カテゴリー「 読了 」の記事

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ファンタジーが生まれるとき—『魔女の宅急便』とわたし (岩波ジュニア新書)

魔女の宅急便原作角野栄子氏の自伝+魔女の宅急便創作秘話、的なもの。
子どものときから読んできた本・書く側に回ることになったきっかけ・魔女の話。
大学卒業してその後就職したり結婚したりするうちに国が推奨している「ブラジルへの移民」としてわずかなお金を得て船旅で2ヶ月かけてブラジルへ行ったとか。ほんの数十年前なのにそんな時代もあったんだなあと思う。

ドイツ語では魔女のことを「ヘクセ」という。これを古い言葉までたどっていくと、「垣根にのぼる人」という意味があるらしい。垣根、それは城壁とも言える。その高いところにいて魔女はあっちとこっちの世界を見ていた人だったのだ。

(P105)

思わず東方ウィッチクラフトを思い出す。

東方ウィッチクラフト—垣根の上の人 (コバルト文庫)

お嬢さま大戦

読む順番間違えた。これが全四冊のうちの最終巻で、書下ろしは高等部への受験とかそんな感じの。
でもおそろしく記憶ははっきりしていた。10代の記憶って凄い。
収録されているのは「お嬢さまと無礼者」「お嬢さま大戦」そして書き下ろし「受験戦争と平和」
あとがきで本編では明かされなかった裏設定・裏話が公開されていました。

世間ではライトノベル作家が一般小説のジャンルに移行することはステップアップとみなされるようですが、実は私はライトノベル界を卒業したのではなく、放逐されたのです。私がライトノベルを棄てたのではなく、ライトノベルが私を棄てたのです。
よって今回のお嬢さまシリーズ復刊で、私は非常に救われた気持ちになり、また、新作短編4本を執筆するチャンスをいただいたことは、ささやかな再チャレンジであり、リベンジでもありました。

(あとがき P360)

これが印象に残る。

だらしな日記—食事と体脂肪と読書の因果関係を考察する (幻冬舎文庫)

気になる書評家双璧の片方1、藤田香織さんが日記本を出していることを知ったので買ってみました。
内容は2001年から2002年1月まで。主に日記とごはんです。あと本のこともちょろっと。
あとがき曰く「フリーになってまだ数年。何でも屋状態から書評家への過渡期」
タイトルにもある「だらしな」、藤田さんは掃除洗濯運動がとても苦手な方だったのだ。その辺も包み隠さず書かれているので潔癖症な方には想像しがたい世界が広がっている……かも。

内容はというとこんな感じ。ちなみに最新はこちらです→Webマガジン幻冬舎

かつてすべてがEになる—I Say Essay Everydayを出した幻冬舎だけあって文字が超小さい。縦書き・文庫ですが段組されています。そして370ページ弱あります。

  1. もう片方は三村美衣さんです []

ペルソナ3ポータブル ベルベットブルー (ファミ通文庫)

P3Pノベライズ。P3Pだけに主人公は女1ですが、この話の主人公はベルベットルーム組です。もっというならエリザベスです。時間は12月末?1月下旬なので少なくとも終盤までプレイ済前提です。
P3のみでも大丈夫かなあと思いつつテオドアがいるので……。

エリザベス料理の「のようなもの」わらった。イゴール主なのに虐げられまくっている。和む。
ベルベットルームの日常が垣間見れる! 目を閉じたイゴール(の描写)が見られるのはこの本だけ!
しかしP5が出てそれにイゴールが出ていてももうP4までのイゴールとは違うというのが寂しい2

ハム子だとミックスレイドは存在しないのだけどもここは見せ場ということでミックスレイド有でよかったなあと思う。一瞬出てくるけどガキ先輩ルートだった。ていうかさらっと触手がでたよ! びびった。

P3Pハム子学園の日常もノベライズが出ないかなと思うのだ。ハム子を選ぶととても乙女ゲー的展開が広がっているのでビズログで! ペルソナ4 Your Affectionみたいなやつがいいです。未プレイ者お断りみたいなのでもいいので。

「真実はテオ。貴方のみぞ知るとわたくしも思っております。さ、吐きなさい」
「で、ですから! 滅相もないと——」
「メギドラオン、でございます」
この後。四度、テオドアはエリザベスにメギドラオンで吹っ飛ばされ、最期は涙ながらに白状した。

(P34)
  1. 以下ハム子 []
  2. イゴール役田の中勇氏はこの1月に逝去された。とてもショック []

バカとテストと召喚獣7.5 (ファミ通文庫) (ファミ通文庫 い 3-1-10)

短編集。ついに表紙に登場アキちゃん。

僕とホンネの召喚獣はよいね! 駄々漏れだね! 久保君歪みねえ!
ムッツリーニの中身とか、年相応の健全男子たる雄二とか、どこまでも天然明久とか、どこまでも2人の世界を展開する雄二と明久とか。サモンの罠に笑った。
あと(ガタッ とか(ブシャアアアア とかtwitterを連想しすぎて最早どちらが本家か分からないような状況。

美波がすれ違いラブコメフラグを、かたや姫路さんは同居モードへ突入するものの「変態という名の淑女」「些細な戦略などフルボッコにする程度の殺人コック」レベルを上げている……!
同居ということはムッツリ商会に大枚はたかなくてもやりたい放題じゃないか! 
どうなるんだ8巻。もしくはX.5巻。

「雄二。ここから先は地獄への一方通行だ。逃げられると思うなよ……!」

(P141)

ここだけ見ると無駄に格好いい。

まあ内容を一言で言うと「うららさんおめでとうございます」に尽きる。

プールの底に眠る (講談社ノベルス)

2008年と1995年を行き来しながら語られる物語。

2008年の僕は殺人未遂の容疑で留置場にいた。追憶しつつ話は進んでいく。
13年前・95年、僕は裏山で「セミ」と出会った。セミは裏山でロープ片手に自殺しようとしていた。
セミという名前は僕が名付けた名前で、セミは僕のことをイルカと呼んだ。そして幼馴染みの由利、カバの呪い、野球の勝負、セミと過ごす1週間。

ラストは「どういうことなんだ!」というもやっと感はあるけど、95年の話は確かに「いつまでも読んでいたかった」と思うような物語。

プールの底に眠る特設

待ち人にイライラしたり、相手の親が出るかもしれないドキドキ感や、テレホンカードの残数にやきもきしたりすることが、全てマイナスだったとは思えないのだ。
擦れ違いは確かに減った。でも、その分、人との摩擦することも減った。僕らは心を不用意に揺り動かされることはなくなったのだ。

(P95)

SH@PPLE—しゃっぷる—(8) (富士見ファンタジア文庫)

短編集。ちなみに次巻で完結のようで、完結前に短編集か……と思ったら完結前に読んだほうがいいんじゃないかなという1冊でした。文学少女でいうと月花を孕く水妖ポジションだった。

3話やばい。
学園異能しゃっぷるである。何回と死んだ。わたしこういうの好きだよね……と再確認する。
2話の図書館の延滞者殲滅週間のたすきをかけて気勢を上げてるシーン(P81周辺)はあの雰囲気が懐かしい。東方ウィッチクラフトの御学祭の直前1のようだ。
どの話もよかった。笑えるし小さい双子は萌えるしとても面白かった。

  1. 神様はダイスを振らない []

私の家では何も起こらない (幽BOOKS)

書影では黒っぽくなっているところが金色できらきらします。
短編です。ぞわっとする感じのホラーです。びびりがうっかり夜に読むとあばばばばばばばとなります1
どれも怖いんですが大工の話「俺と彼らと彼女たち」でちょっと救われた気がした。こわい。
でも好きなのはびびった2話「私は風の音に耳を澄ます」「俺と彼らと彼女たち」「奴らは夜に這ってくる」
「夜を這うもの」でニャル子をおもいだす。

  1. つまり私のことである。1話はともかく2話はやべえええええとなった。 []

忙しい日でも、おなかは空く。

料理のレシピとそれにまつわるエッセイかと思えば台所回りのあれこれや茶器とかについてもある。
「ささみのだしの卵のスープ」「きゅうりのライタ」はなんだかとても気になるので作ってみようと思います。

子守り魔王と姫騎士団長 (B’s‐LOG文庫)

あらすじとかイラストとかそういう外見的にはまるで興味をもてないんですけどもヤンキー巫女逢桜伝の人の2作目なので買った。こういう博打的なことを久しぶりだなあと思う。しゃっぷる1巻以来?

今度も神話系です。スペインによる南米征服後! コンキスタドーレス! コンキスタドーレス!
無駄にテンションが上がりました。SoundHorizonライブで披露された新曲「海を渡った征服者達」について調べるためにコンキスタドーレス関連本を読んだところだったのでとてもびっくりした。(→海を渡った征服者達
魔王様赤髪でなくてよかったな。もし赤ならシャイタンシャイタン!と騒ぐところであった。

恋愛要素はこの巻ではとりあえずなし・子守魔王は裏表紙のあらすじ通りの「超いい人」
ヤンキー巫女のようなすっきりさっぱり!みたいな主人公ではありません。
梓と同じく苦労人ではあるんですが、「他に適役がいる1騎士団長というプレッシャーと義母からの嫌味に耐えぬく苦労人な良い子」でそれなりの湿っぽさも持った割と普通っぽい子です。

このファンタジーの南米割りみたいなこの世界観は結構好きです。なんせイヴェターンの国。

地味に衝撃だったのがあとがき。そうかペルーの人はアルパカも食用なのかと。毛をとるようだと思ってた。
あとゲテモノ食いのなかにワニが普通にありましたがえ……と思った私。焼き鳥屋でワニとペンギン食べました。ワニは鶏肉っぽい味でした。まあワニって言われんかったら分からんし。

  1. と自分では思う []
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