モンスター・クラーン  黄昏の標的 (角川ビーンズ文庫)

ザビでの紹介文によれば「現代ドイツを舞台にした破魔の拳銃をもった美少女が異端のヴァンパイアを狩る物語」です。銃アクションを期待して読もうとすると多分地雷。
あとザビでのアオリは現代ドイツだけど別の歴史を辿った現代風ドイツだと思われる。というのも

「俺さ、思うんだよ。たとえばさ、ものすごく科学が発達して、地球の裏側から一瞬で手紙が届くとかさ、そんな発明だれかしないもんかな」
拳を握り締めて熱弁を振るう要に、咲夜は冷めたものだ。
「ないんじゃない?」

(P87)

この世界にはメールが存在しない。

ちなみにいちいち「ザビでの」と前置きを置いているのは、文庫本では「現代」という単語があらすじ等には出てこないからです。まあ要のバックグラウンドは明らかに現代なんだけど。

読み始めて30ページぐらいの感想としては「あれ? 間違えて2巻買ってきたの?」です。
1巻が鬼引きでその続きがこれ、というはじまりかただった。
主人公咲夜がいきなり拘束されていて関節を外して逃走するところから始まる。
いつ面白くなるんだろうと思って読んでたけど話の筋がわからない。
視点変更と時系列がぐちゃぐちゃになった場面変更がめまぐるしい。

雰囲気としては、九条菜月の「オルデンベルク探偵事務所録」に高里椎奈の「薬屋探偵妖綺談」を混ぜようとして途中で間違えたっていう感じ。「ドイツ辺りが舞台で人間とヴァンピーアだのヴェアヴォルフだのが出てくる話」が読みたければまじでオルデンベルクを読めばいいと思う。