「米津玄師のライブ1回行きたいんやけど一緒に行かん?」って友達を誘ってCD先行で「あっ取れたわ」っていう話。米津ライブは席番は当日発表形式で、11ゲートに来てねっていうのだけは知らされていた。
そして発券してみたら「下段4列」の文字。前後で発券した人が口々に「よっしゃ下段や」って言ってたので「あーええ席なんやろなあ」と思って言ってみたら「えっまだ降りれるん? えっまだ行けるん????」と思いながら席についてみたら……
メインステージ寄りのセンターステージのド正面でした。ビギナーズラック大放出回1
1塁側だったのでステージはちょっと遠いです(主観ですが、米津立ち位置は3塁側寄りだった気がする)

わたしは普段ヘドバンしたりキンブレを振り回したりステージ上に歌姫バンメン含めて50人ぐらいいるだろうなっていう現場にいるんですが、米津玄師の現場はAimerが一番近くて、でもほかに類するものが割とない現場でした。

何が一番違うかって「こんばんは米津玄師です」的な自己紹介やツアータイトルの口にすることがない。
アンコールでTシャツとかタオルとか、物販アイテムを身にまとうことはない。でもなんか客席に投げ込んではいたので、あっそれはするんやと思った。MCは少なくてトータル3回ぐらい。うち1回は幼馴染らしいギタリストが「俺とヨネ」を語った。米津玄師はバンメン紹介はしたけど、このギタリストは「ヨネの音楽は最高だったか?」と客席に投げかけはしたけど、「ボーカル米津玄師!」とは言わなかった。

米津玄師のライブ構成は暗転後ツアータイトルが出て、いきなり歌、歌、歌。
京セラドームという「普段音楽をやるために作られていない会場」においても音楽が乗る響き。音圧がある。メインステージ寄りだからかな、と思ったけどMCはちゃんと「声が遅れて聞こえるよ」があった。

すごいなと思ったのは「喉からCD音源」なこと。CDのレコーディングって「何回か歌った中のベストテイクをつなぎ合わせたもの」と思っているんですけど、「音源と限りなく同じで、でも一緒かと言われるとそれは違う」って最初から最後までずっと続くんだわ。
あと広い会場で広いステージなんだからばんばんレーザー打って、ばんばんステージにあげればいいじゃんと思うけど、ステージにいるのはボーカル時々ギタリスト兼任の米津玄師と、ギター、ベース、キーボード、ドラムのバンドスタイルが基本。
「この時だけめっちゃダンサー出す」「この時だけめっちゃレーザー打つ」「この時はスターマインか??? と思うほど炎あげる」ていう感じで「基本は自分ソロアーティストなんで自分のマイクだけでやらさせてもらってます」とばかりに「ボーカルが一番映える感じで」やってるのかっけーなって思った。
一番うれしかったのは「Plazma」のあの超かっこいいキーボードソロが生で聞けたの超よかった。あそこ超好き。

ほとんど暗転した状態で赤い照明を浴びて歌い始め、その後感電のあのイントロが始まった時、あっここ数年で一番見たドラマの曲と思った。母の死後、何も摂取する気がなかったのでずっとMIU404を作業BGVとして感電があの3か月ぐらいで一番聞いた曲だと思う。逆にLemonはまったく聞けなくて、めっちゃ泣いたらどうしようと思ったらそんなこともなくて、逆にMCで語られた「俺と徳島(特にドーム公演にあこがれを持てなかった理由)」と「インターネットに救われた話」のほうがぐっと来た。
ちょうど10歳違いで、車で20分ぐらいの距離に住んでいたはずなので、10代の米津玄師と20代のわたしは似たような空気を吸ってたんじゃないかなあと。具体的には徳島のオタクは行くところが少ないので、同じ本屋に通ってたんだろうなあと思う2
でも米津玄師はヒゲガン3は地元の環境の都合で見れなかったってインタビューで言ってて、えっわたしは見れてたよ! って思った。

さっきも書いたけど、わたしはヘドバンとキンブレが当たり前の文化圏で生きているので、米津玄師のファン層はあまりに「おとなしい」と感じた。それは「奇抜な服装や明るい髪色」が少ないこともそうなんだけど、暗転しても叫ぶ人が少ないことや、スタンド前列とはいえ「座っている人」が多いこと4や、「大阪公演なのに誰もステージに話しかけない」ことや、「今目の前で歌っているのにミーアキャットのように直立不動な感じの人が多かった」こと。
のってないわけではない。「米津玄師の音楽に聞き入る」環境がそこにあったから、「あの人がご本尊ならそうなるわな」っていう感じだった。

「あの人がご本尊」こと米津玄師の話をするけど、あの人の顔をまじまじと見ることはそういえばあんまりなかったけど、なんかかわいい人だなと思った。「多分めっちゃ高価なんだろうけど、わたしは見る目がないのであれはユニクロだよと言われても一瞬信じるぐらい普段着に近く見える」衣装なので、上1枚半分脱いでみても下は灰色の無地の衣装で「風呂上がりの高校生」を見る感じで色気めいたものを感じる要素がないということだ。
ギターをかきならしてるときにちょっと鬱陶しくなったのかかきあげて、でも目が半分隠れて、おっいいねとなったわたしです。だってわたしは死神のMVで「こんな2次元みたいなビジュアルの人が3次元にいるのか」と認識したぐらい。
菅田将暉のオールナイトニッポンゲスト回は繰り返し何度もきいていたので、「言葉の選び方が面白い人だ」と言うのは知っていたけど、「そういえばこんなに顔をまじまじと見たのは初めてだ」とおもったのが確か2曲目ぐらい。
わたしはドーム公演に行くのは2回目なんですけど、なんかえぐいぐらいでかい縦長のモニターが設置されていた。あれは普通のサイズと思わないほうがいいとは思っている。だって色んなアーティストで「炎を使った演出」は見たけど、あんなスターマインみたいにぶちあがる演出は見たことがなかった。

「メディア露出少なめで引きこもって音楽を作っている人」があんなずっと歌い続ける印象はなかった。直立不動で歌うわけではなく、がっつり踊るというわけではないけど時折振り付けめいたものはあった。おっやったな? と思ったのは「さよーならまたいつか」でやったあのピースとか、「BOW&ALLOW」のフィギュアのフィニッシュポーズ的なあれ。
歌った後MCあっても肩で息する感じはなかったところはPerfume感あった。

あっ男性ファンから「愛してるよー!」って投げ込まれて、「愛してるよ」って返してるところは「これTwitterで見た」って思た。お隣さんは男性だったし前は小学生ぐらいの背の子だったし、高速バスで米津グッズを抱えていた人は高齢の母親と娘って感じだった。

これは帰りに友達にも言ったことだったけど米津玄師は日本有数の認知度を誇り、多分経済効果がすごくてめっちゃ稼いでいる5と思うけど、本人は「俺売れっ子ですけど?」みたいな感じが一切ない謙虚さがある(でもステージ構成的には「俺の音楽」には自信があるんだろうなと思う)人だなと思った。
まじでうちのRevo陛下となんかの間違いで対談とか一緒に仕事をする機会があってほしい。

  1. 一緒にいーこうって誘った友達が鳩のビギナーズラック強運席の恩恵をめっちゃ浴びてるらしい。あんときもあんときもそやったなと言われた。 []
  2. 今の10代20代オタクはアニメイトが東新町にあって、南海ブックスも宮脇も小山も名店街の本屋もないので時代が違う。 []
  3. ターンエーガンダムのこと []
  4. ステージがよく見えてありがたかった []
  5. めっちゃ寄付してるとも見た覚えがある []