英雄の書 上英雄の書 下

序盤がとてもとても長いです。
ファンタジーで小学5年生の女の子が主人公です。本とか物語とかそんな感じの方向で。
友理子はある日突然早退するように言われ家に帰ると兄の大樹(中学2年)が同じクラスの男子を2人刺して逃げたという。ひとりはもう死んでしまった。
あらすじを書こうとすると序盤だけでもすごく長くなるので適当に省略して書くと、大樹は大叔父の書斎から持ってきた、英雄について書かれた本「エルムの書」の器として選ばれ黄衣の王に成り果てた。友理子は兄を救うため旅立つことを決めた、という感じ。

小学生が背負う割に過酷な運命でしょんぼりした。
ラストは「ある意味この上下巻は長い長いプロローグなのかも……」と続きを思わせるようなものでした。

「なるほど、紡ぐ者たちは己の書きたいだけの話を書いたら、そこで筆をおく。だが、彼がこしらえた"領域"はそこにある。存在し続けるんだ。そのなかの生き物たちは、たとえ創作物であろうとも生き続ける」

(下巻P32)