カテゴリー「 小説 」の記事

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タイム屋文庫

OLをやめて亡き祖母の家でタイムトラベル関係の貸し本屋をはじめた女性の話。別に誰かがタイムトラベルする話ではなくてどっちかというと恋愛方面の話。
タイムトラベルな本でライオンハートが出てきておお?と思った。恩田陸のあれかな。

けどリスがもっと話に絡んでくるもんだと思ったけどある日するっと消えてしまったのが???となった。
前半で期待したほど惹かれるものはありませんでした。

工学部・水柿助教授の解脱

エッセイのような小説。個人的には一番最初の巻の「日常」が好きだ。
読み終わった後ぐぐってみて、あ本当に森博嗣引退するんだなあと思った。

くますけと一緒に (徳間デュアル文庫)

書影があるのを選んでみた。私が読んだのは図書館本なので今は亡き大陸書房版です。
新井素子といえばチグリスとユーフラテスぐらいしか読んだことがなかったので、「新井素子初心者に薦める1冊」とかないすかーと色々聞いて、とりあえず1冊目はこれ。

子どものいない夫婦と、10歳になってもぬいぐるみが片時も手放せない子ども(両親死亡)が家族になっていく話……なんですがラストスゲーよ。
新ジャンル:ぬいぐるみ、ただしヤンデレ

参考:ライトノベル読みにキーワードで勧める「新井素子」初めの1冊@今日もだらだら読書日記。

ぼくは落ち着きがない

図書館小説。これは面白かった……
漫画でいうと共鳴せよ!私立轟高校図書委員会、ラノベでいうと生徒会の一存みたいな感じだ。

桜ヶ丘高校の図書室は「図書委員」と「図書部員」の2つでできている。図書委員は嫌々ながら引き受け2学期になるころには来なくなるクラスの代表1名。
図書部員は数代前に「このままじゃ駄目だ!(読みたい本も入荷されない!」ということで自発的に管理運営を行う部だ。

「望美、トンちゃんがさぁ『カツクラ』に載ったんだよ」(P13)

いきなりハートをキャッチされたところ。あのかつくらです。はい。

ところで世の図書委員はそんなになり手が少ないのですか。私が高校生の時は図書委員談合が毎学期ごとにありましたよ。

図書委員談合……誰が今学期の図書委員(定員2人)になるか事前に話し合って決めること。図書委員になるメリットはカウンターに入れること、掃除場所が図書室であること。ちなみにうわさに聞く「購入本の選択権」などは一切ない。

そういう健太郎だって、ついこのあいだ幸治と2人、次に買うべきテレビはプラズマか液晶かで激論を戦わせていた。動画速度が、とか、アリスパネルが、とか望美ですらなんとなしに聞いたことのある単語が頻出して面白かった。
(略)
議論がエキサイトした末に健太郎が放った「そんなに世界の亀山工場が好きなら亀山に住めよ!」という啖呵が望美のベスト賞で、「二人とも家で今使っているテレビはなんなの」と最後に部長に聞かれ「ブラウン管です」と口を揃えて終わったのも美しい着地と思う。

(P50)

それで文芸部の展示は当初の予定通り占星術の特集になった。演出の一環として、部室の床に悪魔召還のための巨大な魔法陣を描くことにし、シルバーのテープで円を描いたところまではよかった。
「悪魔召還? それは占星術というか、ゲームの『女神転生』だよね」

(P159)

笑う招き猫

読み終わってから山本幸久のデビュー作だと知る。漫才コンビの女性2人の話である。
漫才コンビかつ女とすると最近は海原やすよともこがお気に入りです(゚д゚)

漫才コンビの話といっても、成功物語がメインではないし、爆笑ものではないし、夢(将来はカーネギーホール!)に向かって突進する2人の話だ。

「あたし達『アカコとヒトミ』は、漫才コンビなんだよ。そりゃ今回のようにさ、漫才やるために、テレビ出させてくれんだったら、いいわさ。でもさあ。くそつまんねえバラエティとかぬかしてる腑抜け番組に引っ張り出されてだよ、コントと称して、その場の盛り上がりだけでお茶を濁す、三流タレントの馴れ合いにつきあわされたり、レポーターとか言われて、街にほっぽりだされて、屁の突っかい棒にもなりゃしねえ情報垂れ流したりすんのは、お・こ・と・わ・り、なんですよ。あたしら二人は漫才やってナンボで行きたいんです。舞台に立って、目の前にいるお客さん笑わしていきたいんですよ。それがホントでしょ。ホントの芸人ってもんじゃないっすか。あたし達はそうおもうんですよ。ね、ヒトミ」

(P150)



J-POPランキングTOP10にランクインしている人の様々な話。10作入り。
私はいつまでここにいられるの? もっと上に行きたい やめたい やめたくないなど。
他の豊島ミホ作品に比べるとちょっと下回るか?という感じ。
ネタがネタなので、現実の音楽業界の人にあてはめるとすると誰にあたるか。と思ってた。
とりあえず2位はこうださん(←漢字忘れた。ので苗字だけ) 6位は川嶋あい

「そうだけど……私もっと、普通に誰かを好きになりたい。っていうか、普通に好かれたい」(P114)

株式会社ネバーラ北関東支社 (ダ・ヴィンチブックス)

弥生は、前職は東京の証券会社でキャリアウーマンだったのだが、自分の仕事内容肩書きなどは低く偽って今の会社に転職した。東京から特急で2時間、鄙びた町の納豆をこよなく愛する健康食品の下請けメーカーである。

読みやすいけどそれだけだな。
可もなく不可もなく、「誰かに借りて1回読んだらそれで終わり」って感じだ。

百瀬、こっちを向いて。

「中田永一は覆面作家で正体は乙一である」という噂を聞いて。
きゅんきゅんする系の恋愛小説の短編集である。

小梅が通る>>なみうちぎわ>百瀬、こっちを向いて>キャベツ畑に彼の声

中学生のころ、わたしには、居心地のいい友人がいた。彼女はものしずかで、おっとりとした雰囲気のある少女だった。彼女のそばにいると、陽だまりを見つけた猫のように心はやすらいだ。
(中略)
「これでおわかれになっちゃうから、ほんとうのことを言うね。あなたなんか嫌いだった。死ねよって、いつもおもってた」
淡々とした声だった。夕日が彼女の顔に影をつくり、わたしの制服を赤く照らしていた。わたしは恐怖でうごけなかった。彼女とわかれるのがつらくて涙ぐみながら「いつかまた会おうね」と話した直後に、そんなことを言われたのだ。(P229・230)

スーパーS水タイムktkrと思った。
小梅が通るはこことラストシーンが好きだ。



富士見のStyle-Fってちゃんとまだ残ってたんだなと思った。

現代イタリアのナポリで愛される道化「プルチネッラ」を目指す少年2人。演劇一族の貴公子ルカと、スペイン地区(とても治安が悪いところ)に住む大道芸で生計を立てるジェンナーロ2人の話……であると同時に紀元79年からすべての記憶を持って延々と転生を繰り返す道化の話。

まったくはまれない話だった。
道化(転生しているほうの)の血まみれの赤いシャツのところは割と好きなんだけど。女子分が足りない。もうひとつのデビュー作のほうは装丁がすごくって気になってたんだけど、こっちよりさらに読む人を選ぶ話だそうなのでやめておく。

壁抜け男の謎

いろんな種類の短編が16編収録されている。
ジージーとの日々、ガラスの檻の殺人、キンダイチ先生の推理、Cの妄想、ミタテサツジンあたりがとても好きです。
阪神ファン的には猛虎館の惨劇もとても捨てがたい。
とてもにやにやできました。屈辱のかたちはどこかで見たことがある。

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