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百億の魔女語り1 オトコが魔女になれるわけないでしょ。 (ファミ通文庫)

竹岡葉月久しぶりのファミ通文庫。
コバルトからの読者的に「男が魔女になる竹岡作品(女装もあるよ!)」というのは既に約10年前に通っている道なわけで、どう調理されるのかが楽しみにしていた本でした。

アルト・グスタフの欲しいもの。それはカイゼル魔術学院の卒業証書。
粘りに粘ったが「出席日数と単位数不足はいかんともしがたくこのままでは除籍もやむえない。せめて卒業実地研修の単位ぐらいは取得してくれ」というのが先生方の最後の救いの手であり要求だった。

この世界の魔術は大きく二つに分かれる。
近代魔術のスタンダード、理論的に司祭がミサなどで起こす奇跡を科学的に証明したことで発展した「甲種魔術」
昔ながらの魔術、呪術師の呪術・死人使いの蘇生術にウィッチクラフトに司祭の奇跡。「乙種魔術」
競争率の高い甲種よりもマイナーな乙種しかもウィッチクラフトを選んだアルト・グスタフは、首都カイゼルの北部・湖水地方ホルグリン村で大魔女リリカの指導を受けることになる。

オクロック氏がちょう萌えキャラだと思うんだ。2足歩行の山羊で執事なんだぜ。
「いいえ、私は純粋たる山羊」なんだぜ。「いいえ私はジョセフ犬」を思い出す。
「魔女っ子パステル、らぶぽっぷん!」は脳内で魔女っ子ランランが高笑いしながら走っていった。
「誰も害せぬかぎり、汝の望むことをなせ。それを魔女の信条という」にばたばたした! ましろ!

アルトが即ばれる女装で実習に赴いたのもなんか変な場面もすべては妹のためか。鎮圧の場面はかっけーな。あとエーマが「アディリシアっていう同い年の女の子が来ると思ったから親友になりたいと思った」っていってるシーンが好きです。ていうか竹岡さん兄妹の話好きだな。
エーマの一人称が「うち」なことにほとんど終盤に差し掛かる頃気がついた。脳内一人称はわたしだった。
「うち」っていうのもみてたけど「家」のうちだとおもってた。
あと私最後までファニーがリリカ様なんだと思ってた。猿はただのお猿。バブルス君@DB的な。
脳筋アルトがいかに体育会系か(薬売りのシーンのエーマとアルト)

P271の挿絵はとてもGJだと思う。続刊があるって素敵だ。できたら3巻もほしい。

冒頭にちょっとだけダナーク魔法村はしあわせ日和を思い出した。

ちなみにもうひとつの「男が魔女になる」作品というのは東方ウィッチクラフトです。
「憧れの人は男なのに『魔女』だった。そして私はその憧れの人の『使い魔』になってしまった」という話です。
ちょーおすすめ!

東方ウィッチクラフト—垣根の上の人 (コバルト文庫)

モンスター・クラーン  黄昏の標的 (角川ビーンズ文庫)

ザビでの紹介文によれば「現代ドイツを舞台にした破魔の拳銃をもった美少女が異端のヴァンパイアを狩る物語」です。銃アクションを期待して読もうとすると多分地雷。
あとザビでのアオリは現代ドイツだけど別の歴史を辿った現代風ドイツだと思われる。というのも

「俺さ、思うんだよ。たとえばさ、ものすごく科学が発達して、地球の裏側から一瞬で手紙が届くとかさ、そんな発明だれかしないもんかな」
拳を握り締めて熱弁を振るう要に、咲夜は冷めたものだ。
「ないんじゃない?」

(P87)

この世界にはメールが存在しない。

ちなみにいちいち「ザビでの」と前置きを置いているのは、文庫本では「現代」という単語があらすじ等には出てこないからです。まあ要のバックグラウンドは明らかに現代なんだけど。

読み始めて30ページぐらいの感想としては「あれ? 間違えて2巻買ってきたの?」です。
1巻が鬼引きでその続きがこれ、というはじまりかただった。
主人公咲夜がいきなり拘束されていて関節を外して逃走するところから始まる。
いつ面白くなるんだろうと思って読んでたけど話の筋がわからない。
視点変更と時系列がぐちゃぐちゃになった場面変更がめまぐるしい。

雰囲気としては、九条菜月の「オルデンベルク探偵事務所録」に高里椎奈の「薬屋探偵妖綺談」を混ぜようとして途中で間違えたっていう感じ。「ドイツ辺りが舞台で人間とヴァンピーアだのヴェアヴォルフだのが出てくる話」が読みたければまじでオルデンベルクを読めばいいと思う。

身代わり伯爵の花嫁修業  II 嵐を呼ぶ花嫁合宿 (角川ビーンズ文庫)

花嫁修業編。何冊あるんだろうか。「最初から両思いでしたがはれて双方の同意が揃いました」までに10冊。
婚約はともかくアルテマリスでの結婚式も前振りされたので2人の結婚まではまだまだ長そうだな。
また10冊ぐらいかけるのかな。

キリルの勘違い方向とシーカの方向性が想定外すぎた。すごいな。ぎゃっぷもえというやつだな。
クリスティンのキャラ設定がまじフィルムガール。間者になればいいのに笑った。

ミレーユの巨乳への執着はなんなのか。シーカと一方的初エンカウントシーンが好きだ。
ミレーユの舎弟集団はアホさがあいまってとても和む。

女神の娘の恋歌 一瞬の光、永遠の輝き (B’s‐LOG文庫)

完結。もう1冊ぐらいあってもよかった。本当に足の速いシリーズだった。
あとタイトルロゴに女神の鏡があることに3冊目にして気がついた。

キリヤナ、女神じゃなくてミーナのかーちゃん話に絡んで来るものだとばかり思っていた1が、影がようやく出る感じだったなあ。多く出てくる妖魔サイドに比べて「女神キリヤナ」「女神の娘の力」ってなんだったんだろうか、と思わないでもない。光の乙女欠格ということは、もしかしていたすのかなあと思っていたけど、事前事後ぐらいだと思っていたら、まさにいたしちゃってるなうの上やっちまったなうな描写もあってびっくりした。

ていうかあとがき……。
これはつまり女神の娘と闇の神はふたたび現れるフラグではないのか。不吉!

  1. 今巻でいうところのマライナっぽい感じで []

ペルソナ3 オワリノカケラ (ファミ通文庫)

ゲーム開始直前ぐらい。明彦と美鶴あたりが主人公です。
ゆかりっちとかガキ先輩とかコロマルはでてきますがテレッテ以降の人々は出てきません。
これが出たのがペルソナ3が出た当時なんですが、P3Pハム子アナザー明彦ルートのような、そんな感じ。
明彦が実に肉彦であほのこです。ときめきます。

明彦・美鶴の1個上で、春に卒業したばかりのボクシング部の女マネージャーというのが大きく関わってきますが、この人が影時間に適応してたり10年前の爆発事故で弟を亡くしていたり色々ハム子を彷彿と……!

海牛に行きたくてうずうずしている美鶴先輩が可愛いです。「君か。おかえり」って迎えられたいです。
美鶴先輩可愛いです(2回言いました)

あとファルロスっぽいのが出てくるんだけど脳内で音声出力されてる。そこだけ読むのがやたらと遅い。
フルボイスで流れるぐらいのスピードになってる。

よいノベライズだった!

東京レイヴンズ2  RAVEN゛s NEST (富士見ファンタジア文庫 あ 2-5-2)

直筆お札しおりが大変にツボにはまった。とても同意である。
1巻も面白かったけど2巻もちょうおもろい。

一言で言うと「夏目可愛い」なのである。春虎と冬児の転校を超喜んでるところとか、京子と仲良く喋ってるところを見てやきもきしてみたり、あっという間にクラスに馴染んでる春虎を見て羨ましく思ったり、ラスト付近のあれとか、とにかく夏目が可愛い。57ページの挿絵がぐっじょぶである!!!

春虎がよい熱血です。よい熱血です。春虎VS京子のときの「自分が陰陽師になるのを第1に優先させてもらう」のところがかっこいいです。めろーん。

天使から百年2  天使から零年 (富士見ファンタジア文庫 の 1-1-2)

ユウキがやばい子のターン! 色々とめまぐるしいターン!

冒頭でユイカが「とんでもない発想するやつがいる」って言ってたけど実際とんでもないよ!
いや読み始めたらカイがコンビニでバイトしててどういうことだ! って思った。
なんかいろんな人の視点が変わったり隠されていたことがぱたぱた明らかになった。目まぐるしい。

「……あんたは、悪い女になるだろうなぁ。十年後にはきっと、酒のような」
「褒め言葉と、取らせていただきますわね」

(P107)

カイもワインになるのか! そりゃ悪女だ! 

ユウリとテオーデリヒもバカで可愛いんだけど誠と九尾堂がいいな! 超好きだな!
だからあなたはろくでなしなのよ!

「もう百年経ったのね。待たせてしまったのね」
「ええよ。また逢えたから。……いろんな人を傷つけたのも、いろいろあったのも、ほんとにもうなんでもええんじゃ。九尾堂、わしは今ここで死にたい」
「しかたのないひと。だめよ。私はひどいのよ。私にあなたがたりないの。あなたがいやでも、にげられないの」
「ああ、わかっとる。わかっとるよ。」

(P203)

影詠みの天花 胡蝶の舞と月の記憶 (一迅社文庫アイリス)

大正時代の日本っぽい感じの別の国の和風ファンタジーです。退魔ものですが陰陽師方面ではなく異能系っぽい。
封殺鬼かオーラバかといわれれば初期オーラバです。古い例えです。あとアンゲルゼが同じカテゴリに入ってる。

55年前、西の大陸の沙漠を皮切りに世界各地で星が落ち穴が空いた。穴からは後に《影》と呼ばれる、人の強い感情を好み心を喰う異形が這い出した。世界で唯一人口密集地で穴が空いた天明国では影の対抗手段が発達し、影を破壊する能力は血で受け継がれることが分かり、巫と呼ばれ重要視された。

物語の舞台は天明国につくられた治外法権の人工島にある、遊郭が集う歓楽街「胡蝶街」。胡蝶街の遊女は舞を舞うし音楽も奏でる。しかし客はとらない。彼女らは影を封じる巫(かんなぎ)であり、胡蝶街は天明国で最も巫が住まう街なのだ。

胡蝶街一の巫と名高い少女天花は、花祭りで7年前の祭りの時姿を消した幼馴染みの月長と再会する。
同じ頃大陸からやってきた影にとり憑かれているという皇子の護衛を依頼されることになるのだが……。

物腰穏やか系敬語眼鏡もえ(ろくでもない発言だ)
幼馴染みの恋はいいなあ! 再会を喜ぶとか幼き日の恋心に幼い願いとか狂おしい燃えるような恋とか。
天花と月長の会話あれこれが、なんでもない普通の会話なのになんかしんみりしてきてせつない。
端的にいうときゅんきゅん! なのである。7年前の天花の願いとかもろきゅんきゅんなのである。

あらすじ的には「開幕」なのでシリーズなのだろうか。
アイリスは一冊完結が多いしこれはこれでおいしく完結しているのでこれで完結でもいい。
ああでもヴィートさんについてはもうちょっと詳しく! と思う。

長い長い時を経て残った美しい壷をこの手にしたとき、わたしはその壷の見た目と同時に、壷が愛されてきた時間の長さを思うんですよ。ほんのわずかな修復の痕や、作り直された箱。そういうものは傷ではなくて、美の一部です。愛された時間ぶんの美しさが加わって、この壷はなおさら美しくなった——そう思うと、わたしは本当に嬉しくて、嬉しくて、たまらなくなる。

(P90)

月光 (電撃文庫)

サスペンスちっくな学園モノ。
野々宮はある日完璧で謎多きクラスのアイドル月森葉子のノートを拾った。そこには「殺しのレシピ」と書かれた小説のような謎のメモが挟まっており、「人を殺す方法」が幾通りも書かれており中には偶発的なものに頼っているものや稚拙なものも多くあった。「あの」「完璧な」月森葉子がこんなものを一生懸命書いているのか? と、野々宮は動機や相手を想像する。日々がつまらなく感じる野々宮にとってそれはとても刺激的なことだった。

そしてしばらくしたある日、月森葉子の父が交通事故死する。クラスメイトの近親者の死を悼む者ばかりのなか、野々宮は殺しのレシピの中にあった「自動車事故に見せかけて殺すレシピ」を思い出して興奮せずにはいられなかった。

ワインよりオレンジジュース派だよ! ワインはいい。ワインはいいがオレンジジュースのストレートさはやばい。
話の大筋にがっつり絡むことなくオレンジジュースの出番は終了するがやばい。
月光がただのラブコメなら読むことはなかったと思うのでワインあってのオレンジジュースである。

月森と野々宮は天才とか天才に触れた人とかそんな感じではあるけど、なんかまっすぐだよね!

イラストマジックのせいか虎南刑事はP4の足立刑事で変換される! 足立ードジッ子+軽薄さ。黒さ据え置き。

ゴールデンタイム〈1〉春にしてブラックアウト (電撃文庫)

竹宮ゆゆこ新作。
「大学の時疎遠だった人と卒業後話をするようになり『なにそのだいがくせいかつ!』」って思うような感じが再び。
「わたしのときはそんな生活じゃなかった」っていうのと「あったあったそういうの」っていう二種混合。
ちなみに私の時は宗教ではなくエステでした……。
香子は光央限定ストーカー気質の重い女の子どことなくベイビィ・LOVEのせあらか……と思うなど。
いや香子のほうが期間長くて気合入りすぎなんですが。一途といえば聞こえはいいですがただの迷惑だよなあ。

おまけんで阿波踊り踊り始めてて笑った。うむ浮いて踊るのがコツです。
慣れてくると指先も綺麗に見えるようにするといいと思います。

リアル高校生1がこれを読んで「大学って楽しそうだなあ」とか思っていざ進学してみて現実との落差にウボァとなる展開もきっとあるはずだ。わたしが「天使なんかじゃない」を読んで高校生活に夢とか期待とかそんなものを抱いたように。

幽霊ってなんですかーとか千波かわいいとか千波何者だとか思いつつ続きは春予定。まだまだ先だなー。
楽しみだなー。2次元君の名前がユヤタンみたい2だと思ってすみません。

  1. しかも1年生ぐらい。もしくは中学生 []
  2. 佐藤隆哉 []
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