遭う。

じいちゃんと孫とかあかんで! すごく切なくなる。是光とふたりのしーこは超生意気だったのに段々可愛くなって子どもゆえの不自由さで段々切なくなる。うん知ってるヒカルって最初からずっとそういうシリーズ!
帆夏はいっぱいいっぱいで不憫で可愛いねえ可愛いねえ。

うたの☆プリンスさまっ♪ 恋の・トラブルトラベルっ!? (ビーズログ文庫)

ノベライズです。学園長の唐突な思いつきで修学旅行へ行く話です。
アニメ設定寄りなのかなあと思いつつ、薫ちゃんの存在がちらちらして、セシルの登場はそこはかとなくゲームっぽい。

そんなに厚い本ではないプリ春の上友ちゃん+さっちゃん1+セシル+学園長+林檎先生+リューヤサーンも出ているので、がっつりとした燃料ではないです。メモリーズぐらいと思ったけどメモリーズは短いくせに燃料過ぎるのがあるので比較対象にならない。
具体的な成分としては翔ちゃんが頭ひとつ抜けてる気がする。ついでトキヤ、あとは団子かなあ。
セシルの「my princess」は全部カタカナ表記で逆に違和感だった。ここが横書きと縦書きの違いだな。
(さほど期待を抱いていなかったこともあるのか)楽しめました。なっちゃんが幸せそうならそれでよい。

まとまっているけど登場人物が多いぶん薄まった感があるので、同室組でとかクラスとかで割ってSSのまとまりでもいいなあと思った。その辺はペルソナ4 Your Affectionがすごくうまかった。同じビーズログ発で同じぐらいのページ数で1年間描いている。
番長以外の視点で各章登場人物交代。ページ数は少ないけど愛がたくさん詰まっていてよいもの。

  1. ゲーム那月ルート5月ぐらいのさっちゃん []

ベン・トー 8 超大盛りスタミナ弁当クリスマス特別版1250円 (ベン・トーシリーズ)

クリスマスだよオールスター大感謝祭。

ここ最近の「第1章の白粉フィーバーがひどい」「第1章のクリーチャー祭の本編感がひどい」はなんだろう。
あれ、わたし移動中に読んだんだぜ……(何回かごふっとなった
ソイジョイを食べながら筋肉同士が睦み合うあれはひどかった。
過去に登場した狼がごっそり超出て茶髪に二つ名がついて、クリーチャー祭は健在で、クリスマスなので高段位桜桃少年団はリア充抹殺に動き、いみがわからない豪華さ。それはそれとしてナイツは名作です。

それはそれとしてわたし今日ついにソイジョイを食べた。ベントーがきっかけである。

フォーチュン・オブ・ウィッカ6  タロットは愛を結ぶ (角川ビーンズ文庫)

あ、5巻の感想書いてなかったわと思った今。
5巻6巻は割と上下巻っぽい感じなのでこれから読む人は一気読み推奨。とはいえ5巻読んでない人がこれを読むとはおもいがたい。

惚れ直すハイヅカさん。あとダリウスが不憫だった。あの子っぽいな、光炎のウィザードのあの子だよ。ゼストガさん。わたしはシアーズ主任が幸せを掴んだので満足しているよ。

吉凶コンビのやりとりが大変楽しかった良いシリーズだったなあ。

首の姫と首なし騎士  いわくつきの訪問者 (角川ビーンズ文庫)

フォルモント国は今人手不足で城内は非常に慌しい。
第1王子レイフォードの負担が尋常ではない中、シャーロットは国庫番、つまり財務担当の仕事を任されることになった。フォルモントでは財務を王が率先して執り行っている。現状「王は療養中」のためもっとも負担が増えているポイントだ。帳簿を開いていたシャーロットは不正の気配を発見する。

小麦の不正ってなんか狼と香辛料にありそうだなと思った1
レイフォードは身内じゃなかったらよいヤンデレになりそうだなあと思った。いい物件だ。
血みどろ王子のロマンさ加減。

それはそれとして、首の姫は私の中で赤き月の廻るころと同じポジションに入りそうだった。
・1巻は面白かったのに2巻は超読みにくい
・読みにくい理由は「読点多すぎる」。読むリズムがったがた。
・面白いんだけど面白いんだけど読みにくい。魅力的でも読みにくいと3割減。
面白いから仲良くしたいです。
でも読みにくいと物語に没入できないので「長口上で脳内垂れ流しが売りだからって『地の文に突っ込みいれる』みたいなそういうメタ展開はちょっと」ってどうでもいいケチをつけたがる。川上未映子作品みたいな「長口上」というか1文が何行にも渡る長文傾向のものなら読点が少々多くても別にって思うんだけど、1行の半分程度のにその量はどうなのっていう!
次はもうちょっと楽しく読めるといいなあと思います。

「--------仰せのままに、我が主。この愚か者共の首、一つ残らずあんたに捧げよう」

(P189)
  1. まだ私の中では完結していない。完結巻を読んでないからだ []

銀の竜騎士団  恋するウサギは密猟禁止 (角川ビーンズ文庫)

竜も育ったし、ということでルーシェは本来の所属になるだろう赤竜隊へ一時移動することとなる。
赤竜隊の現在地は対帝国の最前線エルヴァだ。

ルーシェが手から離れた後のスメラギが大変可愛らしい。近くにいないからなんかそわそわしてるしたぶん幻聴とか幻覚とか見えてるよ! あの本人的に得体の知れぬもだもだ感が大変可愛らしい。
それでルーシェが呼んだ「隊長」が自分じゃなかったから拗ねてる可愛い。
ルーシェの前では角の取れた優しい感じになってるスメラギ可愛い。
いやここまでスメラギ可愛いしか書いてないな。でも今回はスメラギ眼鏡カットが多くて幸せです。この割りたい眼鏡。スメラギさん手は早かった。そしてまだ気づかない。どこまでいったら気づくというのか! 
ラサルスは綺麗なバルアン。

ついに手を出したきたこれーはいいんですが、これこのままストレートに進んでいったら次で終わってもなんら不思議ではないよね。王女シエラのお披露目の日がもうすぐそこまでやってきているからな。すごく綺麗に終わりそうな感じはあるけどもうちょっと読みたいよね。具体的にはあと最低2冊ぐらい。
個人的には女王編みたいなのは蛇足っぽいと思うので、エピローグで戴冠後のルーシェが見られたらそれでいい。

というかこの表紙なかなかきわどいな。スカート丈はもちろんのこと、このタイトルロゴがないバージョンがみてみたい。手の位置が気になる。

シュガーアップル・フェアリーテイル  銀砂糖師と黄の花冠 (角川ビーンズ文庫)

銀砂糖妖精編開始。
カバー袖の表示が○○編とかいうのに変わったので「簡単に終われない」ゾーンに入ったのかなあという気がします……。
ペイジ工房を離れて僕と一緒に工房作らないといわれて返事を悩んでいるうちに王家からの召集がかかった。
集められていたものは各派閥の実力者と未所属の職人、いずれも若く才能ある職人ばかりだ。
依頼人は王妃マルグリット。依頼内容は重要、いずれ銀砂糖子爵への候補者となる。ただし依頼を受ければ途中放棄不可、依頼によって得たすべての情報は他言無用。覚悟のないものは去れという条件がつけられていた。

明かされる王家の秘密と長年にわたって囲われていた銀砂糖妖精。
大樹から生まれ600年のときを生きるルル・リーフ・リーンは妖精王リゼルパに仕えたこともある、銀砂糖を扱う妖精の最後の生き残りだ。銀砂糖妖精が持つ技術は人間より格段に高い。しかしルルの寿命が尽きる日も近く技術が失われる日も近いということだ。技術を残すためアンたちが呼ばれた。

シャルが心配している様が大変よいな。蓑虫状になっているアンの傍に座るシーンとかわたしは大変好きだ。
あとキースがとても青少年らしい。焦りとか所有欲とかなんかもてあまして、ぶっちゃけむらむらしてる感。超青い。

お帰りください、勇者さま (f‐Clan文庫)

干ばつによる食糧危機と魔物の侵攻という災厄に見舞われ滅亡に瀕している国は勇者を召喚することにした。
そして異世界から若き青年が召喚されてきた。武器はもってなくてちょっと予想と違ったが召喚がうまくいってよかった。ダークスーツを身にまとい黒髪に眼鏡、7:3にわけた髪型、あれこそが24時間働ける「キギョウセンシ」!
企業戦士とかそんなのとっくに親父が若かった世代の話だよ。俺これから入社式あるんすけどここどこですかなんですか。

そんな感じのかなりライトでコメディな勇者が世界を救う話でした。
この勇者、わがままが多いだけのだめ勇者じゃないか……! と召喚してしまったがゆえに色々気苦労を背負い込む神官の話でもあります。結界を張りなおすための必要条件には勇者が必要なんだ! みたいな。
日帰りクエストとかあったころの昔のスニーカーっぽい懐かしい雰囲気で逆に新しい感はあるのですが、なんせ雰囲気がとてもライトです。面白いけど物足りない、そんな感じです。

はなあそぶ−淵国五皇子伝− (一迅社文庫アイリス)

淵国五皇子伝最終巻。
繁のカーチャン色気がやばい(ピンナップ)
3人の呪いを解いていよいよ間近にやってくるカナンと善の結婚、の前に郷がカナンから離れずべったりである。

最終巻はついにやってきたビジス皇帝との最終対決! \ 最終対決! /
あれは本当にただのビジス。暗黒雑炊作れる。

今回は随所にオブラードだった。お母さまがいるのよはちょっと昼ドラみたいだった。オブラード分厚かった。
まさかのNTR未遂であった。母との対面シーンではりっちゃんと天香が一番だった。母キャラピンでは金花1択なんだが。りっちゃんが天然で晃が乙女吸われていて可愛い。パンダは主従を守ろうとしてしてなんかおろおろしているりっちゃんをてのひらで転がそうとして逆に転がされてしまえ。

啓がパフューム好き過ぎて意味が分からぬな! あの子は頭はいいのにあほのこでかわいい。
啓がもし女子だったら「血がつながらなかったらわたし達結婚できるのよね」って無理やり押し切られてゴールインしている。カレカノの浅葉君みたいなものだよな。
なんですか。ごちそうさまでしたっていうことですよ。家族の話はよいものだ。これからもよい家族だといい。

バカとテストと召喚獣10 (ファミ通文庫)

Aクラスと再戦。作中時間にして半年振りらしい。
久保君が残念な眼鏡じゃなくてふつうに強くてびっくりだ。明久戦がすごかった。ラスボスっぽかった。
あと姫路さん可愛いわあ。
バカテストは第4問で笑った。あと「びぶん……?」ってなった。微積分は遠くへ行ってしまったよ。
「俺たちはFクラスは最強だ」でスラムダンクを思い出す。

プリンセスハーツ 大いなる愛をきみに贈ろうの巻 (ルルル文庫)

ルルル文庫創刊ラインナップの最後のひとつが完結1
長い物語が完結するところに立ち会うのはとても体力がいることで、泣いたり転がったり叫んだり転がったり、最終的には首根っこがっつり掴まれて本閉じて深呼吸するぐらいしか出来ないので読み終わるころにはもう息切れしています。

いつもは多くの人間のために使っている頭を僕のことでいっぱいにして、ほかのことなど考える隙もない。まっすぐな殺意だけを胸に、今にも僕の目の前に現れるだろう。

(P137)

もうここからのリドリスがもうひどかった。
わたしちょっと落ち着かないと泣くぞ泣くぞおい泣くぞとわかってたのにだらーんとなった。あんな悪役然とした登場だったのにちくしょう。死に様まで格好よすぎだった。それだけですむならまだしも170ページのあれはひどい。こっちの息とまるわ。

『私は、去らなかった。自分自身の意思で。それが私の生。どんなに短くはかない意味のないものでも、私の生』

(P230)

思わず11文字の伝言を再生して転がった。
廃園から出られずともルシードに会えた人生は幸せでしたか。

パパラギが予想外にがっつり絡んできたのが意外だった。お前割とすごいやつだったのな。

そんなわけで仮面夫婦の初夜ゴールインおめでとうございます。散々な戴冠式の朝おめでとうございます。
とんだ食育でした。豚に救われた。まじでwwwwwwwwwwとしかいいようのない気持ちだった。
これから待ち受けているのは一筋縄ではいかない公務でしょうがせめて夫婦は仲良く暮らしてください。
とりあえず同人誌が楽しみです。

  1. 封殺鬼はまだ帝都万葉があるけど鵺子で一端店じまいしたカウント []

シャイターンの花嫁 偽りの巫女姫と影の王子 (一迅社文庫 アイリス く 1-2)

サンホラーが釣れるタイトルですが、この世界のシャイターンは封印されていた炎の悪魔ではなく精霊王にまつろわない呪いを残す精霊です1。あと主人公の女の子は死にかけたり愛すものすべてその腕をすり抜けたりしつつ、弱い私は誰を憎めばいいかちゃんと分かっています!  らららーららーらららららるー
花嫁で巫女姫ですがふわふわもきらきらはしていない復讐の物語ですヒャッハア。

10年ごとに王を輩出する氏族が変わる砂漠の国カダル王国において、別格の精霊王との契約を統べる巫女の一族フェッダ。その巫女のカミリア姫の形だけの近衛兵となったアイシャの物語。
巫女姫と一族を失いフェッダの宮殿は炎に消えた。アイシャは精霊王に仕える精霊のナーギに支えられ燃える宮殿で遭った黒衣の男への復讐心とともに剣の腕を磨き、「カミリア姫の生前の姿」に変身できる指輪を手にこの4年間を過ごしてきた。
そしてついにそのときがやってきた。現カダル国第1王子マハールか、マハールの軍団のうちの誰かがおそらく「カミリア姫を殺したあの黒衣の男」なのだ。アイシャはカミリア姫の姿でマハールの元へ嫁ぐ。
アイシャの中で黒い熱が力を帯びる。「近衛兵アイシャ」の人生はこれで終わりだ。これからはカミリアの亡霊として生きる。絶望の淵に立たせて後悔させてから殺してやる。

アイシャは「カミリア」として嫁ぐと同時に、初対面から副将軍のカファスに気に入られアイシャのままカファスの部下になる。アイシャとカファスは可愛い。追いかけっことかなんの燃料か。罪深い人間になってくれ!!!!
210ページの「私はあなたを殺すために、ここまで来た」っていうあれが死ぬほど好きなんですよええ!
何の燃料か!!!!! あらためてここのところを見るとどんな思いでカファスこれ聞いとるんや。というかアイシャ=カミリアを前にするカファスはどんな思いだった。やべええええ、と叫ぶ。
あとわたしは後半のカミリアになりたい。あのねじれた感がいい。ああいうキャラをやってみたいものだなあ。

ナーギはシャイタン2っぽい。甲斐甲斐しい。悪役もする。今あえて問うている。
大きい獣はいい。もふもふできる。わふわふいってる。

「もっともだな。だが、わたしは戦場で育った。もう、平和に暮らしていた年数より、戦場から戦場へと飛び回っていた年数のほうが長い。わたしの教師は戦場の将軍であり、わたしの遊び場は死体の転々と転がる荒野だった。恋歌の代わりにハゲワシの声を聞き、戦士の死を悼む歌と、昂揚して戦場を走り続けるための歌を聴いた」

(P80)
  1. まあ悪魔っぽい成分でもあるけど。 []
  2. 炎の悪魔のほう []

百億の魔女語り4 魔女って一体なんなのかしら、ねえ-- (ファミ通文庫)

最終巻。面白かったけどやっぱり4冊は早いなあ。周りの人々の話も読みたかった。
アディリシアとともに姿を消したエーマを追ってアルトとモニカはかつての敵の力を借りて禁じられた島へ向かっていた。

物語的にもエーマとアルトのあれこれも落ち着いたけど、5年後のフォリーナとかアディとジノのその後とか、やっぱりすごく読みたかった。あとリリカ様がずっとおサルだったのに驚いた。リリカ様がラスボスもしくは最終決戦の前に美老女となって登場してもまったく不思議ではないと思ってたよ。
竜が出てきたりして、放課後のアディリシアの重要さな話っぷりに驚く。まあこの物語の「すべてのはじまり」がアディリシアにあったものだったからそういうものか。

「誰も害せぬ限り汝の望む事をなせ」というあの一文をみてかつての東方魔女読者はとても感慨深いです。
男は魔女になれないけど魔女は生き方です。次のファミ通文庫新刊はあの長文タイトルのあれですね。

金星特急 5 (ウィングス文庫)

金星特急5巻。グラナダへ向かっています。
twiterでたびたび「鳩の子だよ!」って言ってたのは金星特急を読んでいたからです。
錆丸が本当に成長期だなあ。暁玲と揃ってがたがた震えていた頃とはわけがちがう。強くなってるなあ。

平和を願って作られた言葉が世界から平和を取り除いてしまったっていうあれがとてもいい。

233ページとかあのへんはやばい。砂鉄の癖に! ほらあとがきのほうのあれが来たら通帳出すわ。

「骨の砂漠を遥々と」のラストでうっかり三月に転びそうになった。転びそうになった!!!!!!
あのもえのかたまりぶりはやばい。血飛沫がぶしゅあっとかあれはやばい。とてもやばい。俺そいつ殺したいとか鼻血出るわ。そして錆丸の「俺、弟になるよ」にぶっころがった。ただでさえ夏草と三月はロマンがいっぱいなのになあ。そんな血を血で洗う展開なのにあの人に恋をする権利をくださいとかね! もうね! 

「こんにちは、世界の皆さん」
レンズに向かってにっこり微笑んだ。肩に、腰に、ふわりと赤い布が巻きつく、演出効果はばっちりだ。
「金星特急に乗り遅れた蝶の子でーす」
ばちんとウィンクをすると、辺りが一瞬静まりかえり--------凄まじいどよめきが起こった。

(P112)

おおコウスケよ、えらべないとはなさけない! (富士見ファンタジア文庫)

竹岡葉月新作。ただ女の子のどっちかを選べばいいだけの話ではない気がするラブコメ。
野球部で朝昼夕土日と野球漬けの生活を送っていたのが、事故って入院をきっかけに「俺もう野球やらなくてもよくね?」ということで図書室でだらだらしている昴介(中学2年生)
図書室にいるからといってもぼーっとするだけだったのが蛍に「この本読んでみない? 最後まで読めたら同じことしてあげるよ」と「抱擁への道程」を渡されたのが読書人生まっしぐらとなるきっかけだったのだ。
その後蛍は昴介の前から消えるが、高校入学後蛍ととても似た彗と出会う。

実在する本が色々とできて、本をあれこれ薦めてるシーンが覚えがある……というかつい最近もこういうのがあったのだ。実在する繋がりでランガナタンって実在するんだというのを知った今日。図書館戦隊ビブリオンの登場人物という認識しかなかった。

妄想描写がいきなりぽーんとはじまるんですが、まあ10代半ばの青少年だしいいんじゃねーのと思ったりした。あとコースケ☆スターダストってそれなんていうDAIGO。

1冊まるごとプロローグっていう感じなので1冊ですっきりというのはないんですがこれからあるだろう修羅場を想像するととても楽しみでならない。でもこれってちゃんと「二人」出てくるのかなあ。
ちなみにこのエントリには続きがあってそれがこれ。

なりそこない (f-Clan文庫)

休暇を山中のコテージで過ごそうと、野菜やハムを買い込んで向かってみたらそこには既に先客がいた。
コテージには5人の男、1人の赤子、1匹のシェパード。自分の足で来られずはずもなく身元の知れない赤子はここにいる誰かが誘拐したのではないか? 最早終バスも行ってしまい疑心暗鬼の中5人は一晩を過ごすことになる。個人情報は明かしたくないとなるとさしあたっての名前をつけるのみ。25才から45歳まで5歳刻みで揃っていることから、それぞれ「ニコ」「ミレイ」「サンゴ」「シオ」「ヨソジ」と自称することにした。

疑心暗鬼にはじまるけどそれなりに打ち解けるのでそんなにギスギスした関係は続かない。
女はいない1けど不思議と「華がない」と感じることはなかったな。もともと華が不要な内容ではあるんだけど、この場に女キャラがいたらヒスるとかプライバシーの保護とか面倒だもんな。同性しかいない気安さがある。というか女がいたらニコが大変だ。
やがて5人はぽろりと心情を漏らすようになる、と。

高里さんが講談社以外で小説書いてるからびっくりした。漫画原作はしているけどデビュー作からずっと講談社だもんなあ。

  1. 強いていうなら赤子が女児なのですがニコが可愛いだけで特に影響はない []

妓楼には鍵の姫が住まう −死人視の男−

事前の想像では吉原夜伽帳とGOSCIKのヴィクトリカが仲良くしてる感じだったんだけど、読み終わってみればレンタルマギカとあまつきも足し算することになった。

黒船が来航し開国して文明開化はしたものの未だ幕府による治世が続いている日本。
一時は倒幕だの攘夷だの他国からの圧力だの、国は荒れに荒れたがある時から海外諸国の態度は急に軟化した。その理由について一般人に語られることはなかったが、異国人のもとに天狗や入道が現れたとか各地で百鬼夜行を見られたという話から「この国は今化け物に守られている」というのが多く聞かれた話だった。

妙に浮世離れした風貌の「死人視」誠二と吉原で暮らす「鍵姫」紅羽の物語。
誠二はその過去と現状から生きている実感を持てず、家では「守り神」扱いでなにもしなくていいと言われ美しいまがいものが揃っている吉原を好んでいたが、深夜の妓楼で美青年を従えた高慢な少女と出会う。その後紅羽は楼主を介して誠二に文を送りつけてきた。「やることがないなら仕事をくれてやろう。わらわの下僕となって働け」と。その頃街では殺人事件が起こっていた。

殺人事件です。方向的にはしゃばけとか吉原夜伽帳とかあまつきの最初のほうを連想するといいかと思う。
「守り神」という名前で腫れ物に触るようにして扱われる2人の男女。
誠二は赤子のころ1回死んだ。子どもの死を嘆いた母は稲荷神社に祈りを捧げた。その願いを聞いたのは何だったのか、通夜の晩に誠二は灰色にくすんだ目を持って黄泉がえった。以降三好屋は狐がついているのではいわれるぐらい幸運に恵まれあっという間に大店になった。紅羽は吉原に住んでいるけど花魁ではなくて、もともと禿だったけどその生まれの特殊さから今は天井裏に一室を与えられて本に囲まれて生活している。

あとな、知ってるけどわたし「生きることに対する偏差値」低い男好きすぎだろっていう。
しんみり切ない系と生きるってなんだーっていうのと殺人事件の謎。「この謎を解くにはまだ鍵が足りぬ」みたいなことをいってて混沌の再構成かよ! と脳内でヴィクトリカが走っていった。
f-clan11月刊の中で出るけどひとつ限定。選べるとしたらどれがいい? って言われたらこれかなあ。
とても好きです。

廃王国の六使徒

呪われた町で生きている人々の話。
でもそんな健気な感じじゃなくて「人間のクズ」レベルが高い人が多くて、基本呪われた人とか魔族の人が多くて死人も多くて、ノワールである。

悪人が集まって現状を維持するために色々頑張っちゃう感じでゴッスゴスである。
世界中の呪いが集まるこの街で育ったアレシュはその美貌と父が遺した魔香水を駆使しながら愛を謳歌していた。アレシュが引き渡した死体が不良品だったと、葬儀屋が訪ねてくる。

アレシュを愛人にしたい。
そんなただれた感想からはじまりますが生きることに対する偏差値が低そうな男子が好きなんですよ。
ミランは可愛い。あほのこは超可愛い。でもP209のミランの挿絵はな、「私の氷はちょっぴりコールド!」って脳内でブルーローズがしゃべり出しておいやめろ! っておもった。いやでもこの挿絵ちゃんとクレメンテの手があってすごい。
いやもう本当にふだんはそんなに挿絵はじっくり見ないんですけど今回はなめるように挿絵を見た。
細部までの描き込まれ感がやばい。二次元への扉が開く。

今回は全体的においやめろ! っていうぐらいもえのかたまりだった。
「もえしぬと思ったら本を閉じろ」にしたがって何回か閉じて色んな衝動と戦った。だからこの本はふつうに文庫本1冊読むのより2倍ぐらい時間かけてすごく贅沢に読みましたよ! いろんなものをごっそりもっていかれた。
もうエピローグだろうとたかをくくって読んでたら甘えさせてくれてもいいんじゃないかでぽぽぽぽーん! ってなった。その後のミランの返しもなんなのかあのひとたちほんとうになんなのか! 長髪の胸ありでお願いします! そしてクレメンテの顛末に本当しぬかとおもったなんだあれは!!!

カルラとハナが可愛くて、カルラは美人なところがハナはアレシュ好きなところが好きなんだ。
サーシャは補完された! とかおもった。もしくは人体練成された!

「ああ、貴様は基本的に人間のクズだ。いいのは顔だけ、あとは女遊びしか真面目にやらん! 大体貴様は俺を助けに来るのが遅すぎるのだ。一体俺を誰だと思っている」
「僕の下僕」
「違う! 俺は兄貴、貴様の兄貴分だ! 何度言ったら分かるのだ」
「僕はひとりで生まれたし、ひとりで死ぬよ。兄も弟も必要ない。それにしても今日も下僕は元気だねえ。ついさっきまで本気で死にかけてたのに、こりないの?」

(P18)

クレメンスはこの世界にいるからボスっぽいチートキャラだけど聖☆おにいさんの世界にいっても生きていけそうな気がするねえ。

相棒とわたし (f-Clan文庫)

広い意味で学園モノです。軍隊系学校。
海上のミスティアとかも軍な学校ですが、近く感じる作品としては富士見ファンタジアの東京レイヴンズ。
あっちは現代こっちは異世界ですがあんな感じです。だって大人組かっこいい。

スノリ準軍学校では人類が生み出した災厄「核獣」対策のための各専門職を養成する学校で、核獣から加工されるエネルギー資源「核石」を生み出す・利用する・過酷な状況でも生き残る術を学ぶところだ。約500人の入学生のうち卒業できるのは200人程度であとは留年や後遺症を伴う怪我・死亡・挫折などで退学していく。

冒頭がなんだかEGコンバットを思い出す懐かしい系で、教官が「身分も血筋も家柄も関係ない! 今私の目の前にいる諸君らは等しくウジ虫である!」とか言ってて思わず「アイ、サー!」って聞こえてきた。

金髪=旧貴族=偉大とされている世界で、旧貴族でありながら黒髪のエッドは幼馴染みで親友の相棒のラッセと一緒にスノリ準学校に入学した。エッドはラッセとずっと一緒にいたいと思ってて、依存や執着にも似た感情が自分の中にあると分かってて、今は硬く封して「相棒以外の関係なんて望まない」と言っている。
男女で幼馴染み! フラグ!

いい意味で超展開というか話の転がり方がすごい。派手にバトルしてる。
瑞山さんのはもうばりばりばりばりバトってるからわたしとても好き。
もうね、2人一組なあたりが大変もえます。漢字は「燃」8割「萌」2割でお願いします。
「俺の」邪魔するなじゃなくて「俺ら」の邪魔するななんですよ。相棒なんですよ。行くぜ相棒! なんですよ。大事なことなので2回書きました。

エッドとラッセだったらエッド(女子)のほうが背が高くて、いろいろ女の子らしくないことを気にしている。こうなっていれば自分はもっと「自分の性別」を受け入れられたんだろうけど、ラッセが相棒じゃないなら嫌だみたいな。カップルじゃないし家族でもないけど一番近いふたりだよね。しかしラッセは可愛い。かわいくて格好いい子だ。

エッドとマリアの女の子の友情美味しいです! バイレのブランカとリリアナは女の子同士である以前に主従なので、これはこれで!!! あとオールバックの眼鏡は反則だと思います。

王立魔法士アカデミー 〜ウィー・バレンタインと俺サマな竜〜 (コバルト文庫 し 8-81)

ハリポタみたいな魔法学園と銀の竜騎士団みたいな「少年少女とドラゴンが出会う」物語。
冒頭から「お前が俺のマスターか」とかいってて、あれ最近こんなの見たことがあるなとおもったらあれかFate/Zeroのアニメ1話のラスト。

「王立魔法士アカデミー」に入学したウィーは上級魔法士であるドラゴン乗りになることを夢見ている。
上級魔法士になるにはまずハイクラスを卒業すること、ハイクラスに在籍し続けるためにはまず入学の日に相棒であるコンパニオン・ドラゴンと出会う必要がある。ウィーの相棒となったのは傲慢な態度が目立つルドヴィッグで、ウィーはドラゴンに振り回され転科の危機に立たされる。

ウィンガーディアム・レビオーサみたいな感じでここ映画のハーマイオニーで再生される! っていうシーンがあったり封印された闇の魔法書をめぐる事件に巻き込まれたり。1巻はシリーズ開幕! ていう感じでまだそんなにちょうおもしろいっていう感じはないんですがこのウィーが将来的には「救国の英雄」と呼ばれるまでになるんだそうです。もう2・3冊読んでみることにする。

レディ・スカーレット 令嬢の危険な恋人 (コバルト文庫)

独立統治権をもっていたころのヴェネツィアっぽい街の話。

水の都ウェルベナで総督の地位にある父を持ちアルディアは好きな絵画を見ながら育った。
炎のように赤い髪がコンプレックスで今年から自分がやる「ウェルベナの娘」役が気重だった。
今年も無事「海との婚礼」の儀式が終わったが直後父が病で急死する。間もなく葬儀が執り行われることになったが、父が政府に対して裏切り行為が発覚したといわれ調査や裁判が行われた。結果財産はすべて没収されアルディアもまた見せしめ同然の使用人へと転落する。
アルディアは父の汚名を晴らそうと宮殿に残り調査をしようとするが周囲からの悪意がアルディアを苦しめた。
そんな中1人の青年が彼女に手を差し伸べた。

外堀を埋めるとかそんな単語を思い出しました。
トリクエテルの肖像とか、運河の街を行き来する物語というのはそれだけでときめくものです。
アルディアは代々家に伝えられている「守護者の鍵」を肌身離さず身に付けており鍵の守護者として他の人にはみえない獣がついている。これの正体がもうとてもヴェネツィアですね。行くゼリオンなライオン

たとえ許されない恋だとしても (コバルト文庫 み 12-2)

アファリーン王国の副将軍《明星》1メイア。メフル王国の《獅子》リギュロン。
メイアは密使として派遣される前の休日として、リギュロンは王に殺された小姓の故郷へ行った後の寄り道としてバルバトの祝祭に立ち寄っていた。
国から遠く離れた土地で出会った軍人ふたりは敵対する国の者と知らず、お互いの素性を明かさぬまま意気投合し惹かれあう。再会を約束して別れたあとも恋を育て、約束の期日より早くふたりは再会することになる。
場所は戦場、互いに将軍の地位で。

これでだいたい本の7割以上は占めている。でもこれぐらいは本のあらすじにもあるので、ネタバレとかでもないはず。コンプレックスとか好きなものが似ているとかそういうもので惹かれあっちゃうんですよ! その辺のシーンがとても好きです。
で、また戦争のシーンが熱いんですよ。冒頭から一騎打ちなのでもうこっちが殺される。格好いい。超熱い。
「彼方黒馬のゲーフェンバウアー」とか「勇者デミトリウスが仔レオンティウス」とか「はーくぎーんのかっちゅううううう」とか読みながら脳内で大変回転していた。安全圏からしか撃てぬ腰抜けどもめ!

女は、愛する男に剣を向けた。
男は、愛する女に剣を向けた。
愛する民を守る為に。

(P6)
  1. アーシュルティティ []

咲くや此の花〜誓いの巫女と異国の花婿〜 (一迅社文庫アイリス)

大正10年。魔物から帝都を守る《青龍の巫女》の家系に生まれた櫻子は本来継ぐはずではなかった巫女の座をつぐはめになり、継承の儀式には婚約者とともに行う必要があり、櫻子の前には今3人の候補がいる。
先々代巫女の母の遺言であるイギリスから来た「魔法使い」の悠人。
姉が死ななければ、櫻子が巫女にならなければ結婚相手になっただろう帝国軍人三島。
幼馴染みの修太。

誰を選びますか? っていう乙女ゲー的な選択肢が見えた。3人いるからって別にすごい四角関係にはならないし逆ハーにもならないです。すごくゲームっぽい書きかたをすると、「個別イベント」はあっても結構戦闘シーンが多いのでそういうのにまで割くページはないのかな。
大正時代設定なんですが、結構ファンタジー設定が幅を利かせているので「大正時代を下敷きにした和風ファンタジー」でもいいぐらいだと感じました。で、すぐに婚約するわけでもなく「巫女となるには水護神社地下の勾玉に眠る神と契約すること」ということで、それまでにすったもんだーがあるわけです。

ワルプルギスの夜は出てくるしでまどマギっぽいなあと思ってたら「○○だと思った? 残念! 僕でした!」っていうあれがあったので脳内には「残念! さやかちゃんでした!」でいっぱいになってお前絶対報われないなと思った。そら読了直後の感想は「僕を選んで青龍の巫女になってよ!」になりますよ。
ところでこの最後の手紙の不吉さは異常。何このフラグ。

イノセント・スター 光を欲する暗黒星 (B's-LOG文庫)

3つの太陽と3つの月に支配されたこの世界では、時折それらの光を受けて奇跡として跳ね返す力を持つ者が生まれる。彼らは< 星>と呼ばれその跳ね返す力、< 煌>の大小により6つの階級に分けられている。エリッセは幼い頃に一等星グラシカルに見初められ<導きの星>星団入りをしたものの、昇級試験のたびに不運に巻き込まれ8年もの間一番下の6等星のままだ。
エリッセは自分を拾ってくれたグラシカルの「自慢の弟子」になりたいと教師ランゼの話にのって禁呪・暗黒星に手を出した。そして術の場に現れたのが「暗黒星」昔に封印された不遇の天才、一等星ディガン・マキナウスだった。「ディガン様がお前の望みを叶えてやろう!」とエリッセを捕まえて空へ飛びたった。

メンズナックルで詠唱系ファンタジー、ヒロインは絶叫系で腰が低くてちょっと反撃してみてはばっさり斬られる。
なにをもって絶叫系というかというと、エリッセの台詞の何割かは「きゃー」なのである。
全体的にテンション超高い。そしていちいち詠唱要る系異能バトルなのでわたしはとてもごちそうだった。

シスター・ブラックシープV  花嫁の聖戦 (角川ビーンズ文庫)

シスター・ブラックシープ最終巻。

幽霊伯爵の花嫁-首切り魔と乙女の輪舞曲- (ルルル文庫)

"墓守"ジェイク・コルドン伯爵に嫁いで2ヶ月、サアラは一方的に新婚生活を満喫していた。
サアラに無断でジェイクが仕事で領地を離れるまでは。サアラはジェイクのいない生活が退屈で退屈で、しかしその鬱々とした感情をぶつけるでもなく不満を口にするでもなくただいつも通りの生活をしている。そのことが逆に恐ろしく思えるようで、普段は彼女を慕う幽霊達も怯えるほどだった。そしてサアラはジェイクを追ってアスガンド領へ向かう。
2ヶ月前「首切り魔」レニー・ガスティンが埋葬された墓地で最初の被害者が発見された。最初は猟奇殺人として扱われていたものの、その後レニー・ガスティンの姿が目撃されるようになる。レニー自体は30年前に処刑されこの世を去っており、幽霊伯爵に話が回ってきたのだ。

表情を読み取るのが中々難しくて鈍いジェイクが久しぶりにサアラに会ったら、とかじわじわとした自覚が大変ごちそうさまでした。おかしな言動とストレートな行動が美味い。夫婦の歩み寄り! あとアシェリーゼがよい世話焼きだった。
サアラは相変わらず自分のペースに人を巻き込み、自分に正直で「ジェイク様の良さが分かるのはこの世界でただひとり、あなたじゃなくてこの私ですのよ?」などと言いつつ、でも自分が一般的な常識人と思っている。いいキャラをしている。

猫かぶり嬢とにわか貴公子 -箱入りメイドへ華麗な転落- (B's-LOG文庫)

ふてぶてしい小公女セーラ。
貿易商でちょっと妙なものばかりを仕入れていた父の会社がフランスからイギリスへ移動し、貴族の目に触れてなんだか大当たりして一代にして成り上がった。シャーロットはとても努力家だったので「自分がちやほやされる」という最終目標に向かって努力して、勉強も表情も言動も高水準をキープしていた。ただごとではない分厚い猫をかぶっていたのである。
院長先生からもひいきされていたが、父の死をきっかけに手のひらを返したかのように冷たくなりシャーロットは学外へ放り出されるその後シャーロットは伯爵家のメイドとなるのだが、そこでも持ち前の努力家姿勢を見せる、のだが屋敷の子息エロールには分厚い猫の皮の下の素顔を見られる。

あとがきにもあるとおり小公女がベースになっているので先の展開が分かる((だって数年前にBSでやってた再放送で全話見たもの!))ので、これからどうなるんだろうというときめきは正直なかった。
でもリンダの過去は気になるな! あとわたしはPBCの影響で「エロール」を人名として認識しない! 普段はお坊ちゃんとかエルとかそういう感じでよかったな! 名前フルは3回に1回は笑える。

死神姫の再婚 -誰にも言えない初恋の君- (B's-LOG文庫)

緊迫感溢れる死神姫13冊目。
ビズログ10月刊からなんか背表紙が変わったりあらすじのフォントが変わったりなんか色々と変化しています。
それで色々とあれであれな感じだった前巻。今回もずっとゼオのターンなので黒々しています。
ヅカオフのときにでるたんとこんこんさんと梅田へ帰る電車の中でカシュヴァーン様の目はイラスト的にはどうなるんだろうねえと思ってたらまだ今回はネタバレ防止構図だった。

アリシアの夢が大概ひどいんですが、アリシアがゼオを膝枕しているシーンがなんだか桂Roman 2 の赤髪のローランを膝枕しているシエル1で再生された。なので歌がRomanのテーマで再生される。
今回は中盤のルアークとラストのティルぼっちゃんがぜんぶもっていったな!
あとイノセントスターに同封されていた死神姫SS2のカシュヴァーン様がたいへんひどくて残念だったので、早く本編であれがまた見られる日が来るといいなあと思います。

  1. 11文字の伝言内の何の歌だ。やめるな歌え俺が眠るまで歌えのあれである。 []
  2. 応援店舗でもらえるあれである []

カイザー養成学園 君は世界を支配する。 (f-Clan文庫)

f-clan文庫創刊ラインナップ2冊目。近未来、もしくは現代とは別の歴史をたどった世界。
未曾有の危機「アンダーグラウンドテンペスト」通称「UGT」以降世界はがらりと姿を変えた。急激に進んだ温暖化により島は次々に沈み陸地は22%は失われ、干ばつが続き生態系には壊滅的なダメージを喰らい人類も例外ではなく世界で億単位の命が失われ、後天性アルビノ症により色素が抜け落ちた者が迫害された。
絶滅を免れた国々は危機を乗り越えるため協力体制を敷き合併もしたが、それでも収まらない荒廃に「ネオ・エデン計画」を策定した。人工島カナリアを作り、そこに各国の次期代表たる皇嗣と彼らが快適に過ごせる道具として国連に保護されたアルビノを住まわせ、「世界統一国家の帝王」を選出させることにしたのだ。

亡兄の跡を継いでカナリアにやってきた雷電・E・シャフトはこの島の「当たり前」には驚くばかりだった。
この島にはアルビノが保護の下集められている。アルビノはシルビエントとして皇嗣に仕え「皇嗣が快適に過ごすための道具、奴隷、メイド」として働くことになる。セッション(対話)という名前に隠されていたが、今のセッションは「決闘」により行われ弱い者は国レベルで蹴落とされることになる。

もうね、大変どきどきしながら読みました。ひとりの負けが国を揺るがす大惨事になるんですよ。人柱!
今最も「カイザーに近い男」アルクス・ケインはもう、眼鏡じゃなくてよかったな。眼鏡だったらもう割るところだった。鬼畜眼鏡的に。鈴蘭可愛いけどオルテンシアのほうがいい。眼帯メイドもときめくんだけどさらなる不器用で可哀相なオルテンシア可愛い。ライデンの過去の話に差し掛かってくるともうまじたまらなくね? その辺をばんばん叩くよ。 

あと全体的にアレでアレだったスタンレーがすごくベジータ的ないいやつだったな。
超どろどろできそうなのにこれぐらいの黒さで済んでるのはよいバランスだ。

東京レイヴンズ6  Black Shaman ASSAULT (富士見ファンタジア文庫)

春虎と夏目がギクシャクしている中、陰陽庁では上巳の再祓以来の「D」からの宣戦布告が届く。
狙いは土御門夜光の遺産「鴉羽織」で陰陽庁に保管されているが陰陽塾に保管されいているとの噂もある。

今回は短編を挟まない1冊まるごと不穏な動きでバトルバトルしてたので大変楽しい。
おっさんががんばりだした! 襲撃! とか高位のものによる戦いとかとても燃えます。呪術バトルだ!
しかし鈴鹿は可愛いな。

竜宮ホテル 迷い猫 (f-Clan文庫)

少女系ライトノベルレーベル新創刊f-clan文庫。
ほかの作品はまだ読んでないのですが、この作品については元々児童文学方面で活躍されている方が書いているせいかピュアフル文庫! っていう感じがします。

可愛い・癒し系・綺麗系が作風のファンタジー作家の水守響呼は引越しをするはめになった。
10代でデビューして以来ずっと住んでいたところだったが、少し前の地震でまずいだろうということで大家から電話がかかってきたのだった。引越しに関するあれこれをしなくてはいけないがエッセイの締切が迫っている。外で仕事を、と出たときに編集者と出会い話をしていると「じゃいい部屋斡旋しますよー」と言われ住むことになったのが竜宮ホテルだ。
響呼の左目は異界の住人が見えるが本人はその力と世界を否定している。不幸にするとかおとぎ話とか猫耳少女とか。
もうちょっとファンタジーな鳥籠荘? もしくは妖怪アパート
ほんとうにすごく優しい物語でな表紙のこの猫耳娘の髪の質感すげーな、と。

ロクサナと麗しの花婿たち (ルルル文庫)

お前は実は私たちの子じゃないんだよ実はメフルダート女王国の王位継承者なんだよと言われ、ロクサナは14歳まで育ったジル・ミヌー王国を後にした。女王国は徹底した「女が権力を持つ国」で女は強くあれ剣を持て勇ましくあれ、男は淑やかであれ家を守り子を育てよという、ロクサナがそれまで暮らしてきた文化とはまるで反転したものだった。
ロクサナの成人を祝う「奉納闘舞」は普段剣を持つことのない男たちが決闘し戦神メフルダートに捧げる、というものだったが優勝者が女王の「正室」となり、気に入った男がいれば「側室」にしていいとそういった催しである。

女はすべてマッチョだし1男は香水の匂いをさせているしなんだかとても極端だった。この男女反転ぶりがちょっと気味が悪いぐらいで、わたし逆ハーはそんなに好むところではないけどふつうの逆ハーが来いと思った。
「可愛い女の子」と「かっこいい女の子」と「ただのイケメン」が足りません。ツンデレは足りました! かろうじて「男みたいな貧弱な体でなよなよした王子様」ロクサナと、「背が高くて女みたいに体を鍛えている」アズハルがふつうっぽいですがそれだけではな! 
とはいえその極端な女尊男卑と女のためのハーレムがうわぁなだけで、ロクサナとアズハルのあれこれは大変好きです。ロクサナはちょっとHENTAIでドMですが。

  1. 精神的にではなく肉体的に []

放課後のアディリシア 百億の魔女語り外伝 (ファミ通文庫)

百億の魔女語り外伝はアルトの妹で色んな謎を振りまいていったアディリシアの物語。
これがああなるのか……。
こっちはかなり学園モノ+フィールドワークみたいな感じ。光炎のウィザードみたいだね。
甲種の魔術師になるはずだったがなんか挫折してる感じのジノ・ラティシュ、のちの「ネイバー」
美少女だけど乙種魔術オタクのアディリシア・グスタフ。
ちょっと妙だけどそれなりに穏やかで満たされていた日常はやがて遠いものになっていく。
章の始まりだけちょっと未来で、あとはまだアルトが学生だったりする。

東雲侑子は短編小説をあいしている (ファミ通文庫)

この学校には「生徒はなにかのクラブに所属しなければならない」という校則がある。
体育会系の部活で怒鳴られながら汗を流すのはちょっと、でも文化系クラブにありがちな「○○について熱く語りましょう」のような熱意も好きなものもない。となると残りは委員会活動しかなかった。
そうやって無気力高校生三並英太は図書委員になった。週2回のカウンター業務は東雲侑子というなにかしら短編集を読んでいる女子とやっている。

びっくりするほど「普通の高校生」の青春恋愛小説なのである。
押しかけ女房的な「兄の彼女で初恋の人」はいるんだけども、NO異能NOファンタジー。
東雲が好きな短編集が「エレンディラ」なので七竈を思い出した。七竈はエレンディラっぽいというのを桜庭一樹読書日記で見てから気になっているのだ。

ところで、ロミエマリガナ=東雲≒宇宙人的な存在とか一瞬思ったりしました。東雲の秘密はもっとあれなことなんじゃないだろうかと思った。実は人間の研究の一環として小説を書いてるんだよ!みたいな!

恋する王子と望まれない婚約者 (B's-LOG文庫)

1巻発売当初ブログ含めいろんなところで変態王子と言ってたら帯にも「変態王子」と書かれていた。
とてもふいた。

2巻は「実際モニカを娶るなら起こるだろうあれこれ」なんですが、2巻は全体的に深刻なツッコミ不足でした。
アレクの変態さ加減は1巻以上にすごい勢いで加速しているし周りの人もちょっとおかしい。
アレクはモニカモニカモニカしか言ってないやってない。始終そのテンションなのか、と思った。もうちょっと落ち着け。

六蓮国物語  王宮の花嫁武官 (角川ビーンズ文庫)

煌国・太子近衛武官である結蓮のもとに太子を襲う妖怪が現れたと聞き、太刀を片手に現場にかけつけた。
婚礼の夜、花嫁衣裳をまだ身にまとっていたころの話である。結蓮がこれを繰り返すのは今度で3回目になる。それほど太子に心酔している結蓮はは妖怪退治の腕を買われ封陰省へ移動となったのだ。
武器庫が盗難に遭い、4本の太刀が奪われ現場には5年前後宮を襲い、そのまま行方をくらました妖怪業焔の残滓が発見された。

シリーズ1巻とは思えないぐらい色んなものが盛られていて、登場人物が多く、いきなり色んな事実がオープンにされ、もうちょっとゆっくりめでもよかったんじゃないかなあと個人的に思う。生真面目馬鹿の結蓮は面白かった。

ドリーミング ガールズ! (講談社X文庫ホワイトハート)

帯を取るとじつにはげしいドリーミングガールズ。

アリス イン サスペンスの続編です。
主人公変わるし雰囲気もがらっと変わりますが、アリス〜での事件の顛末がさらっと語られるので注意。

女の子みたいに可愛い男の子ユキノジョウが主人公です。地の文が大変饒舌です。
森見登美彦氏の太陽の塔とかあとハルヒとか、あんな感じです。そしてボーイ・ミーツ・ガールです。
ロマンチックボーイミーツ邪気眼ガールです。
ユキノジョウがハイドと買い物に行った先でカラーコーンをかぶって上半身は包帯でぐるぐる巻きになって腕も動かせないような状態になっている女の子と出会った。その状態で何で女の子と分かったのかというと全体的に体のパーツが小さいからだった。
そのときはそれで別れたのだけど、彼女をハイドが拾ってきた! なんかこのカラーコーンガールは自分は魔女でこの包帯は封印だとか言ってる! 大変!

だんだんおかしくなってきたけどだいたいあってる!
アリスとは違って事件ものではありません。ボーイミーツガールなので愛と恋の物語に決まってるじゃないか!
魔女は黒猫1と仲良くなれると思うんだぜ。ユキノジョウが京介。
150ページ以降からが個人的には爆弾がずどーんずどーんと落ちてくるような錯覚。
こういうのたまらんとです。すごく好きだ。

つづき、出るといいなあ。今度はハイドの話が読みたい。

  1. 俺妹の瑠璃さん []

とある飛空士への夜想曲 上 (ガガガ文庫)とある飛空士への夜想曲 下 (ガガガ文庫) 

「とある飛空士への追憶」と直接繋がっている、海猫のライバル千々石を通して描かれる中央海戦争の顛末。

「機体にビーグル」に何か思い出すものがあって、なんだろう、と思ってかんがえてたら天翔けるバカだよ! っておもった。あっちは機体にヒヨコだったような。あと「マイ・ボニー」も思い出した。天バカと飛空士はまじ同じカテゴリだ。

千々石の生い立ちにはじまって、軍で飛ぶようになって、戦争が始まる。撃墜数をあげる。出世もする。
やがて死が量産され朝会った同士が夕にはもう死んでこの世にいないなんてことがはじまり。
杉松の最期のことばがもうなんなのかと思うぐらいしんみりした。

限界を超えてさらにぶつかり合う海猫とビーグルがね、もうすごすぎた。
すごかったんだけど、すごかったんだけどもうちょっとなんとかならなかったのか!(もうちょっと何人でもいい、生きて帰してほしかった)と思った。

シュガーアップル・フェアリーテイル  銀砂糖師と赤の王国 (角川ビーンズ文庫)

新聖祭に向け砂糖菓子作りを続けるペイジ工房。
工房の代わりの城を借りてから難題が続いていたがここにきてラファルの襲撃がはじまる。
シャルの生まれなんかに触れられたりしつつ、新聖祭編はこれで終了。

暖炉を用意しろ とかってあれこれしているシャルにほのぼのする。かなり深刻なシーンだったけど。
そして意外と重かった「ずっと」!
先日銀砂糖師の全プレとしてシャルが生まれた当時の話が掲載されてて、これはどこかで回収されて再録されてほしいなあと思うばかりです。

妖精王とか出てきたので、そろそろ真夏の夜の夢とかチェンジリング・シーを読むころなのかな……
いずれ読もうと思ってまだ読んでいない。

お嬢様は吸血鬼 〜秘密ノ求婚〜 (コバルト文庫)

「さわらないでくださいませ。胸がどきどきしますので」

(P170)

人口の2割が吸血鬼だという大弐本帝國。
生まれながらに吸血鬼としての力を持った真性の吸血鬼も血を吸われ後天的に力を得た半吸血鬼も、ふだんは家畜の血などを飲みながら暮らし人権も認められている。しかし排斥を唱える団体があり実際には疎んじられることが多いので「吸血鬼」と公表しないことが圧倒的に多い。
伯爵令嬢藤ノ宮乙葉は真性の吸血鬼だがやはりそのことは隠して学校へ通っている。

大正時代の女学生ということはつまり海老茶式部なんですよ。この時点で既に相当の胸キュンでした。
で、教師深谷欧介がきわどい発言のサドい感じのけしからん眼鏡です。割れろ。
欧介は乙葉の正体に気がつき、吸血衝動を抑える薬の実験に付き合わないかと無理やりに薬を飲ませる。

これがなかなか破廉恥です。えろいじゃなくて破廉恥なんです。
時代が時代なのでキスなどされようものならもうお嫁にはいけないとか、そういう世界です。
なのでもちろん服は脱ぎませんし口付けも控えめなものです。でも目隠しとかえろいですよね。

内容はただいちゃいちゃしているだけではなくて、吸血鬼がらみの事案に学友が巻き込まれていることを知った乙葉が首を突っ込む系です。

P175〜の深夜を出歩く少女のターンはとてもよいですね!

しづが受け取った「美腰バンド」は「美容バンド」の誤字なのかそういうあれなのかしばらく考えた1
いやこう、セラバンドみたいなものなのかなあとか、巻くだけダイエットとかあったしなあと思い出していたのだ。

  1. 人づてに聞いた話だと美腰バンドはまじにあるらしい。 []

とある飛空士への恋歌 4 (ガガガ文庫)とある飛空士への恋歌 5 (ガガガ文庫)

しみじみと面白いシリーズでした。
4巻の「わたし、あなたに恋してる」とかとてもきゅんきゅーんであった。正体を明かしたり悩みながらも再び戦いに出ざるを得なくなったり、バンデラス先生がすごかった。イグナはよいツンデレだった。
イスラの最期がまたすごくて、始終ため息だった。追憶よりは断然こっちのほうが好きだ。

とある飛空士への恋歌3 (ガガガ文庫)

創世神話にあり、ルイス率いる探索部隊により本当に実在することが確認された聖泉までついに到達した。
ここからは未探索地域であり神話への入り口である。
前半はまだ日常パートが続いていて、アリエルの料理パートはそろそろミスター味っ子的だった。
糸電話の顛末のカルエルはただのアホだ。

2章の終わり数ページ。これが本当に学園ラブコメならただのラブコメ的ワンシーンなんだけど、カルエルたちはただの学生じゃなくて戦闘訓練をしているいわば軍関係の人間で、今いるところは「空の一族」が支配するという領域。そして次々に現れる死亡フラグ。ここが日常の終わりなんだなと感じました。

思ってたよりずっと凄惨なんだけど、この絶望的な展開と焦燥感と悲壮感はよいものです。

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