タグ「 f-clan文庫 」の記事

12件の投稿

妓楼には鍵の姫が住まう −死人視の男−

事前の想像では吉原夜伽帳とGOSCIKのヴィクトリカが仲良くしてる感じだったんだけど、読み終わってみればレンタルマギカとあまつきも足し算することになった。

黒船が来航し開国して文明開化はしたものの未だ幕府による治世が続いている日本。
一時は倒幕だの攘夷だの他国からの圧力だの、国は荒れに荒れたがある時から海外諸国の態度は急に軟化した。その理由について一般人に語られることはなかったが、異国人のもとに天狗や入道が現れたとか各地で百鬼夜行を見られたという話から「この国は今化け物に守られている」というのが多く聞かれた話だった。

妙に浮世離れした風貌の「死人視」誠二と吉原で暮らす「鍵姫」紅羽の物語。
誠二はその過去と現状から生きている実感を持てず、家では「守り神」扱いでなにもしなくていいと言われ美しいまがいものが揃っている吉原を好んでいたが、深夜の妓楼で美青年を従えた高慢な少女と出会う。その後紅羽は楼主を介して誠二に文を送りつけてきた。「やることがないなら仕事をくれてやろう。わらわの下僕となって働け」と。その頃街では殺人事件が起こっていた。

殺人事件です。方向的にはしゃばけとか吉原夜伽帳とかあまつきの最初のほうを連想するといいかと思う。
「守り神」という名前で腫れ物に触るようにして扱われる2人の男女。
誠二は赤子のころ1回死んだ。子どもの死を嘆いた母は稲荷神社に祈りを捧げた。その願いを聞いたのは何だったのか、通夜の晩に誠二は灰色にくすんだ目を持って黄泉がえった。以降三好屋は狐がついているのではいわれるぐらい幸運に恵まれあっという間に大店になった。紅羽は吉原に住んでいるけど花魁ではなくて、もともと禿だったけどその生まれの特殊さから今は天井裏に一室を与えられて本に囲まれて生活している。

あとな、知ってるけどわたし「生きることに対する偏差値」低い男好きすぎだろっていう。
しんみり切ない系と生きるってなんだーっていうのと殺人事件の謎。「この謎を解くにはまだ鍵が足りぬ」みたいなことをいってて混沌の再構成かよ! と脳内でヴィクトリカが走っていった。
f-clan11月刊の中で出るけどひとつ限定。選べるとしたらどれがいい? って言われたらこれかなあ。
とても好きです。

廃王国の六使徒

呪われた町で生きている人々の話。
でもそんな健気な感じじゃなくて「人間のクズ」レベルが高い人が多くて、基本呪われた人とか魔族の人が多くて死人も多くて、ノワールである。

悪人が集まって現状を維持するために色々頑張っちゃう感じでゴッスゴスである。
世界中の呪いが集まるこの街で育ったアレシュはその美貌と父が遺した魔香水を駆使しながら愛を謳歌していた。アレシュが引き渡した死体が不良品だったと、葬儀屋が訪ねてくる。

アレシュを愛人にしたい。
そんなただれた感想からはじまりますが生きることに対する偏差値が低そうな男子が好きなんですよ。
ミランは可愛い。あほのこは超可愛い。でもP209のミランの挿絵はな、「私の氷はちょっぴりコールド!」って脳内でブルーローズがしゃべり出しておいやめろ! っておもった。いやでもこの挿絵ちゃんとクレメンテの手があってすごい。
いやもう本当にふだんはそんなに挿絵はじっくり見ないんですけど今回はなめるように挿絵を見た。
細部までの描き込まれ感がやばい。二次元への扉が開く。

今回は全体的においやめろ! っていうぐらいもえのかたまりだった。
「もえしぬと思ったら本を閉じろ」にしたがって何回か閉じて色んな衝動と戦った。だからこの本はふつうに文庫本1冊読むのより2倍ぐらい時間かけてすごく贅沢に読みましたよ! いろんなものをごっそりもっていかれた。
もうエピローグだろうとたかをくくって読んでたら甘えさせてくれてもいいんじゃないかでぽぽぽぽーん! ってなった。その後のミランの返しもなんなのかあのひとたちほんとうになんなのか! 長髪の胸ありでお願いします! そしてクレメンテの顛末に本当しぬかとおもったなんだあれは!!!

カルラとハナが可愛くて、カルラは美人なところがハナはアレシュ好きなところが好きなんだ。
サーシャは補完された! とかおもった。もしくは人体練成された!

「ああ、貴様は基本的に人間のクズだ。いいのは顔だけ、あとは女遊びしか真面目にやらん! 大体貴様は俺を助けに来るのが遅すぎるのだ。一体俺を誰だと思っている」
「僕の下僕」
「違う! 俺は兄貴、貴様の兄貴分だ! 何度言ったら分かるのだ」
「僕はひとりで生まれたし、ひとりで死ぬよ。兄も弟も必要ない。それにしても今日も下僕は元気だねえ。ついさっきまで本気で死にかけてたのに、こりないの?」

(P18)

クレメンスはこの世界にいるからボスっぽいチートキャラだけど聖☆おにいさんの世界にいっても生きていけそうな気がするねえ。

相棒とわたし (f-Clan文庫)

広い意味で学園モノです。軍隊系学校。
海上のミスティアとかも軍な学校ですが、近く感じる作品としては富士見ファンタジアの東京レイヴンズ。
あっちは現代こっちは異世界ですがあんな感じです。だって大人組かっこいい。

スノリ準軍学校では人類が生み出した災厄「核獣」対策のための各専門職を養成する学校で、核獣から加工されるエネルギー資源「核石」を生み出す・利用する・過酷な状況でも生き残る術を学ぶところだ。約500人の入学生のうち卒業できるのは200人程度であとは留年や後遺症を伴う怪我・死亡・挫折などで退学していく。

冒頭がなんだかEGコンバットを思い出す懐かしい系で、教官が「身分も血筋も家柄も関係ない! 今私の目の前にいる諸君らは等しくウジ虫である!」とか言ってて思わず「アイ、サー!」って聞こえてきた。

金髪=旧貴族=偉大とされている世界で、旧貴族でありながら黒髪のエッドは幼馴染みで親友の相棒のラッセと一緒にスノリ準学校に入学した。エッドはラッセとずっと一緒にいたいと思ってて、依存や執着にも似た感情が自分の中にあると分かってて、今は硬く封して「相棒以外の関係なんて望まない」と言っている。
男女で幼馴染み! フラグ!

いい意味で超展開というか話の転がり方がすごい。派手にバトルしてる。
瑞山さんのはもうばりばりばりばりバトってるからわたしとても好き。
もうね、2人一組なあたりが大変もえます。漢字は「燃」8割「萌」2割でお願いします。
「俺の」邪魔するなじゃなくて「俺ら」の邪魔するななんですよ。相棒なんですよ。行くぜ相棒! なんですよ。大事なことなので2回書きました。

エッドとラッセだったらエッド(女子)のほうが背が高くて、いろいろ女の子らしくないことを気にしている。こうなっていれば自分はもっと「自分の性別」を受け入れられたんだろうけど、ラッセが相棒じゃないなら嫌だみたいな。カップルじゃないし家族でもないけど一番近いふたりだよね。しかしラッセは可愛い。かわいくて格好いい子だ。

エッドとマリアの女の子の友情美味しいです! バイレのブランカとリリアナは女の子同士である以前に主従なので、これはこれで!!! あとオールバックの眼鏡は反則だと思います。

カイザー養成学園 君は世界を支配する。 (f-Clan文庫)

f-clan文庫創刊ラインナップ2冊目。近未来、もしくは現代とは別の歴史をたどった世界。
未曾有の危機「アンダーグラウンドテンペスト」通称「UGT」以降世界はがらりと姿を変えた。急激に進んだ温暖化により島は次々に沈み陸地は22%は失われ、干ばつが続き生態系には壊滅的なダメージを喰らい人類も例外ではなく世界で億単位の命が失われ、後天性アルビノ症により色素が抜け落ちた者が迫害された。
絶滅を免れた国々は危機を乗り越えるため協力体制を敷き合併もしたが、それでも収まらない荒廃に「ネオ・エデン計画」を策定した。人工島カナリアを作り、そこに各国の次期代表たる皇嗣と彼らが快適に過ごせる道具として国連に保護されたアルビノを住まわせ、「世界統一国家の帝王」を選出させることにしたのだ。

亡兄の跡を継いでカナリアにやってきた雷電・E・シャフトはこの島の「当たり前」には驚くばかりだった。
この島にはアルビノが保護の下集められている。アルビノはシルビエントとして皇嗣に仕え「皇嗣が快適に過ごすための道具、奴隷、メイド」として働くことになる。セッション(対話)という名前に隠されていたが、今のセッションは「決闘」により行われ弱い者は国レベルで蹴落とされることになる。

もうね、大変どきどきしながら読みました。ひとりの負けが国を揺るがす大惨事になるんですよ。人柱!
今最も「カイザーに近い男」アルクス・ケインはもう、眼鏡じゃなくてよかったな。眼鏡だったらもう割るところだった。鬼畜眼鏡的に。鈴蘭可愛いけどオルテンシアのほうがいい。眼帯メイドもときめくんだけどさらなる不器用で可哀相なオルテンシア可愛い。ライデンの過去の話に差し掛かってくるともうまじたまらなくね? その辺をばんばん叩くよ。 

あと全体的にアレでアレだったスタンレーがすごくベジータ的ないいやつだったな。
超どろどろできそうなのにこれぐらいの黒さで済んでるのはよいバランスだ。

竜宮ホテル 迷い猫 (f-Clan文庫)

少女系ライトノベルレーベル新創刊f-clan文庫。
ほかの作品はまだ読んでないのですが、この作品については元々児童文学方面で活躍されている方が書いているせいかピュアフル文庫! っていう感じがします。

可愛い・癒し系・綺麗系が作風のファンタジー作家の水守響呼は引越しをするはめになった。
10代でデビューして以来ずっと住んでいたところだったが、少し前の地震でまずいだろうということで大家から電話がかかってきたのだった。引越しに関するあれこれをしなくてはいけないがエッセイの締切が迫っている。外で仕事を、と出たときに編集者と出会い話をしていると「じゃいい部屋斡旋しますよー」と言われ住むことになったのが竜宮ホテルだ。
響呼の左目は異界の住人が見えるが本人はその力と世界を否定している。不幸にするとかおとぎ話とか猫耳少女とか。
もうちょっとファンタジーな鳥籠荘? もしくは妖怪アパート
ほんとうにすごく優しい物語でな表紙のこの猫耳娘の髪の質感すげーな、と。

PAGE TOP