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海上のミスティア (一迅社文庫アイリス)

時代は今戦時下にあった。15歳〜25歳の男女は5年間の徴兵が義務付けられ、以前なら既婚女性や家長ならば免除されていたものが今はさらに基準が厳しくなっている。エダは船医になるための勉強したかったが、このご時勢の中訓練校へ行くことも許されず行動を制限されていた。それを不憫に思った友人のマイラはエダにも内緒で旅行に行くことにして、ドルトワイス訓練校の海上訓練船ルティアナ号に乗船した。

ルティアナ号は動く学校であり敵襲にも遭遇する。毎日が死と隣りあわせかもしれない実習だ。
エダのためマイラが支払ってくれたのはせいぜい頭金にしかならず、このまま行けば学費を払えず7日後には下船しなければならない。エダは莫大な学費を払わずともルティアナ号に乗り続けられる道を船医兼掃除夫から与えられる。この船には「不敗の女神ミスティア」がいる。ときに船長さえ凌駕するその地位につけば学費などいらないというのだ。

なんか「ヴェネツィア的海上学園都市での物語」っていう謎のすりこみがなされていた。
読みながら「また全裸か」とつぶやく。この本がでたのは2009年なのでちょっと前なのですが最近読む本になぜか全裸キャラが多い。エダはミスティアとなり、ミタスと呼ばれる5人の側近を選ぶことになる。
まあこの5人が様々で、うたプリを見ている今では「よーしお前ら1列に並べー今からLOVE1000%踊れー」って思う。○○ルートっていう単語がよぎった。戦時下にあるため人がばっさーと死ぬ。とりあえず3巻まで読む1

  1. 2巻が売ってなくてとりあえず3巻を先に買ったらどこにも2巻が売ってなくてぽちった。 []

ある日、月の夜に。 ? わがままな魔女と人狼の騎士

通常の魔法士の5倍の魔力をもつ金銀の眼を持つ魔法士セレスティナと半人狼ルーファスの物語。
セレスティナが今よりずっと子供の頃にはじめて使い魔にしたのがルーファスだ。それからふたりはずっと傍に寄り添っている。
王国騎士団を率いているが、17歳になってもまるで子供のような外見を隠すために魔法でごまかしている。ある日訪れたかつての学友アストラルにまるごと魔力を奪われ、小さな炎ひとつ宿すのにも苦労する有様である。
王に許可を得、セレスは自らの魔力を取り戻す旅に出る。

セレスの傲慢な女王様ぶりと、「孤高の強者」としてそうならざるを得なかった理由がじわりじわりと語られていく過程がたまらんのよ。この契約がどこにも居場所がなかったこどもに生きる目的を与えたのだ!(ばーん!みたいな展開が非常に好きです。非常に好きです。月も太陽も手に入れたとかなーもうなー! あのへんはもうごほうびでしかない。なんだあの罵りあいに似たなにか。
主従も好きなんだけどセレスとルーファスの「お互いの大事さ」加減がもうたまらんわーたまらんわーという。

アリー/アレイスターが大変美味しい。ひとりで二度美味しい。P208・209の威力よ!

「ずっとずっと、あたしの傍にいて。一緒にいて。この先はあたしがあんたを守るから、だからあんたもあたしを守って。それが契約。あたしとあんたが交わす契約よ。……いい?」
「うん。いいよ」
少年が頷く。やはり教えた文言無視の、格式も威厳もない答え方で、でも誠実に。
「傍にいる。きみを守る。ずっと、ずっと」

(P10)

はなかおる−淵国五皇子伝− (一迅社文庫アイリス)

隠し切れない移り香1と下ネタ。
柱頭がありませんとか風もないのに花粉が飛んだとかしぬほどわらった。一番いいオブラートを頼む!
ターチェ基本全裸だしボディペイントはえろい。ターチェまじ出落ち。
ターチェが色々ぶん投げるシーンはとても好きです。この「エエエエエエエエエエ」っていう感じが。

ひざのうえは! やばい! くんかくんかするな!
善はかわいいなー。なんかもうな。|ω・`) ←こんな感じなんだろ? 可愛いなあ。あと3日ぐらい放置されればいいのに。もっと我慢してある日噴出するといい。パフュームにぶん殴られればいい。

パンダ仮面ふいた。やりやがったな的なにかがある。天然記念物りっちゃんにはブフォオとなった。
このりっちゃんがでるたとおもってたら郷が実にカリアラ。カリアラァアアアアアアって叫んだ。
カリアラがデレるとこうなる。おれをだきしめてくださいとかなにこのかわいい。よいではないかよいではないか!
P223からはとてもご褒美だった。

  1. 天城越え []

茨姫は嘘をつく。 (一迅社文庫アイリス)

宝石姫は微笑まない。の少し後の物語で主人公は変わっている。
読み切りといえば読みきりだけど、宝石姫は微笑まないの1冊まるごとネタ割り前提のあらすじがあるので、宝石姫未読ならそっちから読んだほうがいいかも。

本宮さん自身twitterで書いてたことだけどこれは確かに上下巻だな! あと1冊分ぐらい読みたい。セルツァの内面をあと1冊ぐらい掛けてお楽しみたい。宝石姫はセルツァが好きでこの1冊はまじごほうび過ぎる。
ちゃんと幸せになれよっておもった。

わたしてっきりディンドゥルがメインなんだと思ってて、中盤ぐらいまできてあ、ティサのほうだっておもった。
うっかりおっさんもえをこじらせていたからな。P109のやばさよ。2次元の煙草はロマンだな。
わたしあれだけ登場人物紹介もあらすじもみてたのにね。っだってディンドゥル格好いいからな。

半分だけの妖精に、キスを。 (一迅社文庫アイリス)

この国には目に見えない妖精がすんでいる。さらに高位の存在になるため時々妖精は生まれたての赤ん坊に憑いて20年弱程度かけてゆっくりと内部から人間を喰らい、10人のうち1人は人間として育たず妖精ともなれず中途半端なアーダと呼ばれる存在になる。彼らに血や涙を与えて主従関係を結ぶのがアーダ使いである。

最初がアーダになりたてのファボリート1がアーダ使いクレアに助けられ主従関係を結ぶところから始まるので、これがそのうちに恋愛に発展するんですね分かります! と思ったら全然そんなことはなかった。
こんなに想いを寄せられ生きていくためには王が生きていくためにクレアがキスをすることが必要で、愛がないのにいたしたら死ぬ、みたいな恋愛に寄った内容で、1人称小説で、ここまで恋愛偏差値が低い主人公はどうなんですか。
キスをするだけの簡単なおしごとです。ほんとうにおしごとです。
ここまで過ぎる鈍感ぶりは「鈍感」で済まされるものじゃなくてもっと病的な何かのように感じられる。
特定の感情を避けるでもなくただ「認識しない」「機能しない」。半側無視とか失認とか、例えるならQBとかそういうあれ。

チーム獣耳組は魅力的なところもあるし妖精伝説についてはときめくのですが、クレアについてはないわーのひとこと。王様のためにこれだけ投げ出しているのにお友達レベルなんて色々むくわれない。

  1. ふぁぼった! とか思いながら読んでいた []

エージェント・コード〜恋の陰謀は執筆のあとで〜 (一迅社文庫アイリス)

ちょっと昔のイギリスが舞台で、現実のイギリスでもないけど架空過ぎるわけでもないよという舞台。
売れっ子作家×スパイの卵。
あらすじを見ると作家のほうが主人公のように見えなくもないけど主な視点はスパイ女子のほう。

アークライド伯爵家のライザは10歳まではサーカスの軽業師として暮らしていた。ドレスを着る生活に馴染めず政略結婚の駒になることもできず、帝国防衛委員会の幹部である父の助けとして諜報員としてなら自分もできるのではないかとライザは諜報員への道を歩み始める。
最初の任務としてエリファス地下に存在する秘密結社の支部へと潜入し「賢者の石」の回収を命じられ、任務を済ませると美術館(2F)から脱出しボンネットの長い車に降りたった。「降りて」と運転手に告げたものの彼は「こんなネタになりそうな面白そうなこと逃すわけには行かないよ!」と運転を続行した。
ライザも知っているレベルのベストセラー作家・カルヴィン・ストーンは「空から降ってきた得体の知れない女を車に乗せ」かつ「その謎の女を追ってきた謎の男どもをライフルで撃ち抜く(※車を運転しながら)」やはり得体の知れない男だった。作家ゆえか観察眼に優れ、ライザがわずかに漏らした情報から身元を割りだした。

これはあらたなネタになるぜ! とカルはライザに同行しネタ集めをしている。
ライザはカルを巻き込んで申し訳ないみたいなところもあるけど、実際のところは「好奇心、スパイを手のひらで転がす」の勢いで全力でライザを利用しまくっているのである。僕を夢中にさせるライザが悪いんですよ。こんなところで逃がすわけないでしょ? とかそんな感じである。

冒険活劇萌え! というあれである。

毒姫と甘い婚約者 (一迅社文庫アイリス)

毒姫って最近なんか聞いたことがあるなあと思ったらそれ毒吐姫赤い伯爵だった。

ミルフィーヌは侵略してきた凶王に心臓を奪われてそのまま死ぬところだったが森を守護する龍神が現れた。
人々に忘れられつつあった存在であった龍神に花を捧げていたその行為に報いてミルフィーヌは蘇った。
蘇ったミルフィーヌの体はお菓子で出来ている。食欲・睡眠・排泄などはあるが、体からは甘い匂いがする。
舐めると甘い。水に濡れると溶けるのでお風呂に入れない顔も洗えないので固く絞った布で拭くぐらいだ。
体はスイーツですが口調までは甘くないです。お前は○○だ! というしゃべりかた。

読んでる途中の感想は「アイリスなのにMFグリーンの匂いがする」「自由だなあ」だった。
「男が女を無理やり組み敷くセクでハラい展開」はないけど「少女向けだけどエロコメに挑戦してみたよ」みたいな。
「ラブファンタジー」とは書いてあるんだけどわたしは「コメディ」と認識して笑いながら読んでいた。
「姫+婚約者+従者2名」が主な登場人物で、前述のとおりコメディとして読んでいたので恋愛ものとして面白いかどうかはわからない。人に薦めるにはちょっとハードルが高い。

「足首にある刺青を見られたからにはお前は私と結婚しなくてはいけない」という流れで婚約者の登場である。
ミルフィーヌの迫り方はバカテスの翔子と同じカテゴリだと思う。教育的指導がないだけで。うん。

「若い男女と目を合わせるだけで相手を失神させる」とか「目を合わせただけで妊娠させる」とか「胸と尻は自分で拭け」とかどこぞの九十九十九もびっくりのフリーダム。でも概ねコメディです。

そういえば「指舐めてるだけ」なのにえろいのを最近よんだなーとおもったらあれうさみさんのだった。
舐められた後の指はきっとミルキー1みたいになってると思う。

「私の体の中心はなんでできているんだろう。シナモン、それとも骨か……」
「きっととても素敵なものですよ(略」

(P116)

なんというマザーグースか(不意打ちされた(ふきだした

「彼の"神様さえも妊娠させる"欲情的な美貌で、迫ってくる憲兵を全部妊娠させてしまえばいい。その神がかった魔力を使えば追ってこられなくなる」
「おまえ、根本が間違ってる。いくら魔的な美貌の俺様でも、一度に何十人もは妊娠させられない。リストアの魔力ならやれるだろうけど」

(P161)

この会話がひどい(男を妊娠させる男が……2
読んだ後「時計王と魔法のドレス」を書いた人だと知ってとても納得した。あちらは驚きの肌色率と肌のふれあいだった。

  1. 飴玉ではなく駄菓子屋にあった細長い棒状のもの。舐めてるとだんだん尖ってくる。なかなか食べ終わらないので途中で飽きる []
  2. じょうだんじゃなくてもいいとおもうんだ []

外道王子 (一迅社文庫 アイリス ゆ 1-1)

"魂喰らい"と死にたがりの下僕。

出版社公認のもとtwitterのfollowerに向けて試し読み公開していたときは富士見っぽい? と思ったけど読み終わってみるといやどこでもない気がする、と悩む。
電撃? いやそれ「お腹がすいたよ」からの連想でインデックスから着想だよね!

東京は夜の壁に覆われ青空と太陽を失い、世界から隔絶された。もう100年ほど前の話になる。
夜の壁は「朝子姫」という人物によって作られたものとされている。

16歳を迎えたばかりの迅京介はとりあえず死ぬことにした。
両親があまり表沙汰にできない類の探偵業をしていたため生まれた頃から常に危険に晒されてきた。その両親も死に借金が残され世を儚んで人生の終着点として訪れたのは八王子の樹海に存在する「朝子姫の廟」。
樹海につきようやく首に縄をかけたところで喋るぬいぐるみが背中にすっ飛んできた。その後はケルベロスに追いかけられ出会ったのは自殺志願者の魂を喰らっていた"魂喰らい"悪魔「メフィスト・フェレス」
しもべに選ばれた京介の今後はいかに という。

外道っていうほど外道でもなかった。

麗がちょうかっこいいな! 真昼が出てくるのを超楽しみにしていた。その結果が生首なんだけどな! それゆえに朝子とメフィストの話はすげー切ないなあとおもった

はなうたう−淵国五皇子伝− (一迅社文庫 アイリス こ 3-3)

中華系ファンタジー2巻。
5人の皇子にかけられた呪いを解いてほしいと淵国へやってきたカナンがようやくひとりめの呪いを解いたその後。

今巻は皇子の親組がちらりと登場してきますが、わたしはもしかしたら親組相当好きかもしれないと思った2巻。
なんかさよならピアノソナタのときのような既視感1
金花の残したことばの「わたしにも恋をすることができたんだわ」のところが異様にときめきです。
前皇帝のことをうたった歌含めて歌全般はときめきポイントです。

あと「車椅子を押す郷」が衝撃過ぎる。あれ2足歩行だったのか4足じゃなかったのか。
つまりこうか!

あなたをずっとずっとあいしてる (絵本の時間)

二足歩行だ。

さりげなく善が黒かった。しかしパフュームの部屋での善は思春期をこじらせている。
黒いといえば暗ですが、パンダはよくないと思います。パンダでのラフ絵がへいじつやで公開されたりしてますが、パンダよくないよ!(大事なことでもないけど2回いった)
(今夜桜四重奏の頭だけパンダのあれを思い出した)
あと暗は出たてのころはルパート様と同類のかおりがするとおもった。

P127とか超家族だった。いや今回のメインは律ですが、りっちゃんは愛という字を分解したあたりから愛い子である。

  1. あれも全巻通して一番好きなのは哲朗次点エビチリの親世代である []

宝石姫は微笑まない。 (一迅社文庫アイリス)

長期シリーズはまるで手をつけてないけど一冊完結っぽいので読んだ。
最初の印象は「MF文庫Jっぽいタイトルだなあ」でした。○○は××ない。

ルディーン王国前国王の娘、この世の宝石と謳われたセラティファーラ(ファーラ)は身を守るため、醜い風貌で寒村で暮らしていた。そこに2人の傭兵が現れた。ファーラが宮殿と共に燃え尽き死んだと思われたのが10年前、実は白金の騎士に助けられ生き延び、隣国ランディスケリアの王妃である叔母にひっそりと助けを求めたのが7年前。腕輪が叔母のもとに去年辿り着き、ようやく助けと迎えの手が伸びたのだった。
3人はランディスケリアへと向かう。

ファーラが「突然亡国の姫であると知らされる」とか「ひっそりと暮らしていた」とかそういうんじゃなくて、生きることを第1目的にして、騎士の指導のもと剣の修行をしていたり愚鈍な娘を演じている辺りがグッドなのです。
しかしなんだな融通のきかない四角四面コンビというのはなかなか萌えるな!
しかしわたしはセルツァのほうが好きなんだ。あの「いいひと」すぎるところが。

本宮さんあとがきに「床ローリング」とかあってびびる。スラングと思ってたら意外と一般名詞……?

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