カテゴリー「 小説 」の記事

366件の投稿

桜庭一樹読書日記—少年になり、本を買うのだ。

そろそろ読まねば!と思って。
この前直木賞受賞の時のオール読物を引っ張り出しました(冬の牡丹まだ未読なんだわ

続読書日記のサイン本の販売(の予約)が東京創元社でやってます。
到着が10月半ばとかになるらしいので1冊目としては無理だ……と思った次第。

波打ち際の蛍

風邪薬に抗生物質、吐き気止めその他もろもろ70錠強の薬をビールと一緒に飲んでICUに運ばれ、その後カウンセリングのみの相談室に通っていた麻由はある日エレベーター前で麻由に助けられたという男性(蛍)に出会う。

蛍が好きすぎる件。こういう感じいいなあーーー。
蛍の書斎が欲しいだけではないかと脳内で囁く声がするけど気のせいだ 気のせいだ。

「あの、やっぱり年上の人を呼び捨てにするのって、すごく落ち着かないです。戻していいですか」
そう頼むと、彼はからかうように笑って、ダメだよ、と言った。
「俺は年下の子に呼び捨てにされて今ちょっと嬉しいです。だから戻さないで」

(P39)

紗衣子みたいな子もすきだな。唐揚げくいてー。

抒情の奇妙な冒険 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

短歌集。短歌集みるの久しぶりだ。加藤千恵とか以来だな。

ゆうぐれの商店街を過ぎてゆく子供・自転車・豆腐屋の音
トラウマなる言葉の意味を知りたるは冒険の書が消えたあの夜
ドンブリを呑むギャル曽根を見つめてる戦争孤児の無数の瞳

ここら辺が好きだ。冒険の書はあの音が脳内でリアルに再現された。
ちなみに絶望の言葉の意味を知ったのは復活の呪文を書き写し違えたときだな。

名前探しの放課後(上)名前探しの放課後(下)

去年のクリスマスに買ってそのまま放置!
「3ヶ月前に戻って自殺したクラスメイトを探す」という冷たい校舎の時は止まるによく似た感じだけど、内容は青春成分のほうが強い。
コウちゃん(というかレディ・マディ)とか出てたけどぼくのメジャースプーンには気づきませんでした……なのでラスト付近にはなんじゃこれはとおもいました。
青春はいい。

ちなみにアマゾンレビューの上巻のほうに下巻のネタバレが含まれているので未読の方は読まないほうがいいかと思われますー。

九つの、物語

橋本紡作品ではこれまで「凄く好き」とか「とても面白い」と思ったことは多分なかったと思うんですが、この話は凄く好きだ。
きょうだいモノとか家族モノになると急にストライクゾーンが広がる私です。
1章のラストで目玉がごろんと飛び出て、ラストは確実に兄は消えてしまうと思っていたけど、7章ラストからの展開がせつなすぎる。
兄ちゃんのキャラが好きすぎるんだな多分。

ていうか毎章ごとに出てくる料理がおいしそうでこまる。たべたい。

妃は船を沈める

火村サイド中編集。残酷な揺り籠のほうが好きだな。ラスト付近の対決が好きなんだ。

不連続の世界

「月の裏側」の塚崎多聞再登場の巻。中編集。
私は月の裏側がそんなに好きなわけではないのでうーんと思ってたけど、悪魔を憐れむ歌は好きだな。不吉ーな感じがいい。

うつ恋

すんげー乙女ちっくな装丁だ。

男性向け月刊誌マッスル編集部の柿崎乙子は「特集:こだわりの男たち」の取材のため、かつて一世を風靡して4年で消えた芸人ツーテン権太のもとを訪れた。取材記事を書き直せと言い、直したら直したでお前に記者としてのプライドはないのかと難癖をつけられる。乙子が原稿を2種類(修正前、修正後)置いて帰った日に乙子は権太の弟子、戸田から電話を貰う。
師匠はうつ病を患っている。今は通院しないでいいレベルになっている、乙子から取材の申し込みがあってからはがらりと元気になったが、修正後の原稿をもらってとても悲しそうな顔をしていた。乙子が帰ってからなお症状が重くなった。師匠は乙子が気に入っているのでカウンセラー(のようなこと)をしてもらえないかと。そういう電話だった。

メインは乙子(←ちなみにおとこと読む。おつこではない)の心理描写だ。憧れの編集部には行きたいし、なんか権太は自分のことを恋人だといってるし、でもそれもなんだかまんざらではないし、いろいろ大変なんだよ30代女も!という感じだった。読みやすかったなー。

流星の絆

帯がちょっと書きすぎだと思う。
真相がずいぶんとあっさりしている。

「俺たち三人は繋がってる。いつだって絆で結ばれてる。だから何も怖がるな」

(P68)

これだけで星屑の革紐がばんと連想されるんだからちゅうどくすぎる。

別冊 図書館戦争〈2〉
手塚×柴崎を含む別冊図書館戦争2。これにてラスト。別冊1のような死ぬほど甘い展開はないので(つかあれ以上のものがきたら死ぬ)

しかし広瀬の「作り天然」ということばは素晴らしいな。属性詐称な天然である。

にっこり小首を傾げて答える。負けてたまるか。ただ怯えて守られるだけの女にはならない。
同期で唯一自分と互角。自分がそう認めたあの男が守るに値する女でいてみせる。

(P191)

柴崎はカッコイイヨー。

事件の顛末はかなり最初のほうから想像付いてました。水島はなんかカワイソメダルをつけたがっている子に見えたのだ。この子が犯人だったらおいしいなと。

昔の話を聞かせての堂上はいいむっつりですね。あまいわー。

PAGE TOP