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あの日にかえりたい

あの日に帰りたいと願う人 別れてしまったあの日から帰ってくる人 彼岸と此岸のしんみり系短編集。
雰囲気的にはわくらば日記とかかなあ。

好きなのは「へび玉」
度肝を抜かれたのは「あの日にかえりたい」
あの日にかえりたいは老健ボランティアが石橋老人の亡妻なのかもおもったわたしである。あれはびびった。

翔ける少年は私の男の一番最後の話を思い出す。

何のビジョンも持たない自分だけが残って、なにになるというのだろう——そう思って泣いた。案の定、十五年後の今、なににもなっていない、何事も成し遂げていない。ただ生きているだけだ。左足を引きずりながら。
若さを失いながら。

(P187)

帰天城の謎 ?TRICK 青春版?

TRICK青春版である。映画公開にあわせて発売されたということだけどなにかしらのノベライズということではなく完全な新作。しかしこの表紙、上田の存在感がありすぎである。

中学生山田奈緒子は先生に誘われて同級生数人と一緒にN県の踊螺那村に向かうことになる。そこで出会ったのが世界的に有名な物理学者になるべく武者修行中の上田次郎である。踊螺那村には突然消えてしまった「帰空城と玲姫」の謎と埋蔵金の噂があった。
そして名乗りこそしていないがどう見ても矢部としか思えない警官も出てくる。

ドラマより10年ほど前が舞台だというのに山田と上田のやりとりといったらまるで変わりない。
地の文に時々現れる「編集部注:」がくどく感じられる時があるんだけど、すごくTRICK愛に溢れた本だなあと思います。

道徳という名の少年

全体的に本のつくりがすごい。表紙の蔓草とか中扉のゴージャス感とか本文の飾り枠とか。
連作短編で、色んな雑誌に掲載されていたものがひとまとめになっている。「1、2、3、悠久!」と「地球で最後の日」は既読だったんだけどこんな感じだったっけ? とか思った。
単行本としてはかなり薄い部類に入る123ページ。でも内容はおそろしく濃い。酔う。くらくらするよ。 

女海賊メアリ・リード 第1巻 偽りの天使

1686年、7歳のメアリ・リードは母の一世一代の賭けのため男装させられていた。
父方の富豪・リード家に引き取られたかと思えば母と一緒に宿代を踏み倒し点々とし、あるときは武器商人の未亡人の秘書となりあるときは海賊船に乗っていた。
メアリはあっちこっちで人を変え場所を変え愛を育んでいた(※婉曲的表現)
ふらんすじんすごいな。フランス人すごいけどあの辺の描写は事前なうとか事後なう的なものが多い。
読んでたら< 黒衣の男>とかエルナン・コルテスが出てきてSH脳が大層刺激された。

南の子供が夜いくところ

短編集。
たぶん南太平洋の島が舞台なんだろうけど、今の関心ごとが南米であることもあり1私の中ではコンキスタドール到来のアステカあたりで再生される。紫焔樹の島とか特にねえ。

「紫焔樹の島」と「夜の果樹園」が好きだな。その次が「十字路のピンクの廟」

  1. (コルテス将軍に続けー! []

天国旅行

「心中」をテーマにした短編集。最初の話がいきなり青木ヶ原樹海で死ぬに死ねかったおっさんの話からはじまるので黒っぽい話が多いのかなと思ったら救いのある話が多かった。
かと思ったらきみはポラリスだった。救いがある話もあるとはいえ全体的な雰囲気としては薄暗い。光が指すかそのまま沈んでいくかは話次第。

ほかのひとが「心中がテーマの短編集だしました」っていうなら多分「えっ」って思うんだけど、
まあしをんさん文楽好きだしね。文楽と心中は切っても切り離せない存在だからねと普通に納得した。

好きなのは祖母の初盆にやってきた不思議な男の話「初盆の客」
私は子供のときから夜毎に不思議な夢を見る。江戸時代、私は愛する夫とともに暮らしている「君は夜」
丘の上の高校に通う地味派に類する私・亜利沙と派手グループの頭目初音とある先輩の死。その顛末「炎」

SINKも好きだな。この永遠に埋まらない虚感はよい。

なんだか“文学少女”見習いの、初戀。を思い出す。

キケン

文芸誌1で電撃文庫やってみましたよていう感じが。
電撃文庫っていう指定なのは表紙が既に漫画調なんですが各章扉もこんな感じです。
なんか電撃のカラーページっぽい。
年がら年中お祭り騒ぎみたいな大学の部活で、神様のメモ帳〈4〉のNEET探偵団2を皆男にした感じ。工学部なので主に18歳?21歳男子ばかりです。ラブコメ要素はなくはないですが、今回は刺身のつまです。

しかし有川浩既刊の中でも類を見ない軽さというか、ハイテンションなんて領域は既に通り越しているというか、阪急電車往路のえっちゃんの彼氏の話がずっと続いているような。

学祭の話が2部構成になっているのがとてもおいしい文化祭すきー。
あのラストのあの見開きは非常にGJであるとおもいます。

(現実の)男子中学生は殺伐としているのに男子高校生になるとお前らカップルかっていうぐらい急にイチャイチャしだしますね。微笑ましいぐらいキャッキャウフフしてますね。あんな感じです。
確かキケンは有川さんの旦那さんの話をベースにしているとかで、ある程度は小説になるように誇張されているとはいえすごい大学生時代を送った人もいるものだなあと。
キケン発売辺りに新井素子さんと対談していたのですが、それがいまネット上でも読めます

  1. キケンは小説新潮で連載されていました []
  2. ラーメン屋含む []
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