麗しの島の花嫁—恋を舞う姫君 (コバルト文庫)

コバルトの1冊完結。政略結婚で悲恋ものです。
方向的には片恋トライアングル 1 の最後に載ってた読みきりが近いかも。

大国セテミアから属国カジャクタルに嫁ぐことになったイレナ。
カジャクタルはセテミアからは船で2週間の南国の島国で、結婚相手となるのは第3王子のアルジュナ。
お互いに急に湧いた望まない結婚だった。

イレナのほうが男前でした。男前というか腹が据わっているというか。
一番ほしいものは手に入らない、王族の務めを果たすと覚悟が決まってる辺り。
なので「男子たるもの潔くあるべし」みたいな人にはおすすめしません。

練習含めて暁の花嫁のところが好き。ていうかダンスが出てくる小説は私好きな傾向にあるなー。

ヌサ・インダーは実在する花とあとがきで見たのでぐぐってみた。表紙の花よりヘンドリックのリボンの色のほうが似ている。バリ島関係がよく引っかかってきたから舞台のモデルはバリ島あたりなのかな。

<ネタバレ>
ルーディを側室にすればいいんじゃねとか一瞬思った。妾を持つこと自体は第2王子の存在からしても大丈夫だと思うんだけどそれやったら話が成り立たないから!って思った。
</ネタバレ>

「王族というのは食べものにも着る服にも、住む家にも困らない。黙っていても皆がかしずく。わたしたちは民の恩恵の上に生きているんだ。だから王族は彼らが安心して豊かに暮らせる国を築いていかなければならない。そのために犠牲になることを、拒んではならないんだ」

(P136)