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日々是作文

10年分のエッセイ。文庫のほう買おうかなと思った。

 直木賞もらうとその後しばらく大変だよ、と聞いてはいたが、具体的にどう大変かは聞いていなかった。受賞直後、押し寄せる各方面からのお祝いや取材に「どうして歴代受賞者の方々はもっと具体的に語り継いでくれなかったのだろう」と逆恨みまでしたが、受賞が決まってからこの1ヶ月を振り返ると、確かに「どう大変なのか」を具体的に語ることは難しいことが分かった。

(P304)

桜庭さんもそんな感じだったんだろうかと思った。(トップランナーは今日だよ!

彼女はもう何年もテレビの国の王子様に熱烈に恋をしています。平たく言えば、ある芸能人に常軌を逸する勢いで熱を上げているのです。(中略)彼女は仕事柄、テレビに出ている人に、舞台下の観客ではなく、努力次第では現実にあえる立場にあります。でも、いくら王子様に会えるチャンスがあっても「それだけは無理」と逃げ腰で私は歯がゆい思いをしてきました。(P27)

私にとってこれが幻想楽団の面々。
たとえ仕事上の話であっても、出張中にちらっと見たとかそんなレベルであっても、友だちに「xxに会ったよー」と言われたら全力でドロップキックだ。全力で妬むよ!エアー五寸釘を全身に打ち込むよ!呪われろ呪われろーみたいな。
でももし自分が会えたりするなら「うわちょっとそれは無理だーーーー」と思うのだ。このご友人の話は全体的に他人事じゃねーーーぞーーーーと思った。
ちなみに↑のxxに入るTOP3は陛下REMI亀ちゃん。

オカマだけどOLやってます。ナチュラル篇

前巻に比べればもうちょっと軽い、ブログから抜粋の日常話系。3部作で、これが第2弾。第3弾は手術の話らしい。

くすぶれ!モテない系の原形(といっても割とそのままだが)になってる話も多かった。

男らしく過ごしていた高校時代の友達とカミングアウトした後に遊ぶことになったのところで、「むかしの友には割と男言葉」に結構なショックを受ける。え、それで男言葉なんだ……みたいな。方言使ってる時点で口が悪いのはある程度しょうがないのですが。(なんかこの辺の言葉は結構怖く聞こえるらしいんだ。だが私は直さない。

恋をしよう。夢をみよう。旅にでよう。 (ブルームブックス)

WEB上で連載してたエッセイらしい。
凄く分厚いので(ひとつの話は5ページ前後なのだけど月2回連載の3年分なのだ)ちまちま読んでいた。

でっかい本棚の写真があって、ここにどんな本が入っていくのだろうかとときめいた。

そうそう、「この人は絶対おすすめ」「絶対いい人」「絶対かっこいい」と、信頼のおける友達に紹介されたとしても、その人と恋に落ちるかどうかは、また別の話なのである(P171)

「人」を「本」に置き換えたりしていた。

農耕民族と狩猟民族の話が面白かった。私の周りにいるのは半々。若干農耕民族が多い。

そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります

流行りモノに手を出してみようと思って川上未映子の既刊をまとめて借りてきた。とりあえずエッセイに手を出してみる。エッセイというか、ブログの書籍化。

日記というには余りに杜撰な記録であるし、随筆というには悲しいほどに直観に乏しく、コラムというには心構えが多分に脆弱

(あとがきより)

この前読売に桜庭一樹と一緒に載ってたエッセイでも思ったけど本当に一文が長いなーと。ふんふんと読む。

私は会社に行って女を呼び出して、そこで私は逆上したわけで。その場には喫茶店の店員が存在したために体を取り押さえられ考えていた復讐は阻止されたけども、後日私は女の実家の住所、電話番号を調べ上げて、週に3回は呪いの電話をかけていた。(P80)

この辺はなんかエッセイとは思えないのだ。この後もっと凄いことになる。そういう話なんじゃないかと思った。こえええ。

ねにもつタイプ

分類的にはエッセイのようですが、ただものではない。
クラフト・エヴィング商會をキリハラキリコで割ったような感じです。なんとも不思議で、とても笑える。ちなみに装丁とイラストがクラフト・エヴィング商會担当。

十月某日 一五〇八
 押入れ上部棚より什器を取ろうとした拍子に、敵(大)一体が突如上から降ってくる。これをテロと呼ばずして何と呼ぶ。手近の火器にて応戦、電光石火の勢で敵を殲滅す。直接の被弾こそなかったものの、我が軍の精神被害激甚、以後数日間戦闘不能状態に陥る。PTSD発症者多数。(P100)

敵スペック:黒い・早い・沖縄には多く生息し、北海道では見られない。ホームステイ・イニシャルGなど複数の異名を持つ。

立体的な映像が浮き出るというデマが流れたシャツでめちゃくちゃ笑ってしまった。笑う→止まる→同じところが目に入る→笑うを繰り返していた。

もしもし、運命の人ですか。 (ダ・ヴィンチブックス)

↑では分かりにくいと思いますが、文字が赤と緑でふちどりがあって、しかるべき眼鏡で見ると飛び出しそうなタイトルをしている。

ダヴィンチでやってたエッセイです。
最初の方は穂村さん独身だと思ってたんだ。なんかのエッセイで「妻」って単語を見て、初めてこの人結婚してたんだって分かった。
エッセイには恋人の話も部下の女の子の話も恋愛の話もかなり出てくるけど、「俺は駄目な男なんだ!(主に男女間の機微において)」という感じの内容のが多いから「彼女はできても妻はできない」人なんだと思ってた。

風邪の自覚がそうであるように、恋も気づいたときには、もうすっかりやられている。その段階からなんとか防ごうとしても、まず難しい。薬を飲んでも休養をとっても、結局はフルコースを味わうことになる。症状の重さや結果の善し悪しはさまざまなだろうが、一通りの流れに乗るしかないのだ。(P126)

この回の話はきゅんきゅんしていたのだけどもここが最きゅんであった。すっかりやられている∩゚∀゚)

自分では当然そうだと思っていたり、自然に行っていることが、他人にとってNGというのは怖ろしい。好意を持っている相手の地雷を踏むのは怖ろしい。(P68)

この話は昨日読んでた本(つまり桜庭一樹日記)のグレートサスケだ!と思った。なんか繋がった話に思えた。相似のものはひきあうのかーと流浪の美貌の大賢者的なことを思った。

それにしても、共通の認識(だと思っていたこと)って難しいなあ。裏切られた(と思った)ほうも。怒りに触れた(おろおろする)ほうも。たいへんだ。互いの善意とか、歩み寄りたいと願う真心だけがこういう窮地を救うのかもしれない、と思ったり。

桜庭一樹日記-P112

東京育ちの京町家暮らし

町家で暮らそうと思った経緯→実際に家探し→契約→住む準備→突然のことで契約は白紙に→また家探しからというエッセイ。

そうそう、なんで左官というか知ってますか? これは本で読んだ話なんですが、むかしは大工に対して、壁を塗る職人は、泥工(でいく)といったらしい。ところが御所に入るさいに無官では入れない、それで左官になった、というんです。(P131)

おお……ろまーんだとおもった。

※↑の(でいく)の部分は本文中では振り仮名になってます。

東京育ちの京都案内

東京育ちの京都探訪とはえらい違う感じでした。
京都でマックを見たことがないので、「赤くないマックの看板」は知らないのですが、八坂神社の前のやけに濃い青のローソンの看板の謎は解けました。初めて京都行った時のかるちゃーしょっくだったのだ。

同時進行で東京育ちの京町家暮らしを読んでいるにんにん。

「性別が、ない!」ということ。

かつくらレビューを見て読んでみた本。かつくらにあったカテゴリ的には「ノンフィクション」だった。

かつての奥さんは途中で外見が男になった。
性転換した性同一障害の女性ではない。半陰陽もしくはインターセックスというのらしい。

 半陰陽は、染色体や内外性器の一部またはすべてが非典型的(一般的じゃないってこと)で、性別を男性にも女性にも分類できない「中間性」のことを指す。
 性同一障害などの精神的な異性化を指すのではなく、あくまでも生物学的な分類上での話で、精神での性別のあり方は個人差がある。(P17)

20代までを女として過ごし30代は男として生活している(ちなみに今は国内でできる範囲の手術をして男性として生活中。

ホルモンのバランスによって男性化したり、女性化したりするらしい(身も心も。)初めて見る世界だったので、おお……とか(゚д゚)!ってなったりしました。

かつては

海馬が耳から駆けてゆく〈4〉

ひとつだけあったアマゾンレビューのタイトルは「爆笑エッセイ」
いやこれ笑い事違うやろ(゚д゚)!という内容である。厄年(前厄だったけか)のせいか、そういう星の巡り合わせなのか、歩けば災難に当たるという感じだった。エッセイのネタになるぐらいだからそんなたいしたものでないだろうと思うかもしれないけども凄かったのだ。

一番うご(゚д゚)!となったのは薬にあたった時のやつで

「……あたし死ぬかもしれない」
と、横になったまま友人に言ったらしいのだが、もちろん友人は最初冗談だと思ったと言う。私でも思う。
 しかしその後すぐに、後に医者が語るところに拠ると急激な血圧の低下による呼吸困難が起こり、あまりの苦しさに悶え苦しみながら胸を掻き毟り叫ぶ、という恐ろしい状況になった。(P28)

この後瞳孔が開ききったりもしていた。その辺の自分の心中、体がどうなって周囲がどうなっていたかかなり描写が濃厚だった。ほんの5ページほどだったけど、凄い濃かった。

そのほかにもドアで挟んで指がつぶれたりパリの空港で置き去りにされたり色々色々。重大な事態が起こっているのに、重い語り口じゃないのが凄いと思う。

ちなみに母曰く私も薬にあたったことがあるようです。2歳当時なので記憶にありませんが。

母「なんかなーあんた『あたまががんがんするー』とか言い出してな。2歳の子が『頭ががんがんする』って言うんでよ。どこで言葉覚えてきたんこの子、気持ち悪ーって思った」と年始からとても衝撃的な告白をされました(゚д゚)気持ち悪って!

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