カテゴリー「 読了 」の記事
1988件の投稿
いい青春ミステリでした。
米澤穂信の古典部シリーズとか似鳥鶏の理由あって冬に出るが好きな話は読むといいと思うー。
高校1年吹奏楽部、ハルタとチカの話。日常の謎系のミステリ。連作短編。
好きなのは「エレファンツ・ブレス」「退出ゲーム」
吹奏楽部だからといって吹奏楽部的要素(合奏とか曲とか練習とか)は薄いのでその辺は今後に期待してみる。続き希望ー。
段々自虐的になるチカの自己紹介が毎回の楽しみだった。
登場人物の喋りがおもしろい。ハルタ可愛いよハルタ。
しかしエレファントブレスの真相は衝撃的。ぞっとしたー。
「彼女がガチャピンをはねた日」が死ぬほどツボった。
船長が南の島から持ってきた卵から孵化したのがガチャピンだから保健所に通報しよう派の彼氏VS中に人が入ってるかもしれないから総合病院に連れて行こう派の彼女。
これで普通に劇としてみたかった。やべー。
「きみたちがこれから経験する世界は美しい。しかし同時に様々な問題に直面するし、不条理にも満ちている。僕は成島さんが無理に吹奏楽の世界に戻らなくていいと思っている。だがもし、立ちどまった場所から一歩踏み出すきっかけをだれかがつくってるくれるなら、それは大人になってしまった僕じゃなくて、同世代で同じ目の高さのきみたちの役目であってほしいんだ」
(P98)
「最近の坂木司ダメダメだったけどこれはよいー(意訳」と巡回先の方が言っておられたので手を出してみる。
確かにこれはちょっとよかったー。よかったけど親世代がでてこなければもっとよかったとおもう。挫折するかと思ったところは全部親の話のところなんだよなー。
先生除く親世代が揃いも揃って「男は偉い」「女は大学とか行かんでいい嫁に行け」という古めかしい考えの男尊女卑フィーバーだったのがとても受け付けない。
関東地方地味な県無難で全体的にゆるい進学校の、特にゆるい天体部の3年生4人組の話。
とても個人主義な人間ばかりの今年の3年生は1年以上同じ部で顔をつき合わせているのにお互いのことは良く知らなかった。ある夜、コーヒーショップで4人は偶然遭遇した。
昼間はクラスもグループも違うしもし同じクラスであっても付き合ったりしないだろう組み合わせ。この夜をきっかけに4人は仲良くなった。べったりしたつき合いではないけど。
ゲージとジョーが好きだな。ゲージは馬鹿っぽいところとジョーはいちいち「蜂蜜じゃないし恋人じゃないけど」って律儀に言うところが。
「うまくやるかどうかはあんた次第。泣くほど好きなら、自分で守ることも大事なんじゃないの」
ギィの言葉に、俺は密かに撃ち抜かれる。好きなものを好きだと言うのは、子どもにだってできること。けれど好きなものを守るために、俺は一体何をしたというのだ。(P259)
本の中に入りたいんですがどうやったら入れますか(真顔)
凄くときめいた。もったいないのでちまちま読んでいた。
とある田舎町美奥(びおく)を舞台にした連作短編(短編ががっつりリンクしてる系のものではありません
話的には「風の古道」「夜市」方面だな。
雲が空を流れていく。風が吹き、四方を囲む崖の上の森が騒ぐ。
野原の中央に、卵型の大きな岩があった。太い注連縄がしてある。
最初の瞬間には確かに<やったあ、俺たち素敵な隠れ野原を見つけたぜ>という興奮があったのだがそれもすぐに冷め、ここは大昔から美奥にある入ってはいけない場所、恐ろしい場所、そんな印象がどんどん強くなってきた。(P13 けものはら)
共通しているのは日常のすぐ隣にある異界。迷い込むと異質な存在にかわってしまうよー。
というか尾根崎に住みたいです。尾根崎地区に住みたいです。
好きな短編は「屋根猩猩」と「けものはら」と「天化の宿」
「屋根猩猩」は「馬鹿な男子に一生消えないトラウマを与える100の方法」とか、ぶぶっと笑えるポイントがあるのに最後でギャーーーッてなった。予想外。あれはこわい。
「天化の宿」はカードゲームであるところの「天化」がやってみたいなとおもった。
ちょっとカタンぽい。
「けものはら」はあの風の古道みたいな迷い込み方にきゅんきゅんする。
似たような木造瓦屋根の古い家が、密集して立ちならんでいます。江戸、明治、町屋、文化財、そんなキーワードが脳裏にちらつく街並みでした。屋根を見上げると、どの家にも猿だかヒヒだかの、動物だか怪獣だか妖怪だかよく分からない像が置かれていました。
(P63・屋根猩猩)
ときめきしかない。
きみが見つける物語恋愛編で異様に気になったので読んでみた。
短編集だった。
あおぞらフレークの不穏な気持ちがなぜ警告音として聞こえるようになったかとかの説明はあるのかなーと思ったけど特になかった。たぶんその謎は「文学少女の遠子先輩は何故本を食べるのか?」みたいなことなんだと思う(答え:そういう話なんだよ!
他の短編も背中に羽根が生えている子だったり、文字通り地面から15cm浮いている子だったりだった。「つきのこども」の磨布の父が普通にきもすぎた。アウトだった。中3の娘の体の点検が日課なのである。身長体重ならまあ、うわっ……て思うだけだけども裸でスリーサイズほか各種を測りあっちこっちの目視もある。下腹部も含まれる。
もし主人公と年が近いうちにこの本読んでたらトラウマになりそうだ……とおもった。
「あたし、時間がないの。いつもいつも時間ばかり過ぎてしまって、あたしは時間ばかりが気になって、気にしているうちにもどんどん時間が過ぎていって、みんなはどんどん変わっていくのに、あたしだけが何にも変わっていない」
(P105)