カテゴリー「 小説 」の記事
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桜庭一樹読書日記に載ってた本がふと図書館で目に入ったのでここで会ったが100年目の御縁と思ったので借りてきました。
キリハラキリコという子が書いた日記。
日記といってもそんなやつおらんやろ(゚д゚)というひとたちがたくさん出る。
例えば月に1回、1日は女子限定ラーメン100円になるラーメン屋さん。
この「女子」には厳密な判定がありおばさんは含まれない。店の奥には判定委員が控えており、おばさんに認定されるとその人は生涯おばさんであり、「そこのお姉さん」ではなく「そこのおばさん」と呼ばれるようになる。おばさん認定されたくなければこの店に来てはいけない。
他にもヅラかどうかを見分けられる(それ以外はできない)博士とか暦屋親子とか不思議ワールドである。
1学期から3学期まで、4月8日から3月30日までの日記がある。乙一の小生日記が好きな人なら読んでみるといいかもしれない。かなり笑えてしまうので読む場所には注意が必要。
元々携帯サイト配信のものらしく1日分はとても短い。携帯サイト配信といってもいわゆるケータイ小説的なものではなく森絵都のショート・トリップのようなもの。
「サノ。冷え性を女だけのものと思うな」
「つ、冷たい、先生離して……!」
「駄目だ、味わうがいい。不整脈、糖尿病、禿、数多の生活習慣病を抱えた中年男性の哀しき低体温を」
「い、いやあっ! ハゲは関係ない、先生、ハゲは関係ないわ!」
「馬鹿者。お前たちはその膨大な髪の毛によって頭部から放出される熱量を最小限に抑えている。しかし我が禿頭はちがう。毎分毎秒、想像を絶する熱量を頭部から放出しているのだ」(P173)
日常の謎系?
短編集で、主人公は元探偵今宅配便のドライバーの独身男性、寺坂脩二。
荷物を届ける先やご近所でトラブルに巻き込まれたり。で。
久々に読んでてキーーーーってなった。話自体はとても面白い。でも登場人物が!登場人物が!
いけ好かん女じゃ塩もってこい塩ーーーーーと思ったり(みどりのおじさん・銀幕の恋人)
ろくでもないひきこもりのクソボンがーーーーーーーーと叫んだり(透明な面影の前半)
とらドラの2巻を初めて読んだときのような、これはもしかして作者の術中にはまっているのかーーー(でもそんなの関係ねえ!)とか思いながら読んでました。最終話のウサギたちの明日は癒し。ほっとした。
いやもしリアルで身近に森田母とか利津子みたいな人いたらぶん殴るよね(゚д゚)
しばらくちょっと缶詰恐怖症になります。ああああこええええ
ファーガル・バムフィールドはある日コレクション趣味をもった。集めるのは缶詰だ。
缶詰といっても特殊な缶詰ではないし外国のものでもない。ふつうにスーパーで買える缶詰だ。ただしラベルが剥がれているもの限定。
特価品ワゴンで安売りしているラベルのない缶詰は何が入っているのかさっぱりと分からない。野菜入りかもしれないしふつうにスープかもしれないしもしかしたらペットフードかもしれない。その中身が分からない感に惹かれてかファーガルは1個2個とコレクションを増やしていく。開けずに本棚に並べてさらに3個4個と増やしていく。50個になったときさすがに息子の趣味はおかしいと思った母はこれ以上増やすのは駄目だという。欲しければ1個開けなさいと。
そしてようやくファーガルは缶詰を開けることにした。カラカラ音がする缶の中から金のピアスが現れた。ひとつ開けたから缶詰を補給してまた開けてみる。そこに入っていたものは……
ちょー直球タイトルである。表紙はポップだが中はそれほど明るくない。
というか途中から超展開になる。ラスト2章の恐ろしさは異常。正確には章タイトルが恐ろしさの所以。ずっと読んできてこの流れでこの章タイトルをみた時が恐ろしかった。震え上がった。夜中に読み進めてもいいものかちょー悩んだぜ……
短編集。
いつも使ってる小さなねじ回しが急に見えなくなったり物陰に誰かがいるような気がしたりふと顔をあげると誰かに見られてるような気がするのは本当に誰かがいるためだ。それを異人類といい、研究しているのが奥多摩の大学の文化人類学専攻の紫門教授とその助手、吉元嬢である。
自分は触ってないねじ回しに足が生えてどっかに歩いていったという類のいい訳ではなく、私は妖精が見えるのウフフフという類の人ではなく、本当に異人類はいる。教授と吉元嬢はフィールドワークを通してコミュニケーションを取ったりもしている。
登場する異人類は「穴居人」「盲点人」「無人島人」「物陰人」「混戦人」「痕跡人」「風下人」以上7人
話には直接関係ないし伝聞のかたちでしか登場しないけど首相が気に入った。
実際こんな人が首相だったらどんな平和な国でもアウアウ!だろうけど。
朝から今日のお昼はカレーだとか、今日の晩ごはんは絶対にカツ丼だと決めてかかったとき、人は絶対にそれを食べないと気が済まないときがある。
それをして嬢は口が○○になっていると表現する。つまり吉元嬢は絶対に晩ご飯はきつねうどんでないと嫌らしい。(P188)
これ使う(゚д゚)今日は口がお好み焼きとか。
表紙に惹かれてふらふらふらと借りるの巻。
すべて奪われた少女ギリーは国で一番の武将に復讐を誓う。武将の名前はマクベス。
シェイクスピアのマクベスを魔女のひとりの視点で書き直した話、らしい。
マクベスどころかシェイクスピア読んだことないのでさっぱりですが。
度々出てくる
私は自分を一本の矢にしてきた、そしてあいつの心臓がその的。私は自分の人生を一本の短剣にしてきた、そしてあいつの死がその納まるべき鞘。
これが好きだ。
苦難の中で生き抜こうとするギリーの強さとか、止められても色んなものを投げ打って幸せになれそうな感じの道が用意されてても復讐するという執着心には恐れ入ります。
読みながら大地をわたる声を聞けを思い出したわー。
あれも10代女子が妹を殺された復讐のため旅に出る話だし。