タグ「 ルルル文庫 」の記事

55件の投稿

赤き騎士と黒の魔術師 (ルルル文庫)

黒の魔術師ユハ。世界一の魔術師として知られており、この大陸に住む者なら誰でも知っている存在だ。
500年前、バレット王国の始祖アスセンシオン女王とともに国を打ち立てた者として今は塔の近くに暮らし、多数のカビとコウモリを飼い食事としていると噂されている。魔術師は国の宝、警護される対象。だがユハの警護は心を病むものが続出する始末。そこで任命されたのが「教官殺し」とあだ名されるビビアナだった。

ビビアナは強い騎士で、自分が女であることにコンプレックスを抱いていて、まあまっすぐな純粋な子です。
そこら辺の天然キャラと違うのは「燃える闘魂」という単語がとても似合うところですね。いのき! ぼんばいえ!
とてもコメディです。美少女に美形魔術師なのにとてもコメディです。
あったか髑髏精製術はネーミングセンスにとてもふいた。
ユハは最初のほうはなんだただのラッキースケベかと思ったらビビアナにお姫さま抱っこされていたので「ただのメンタルヒロインダッター!」と叫ぶ。面白い。ユハさんただのひきこもり。ちょうおもろかった。

ブラッディ・ハニー (ルルル文庫)

グリセルダの10数年後の物語(読みきり)。グリセルダは未読でも問題なし仕様。
貧乏女優ロッテシアの新しい仕事は舞台「孤独の闇」の死体の役。死体役とはいえ役作りは重要! とロッテシアは物語の舞台の北の大地を踏むことにした。「天涯孤独」という設定で人の懐に忍び込み、しめしめタダで寝床とごはんにありついたかと思えば「天涯孤独ならいいだろう」と宗教的な儀式の生贄として捧げられることになった。
生贄の捧げられ元、サーディはあなたみたいに自分で縄を切ってこの里を飛び出します! と2人は王都へ戻ることに。

王都に戻るまでも戻ってからも非日常に巻き込まれていることにいまいち認識してないロッテがおもろかったなー。
サーディさん売りが天然タラシ。作中にもそんな単語は出てくるんですが、タラシにしては通常営業だなあと思ったのは日頃の読み物が悪いんでしょうか。サーディは隔離されて育ったようなものだから純粋なんだと。そしてロッテシアは自分の夢を否定されて、それでも女優になりたくて都会に出てきたけど芽が出なくて、どん詰まりのところに自分を肯定してくれる人ができてうれしかったんじゃないかなあと思ったりしました。

プリンセスハーツ 大いなる愛をきみに贈ろうの巻 (ルルル文庫)

ルルル文庫創刊ラインナップの最後のひとつが完結1
長い物語が完結するところに立ち会うのはとても体力がいることで、泣いたり転がったり叫んだり転がったり、最終的には首根っこがっつり掴まれて本閉じて深呼吸するぐらいしか出来ないので読み終わるころにはもう息切れしています。

いつもは多くの人間のために使っている頭を僕のことでいっぱいにして、ほかのことなど考える隙もない。まっすぐな殺意だけを胸に、今にも僕の目の前に現れるだろう。

(P137)

もうここからのリドリスがもうひどかった。
わたしちょっと落ち着かないと泣くぞ泣くぞおい泣くぞとわかってたのにだらーんとなった。あんな悪役然とした登場だったのにちくしょう。死に様まで格好よすぎだった。それだけですむならまだしも170ページのあれはひどい。こっちの息とまるわ。

『私は、去らなかった。自分自身の意思で。それが私の生。どんなに短くはかない意味のないものでも、私の生』

(P230)

思わず11文字の伝言を再生して転がった。
廃園から出られずともルシードに会えた人生は幸せでしたか。

パパラギが予想外にがっつり絡んできたのが意外だった。お前割とすごいやつだったのな。

そんなわけで仮面夫婦の初夜ゴールインおめでとうございます。散々な戴冠式の朝おめでとうございます。
とんだ食育でした。豚に救われた。まじでwwwwwwwwwwとしかいいようのない気持ちだった。
これから待ち受けているのは一筋縄ではいかない公務でしょうがせめて夫婦は仲良く暮らしてください。
とりあえず同人誌が楽しみです。

  1. 封殺鬼はまだ帝都万葉があるけど鵺子で一端店じまいしたカウント []

幽霊伯爵の花嫁-首切り魔と乙女の輪舞曲- (ルルル文庫)

"墓守"ジェイク・コルドン伯爵に嫁いで2ヶ月、サアラは一方的に新婚生活を満喫していた。
サアラに無断でジェイクが仕事で領地を離れるまでは。サアラはジェイクのいない生活が退屈で退屈で、しかしその鬱々とした感情をぶつけるでもなく不満を口にするでもなくただいつも通りの生活をしている。そのことが逆に恐ろしく思えるようで、普段は彼女を慕う幽霊達も怯えるほどだった。そしてサアラはジェイクを追ってアスガンド領へ向かう。
2ヶ月前「首切り魔」レニー・ガスティンが埋葬された墓地で最初の被害者が発見された。最初は猟奇殺人として扱われていたものの、その後レニー・ガスティンの姿が目撃されるようになる。レニー自体は30年前に処刑されこの世を去っており、幽霊伯爵に話が回ってきたのだ。

表情を読み取るのが中々難しくて鈍いジェイクが久しぶりにサアラに会ったら、とかじわじわとした自覚が大変ごちそうさまでした。おかしな言動とストレートな行動が美味い。夫婦の歩み寄り! あとアシェリーゼがよい世話焼きだった。
サアラは相変わらず自分のペースに人を巻き込み、自分に正直で「ジェイク様の良さが分かるのはこの世界でただひとり、あなたじゃなくてこの私ですのよ?」などと言いつつ、でも自分が一般的な常識人と思っている。いいキャラをしている。

ロクサナと麗しの花婿たち (ルルル文庫)

お前は実は私たちの子じゃないんだよ実はメフルダート女王国の王位継承者なんだよと言われ、ロクサナは14歳まで育ったジル・ミヌー王国を後にした。女王国は徹底した「女が権力を持つ国」で女は強くあれ剣を持て勇ましくあれ、男は淑やかであれ家を守り子を育てよという、ロクサナがそれまで暮らしてきた文化とはまるで反転したものだった。
ロクサナの成人を祝う「奉納闘舞」は普段剣を持つことのない男たちが決闘し戦神メフルダートに捧げる、というものだったが優勝者が女王の「正室」となり、気に入った男がいれば「側室」にしていいとそういった催しである。

女はすべてマッチョだし1男は香水の匂いをさせているしなんだかとても極端だった。この男女反転ぶりがちょっと気味が悪いぐらいで、わたし逆ハーはそんなに好むところではないけどふつうの逆ハーが来いと思った。
「可愛い女の子」と「かっこいい女の子」と「ただのイケメン」が足りません。ツンデレは足りました! かろうじて「男みたいな貧弱な体でなよなよした王子様」ロクサナと、「背が高くて女みたいに体を鍛えている」アズハルがふつうっぽいですがそれだけではな! 
とはいえその極端な女尊男卑と女のためのハーレムがうわぁなだけで、ロクサナとアズハルのあれこれは大変好きです。ロクサナはちょっとHENTAIでドMですが。

  1. 精神的にではなく肉体的に []

NOTTE-誓約の十字架- (ルルル文庫)

あっという間の最終巻。「私たち幸せです」の舞台は前巻と変わらず北都。
日蝕の日に行われる降神祭の手伝いをすることになったイリスとルカは、っていう。
このふたりがすごく少女漫画である。小説だけど少女漫画。現実でいうと高校生ぐらい1の恋愛模様である。花ゆめ系。
いちゃいちゃしているのはいいんですがクライマックスが(個人的には)圧倒的に盛り上がらないまま終了した……。ラスボスとは何だったのか。短編集ライクな日常ラブが長かったな。

  1. 16歳設定らしいのでだいたいあってる。 []

NOTTE-恋情の十字架- (小学館ルルル文庫 ゆ 2-2)

エクソシスト見習いから昇進したイリスとその後のルカの物語。
帯「読者支持、急上昇中! 6月7月連続刊行決定!」 折込チラシ「完結!」
終わるんかい! とまず突っ込んだ。
出発地があって目的地があって、目的地に行ってなにかするんじゃなくて目的地にたどり着く前に色々する話が圧倒的に長い。1巻読んだときも思ったけど連作短編みたいな感じなので1巻読んでなくても2巻は読めると思う。
後半に出てくるマトフェイがおいしくて、でも出番が少なくてそれが残念だ! このひとが主人公のスピンオフ(特に過去)とかあったら読みたいね。

今回はイリスとルカが北の都へ行くに当たり監視がつくんですが、この監視役がナイス当て馬。
女なのに当て馬状態って珍しいなあと思ったけどなんか毒されてる。
いやだって少女向けは 男−女 ←男 であることが多い感じで今回は 女 男←女だからね。しかも若干のヤンデレの気配。

アビール涙目笑った。マトフェイは台詞がいちいち脳内で音声再生される。関西弁め!

幽霊伯爵の花嫁 (小学館ルルル文庫 み 4-1)

デビュー作。
フェルナンデス侯爵家の娘だったサアラは領地や家族をとうの昔になくし遠縁のヒルベルト家に身を寄せていた。貴族ではないものの経済的に豊かなこの家の跡取り息子と婚約し暮らしていくはずだったが、ヒルベルト家周辺を含む一帯の領主を介してコルドン伯爵への縁談が舞い込んだ。サアラは婚約を破棄し、墓守の幽霊伯爵のもとへ嫁ぐことになった。

サアラのキャラが新鮮でおもろかった。物怖じしないしたたかな悪女(超美女)系? 謙遜はしたことないしこれからもすることはない。自分の美貌は武器! とか、深夜自分の部屋に現れた幽霊にこんこんと礼節についてを説教する。

望まれない政略結婚、よそよそしい使用人、不気味な屋敷のあたりは死神姫のアリシアと通じるところがあるけど(※ただし背中合わせ程度の違いさ加減!)みたいな。サアラのほうが相当肉食系女子。プリハーのジルも混ぜればいいんではなかろうか。

帯のあれはただのツンデレっぽいけど、引用元を読むとえらいいい感じだ。125ページ付近と275ページのあたりが好きだ。あとジェイクは可愛い人でした。

吉原夜伽帳-鬼の見た夢- (小学館ルルル文庫 み 3-1)

吉原が舞台です。えろい方向ではなくて事件もの? 吉原だけに明るい物語ではありません。この薄暗さはいい。
わたし時代物はそんなに読まないのですが、ちょっと時代物を読んでる気分でした。
ずっと積んでる吉原手引草読まないとなと思いました。

外道菩薩と呼ばれる白髪赤目で妓有1青年弥太郎のもとに奇妙な来客が現れる。
ひとりの元遊女の不審な死と顔のない仏像。増える死体。愛憎。

改稿前からときめきやラブ成分大幅増量って改稿前はどんなんだろうか。
ちなみに私の最初のときめきは28ページです。ちょうときめき。弥太郎がいろいろ破綻している凶暴美形でよい。弥太郎と末葉はもちろんのこと弥太郎と尾高も好きだし末葉と夜菊も好きだしこの世界は美味い。

これは「81ルルルドラマチック小説賞」で、ドラマCD化前提の新人賞2なんですが、吉原夜伽帳はビジュアルありで見たいなあと思いながら読みました。死体の顔がはがされてたりきついシーンもあるんだけど3、死人桜の前のシーンとかは超映えると思う。

余談ですが扉ページで「ミズサワヒロ」を「ミズシマヒロ」と一瞬読んであれっと思った私です。

  1. 知らなかったのでぐぐってたら女郎の世話をする下男、時に用心棒 だった。 []
  2. この作品は文庫デビューのみ []
  3. でもうみねこはやってるしなあ []

聖グリセルダ学院の祭典 (ルルル文庫)

春になりグリセルダ学院にも文化祭の季節がやってきた。
エステリアが立ち上げたラララ叢書の布教兼愛読者の会「ラララの会」に続々と加入する。ティエサのようにラララ叢書好きもいれば頭数のために入れられたものも下心ありありで入会したものも。
春からの入寮者としてようやくラエンハルス公の娘が入学してきた。ティエサが学生生活をおくるきっかけになった護衛対象だ。シアーハは入学早々演劇同好会のアマリアから「250年前の悲劇の王女グリセルダ」を題材にした物語の「影の特使」に熱心に勧誘される。
その頃学院で事件が発生する。

ルシン兄の再登場はよいな! ルシン・主様の小姑連合ふいた。ルシンはともかく主様は弱い壁だ。
あとティエサが「わたし普通者になる!」とか宣言しているのがアホ可愛い。そうやって宣言している時点で既に普通ではない。アホだ。ラストがびっくりするほど少女漫画! いや学園モノ的にこれは王道。
8月9月連続刊行! の場所はそこでいいのか? と思いつつ1いつかはあると思ったけどやっぱり月刊グリセルダがはじまるようだ。

  1. 巻末の宣伝ページでもよくねー? []
PAGE TOP