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私の家では何も起こらない (幽BOOKS)

書影では黒っぽくなっているところが金色できらきらします。
短編です。ぞわっとする感じのホラーです。びびりがうっかり夜に読むとあばばばばばばばとなります1
どれも怖いんですが大工の話「俺と彼らと彼女たち」でちょっと救われた気がした。こわい。
でも好きなのはびびった2話「私は風の音に耳を澄ます」「俺と彼らと彼女たち」「奴らは夜に這ってくる」
「夜を這うもの」でニャル子をおもいだす。

  1. つまり私のことである。1話はともかく2話はやべえええええとなった。 []

ブラザー・サン シスター・ムーン

1話は「三月は深き紅の淵を」の4章「鳩笛」を思い出すような文体だった。
あのエッセイか小説かよく分からない感じの。読みやすいけどすぐ過ぎ去って、特に余韻とかいい本だったなあとかはない。3編とも「ここで終わりなんだ!?」ていう終わり方だったから1冊かけて盛大に予告編やったみたいな本だったなー。

やっぱり、面白くなきゃ嫌。
小説は、読んで面白くなきゃ。本の中に入り込んで、自分がページに没入してるのを感じられるくらいでなきゃ嫌。振り回されたい。圧倒的なテクニックや、強烈な世界観に。小手先の性悪女じゃなくて、ファム・ファタルに巡り合いたいってことなんだろう。

(P28)

きのうの世界

水路が巡らされたとある田舎町で起こった殺人事件。
月の裏側っぽいなあとか思ったり、2人称が押し出されていたり、視点がころころ変わるのでなんだこれはーと思った。この何だか不吉な感じと焚き火の神様とかはとてもときめくけど、あんまり好きな感じではなかった。

「そこに、お昼になる前に赤いものを結んでおかないと駄目だから」
「どうして赤いものを結んでおかないと駄目だから」
慶吾は辛抱強く質問を続けた。子供を相手にする時は、子供の頭の中の思考スピードに合わせなければ答えを引き出せない。
「でないと、助からないの」

(P372)

ユージニア (角川文庫 お 48-2)

久しぶりに読んだー。
やっぱり単行本版であった冒頭の詩の部分はなくなっていた。
旧家でおきた大量毒殺事件を色んな視点から語ってみる。そんな話。
自分内恩田陸ランキングではTOP5入りしているやつですええ。

ただ、「話の最後ではかならず真実が明らかになってしかるべきだ!」と思う人にこの本は地雷になりかねないのでご注意をー。

その瞬間、あたしは悟りました。
彼女は幼い日、このブランコの上で誰かと取引をしたのだ。誰かが、ブランコを漕いでいる彼女に、お前の何かと引き換えに世界をやるがどうだい、と彼女に話し掛けたのだ。
そして彼女は取引に合意し、次の瞬間自ら手を放したのだ、と。

(P125)

不連続の世界

「月の裏側」の塚崎多聞再登場の巻。中編集。
私は月の裏側がそんなに好きなわけではないのでうーんと思ってたけど、悪魔を憐れむ歌は好きだな。不吉ーな感じがいい。

夜のピクニック (新潮文庫)

この前っゃさんが読んでたので読みたくなったフラグ。そして音声変換される罠。ふぉおお。
映画版の高見が背が高くてなんか違和感があったのだけどその訳が分かった。

高見という男、体は小さいのに声はでかい。
(中略)
高見は華奢な首を回した。色白で、女の子みたいに結構可愛い顔をしているのは認めるが、やはりうるさい。

(P132~P133)

映画版の高見はこれの真逆だと思うのだ。

そして映画地上波放送まだー。(邦画は1年2年ぐらいでやるからそろそろやってもおかしくないと思うんだ

小説以外 (新潮文庫 お 48-7)

エッセイ。

それでも読む。面白そうな本を血眼で探す。読むことは書くことだ。人間は読みながら自分でも書いている。本を読まなくなったら、私は小説を書かないだろう。

(P54)

かねてよりビルドゥングスロマンというものに興味があった。
一般的に、「教養小説……主人公の人間形成の過程を描いた長編小説」と訳されているが、私は「成長小説」と解釈している。

(P383)

巻末の刊行リストを見ながらふと気づいたんですが、ユージニアとネクロポリスとエンドゲームが発刊3年目、つまり文庫落ちしてもおかしくないぜラインのようだ。エンドゲームはこの前蒲公英が出たからまあないだろうけど、ユージニアとネクロポリスは文庫落ちwktkだ。

「恐怖の報酬」日記—酩酊混乱紀行 (講談社文庫 お 83-6)

以前単行本版は読んで二回目。文庫版には横浜札幌沖縄のビール工場編も含まれています。

「私はいかに飛行機が嫌いか」というのと小説の話、酒の話、食べ物の話。

イギリス・アイルランドにはどんなところがあって、とか現地の人と触れ合ったりとかというのは少ない。写真はほぼない(本文下に白黒でプリクラぐらいの大きさのものがちらほらあるぐらい。
イギリス・アイルランドはどういうところなのか知るためのエッセイではなく、恩田さんがどんな人でどんなことを考えるのかが分かるエッセイだと思います。

土産物屋では、ミステリーサークルの絵葉書をいっぱい買い込んだ。人為的なものにせよ、宇宙人の仕業にせよよ、よくまあこんなヘンな模様を思いつくものだ。(P130)

去年ぐらいに「ミステリーサークルは僕らがこうやって作りました」っていうのテレビでやってたなあ。作成方法については忘れたけど「なんて夢がない。今更言わんでも」とか言ってた覚えがある。

※写真についての余談。
プリクラぐらいの大きさと書いたけど私は1シート12枚だか16枚ぐらいあったころのプリクラしか知らないので、現状に沿ってなかったらすんません。プリクラなんてもう何年もやってねー。

猫と針

脚本に長めのあとがき(制作に関するエッセイ)と前書きをつけてみましたという大分薄めの本。キャラメルボックスがやってた演劇のやつです。

正直、劇場なりDVDでなりで見た人向けかな、と思います。
地の文なしモノローグなし。登場人物のメインは「サトウ・タナカ・ヤマダ・スズキ・タカハシ」ととてもよくある苗字の人々。
サトウ:?
という感じで話が進んでいくので誰がどうで何をやっているのかがとても分かりにくい。

5月はなんだか恩田陸祭の再来のようです。 ソースbyまんが王

5/15
酩酊混乱紀行『恐怖の報酬』日記 講談社文庫
5/20
蒲公英草紙 常野物語 集英社文庫
5/28
小説以外 新潮文庫

(゚д゚)とりあえず全部買う。

後「買わないけど気になった本」では辻村深月の「子供たちは夜と遊ぶ」と高里椎奈の「薬屋探偵妖綺談 双樹に赤 鴉の暗」が文庫落ちのようです。子供たちは?は上下巻。分厚い本になりそうですね(特に下巻)

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