カテゴリー「 少女向け 」の記事
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舞台設定は19世紀のイギリス風。
アルビオン王国の< 青の薔薇十字団>を率いる銀髪の少女セシア。彼女は魔術事件や悪魔祓いをしているアルビオンの新しい"夜の女王"である。セシアの元に、双子の妹でありアルビオンの若き"昼の女王"クローディアから週末のハロウィンパーティのドレスが贈られて出席する。
問題はパーティで倒れた令嬢が船で帰宅中忽然と姿を消した。薔薇十字団は魔術事件に巻き込まれたと見て捜査をはじめる。事件の情報を求めてセシアはファントムと名乗る謎の悪魔を訪ね、ファントムは情報の対価に「物語の提供」つまりセシアの半生を語ることを要求する。
セシアは出生とか立場とかが割と複雑な感じですが(現女王の双子の姉であることは極秘事項)普通っぽい女の子です。戦う人なので守られヒロインではないし猪突猛進型でもないと思う。
セシアの契約者として吸血鬼(ルーシャス)とか人狼(アルカイン)とか改造人間(センレッド)とかいるんですが個人的に一番好きなのは(ファントム込みにしても!)執事のクレオヴィスです。ハイパー執事です。
「私は人の子です」と言っているけど< 黒>執事でも驚かないよ!
「神のような、奇跡の執事です。ハンドパワーでお体を癒せますし、真冬に枯れた薔薇園を蘇らせろと仰っても、五千人を呼ぶパーティを開きたいと仰っても、水からワインを作れと仰っても、必ずや実現してみせるでしょう!」
(P20)
という触れ込みで派遣されてきたのである。すごい執事なのである。軽く奇跡を起こせて予算管理も屋敷の手入れも完璧である。
「人狼殿はお嬢様たちと違って、拳一つで戦えるのですからいいではありませんか。文句を仰るなら、白百合姫とお揃いのメイド服を着ていただきますよ」
「ぐおおおおお……! くそ! なんで外れねえんだこの手!! 俺より力あんのか執事!?」
「いいえ単なるハンドパワーの応用です。さ、参りましょう。悔い改めようと努める限り、罪は許されるものですよ」(P187)
幼馴染みラブと聞いて!と買って早4ヶ月。ラノサイ杯があるから!と読んだ。
投票するかしないかはおいといて、積みを崩すきっかけになるのはよいですね。これを逃すと年単位の積みに回ってしまう。
江戸時代、生類憐みの令が出されたり松尾芭蕉が生きてたりするころの江戸。
若くして出家願望のある抹香くさい男子×剣を振り回すやんちゃ女子です。
武家の一人娘である吉村雛は生け花より剣道が好きで道場通いをしている。幼馴染みで出家願望のある鹿之助に勝てないのが最近の悩みだった。
臼井家の次男から縁談がやってくる。雛は両親がそのことについて話していることを偶然聞いてしまう。
吉村家より格上の家柄で臼井家としては既に跡継ぎも生まれている。お金のことにはちょっと細かいと聞くけど雛は大ざっぱだからそのぐらいでもちょうどいいだろう。しかしあの顔を毎日見るのは……と両親でさえも悩むぐらい臼井家の次男は不細工だった。
雛は結婚させられてはたまらない、と師匠と仰ぐ松尾芭蕉・憧れの人曾良の旅に同行しようと追いかけ、鹿之助もまた雛を追いかけ江戸を出る。
1巻らしく登場人物の人となりが分かるエピソードとか旅路の描写とか襲撃されたりとか距離が近づいたり焼き餅を焼いたり恋心を焚きつけたりという王道かつ地味めな話です。
男勝りな性格でで普段男の格好をしているような幼馴染みが急に女の子らしい格好をして、どぎまぎしたあげく「似合ってる」ぐらいしか言えないとか基本ですね。おいしいですね。
かつての弟弟子で幼馴染み、今上の帝・基(もとい)に彰(あき)は求婚される。
帝になってからは初めてだが今まで何度も繰り返され、そして何度も拒否してきたことだ。
彰は基に競技(決闘のようなもの)を申し込む。式神を戦わせた勝負で彰が勝てば自分の好きなようにするし基が勝てば彰を娶るなりなんでもしていいとした。勝負は1ヵ月後だ。
しかし問題があった。彰は式使いではあるが式神を使役できないのである。既に戦いの結果は見えている。ある日危険な目に巻き込まれ彰はとっさに式神をおろすことに成功した。やってきたのは美形で強いが記憶を失っている式神の司だった。
この世界の式神は「人外との契約」ではなく「死んだ魂を呼び戻したもの」です。
勝負を申し込むのですがメインは彰と司の日常でした。彰が司に惹かれていく様子でもいいです。
基は基本的に蚊帳の外ですね。
全体的な雰囲気は暗めです。彰は苦労人なので色々過去を背負っています。あと蘭は良いツンデレでした。設定とかはわたしが好きーな感じであるのですが、ラストがいただけませんでした。
デザートまで食べ終わった後再度肉が登場した気分。
あそこで帰ってきたのは誰なのか(9割司だと思いますが)とか仮に司だとしても期間限定の間柄であり「昇華は式使いの絶対の義務」と言い、空へ帰るシーンがちゃんとあったにも関わらず何で生き返ることが出来たのかとかが消化不良。昇華したと見せかけて戻ってきたなら一時はハッピーエンドに見えても先に待つのはバッドエンドじゃないの? と思うのです。「帝パワーでなんとかしました」とか抜け道があるならその辺説明がほしかった。途中の軽いエピソードならともかくラストシーンだから。なのでエピローグは蛇足だなあと思いました。
舞台となるのは前作「ルチア」の舞台だったティエランカ王国の北側に位置するヴィクトワール王国。
時代設定はルチアよりちょっとだけ前。すごくよかった。
カメリアパルクのバシュレ子爵家で育ったエティ(エタンセル)は子爵家の慈善事業のひとつである薔薇摘みをしていた。慈善事業とはいえエティは子爵家の伝手を使い販売ルートを作り収益を大幅にあげかつ安定させ、将来はこの人と結婚するのであろうという人もいた。ある日エティのもとに王室補佐官だと名乗るギーが現れた。そこで初めてエティは自分が次期王位継承者であることを知らされるのだった。
相変わらず硬派な雰囲気です。
エティはルチアに比べれば明るい系の子ですが、それでも少女小説の主人公とは一線を画する感じの人。
ほかではあんまり読めない感じの主人公はとても好きなのでそのままでいてほしい。
恋愛成分は前よりは多いけどそれでも政治方面が成分的には多いです。
ヴィクトワールってフランス語圏なんかなとかおもった。レーヌがでてきたので呪われし宝石がびしっとでてきた。レッジーヌとかでてきたのでイタリア? いやあれはレジーナだった(沈んだ歌姫)とかおもった。
ていうかメリュジーヌ夫人もグルなことにとても驚いた。
そしてエピローグで時間がぎゅんと流れてエティがイロンデルの母だったので死ぬほど驚いた。エピローグ読んでる気分だったので、次のページはもうあとがきやろうと思ったらエピローグだったのでびびった。
次はどうなるんだろう……楽しみだなあ。
国のためアダリア女王として頑張ることにしたリーゼロッテ。
平民の暮らしを知るためお忍びで町に下りたり嘆願書や報告書に片っ端から目を通したり魔法の勉強をしたりしている。町に下りたときに「アダリア東部の街が魔獣によって滅びる」という噂が流れていることを知る。
1巻がもろに「続きは2巻でね!」という終わり方だったので2巻も読んでみた。
1巻での謎の「封印のしるしが何故半分なのか」はこの巻で説明されてました。1巻より面白くなってる。
リーゼロッテは女王ではなく姫のほうがよかったんではないかなあと思った。
たとえば兄姉がいて「国を統べる人」「国を守る人(封印の意味で」で分業とか。
作品で例えるなら「花に降る千の翼」のタリアポジション。
女王死んだら文字通り国も滅びるのに自ら危険なところに行かなくても、と思うのだ。
女の子としてのリーゼロッテはすごく可愛いと思うけど、女王としてのリーゼロッテは1巻が嘘みたいに自分の意見を通したい子だと思ったのだ。主人公なだけにすごく気になる。のちのちに成長っぷりを際立たせるためにあえて今は幼く設定しているのかな。
ある日ジャスティンの元に校長会の面々が唐突にやってきた。目的は臨時校長会だったが「女が学校運営などけしからん。この学校は閉鎖するか否か決議をとろうではないか」という感じで危うく閉鎖になりかける。
決議は合同研修に持ち越されることになったが、その合同研修というのは各地の学校から成績優秀な生徒を数名招待して行う遊びの旅行のようなもの……だが事前に総合試験があり事実上国で一番の学校を決める学力体力が問われる総合試験だ。優秀な成績を収めなければシェルズバーン・カレッジは閉鎖になる? という話。
巻を増すごとに面白くなってるなあという印象。ルーナエはいいツンデレ。
あと漫才的なものとか恋愛成分もどーんと増量されてたとおもいます。校長会のちょっと前が第1のときめきだね! レクスが人間くさくなりつつあるけどそれは果たしていいことなのかーという。
「青少年の健全な育成に問題があるかもしれない顔面破壊兵器」とか「残念な料理の腕前」だったりレクスはなかなか散々にいわれてるな。ちゃんと見せ場もあるけどな。
複雑怪奇な下着ってどうなんだろうと思いつつ、軽い舞踏会用です!ということで納得することにした。
グレンゴーは名前から察するとグラスゴーかなと思った。
鳥取に似ているといわれたり「あんなところに何しに行くの何もないところよ?」とか他の本でちょくちょく見かける地名(なので1回るるぶ的なものを見た)(前者は桜庭一樹と後者は恩田陸の紀行文かなあ……)
「お前は何か勘違いしていますね。念のため言っておきますが、僕はお前への好意からこんなことを申し出ているわけではありませんからね!? ただの……そう、ただの気まぐれです。それに、魔法など使わなくとも、僕の美貌と頭脳さえあれば人間などいちころですから!」
(P198)