シスター・ブラックシープV  花嫁の聖戦 (角川ビーンズ文庫)

シスター・ブラックシープ最終巻。

前回ユリエルの窮地を救うために悪魔と地獄に消えたコンスタンティン。

悪魔がコンスタンティンを地獄に連れてきて以来ふたりの間には妙な距離感があった。地上で「男装の少女」と「黒猫」であったころのほうがもっと接触があったぐらいだ。悪魔は付かず離れず、コンスタンティンが屋敷内で道に迷ったりすればすぐに現れ、お姫さまに接するように甘やかし見守った。しかしそこには遠慮があった。
コンスタンティンは屋敷にあった魔鏡から今のサクスの様子をうかがい知る……。

悪魔は巻を追うごとに人間ぽくなってきてるなあと思ったらそういうことかよ! とおもった。
この思いと記憶を捨てることなどできぬ! とかいってる悪魔はとてもよかったです。
あとな

「一人で行くなど絶対許さぬ。そなたは吾が妻なのだ。吾輩はそなたの夫なのだ」

(P69)

妻とか夫とか何回も目にしてきたけどここが尊大な感じがまるでなくて小さい子が懇願する感じで転がった!

聖務停止のなか街のひとのためミサを開いたり、玩具の味はどうだといってたり、地獄まで乗り込んできたりするのに女性の部屋に勝手に入ってすみませんとかいうユリエルは本当にユリエルで強くて可愛らしい。

エリカはすごくエリカだった! サクスの人々がすごくいきいきしていてよかった。
楽しかった。いい物語だった。